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火曜日, 8月 23, 2011

現場が始まる

札幌市豊平区で、住宅の現場が始まりました。住宅といっても、ちょっと特異です。クライアントさまの道場を併設した、堂々とした3階建ての住宅です。現在は、建物の位置を正確に敷地に落とす、遣り方(やりかた)の段階。数日後には、地盤改良杭の施工が始まります。

水曜日, 7月 27, 2011

夏の訪問者

写真中央にセミ
26日、庭で蝉(せみ)を発見。クリスマスローズの葉の下で羽化し、抜け殻を残し陽の当たる葉の上に移動してじっと羽を乾かしている。エゾゼミだろうか。先日は大雨の後、庭でカエルが鳴いていた。きょうは、こんな小さな庭にも素敵な夏の訪問者が来た。住宅には、小さくても土のある庭が欲しいものです。

トリミングしてクローズアップ


土曜日, 7月 16, 2011

駅逓(えきてい)

札幌市の隣、北広島市にある国の指定史跡「旧島松駅逓所」。

駅逓は、交通不便の地に駅舎と人馬を備えて、宿泊と運送の便をはかるために設置されたもので、その起源は寛政11年(1799年)蝦夷地に置かれたものをはじめとする。(案内パンフレットより)木造平屋の建物で、明治6年(1873年)に最初の建築がなされ、その後の改修を経て現在に至っている。
この場所で特に有名なのが、米国へ帰るクラーク博士が見送りにきた札幌農学校生達へBoys be ambitiousという別れの言葉を送った、というエピソード。
私は札幌に住んでいながら、今回初めて内部を見学した。国道36号線を千歳へ向かって右手に入る。

イオニア式の柱頭が付いている記念碑の洋風と駅逓の和風が時代を表す


木曜日, 7月 14, 2011

緑のチカラ ~六花文庫

六花文庫は、札幌・真駒内にある図書施設。食の本を一般開放。朗読会やブックバザールなど地域に根ざしたイベントを開催。(施設説明文より)

蔦におおわれた外観、窓ガラスと屋根のスカイラインだけが見て取れる。なんとも柔らかいファサードのマチエールである。聞けばもともと住宅併設の医院だったそうだ。銘菓で名高い六花亭が展開する文化事業の一環だそうだ。それにしても、緑にはココロを癒す力がある。
駐車場から喫茶コーナーの窓が見える。奥に書棚。
正面ファサード。
自動ドア。
図書コーナー。職員が常駐している。
マキストーブがある。初雪にあわせて火を入れるという。
スタッフオンリーの二階。

 

火曜日, 7月 12, 2011

ティンバライズ・コンクリートブロック

ティンバライズ建築展にて
先日、北海道工業大学図書館ギャラリーで開催された、ティンバライズ建築展は刺激的な内容であった。ながく法規上制限されていた木造建築が技術の革新に裏付けられて、10年前の2000年に改正された。都市に木造建築を、という問いかけである。

コンクリートブロックの下階に木造の上階を乗せる。いわゆる混構造の提案は、コンクリートブロック造の蓄熱性能や耐久性能と、木造の良さを併せ持つものとして多く試みてきた。
木造のフラットスラブであるマッシブホルツに、コンクリートブロックの壁体を組み合わせる。展覧会を見終わった後にこんなアイディアが浮かんだ。
「ティンバライズ」とは、木を新しい素材としてとらえ、新しいものをつくり出すという造語。(ティンバライズ建築展パンフレットより)

1階はコンクリートブロック、2階が木造の「厚沢部の家」 ©安達治


火曜日, 7月 05, 2011

カエルの歌が

4日は、午前中から雨が降り午後には上がったものの湿度が高い一日だった。

夕方、どこから迷い込んだものか庭から蛙(カエル)の大きな鳴き声が聴こえてきた。夜中には聴こえなくなったから、どこかへいってしまったのだろう。それにしても、いったいどこから来たというのだ。一番近い水辺からは300メートル以上離れているし、途中はアスファルトの道路だらけである。雨に濡れたアスファルトの道路を渡ってきたのだろうか。昼休みの休憩時間に、蛙の気持ちになって水辺まで歩いてみた。

上:カエルの声が聴こえた庭 下:300m先の水辺


日曜日, 7月 03, 2011

コンクリートブロックの住宅を緑の中につくろう

2日(土)の午後、札幌市南区にある札幌市立大学芸術の森キャンパスで、建築家・坂本一成氏の講演会があった。講演は、1960年代後半から現在まで40年以上におよぶ「設計しながら考えてきたこと」を作品毎に丁寧に解説していくという非常に分りやすいものでした。好ましいものをつくりたい、つくりたくないものを排除する。自由な空間をつくるのが最大のテーマ。と、決断力に裏打ちされた強度ある言葉を静かに語られた。場所を移しての懇親会で、答えの出ない質問になるとわかってはいたが初対面の坂本先生にご意見を伺った。街なかの市民に愛されている建物が経済合理性で建替えられてしまう現実を、どう思いますかと。即座に、文化財にでもならない限り残すことは難しいですね、と実に真摯にお答えいただいた。
緑の中にあるキャンパスは美しく、いつまでも残ってほしい風景。そして、緑の中で映えるコンクリートブロック住宅を作りましょう。

藻岩下の家 ©安達治


土曜日, 7月 02, 2011

コンクリートブロックで住宅をつくろう

SHINKOTONI HOUSING 夏1986        ©安達治


SHINKOTONI HOUSING 冬1985        ©安達治


住宅建築を造っている素材は時間とともに朽ちていくもので、さまざまに手を入れながら使い続ける。そういった当たり前のことが経済性というモノサシで測ると、壊して造りなおしたほうが安く上がるという結論に導かれてしまうことがある。商業建築などは数年で初期投資を回収できれば、あとはスクラップアンドビルドのスパイラル地獄が待っているのだと、自嘲しつつ妙に納得させられた。いまそれを言い訳はしないが、変わってしまうことに鈍感になっていないだろうか。住まい手が愛着を持って暮らしている住宅は美しい。時間が経っても古びないむしろうまく歳をとることができる住宅を作りたいと考えてきた。コンクリートブロックの住宅シリーズはそうした一連の試み、こころあるクライアント募集中です。

日曜日, 6月 26, 2011

札幌、小樽

24日(金)、札幌市内で建築家・竹山実さんが講演された。JIA北海道支部住宅部会の活動の一つに顕彰がある。ハルニレ賞(大賞)、フキノトウ賞(新人賞)、アカシア賞(集合住宅賞)、そして今回わたしたちが竹山実さんへ感謝を込めてお贈りしたキタコブシ賞(北海道の建築文化貢献賞)の4つ。講演は、聴衆の年齢層を考慮してアンビルドの建築、つまりコンペ案や実施が見送られている計画案の連写で、まさに設計こそが建築の源であるようなどこまでもピュアでアグレッシブな話。「建築は建てるだけではない」と。「村野藤吾さんのように建築が好きになる」ように年齢を重ねるのが目標と、会場からの質問に優しく答えていただいた。

記念講演会場の内田洋行ユーカラ。

講演直前に控え室で、笑顔の竹山先生。

25日(土)、東京大学名誉教授・内田祥哉さんが小樽に来られた。「北の民家の会」講演への合間を縫って昨年修復工事を終えて一般開放されている祝津茨木家中出張番屋を見ていただくためだ。早く文化財の指定を受けるようにとのご助言をいただいた。太い柱梁の大胆な構造架構に目を輝かせて興味津々のご様子。竹山さん77歳、内田さん86歳、おふたりの大先輩に敬服。
保存に奔走した駒木定正氏の説明に熱心に耳を傾ける写真中央の内田先生。

日曜日, 6月 19, 2011

LED照明

2008年の小樽公園通教会の改修では、構造補強として新設した鉄筋タイバーを利用して照明器具をデザインしています。高所に設置するもので、取替えがあまり必要ではなく長寿命で省電力のものとして当時発売されたばかりのLED照明を採用しました。


2009年の旭川友の会友の家別館新築工事では、託児ホールの天井照明として採用しました。予算の制約もあって、レセップを天井直付けしています。床材のコルクタイルを切り抜いて天井に貼り付けました。写真は、切り口をマーカーで黒塗りしたネコのつもりです。

今年からは、いよいよ一戸建て住宅の設計で導入を検討しています。省電力省エネの追い風に乗って、電気メーカー各社が競って優れた製品を開発していますので楽しみなところです。

金曜日, 6月 10, 2011

ソーラー噴水復活2011(solar fountain #22011)

10日、朝から好天。昨日倉庫から取り出したばかりのソーラー噴水がカラカラと小さなモーター音を響かせ勢いよく復活した。1m以上も水しぶきを上げている。ふと太陽の力は素晴らしいと気づく。

木曜日, 6月 09, 2011

庭と玄関

北国札幌は、6月に入りすっかり初夏の陽気です。この週末には恒例の「よさこいソーラン祭り」が我が事務所の真裏の新琴似会場で見ることができます。そんなわけで、緑濃い庭と事務所の玄関周りの風景です。
事務所玄関風除室~今日はにわか雨、傘たての壷とネコの置物
庭もすっかり緑です~ソーラー噴水が復活です
事務所外階段~レンガの小端立

火曜日, 6月 07, 2011

6月5日

5日、日曜日に小樽の祝津へ向かった。茨木番屋の所有者・茨木家の当主が修復なった番屋を初めて訪れるというので建築関係者として案内と説明をすることになっていた。棟札によると、5日は上棟である。明治45年、99年前のことだ。
今回の修復工事の進め方や建物自体の歴史的な位置づけを大所から判断してくれた北海道職能大の駒木氏が手際よく説明を終えた頃、北後志ツーリヅム協議会の小川原氏がかけつけた。小川原氏はアーティストでもある。見事な字体で番屋の大看板を書いてくれた。

今回はじめてお目にかかったのだが、玄関上に鰊のサインがある。もうこれは、山口さんのものだ。木彫りをするために、わざわざ市場で鰊を調達したという。実はこの日の午前中、大学時代の友人で現在秋田在住の嶋崎氏が番屋を訪れ、展示の中に山之内の名前を見つけて名刺を置いていった。秋田は、この番屋を施工した棟梁の出身地でもある。99年の時空を経て、施主の子孫と施工者の同郷の友人と修復を担当した私達がそれぞれの想いでこの場に集うことになった。

木曜日, 6月 02, 2011

BCN(バルセロナ)のベンチ

サッカーのヨーロッパ選手権で勝ったバルセロナ。ホームスタジアムのカンプノウを外から見たことがあった。1週間ほど滞在したホテルから歩いて数分のところにある地下鉄駅コイブランへの行き来の途中で見た。あいにくこのときはチームが遠征中だったものの、スタジアムの中だけでも見ておけば良かった。


札幌ドームの2倍以上9万人もの観客席はどんなだったろう。地下鉄駅ホームのベンチが壁と一体になっている。まるでサッカーのベンチのように見える。

アトリエ・インディゴ

今から30年以上前、1970年代の後半、札幌のアトリエ・インディゴは地元の若い建築家のたまり場だった。言うまでもなく、アトリエ・インディゴは建築家・竹山実さんの札幌事務所だった。月に数日程度、事務所スペースを開放して、数々のイベントが催された。当時のスタッフだった宮下勇さんにあとから聞いた話では、イベントの度に自分の仕事机を撤収し、仕事を中断しなければならない所員の苦労は大変だったらしい。時には、イベントが終わって一度帰宅してから真夜中に出勤しなおすこともあったという。そうとは知らず、参加者の私たち若者は勝手に我が世の青春を謳歌していた。旬なゲストのお陰で、北海道に居たのにもかかわらず、時代を共有できた。皆がこの場を舞台に教えられ育てられた。


その竹山実さんにJIA北海道支部住宅部会から賞が贈られる。地域の建築文化に貢献したという理由だ。

                                                

土曜日, 5月 21, 2011

小樽祝津鰊まつり


外壁塗装色が落ち着いてきた茨木家番屋の外観です
 21日午後、祝津鰊まつりということで小樽祝津へ向かいました。あいにくの小雨模様でしたが、会場の広場には鰊焼きの香ばしい臭いが漂っていました。茨木家番屋へは、久しぶりの訪問です。
まつりの期間中は無料開放ですが、普段は運営団体のNPOの担当者が常駐し入場料をいただいています。ちょうど、番屋めぐり案内ボランティアのみなさんが集合していました。
番屋を中心にした手作り感いっぱいの祝津観光の運営も様になってきたような印象を受けました。
私たちが作った図面も展示されていました

まつり広場にて鰊焼きを楽しむ皆さん

祝津の岬を守る日和山灯台です



金曜日, 5月 20, 2011

まだ山頂には雪がありますが

19日午後、小樽市銭函のポリテクカレッジへ向かう。打合せ後に校門から見た手稲山頂はしっかりと純白の雪冠が載っている(左側)。一方手前の麓の山はというと、緑が濃くなっている(右側)。
この週末は、小樽の祝津で「鰊まつり」があります。暖かな両日になると嬉しい。昨年、修復工事の設計監理をした茨木家番屋も開放されます。ぜひ小樽へ、お越し下さい。

水曜日, 5月 11, 2011

ながく住まう家の特長

「ながく住まう家」のネーミングは、今回の売主(株)札都さんが推進する「認定長期優良住宅」によるところが大きい。その目的は、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅の普及を促進することで、環境負荷の低減を図りつつ、良好な住宅ストックを将来世代に継承することで、より豊かでやさしい暮らしへの転換を図る。」(国土交通省HPより)のであり、誰も異論はない。いくつかの認定基準を満たすことで、晴れてお墨付きをもらうことができる。もちろん、これだけで豊かでやさしい暮らしが実現できるわけがないことは自明。ここまでが50%、残りの50%は言うまでもなく建築の力。私たち建築家の出番ということだ。
                                                    
                                                       
                                                     
                       (国土交通省HPより)