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土曜日, 5月 24, 2025

七飯町とCONCORD

かつて新しい町役場を設計する機会があった。現地には古い役場庁舎が建っていた。木造モルタル塗りのシンプルだが威厳のある佇まいだった。建設敷地は、スギ林のある高台に向かって古い役場庁舎の背後にある敷地だ。そこは七重官園と呼ばれた明治期に農場があった場所で、北海道農業の礎を築いた場所でもある。エドウィンダンやホイラー(写真下はCONCORDにある円山館と称されたホイラー邸)といったお雇い外国人に縁がある。話を戻そう。設計期間と施工期間を費やした2年後、新しい町役場庁舎はめでたく完成した。地域の素材と形態としてレンガや塔を備え、外断熱工法技術と合理的な平面計画が実現できた。第二回公共建築賞の栄誉と評価もいただいた。設計チームの当事者として設計監理に始めから終わりまで関わった私の喜びは、40年を過ぎた今も変わらない。ところで、古い役場庁舎は残せなかったのだろうか?今頃になって思っている。今ならきっと(声を大にして)記念館として残すべきだと言うだろう。かのCONCORDの歴史的な建築を残した魅力的な街並みを(2003年に)体験した後ではさらに強く思うのである。七飯町とCONCORD(米国マサチューセッツ州)は姉妹都市である。

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