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土曜日, 2月 13, 2010

歴史的建造物の活用

13日、来月に迫った祝津の茨木家鰊番屋の施工前の準備調査で小樽へ向かう。小樽の街は晴天で雪の反射がまぶしい。「アートによる小樽再生を目指して」と題して、NPO小樽ワークスによる歴史的建造物活用のイベントが開催されていた。正午過ぎ、開門したばかりの建物に入る。

旧三井銀行小樽支店 アートワークされた内部

某菓子メーカーが所有して以来6年間一般公開されることのなかった「旧三井銀行小樽支店」の内部を見学できた。ボランティアスタッフの丁寧な説明で気持ちよく一巡りした後、ロビーでコーヒーを飲もうとして60年前にこの銀行で行員だったという、私の母親くらいの年配女性と合席になった。一般公開されるという情報を知って、わざわざ札幌から来たという。懐かしそうな表情で、海外にも支店を有していたため他の銀行にはない優雅さがここにはあったのだと言う。私は建築関係者だと明かすと、この建物は今後どうなるでしょうか?と問う。このまま使われるのでしょうねと半ば無責任に応えたのだが、往時の活況を知っている目は不安そうに宙に浮いたままだった。

今回のイベントは歴史的建造物活用にとってたいへん良い試みを実践していると感じた。ただし、アンリアルなアートだけですべてが再生活用できるとは思えない。その意味では地域の集会所として再生活用される私たちの祝津茨木家鰊番屋が、いわば泥臭いリアルな試行になるだろう。
地下貸金庫内部金庫扉と回廊部

写真は、その行員すら現役時代にはほとんど入ったことがなかったという地下貸金庫室。

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