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日曜日, 5月 11, 2025

土曜日, 5月 03, 2025

設計者銘板

独立したての頃、手がけた建築が竣工する興奮も手伝い銘板という直截な方法で設計者の痕跡を残した。素材は真鍮版、文字は薬品によるエッチングである。さまざまな理由で長く続けられなかったが、最近見直すことがあり復活を考えている。

木曜日, 4月 24, 2025

CB積みの開放端

CB積み目地のチカラを、施工およびデザインとして考えてみたいと、少し前に書いた。その時は触れなかったが、私は出隅をウマ積み(破れ目地)とすることが多い。いや今では必ずそうすることにしている。動きを感じる目地が、壁の囲い込みをつくり、住まいの流動性が失われることのないように端部(エッジ(edge))を開放したいと考えているからだ。偶然できた凹凸が時としてインターフォンの置き場になったりもする。

水曜日, 4月 23, 2025

フラットスラブ扁平臥梁(美しが丘の家2006)

補強CB造では臥梁の存在が強みでありまた弱みでもある。基礎と臥梁で上下に鉄筋コンクリートで緊結されたCB壁は堅牢な構造体になる。他方で臥梁の施工には材料と手間がかかり、コスト上昇の一因となっている。そこでスラブに扁平臥梁を組み込み煩雑な臥梁型枠を無くす、扁平スラブ一体臥梁であった。私たちは、もともと旧4号物件であっても補強CB造では許容力度計算を必須としていた。

月曜日, 4月 21, 2025

引込柱または受電柱のデザイン(美しが丘の家)

引込柱または受電柱は、電灯線や電話線を住宅に引き込むために敷地内に設ける。美しが丘の家では、溶融亜鉛メッキしたH鋼-200×200を利用した。H鋼フランジの陰に配管を隠している。住宅外壁に直接引き込み線による開口等を設けることがないため、外壁を傷つけることがなくまた景観上の問題を回避できる手法だ。

月曜日, 4月 07, 2025

表札デザイン(美しが丘の家)

住宅の玄関に必要なアイテムにインターホンや郵便受け、そして表札や玄関照明などがある。それらを調整するのもデザインの肝になる。写真は、「美しが丘の家(新築2005年、改修2024年)」でデザインした表札をベースにインターホン、郵便受けを一体化したものである。

日曜日, 4月 06, 2025

歴史的建造物を維持する意味

20数年前調査に訪れたマサチューセッツ・ディアフィールド歴史地区のその後をグーグルマップで覗いてみた。17~19世紀当時の街を再現した野外博物館である。旧市街のほぼ中央に向かい合っている2軒、向かって右側・白色木造ゴシック風のムーア邸と左側・黒色木板下見張りのアレン邸。2003年当時ムーア邸は修理中だったのだが6年前には綺麗に塗装されている。また2019年のアレン邸は足場が掛けられていて修理しているようだ。歴史的建造物を維持管理する意味とは、後世へ建設時の姿を素材工法の本質を変えずそのまま伝えることなのだ。この場所は、改めてそれが正論だということを教えてくれる。

木曜日, 4月 03, 2025

建築保存の正義

札幌市役所屋上から500mm望遠で撮った。当時、開拓の村への移転議論の中で現地保存が決定した時計台。今から半世紀前の1973年8月、卒業設計の準備調査として札幌市建築課へヒアリングに行った帰り。デザインサーベイという言葉につき動かされ、国道5号線の幅員までも赤信号時に横断歩道上でテープ実測している。(写真上) マチに出たついでに時計台に立ち寄ってみた。外壁の羽目板の一部に塗装が劣化剥離しているのが散見できる。北側は許容範囲内なのだが、南側の塗装が劣化剥離している。市のホームページで確認すると、7年前の2018年に外壁塗装の劣化剥離部のみを部分的に塗り直している。もちろん改修記録もある。従前通りに劣化剥離部分を再塗装し、地域の顔・重要文化財としての美しい外壁を再現する、今年がその時なのかもしれない。改修費用を心配する向きもあるがすでに予算措置されていると信じたい。国指定の重要文化財なので国庫補助50%+北海道補助25%が見込めるため、改修工事費の札幌市実質負担は25%に過ぎず、広報誌によると札幌市新年度予算は1兆2666億円という巨額であることから、予算不足を理由に出来ないはずだ。 そもそも現地保存に導いた建築史家の論理は、時代の建築をそのまま残すことで歴史の真実を記録する価値を認める。立地や平立面と共に工法や素材も可能な限り保存する、それが建築保存の正義正論であり維持費用軽減目的で安易な素材工法に置き換えるなどは曲論だ。(写真下)

月曜日, 3月 31, 2025

ブロック造の目地に宿る細部の力

補強コンクリートブロック造(以下CB造)に限定しての話ですが、CB造の強度は目地で決まると言います。つまり接合面に使用するモルタルの強度が重要なのです。構造強度上の考察は後日に譲るとして、ここでは施工およびデザインとして考えてみたい。まず全体的な積み方についてですが、縦横を通すイモ積みと横のみを通すウマ積みがあります。また仕上についてはブロックそのままを見せる化粧積があります。この化粧積の場合、不揃いなモルタル目地をコテで整えます。目地用コテは丸鋼を用いた丸コテと平コテがあります。そして縦方向と横方向、どちらを最後に引くかで見え方が異なる。つまりデザインの印象を変える力を、細部の目地が持っているのです。写真は、イモ積みの丸目地コテを縦優先、つまり縦目地を最後に引いた例です。

金曜日, 3月 28, 2025

ハビタ札幌機関紙「はびたvol.4」

ハビタ札幌機関紙「はびたvol.4」は1978年12月13日に発行された。この年、ハビタ札幌は小樽運河保存問題に深く関わることになった。小樽在住の若者仲間たちと、小樽運河に人を呼びその魅力を実証する祭り「ポートフェスティバル78」や、小樽運河の意義を対話するシンポジウム「第一回石造倉庫セミナー」を企画した。その記録・考察を特集している。こうした活動が小樽市民を主体とする保存運動の潮目を劇的に変えた。北海道の環境づくりに直接かかわることができた建築家集団「ハビタ札幌」は、この機関紙発行を最後に1979年解散する。

水曜日, 3月 26, 2025

ハビタ札幌機関紙「はびたvol.2」

印度にサルナートという仏教遺跡がある。現在はレンガ造の建物基礎が点々と散在している広大な遺跡公園になっているようだがその中にレンガでつくられた巨大なダメ―クストゥーパという仏塔がある。私はちょうど50年前、訪れたことがあるのだが、レンガと聞くと、その圧倒的な存在感を今も鮮烈に想いだす。 ハビタ札幌機関紙「はびたvol.2~1977年12月14日発行」は「レンガ考」でWACが責任編集した。レンガを仕上に用いた「札幌の家・自邸~1968」の設計者・上遠野徹さんのインタビューなど精力的な取材が満載である。WAC(Women Architect Club)は、北大・越野武先生の門下生が中心メンバーだった。

火曜日, 3月 25, 2025

継承されたコンクリートブロック住宅

本日発売のリプラン誌148号、20年前に設計した住宅が掲載されています。数年前、若い所有者に替わり改修させていただいた。その機会に住宅の何が気にいったのかと尋ねたところ、コンクリートブロックの古びた良さだと教えてくれた。その経年変化が価値なのだという。なるほど今となってはスルーしたいデザインもあり、嬉しさ怖さ半々ですが。ともあれ私のベンチマークであるコンクリートブロック住宅がひとつ、地域に残り次の世代に引き継がれたのを感謝しています。

月曜日, 3月 24, 2025

ハビタ札幌機関紙「はびたvol.1」

49年前のこと、1976年、北海道札幌を拠点に活動した建築家集団、正式名称は北海道の環境を研究する会が組織された。 会の主な活動は様々な分野の専門家を招き講演会・勉強会等であり、札幌市中央区の竹山実建築綜合研究所札幌分室(アトリエインディゴ)を会場に月一回程度開催した。 (注:ジャパンインテリア「アトリエインディゴ特集」P29に紹介記事が掲載されている) 建築家・竹山実は、建築が広く文化をベースに立脚するべきだ、と考え自らのアトリエ(アトリエインディゴ)を解放し文化活動の場となることを望み、旧知のアーバンデザイナー・梶田清尚に勉強会の場を提供したのだった。 そうした竹山実の意向を受け、ハビタ札幌は建築だけではなくアートから文学、技術、社会問題など幅広い自由な発表や交流を実施した。 代表者は梶田清尚(かじたきよたか)、コアメンバーとして泉徹、狩谷茂夫、駒木定正、藤井清美、山之内裕一など。 会発足の翌年1977年には機関紙「はびた」を発刊した。会の活動は1979年まで続いた。

日曜日, 3月 23, 2025

3月といえどまだ雪の中

先日、札幌市内南区某所の打ち合わせの帰り道に旧作の前を通った。2000年に竣工した住宅で、今年25年目になる。竣工時の外観がそのままで、定期的に良い維持管理をしている建主に感謝している。

水曜日, 3月 12, 2025

ハビタ札幌機関紙「はびたvol.3」

かつて「ハビタ札幌」という建築家集団があった。1976年から1979年までの期間に若い建築家の卵たちが勉強会を企画していた。当時20代半ばだった私もその一員として参加している。勉強会や講演会等の熱気を伝え記録として残せないだろうかとの思いで機関紙を数人のコアメンバーで作った。第3号が「現代美術を考える」だった。北海道にゆかりのある現代美術の表現者たち9名ほどが開催した展覧会「’77北海道現代作家展」(札幌時計台ギャラリー)のシンポジュウムを紙上再現している。石垣光雄、大滝憲二、国松明日香、佐々木謙二(方斎)、佐々木徹、中山信一、花田和治、宮前辰雄、山内孝夫(敬称略)の各氏が展覧会についてコメントしている。

日曜日, 3月 09, 2025

住まい再訪・美しが丘の家

週刊ブロック通信2月号への寄稿です。建築専門誌リプランの取材に同行しました。

日曜日, 1月 26, 2025

ねじのある建築現場

とある住宅現場で外壁まわりに使用されている「ねじ」を並べてみた。ざっと7種類あった。 外壁は厚さ15mmのカラマツ羽目板を大和張りしている。大和張りは縦張りだから横胴縁が下地。 またXPS板厚100mmの断熱材を外貼りしている。そのため一番長い「ねじ」は180mmだ。 建築史の村松貞次郎博士によると、江戸時代はねじの無い文化、だったという。 金物を使用しない伝統工法の木造建築は別として、現代の建築現場に「ねじ」は欠かせない。 建築大辞典(彰国社)によれば「ねじ」は総称で、そのうち小型のものをビス(VISE,VIS)という。 たかがねじ(ビス)なのだが、奥が深い。さあ、明日からまたねじを巻いていこう。

月曜日, 1月 13, 2025

建築への捧げもの

ビタレスクの鈴木さんが提供してくれる月曜から始まるカレンダーがある。13日の月曜日は今年の3週目。今年は52週なのですでに4%ほどが過ぎ残り50週がスタートした。

週刊ブロック通信の令和7年1月1日「ブロック造住宅の系譜」今年の初めての投稿は、建築への捧げもの。私たちの設計行為はすべて建築に捧げられているのだ、ということを今年も発信していきたいと思う。