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木曜日, 3月 18, 2010

暖かい光

17日、東芝ライテックでは白熱電球120年の歴史に幕をおろし、生産を終了したという。その理由は1973年ピーク時の1/10まで減少した生産量、今後はエネルギー効率の良いLEDや電球型蛍光ランプを生産するのだという。1973年といえば、まさに私が建築学生の頃、ローソクの光に近いという理由で白熱灯を熱く信奉していた時代だ。今、私たちのクライアントは省エネを是とし、また演色性にすぐれた白熱電球にかわる蛍光灯電球やLED電球も身近になった。写真は、いつまでも生産を終了することがないだろうローソクの暖かい光。

水曜日, 3月 17, 2010

スケルトン模型

設計の意図を整理するために、また施工手順を打合せするために骨組みの模型を制作することがある。実際に手で荷重をかけてみて、模型自体の強度やたわみの傾向をある程度推測することもできる。写真は、「白い陸屋根の家」のもの。

火曜日, 3月 16, 2010

スケッチ(sketch)

いつも私は、手を動かしながら考えている。5年前の「白い陸屋根の家」のスケッチを見ると、交差点に囲まれた特有の敷地で車の騒音や季節風への配慮をしていたことがよくわかる。実は室内は意外と静かなのだが、それは雪が適度な吸音材料になっているからだと考えている。

日曜日, 3月 14, 2010

白い陸屋根の家

昨日、札幌市北区にある「白い陸屋根の家」に向かいました。冬の状態を見ておく必要があったからです。写真は、建物まわり。施主自作の、物置が別棟に可愛らしく建っています。カーポートの冬用引戸のルーバーから柔らかな光が差し込んでいました。

   西側
 北側
  冬用引戸

土曜日, 3月 13, 2010

イメージスケッチ

3月も中旬、小樽市祝津の茨木家番屋の工事が本格的に動き出している。建物の中に埃まみれの状態で多数の建具が出てきた。できる限りそれらを有効利用することになり、いま当初の計画を修正しつつ内部のイメージを固める作業をしている。先日は、座敷の畳の下から炉が出てきたり、入口の畳の部屋は、板の間の上に束立てしていたこともわかった。まさに遺跡を発掘し、修復する作業である。
板の間から土間、座敷を見るかまどから土間、玄関を見る

月曜日, 3月 08, 2010

住宅エコポイント

8日、朝日新聞の朝刊一面に住宅エコポイントの記事が載った。記事にもあるように、昨年は新築住宅着工件数が1960年代後半の水準に落ち込んだ。その打開策として、住宅版エコポイント制度が期待されている。今日から受付が始まる。建築家の立場からは、設計監理報酬にポイントを使ってもらいたいところ。おおむね工事費の10%程度が設計監理報酬とすると、工事費で300万円相当の設計監理業務が可能になる。設計監理報酬は、ポイント還元される商品券や電子マネーで支払いができそう。
朝日新聞より

日曜日, 3月 07, 2010

3D映画

先日、評判になっていた例の3D映画Avatarを見た。予想を裏切ることのない、まさに立体視。素材感や質感がよりリアルで鮮明に感じられる。悪役とおぼしき人物がパットの練習をしている場面があるのだが、ゴルフボールが手前に転がりながら近づいてきた瞬間、思わず3Dメガネを外して確かめたほどだ。誰にでもあるあたらし物好きのココロを納得させるいままでに体験したことのない感覚だった。


最近読んだ「武士道」のなかで新渡戸稲造は西洋人のあたらし物好きを「流行でさえ、単なる虚栄心の気まぐれとは考えていない。逆にこれらを、人間の飽くなき美への探究心とみている。」と述べている。

このあたらしさは、建築家の日常業務でいうと「図面やパース」に対する「模型」といえば例えがベタすぎるだろうか。写真は、映画のポスター。

土曜日, 3月 06, 2010

小屋組み

小樽祝津の鰊番屋の修復工事が本格的に始まり、遺留品が整理され明るくなった室内で存在感のある独特な小屋組みが興味深い。基本はキングポストトラスなのだが、桁行(けたゆき)方向に方杖(ほうづえ)が斜めに棟木を支える桁行方杖が特長。トラスと桁行方杖のY字斜材が直交し小屋組み空間にリズムを与えているようだ。寄棟部分には鬼束と呼ばれる方杖もみられ、先人の工夫と格闘の後がうかがえる小屋組みには興味が尽きない。
(図面は、北海道職業能力開発大駒木研究室作成)
梁間

桁行
        
       

              

見上げ

水曜日, 3月 03, 2010

大通公園

3日、5年毎の設計事務所登録更新の手続きに建築士事務所協会へと向かう途中で5丁目まで大通公園を歩く。

ここは、ほんのひと月前までは雪祭り会場でにぎわっていた場所で、祭りの名残雪がみえる。
日中でも寒いきょうは散歩や遊んでいる人もなく、ひたすら急ぎ足で歩く人たちばかりだ。
きょうはひなまつり、事務所に戻り桜餅を食べてから写真を撮った。雪像も桜餅も私の目の中にあります。


火曜日, 3月 02, 2010

カタログ

昨日、ビタレスクのSさんが新しいドムスウィンドウのカタログを持って来所された。今までの現地から送られてきたものではなく、全面的に自ら日本語で作り直したのだという。


ドムスウィンドウは、昨年、旭川友の家で使用しみなさまにたいへん好評をいただいた木製断熱窓だ。第一の特長は、MSE(フィンランドでの呼称で、内部ペアガラス+外部単板ガラスの2重サッシ)システム。第二に内開きサッシ。第三にブラインドが内蔵可能。もちろん熱還流率の数値もトップクラス。学生時代にフィンランド留学経験のあるSさんにとって、ドムスグループ社は家族同様の親交がある大切なパートナーだという。まぎれもなくフィンランドからの輸入品だが札幌在住のSさんが心を込めて取り扱うドムスウィンドウは、ある意味で北海道産品なのだと私は考えている。
旭川友の家 2階 図書ギャラリー

月曜日, 3月 01, 2010

住宅展終了

昨日28日(日)で、「北海道の建築家による住宅展」が無事終了しました。今回は、JIA北海道支部が編集した「建築家カタログ第4集」の出版記念展で、しかも4日間の短期開催でした。ご来場の皆さまありがとうございました。写真は、ポストカードサイズで展示した「山の手の家」。

土曜日, 2月 27, 2010

住宅展開催中

「北海道の建築家による住宅展」が24日から28日まで、札幌市中央区南2西2ブロックビル4階、「ほくせんギャラリーivory(アイボリー)」で開催されています。28日の最終日は18:00までです。
山之内建築研究所の過去20年間の住宅を凝縮したパネル展示をしています。
今年からのさらなる一歩を踏み出すために、という意味合いがあります。ぜひご覧下さい。展示も一工夫しました。

木曜日, 2月 25, 2010

雪の山

25日は、雪が融けてゆくのが目に見える暖かい一日でした。手稲前田森林公園近くの「雪捨て場」では、白い雪山の表面が融けて雪に混じっていた土砂が全体を覆い土の山が出現している。この山がすっかり消えるのは例年5月の連休頃だから、北海道の冬は油断できません。反対側には38年前、札幌冬季オリンピック会場になった手稲山が見えています。
雪捨て場

 手稲山

火曜日, 2月 23, 2010

住宅展

JIA北海道支部が編集している「建築家カタログVOL.4」の出版を記念して、明日24日(水)から28(日)までの日程で、札幌市中央区南2西2「ほくせんギャラリーivory」にて展覧会が開かれます。写真は設営が終了した山之内建築研究所の展示です。会場へ、ぜひお越し下さい。

月曜日, 2月 22, 2010

週末

20(土)午後から、リプランイベント建築相談会への出席のため札幌市内西区のリプラン本社へ向かう。最近の住宅設計での傾向をクライアント目線でプレゼンテーションしました。相談会にいらっしゃった皆様ありがとうございました。


21(日)午前中、小樽祝津の茨木鰊番屋にて土地建物所有者の茨木家当主が見守る中、所蔵品の調査と仕分けをおこなった。魚網や浮きなどの漁具、碇(いかり)などの船具が残されています。
碇(いかり)や魚網

午後から、札幌に移動して昨年11月に亡くなった北海道の建築家・上遠野徹氏を「偲ぶ会」に出席。遺影の下台にたくさんの小さなロウソクが並べられ、300名を超える来場者の献花の列に私も加わりました。ロウソクの繊細な炎の光が揺れて輝き一人の建築家の壮大な人生を讃えるかのようでした。そして角幸博北大教授の司会で船木幹也、下村憲一、圓山彬雄、豊嶋守各氏のJIA北海道支部歴代支部長による座談会がおこなわれました。

夕刻からは、場所を移して食事をしながらの「偲び会」。写真はその一場面。故人と親交のあった編集者の平良敬一氏と故人の一番弟子でもあった圓山彬雄氏が感慨深く思い出を語られた。
その場で、私も数十年ぶりに旧知の建築家や知人たちと感動的な再会ができたことを感謝したい。
中央は上遠野徹氏の遺影

土曜日, 2月 20, 2010

株立ち

1円になり値がなくなってしまったJALの株のことではなく、樹木の幹が根から分かれ植栽されている状態をいうのだが、人工の庭が自然のままに見えることから私は好んで植えている。


今日、20日午後から西区山の手の「リプラン本社」での建築家相談会にこの話をしようと考えている。お待ちしていますので、是非お越し下さい。

木曜日, 2月 18, 2010

ネコの居場所

我が家の主暖房は、20年前に入手した小樽川辺石油製のポット式灯油ストーブで、ポットつまり寸胴鍋のような容器に注がれた灯油が過熱しガス化することで完全燃焼する仕組みだ。シンプルな機構と炎が見えるところが気に入って手放せない。かつては広く使われていたようで懐かしいと言いながら火のつけ方を教えてくれた客もいた。以前、小樽の北一ガラス店舗内にも設置されていた記憶があるのだが、とうに生産中止で部品交換はおろか修理もままならない。かろうじて分解清掃だけは隔年におこない現在に至っている。耐熱用に積んだコンクリートブロックが適度に蓄熱してネコの一番のお気に入りの場所になっている。

火曜日, 2月 16, 2010

冬鳥

隣家の庭木に小鳥のえさ台があるためか冬鳥が群れをなして訪れている。今日は見上げると路上の電線に整列していた。小雪がちらつくなかiPhoneを取り出しカメラに収める。シャッター音がスタートを合図して、競争するかのように一斉に飛ぶ「つぐみ」。

月曜日, 2月 15, 2010

リプランイベント告知

2月20日(土曜日)午後1:30から「建築家セミナー&相談会」があります。


場所はリプラン(札幌市西区山の手3条5丁目3-5)2階です。

私の他に3名の建築家が参加し、セミナー後には無料住宅相談会も行ないます。私はセミナーで「建築家がつくる住宅の魅力」をお伝えできればいいなと考えています。当日、皆さまのご来場を心よりお待ちしています。

リプランWEBサイトより転載

土曜日, 2月 13, 2010

歴史的建造物の活用

13日、来月に迫った祝津の茨木家鰊番屋の施工前の準備調査で小樽へ向かう。小樽の街は晴天で雪の反射がまぶしい。「アートによる小樽再生を目指して」と題して、NPO小樽ワークスによる歴史的建造物活用のイベントが開催されていた。正午過ぎ、開門したばかりの建物に入る。

旧三井銀行小樽支店 アートワークされた内部

某菓子メーカーが所有して以来6年間一般公開されることのなかった「旧三井銀行小樽支店」の内部を見学できた。ボランティアスタッフの丁寧な説明で気持ちよく一巡りした後、ロビーでコーヒーを飲もうとして60年前にこの銀行で行員だったという、私の母親くらいの年配女性と合席になった。一般公開されるという情報を知って、わざわざ札幌から来たという。懐かしそうな表情で、海外にも支店を有していたため他の銀行にはない優雅さがここにはあったのだと言う。私は建築関係者だと明かすと、この建物は今後どうなるでしょうか?と問う。このまま使われるのでしょうねと半ば無責任に応えたのだが、往時の活況を知っている目は不安そうに宙に浮いたままだった。

今回のイベントは歴史的建造物活用にとってたいへん良い試みを実践していると感じた。ただし、アンリアルなアートだけですべてが再生活用できるとは思えない。その意味では地域の集会所として再生活用される私たちの祝津茨木家鰊番屋が、いわば泥臭いリアルな試行になるだろう。
地下貸金庫内部金庫扉と回廊部

写真は、その行員すら現役時代にはほとんど入ったことがなかったという地下貸金庫室。