Powered By Blogger

水曜日, 12月 18, 2019

コンクリートブロックマニア~キッチン

コンクリートブロックでいろいろな家具や器具を作ることができる。今回はキッチンを作った。コンクリートブロックはベースユニット、天板のステンレスを台座として支えている。内側にミーレの食洗器を格納した。独特の存在感は画像を見ていただくとわかる。


月曜日, 12月 16, 2019

コンクリートブロックマニア~ブロック造二重壁工法

左側から右側へ~外装材+空気層+断熱層+内部躯体、縦横つなぎ鉄筋。

「ブロック造二重壁工法とは、補強コンクリートブロック造を外断熱し、その外装仕上げにブロックを化粧積する工法をいう」(鈴木憲三氏、2006年日本建築学会技術報告集第16号より抜粋)北海道のコンクリートブロック造は、外断熱化の必要から内部を構造躯体に、外部を外装材とし、中間部に断熱層を設けた二重壁ブロック造住宅が出現して197080年代に一世を風靡した。内外共にブロックが見え、モノリシックでマッシブな壁体を表現でき、さまざまな設計の要望に応えることのできる工法になった。構造は、基礎と臥梁に挟まれたブロック壁体を鉄筋でつなぎ、ブロック強度および壁量と配置のバランスを考慮し調整する。中間部の断熱材は耐久性のあるポリスチレンボードを躯体側に固定する。外装材は帳壁として自立させ、倒れこみを抑えるためクランク状のつなぎ鉄筋を縦筋に絡め固定している。またコンクリートブロックの蓄熱性を生かした室内温熱環境が期待できる工法である。

土曜日, 12月 14, 2019

コンクリートブロックマニア~オキナワブロック

オキナワブロックは、魅力的な材料である。
「小屋群住居A」のキッチンと食卓に面するコンクリートブロック壁を何らかの方法で明るくする必要があり、いろいろ探している中でオキナワブロックという名称の透かしブロックいわゆる花ブロックに出会った。北海道の現場へ、生産地の沖縄から日本列島を縦断。




キッチン横のコンクリートブロック壁に14個のオキナワブロックを組み込む。光が透過する。

火曜日, 12月 10, 2019

連結農家、アノニマスな住居




最後の図は、数世代を経て成長した「連結農家」の姿です。南北方向に走る道路に沿って建てられた家屋が、道路に近いほうから順に奥へ向かって増築されています。風土の季節風の影響を避け、太陽の恵みを最大限に享受するかのように南側に庭が作られている。北海道と同じ冬の季節が厳しい米国NH(ニューハンプシャー州)の例です。また写真は、農家と断定することは出来ませんが同様に連結する建築として出会ったMA(マサチューセッツ州)の事例です。これらの観察から私の「小屋群住居」の発想が生まれたのです。

水曜日, 12月 04, 2019

ブロック造住宅の系譜20191125


週刊ブロック通信11月25日号に「北海道のコンクリートブロック団地」を寄稿しました。

11月12日に行った町営住宅の見学レポートです。
以下、文面を載せます。北海道のコンクリートブロック団地

1960年代から70年代にかけて、北海道で大量に供給された簡易耐火平屋建コンクリートブロック造公営住宅(簡平CB造)が、現在どうなっているのか知りたいと思っていた。先日、新ひだか町役場で公営住宅を担当する亀田主査の案内で静内神森(しずないかみもり)団地を見学する機会があった。馬産地として知られる日高地方は、太平洋と日高山脈にはさまれた海岸線に沿って街が点在している。静内神森団地はそうした街と海を見下ろす一画にある。今から10年ほど前、全面リフォーム工事された。トータルリモデルと呼ばれる公営住宅整備事業。構造性能を検証したうえでCB造躯体を残し改善された良質のストックをつくる。ここでは、簡平CB造棟は、5棟のうち2棟を解体し3棟配置とした。隣棟間隔を広げ、駐車スペースを確保。長屋形式の4戸1棟となる。
今回、事前に5~60年前の簡平CB造も見学し、全面リフォーム後の変化が確認できた三点について述べたい。第一に、躯体コンクリートブロックをそのまま残したことが最大の特徴。外部は、スカート断熱を採用した基礎断熱で全面外断熱された。開口部は樹脂サッシでペアガラス。熱交換換気を組み合わせて高性能な温熱環境を確保している。
第二に、内部は床下全面に捨コン打設し束立て床組みすることで室内化した。改変されたのは、水まわり、床の段差、建具の幅など、
内部の飛躍的な変化が見られた。第三に、居住者と管理者の関係。当事者間のやり取りから合理的に考えられている、ガス機器などはリース契約。居住者への配慮も多く、玄関前に増設された木造ポーチは寒い北風と積雪から守ってくれる。玄関まわりでは居住者による改変が見受けられた。ファサードに愛着とアクセントを作り出しているのだが、こうしたことも住宅風景として大切なことだ。
第一種換気の給排気フードが小屋根に見える。
外断熱のため外壁総厚が300mm程度になる。

火曜日, 12月 03, 2019

小屋群住居を考える1


20191129日の建築学会北海道支部建築作品フォーラムにおいて、
司会者から質問があった件の説明です。

小屋群住居は、個室群住居とどう違うのかという質問がありました。
想定していなかった質問なので、正直なところ答えに窮しました。
ここで改めて考えをまとめてみようと思いブログにしました。
司会者が言う個室群住居とは、1970年前後に黒澤隆さんが発表したもので、
家族の関係性をいわば抽象化してプランニングに落とし込んでいくものです。
具体的には、家族の例えば夫婦の個室をそれぞれ独立したプライベート空間とし、
居間などの共通部分をパブリック空間と定義、その関係性を考察するものでした。

その後、昭和から平成の時代の中で家族の在り方とその多様性に対応するように、
建築領域よりはむしろ社会学の分野でより深化し展開した問題意識と考えています。
家族意識やいわゆるジェンダー論、上野千鶴子さんの女性学などの方向でしょうか。

黒澤隆さんの個室群住居は、抽象化した優れたプランニング論であったと思います。
一方、私の小屋群住居は、むしろ具象化でありデザイン方法論だと思っています。
日常生活が営まれるアノニマスな建築観察から発想したタイポロジ―で、建築的です。


例えば建築家なしの建築に見られるような長い時間をかけてつくられた群としての建築をはじめから仕掛けることによって、物語性を建築に与えることができると考えたのです。
幾世代もにわたり増築されてきた農家住宅を観察すると、物語を発見することができる。
そうした物語には豊かな人間の歴史が語られているものです。
そのプロセスを逆にさかのぼる。あえて初めに形をつくるアプローチがあると思います。

小屋群住居は、具体的な家族の風景を込めた住居単位(小屋)をつなげていくこと、
いわば具象を抽象的に構成するプロセスを建築化する作業です。
最近出会った言葉があって「歴史を模倣する」という言葉ですが、
これが妙に腑に落ちました。
模倣は、データを駆使するAIが得意な分野ですから、これからの時代に展開していく予感があります。

どなたか一緒に考えてくれる方がいらっしゃいましたら是非お声をかけてください。