今から30年以上前、1970年代の後半、札幌のアトリエ・インディゴは地元の若い建築家のたまり場だった。言うまでもなく、アトリエ・インディゴは建築家・竹山実さんの札幌事務所だった。月に数日程度、事務所スペースを開放して、数々のイベントが催された。当時のスタッフだった宮下勇さんにあとから聞いた話では、イベントの度に自分の仕事机を撤収し、仕事を中断しなければならない所員の苦労は大変だったらしい。時には、イベントが終わって一度帰宅してから真夜中に出勤しなおすこともあったという。そうとは知らず、参加者の私たち若者は勝手に我が世の青春を謳歌していた。旬なゲストのお陰で、北海道に居たのにもかかわらず、時代を共有できた。皆がこの場を舞台に教えられ育てられた。
その竹山実さんにJIA北海道支部住宅部会から賞が贈られる。地域の建築文化に貢献したという理由だ。
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