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月曜日, 3月 10, 2008

KWH新聞記事


昨年末に竣工した、発寒の住宅「KWH」が北海道新聞の日曜版で紹介されました。

実は昨日、苫小牧でのイベント参加のお客様から「新聞で見たよ」と声をかけられ、話が弾んだ。お客様はありがたい。

苫小牧


土日は、ASJイベント参加のため苫小牧にいた。幸いにも両日ともに好天に恵まれ会場の高窓から見える空は青く雲ひとつない。多数の来場者に足を運んでいただき、熱心にパネルを見ていただきまた住宅づくりの話をたくさんさせていただいた。ありがとうございました。

土曜日, 3月 08, 2008

保険


住宅の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法には三つの柱があって、その中の一つに施工者(売主や請負人)へ10年間の瑕疵担保責任を負うことを義務付けている。しかし、必ずしも瑕疵担保責任を負いきれない現実が露呈した。そこで、施主(消費者)保護の観点から施工者(売主や請負人)があらかじめ保険に入るなどの義務付けがなされることになった。それが「住宅瑕疵担保履行法」で、来年10月に施行される。今日は、その研修会があった。
写真は、会場のJRタワ―から撮った札幌市中心街。ちなみに、設計者には建築家賠償責任保険というのがあり、もちろん私も加入している。

木曜日, 3月 06, 2008

フリージア


事務所のエントランスホールに花置き台があり今はフリージアが飾ってある。1坪ほどの狭い空間なので、花の香りが充満して気持ちがいい。聞けば南アフリカ原産だという。そういえば南アフリカの隣国ボツアナにいる施主から、プラン打合せの連絡とともに夏の真っ盛りで一日中クーラーを使うため体調が悪いというFAXがあったばかりだ。黄色のフリージアから暖かい春を連想している。

金曜日, 2月 29, 2008

2月29日


4年に一度の2月29日、この日は日本人男性平均寿命の78歳まで生きられたとしても20日ない。私の場合そのうちの半分はすでに過去の日々、残りは10日もない。と考えると今日はなんだか無駄にしたくない。

福祉機器の展示会と住宅に関連した講演会があるというので行った。会場は札幌市社会福祉総合センターで、実は私がかつて修行時代に設計を担当した建物。講師は目白大学教授の金沢先生。建築と理学療法を修めた実践的研究者だ。「自分でできて、安全で、介護が楽な住宅のヒント!」という演題。そのなかの「人の動きと住宅」では、一例として人の重心の移動と手摺の位置について分かりやすい話をお聞きすることができた。最初に住環境改善が障害者の自助努力到達点を画期的に底上げできること。それが障害者にとってどれほど重要かということを力説された。これは、私たち住宅設計者にとって重要な視点である。

写真は、社会福祉総合センターのエントランスホールで開催されていた展示会。4階には、常設の福祉機器展示コーナーがある。福祉関係の勉強をしているのだろうか、若者の姿も多い。

木曜日, 2月 28, 2008

建築家


建築家は誰のためにあるのか?施主と建築のためにあると、私は先日「JIA住宅セミナー」で話した。建築のためには建築家は消えてなくなってもいい存在なのだと。では、建築家としての私の楽しみはどこにあるのか。その答えが一冊の本にあった。


20年に一度のビッグイベントであった「JIA北海道支部建築家展」が終わって20日あまりたったのだが、私はいまだ総括ができていない。このあいだ、建築家展会場で書籍販売されていた「建築家五十嵐正」を読んだ。直接面識はないが建築家・五十嵐正は、以前の同僚の親父さんだ。そうした親近感もあって、じっくり読んだ。帯広で五百の建築をつくった。建築界の中央に登場するような作品性は無いが丁寧に密度高く作り続けた。あくまでも建築家としての立場を貫きしかも楽しんでつくっている建築家だと、著者・植田実はいう。いうまでもなく植田実氏は私たちの学生時代の裏教科書「都市住宅」誌の編集者であるから即納得。3月末に帯広に行くので、五十嵐建築に対面することができる。いまから楽しみに思っている。

火曜日, 2月 26, 2008

雪庇3


「大谷地の森の家」は、間口が7メートルほどの敷地に勾配屋根を架けている住宅。敷地に残された余裕は、法規限度の1メートル余りである。ここで採用しているのがステイルーフという名の落雪防止屋根工法による切妻屋根。その効果を検証するため現地に向かった。写真は、雪庇ができる可能性のある風下側。雪庇はわずかに外壁から飛び出ている程度。ただし勾配屋根では積雪が深くなると表層雪崩がおきることがあるので注意がいる。

火曜日, 2月 19, 2008

雪庇2


19日は、札幌は連日の零下からプラスに気温が上がった。道路は雪が融けて、アスファルトの路面が顔を出している。こんな日は、気をつけなければいけない。屋根の上では降り積もった雪の表面が融けてツララを作ったりする。

午後、打合せのため「美しが丘の家」へ向かう。写真は、フラットルーフの風下の雪庇状態。今日のプラス気温で少しツララができているようだ。

月曜日, 2月 18, 2008

雪庇(せっぴ)


雪庇(せっぴ)は、一般的に建築では風下に向かって屋根から張り出した庇状の積雪をいうのだが、雪は融けるか落下するかしていつかは消えてしまうもの。だから、そのまま放っておいてよさそうなものだが、敷地に余裕がない場合は隣地への影響が気になるし、軒の出が少ない場合などは住宅自身の外壁を傷めてしまうのではないかと心配になる。私の場合はそうならないように注意を払い、外壁仕上等を吟味して設計しているのでほとんど問題がない。
写真は、昨年末に竣工した札幌市西区発寒の「KWH」の風下側の雪庇状態。ただし、屋根の断熱もしっかり効いていてツララもほとんどできていないので安心である。
昨日、新聞取材の立会いのために久しぶりに訪れた。施主のご家族は、とても満足されている。特にお子さん達には大好評のようで、「実は、おかあさん!家を買ってくれてありがとうと、5歳の息子に言われました」と、最大級のお褒めをいただいた。

金曜日, 2月 15, 2008

マイ・ファニー・バレンタイン(My funny valentine)


昨日、小樽市花園町の小樽公園通教会に行った。往きも帰りも猛吹雪の中の運転。この春に予定している構造改修工事の打合せのためである。先日の北海道立近代美術館での建築家展に出展したパネルとモックアップ(原寸模型)を持参し、さっそく説明に使用。教会関係者の皆さんからは、建築家展の私の展示が教会にとってよい宣伝になった、と暖かい言葉をかけていただいた。頼まれもしないのに、この日のプレゼンテーションと展示のためにちょっと苦労をして手作りしただけに、よけい嬉しかった。マイルス・デイビスのCD (昨日は2月14日。1曲目がなんとMy funny valentineだったのだ)を聴きながら帰り道を急いだ。写真は、昨年末の教会外観。

日曜日, 2月 10, 2008

建築家展終了


10日間におよぶ「JIA北海道支部建築家展」が本日終了した。興味ある講演会が多く、前半こそ都合で参加できなかったものの後半は毎日のように聴講。建築史家の越野武先生の講演は、とにかく作ったら壊されないようにすることが大切ということでサスティナブルをひらたく教えてくれた。時間が経つとやめる理由ばかりになるので思いついたらすぐに行動するのだという藤森照信先生の木と植物の話の講演は、場内抱腹絶倒で面白かった。
山之内が司会進行した「住宅セミナー①」は、私の未熟さも手伝い情報発信の難しさを痛感。ただ、会場に駆けつけていただいた多くの顔見知りの方たちに勇気付けられた。ありがたい。
小樽公園通教会の構造改修という私の展示については、いろいろな方に過分な評価をしていただいた。不遜ないいかたを許していただくと、私は生き生きとしたいわば体温をつたえることを考えていた。展覧会を建築の墓場にはしたくなかった。いま、構造改修プロジェクトを経験するなかで建築構造の美しさと社会に必要とされている意味合いを再発見している。
撤収を待つ間、折からの札幌雪祭り会場に足を伸ばしてみた。写真は、ジオデシックドームが美しいスターバックスの仮設店舗の風景。
ともあれ建築家展へ、多くの皆さんが来場され展示をご覧いただいたことに感謝です。

木曜日, 1月 31, 2008

原寸模型(mock up)


明日から、JIA(日本建築家協会)北海道支部の建築家展が10日間の日程で、札幌市にある北海道立近代美術館にて開催される。多数の建築家の力作が展示されているので、是非ご覧ください。

私も現在設計中の日本キリスト教団小樽公園通教会の改修プロジェクトを発表している。82年前に竣工した木造教会堂に構造補強を施し、小樽市民に親しまれている歴史的建造物の末永い活用を目指すものである。保存改修コーディネーターとして友人の駒木定正氏(北海道職業能力開発大学校)、構造解析は武田寛氏(北海道工業大学)の協力を得ている。写真は、モックアップと呼ばれる建築部品の原寸および縮小模型である。設計者の体温がつたわる生きた展覧会にしたい、私にはそういう想いがある。

土曜日, 1月 26, 2008

雪影礼賛


積雪で生活の利便性を損ない、健康や安全を脅かされることは十分に理解しているものの、雪の表情の美しさは格別である。札幌では昨日からしんしんと雪が降り積もり、かくいう私も午前中に一度、夕方にはもう一度雪かきをする。雪を愛でているだけではすまないのだが。
太陽が雪雲を透過して弱々しく照らすとき、雪がつくる自然の起伏がなんともたおやかで柔らかい表情をみせる。あたかも障子を透過する光のような微妙な陰影をつくりだしている。
北国の住宅づくりは、積雪によって地盤面が高くなり風景が劇的に変わる、たとえばこのような積雪による見え方の変化についても考えられていなければならないのだ、と思う。

火曜日, 1月 22, 2008

竣工写真アルバム


昨年末に竣工し、オープンハウスにたくさんのお客様をお迎えした「発寒の住宅」の竣工写真が立派な冊子になって届いた。この住宅をプロデュースした会社が、写真家に依頼して数部限定で作成したものだ。竣工写真アルバムといえば、プリントした写真をアルバム帳に貼ったもの。という私の固定概念を見事に打ち破ってくれた。聞けば、この写真アルバムを手にした施主の喜びようは想像以上のものだったとか。私も嬉しくて、事務所を訪れる人たちに時々お見せしている。
昨日、日本画家の片岡球子さんが103歳で亡くなられた。実は、高校の大先輩である。もちろんお会いしたことはないのだが、北海道で生まれ育ち中央画壇で活躍されていた。いったいどのような人物だったのだろう。出身大学の女子美術大学同窓会のホームページでひととなりを知ることができた。絵画同様にエネルギッシュで粘り強く地道な努力を重ねた、ということだった。

月曜日, 1月 21, 2008

外気温


このところ気温の低い日が続く。むろん外気温は零下なのだが、日射をもろに受ける温度計は2℃を指していた。室内側では、別の温度計が24℃を指しているので、窓をはさんで気温差は22度ある計算。複層ガラスだけでこの気温差を耐えている。

写真は昨日。このあと、外部ガラス表面の汚れが気になって清掃したら、勢いで温度計の樹脂製ブラケットが折れてしまった。背後からの日射で劣化が進行していたようだ。暦では大寒の今日、寒冷地での住宅性能や暮らし方についていろいろ考えている。

木曜日, 1月 10, 2008

あと付け屋外階段


写真の階段は、明らかに後から取り付けられているものだが、うまくデザインされている。2階と3階からの避難を目的にした屋外階段である。下見板張り外壁にスチール下地を直接打ち付け、スチールの方杖を張り出し2階と3階の踊り場を支え、それぞれの踊り場からスチールのササラを架けて階段ができている。部材の細さ、それがこのデザインの生命線。それは、上げ下げ窓の方立ての繊細さに対応するように考えられたのではないか。真黒に塗られているのは、真白に塗られた下見板張りに対応させているためだ。エアコンが上げ下げ窓からお尻を出している。古い建物をなんとか現代に生かして使おうとする精神が見て取れるようだ。いじらしくもあり、誇り高くも感じる。
予備選挙が昨日行なわれた米国NH〈ニューハンプシャー〉州で、2003年秋に見た光景。TVニュースを見てふと思い出した。

金曜日, 1月 04, 2008

謹賀新年


新年あけましておめでとうございます。
山之内建築研究所(YYAA)は今春18周年を迎え、今日から始動します。

さて、私は今年の正月もTVかじり虫だった。中でも一番印象に残ったのは、NHKのイチロー密着ドキュメント番組。特に「プロフェッショナルとは観衆を圧倒し選手を圧倒し圧倒的な記録を残すこと」と最後に言い放つシーンには正直うなってしまった。直前にBSで放送していたヒルマンとバレンタインの両監督対談も面白かった。ヒルマンは試合中に書きとめたメモをファイルに整理して後日使えるようにしているとか、バレンタインは審判抗議が実は周到に用意された選手を鼓舞するための演技であるとか、「建築家監督論」を信じる私にとっては、聞き逃せない。なんと気がつくと3時間以上続けてTVにかじりついていた。
写真は、鉄の町室蘭のキャラクタ-人形ボルタ君。昨年購入したもの。ボルト、ナット、ワッシャー、ビス等をハンダ付けしたシンプルなつくり。これは、どう見てもイチローとSHINJOのようだ。新春一番、手にとってちょっと楽しい気持ちになっている。

今年もどうぞよろしくお願いします。

月曜日, 12月 31, 2007

松飾/インスタレーション


庭の角に、幹直径が20センチ程度に成長しているプンゲンストウヒの樹がある。プンゲンストウヒは成長が早く、一年で数十センチ枝を伸ばす。この頃は、隣地に越境するため毎年この時期に枝を少し払う。そのなかで枝振りのよさそうなのを選んで、正月の松飾に利用している。今日はすこし多めに枝を払ったので、庭の雪囲いの上に余った枝をトッピングしてしばらくのあいだ眺めた。きっと、子供の頃であれば雪だるまでも作って、枝を使って手足にしてみたであろうか。新年を待つ暮れのひとときが、ちょっとした面白い遊びの時間を与えてくれた。

土曜日, 12月 29, 2007

年末の一年点検


仕事納めの28日、「藤野の家」に一年点検を兼ねて訪れた。片流れ屋根のシンプルな構造の木造2階建て住宅である。道路に接する北側はガラスブロックで小さな開口を作っているだけだが、カラマツ林に面する南側には大きな開口部を集中させた。だからこの頃は、すっかり葉が落ちたカラマツ林から冬の陽ざしが差し込むと、むしろ秋口よりも暖かいという。施主は大満足のようだ。

外壁は、白のガルバリウム鋼板竪平葺き、構造用合板にシルバーグレー塗装、木毛セメント板素地といった簡素な仕上げである。開口部には、もちろん木製トリプルガラス入サッシを使用している。

火曜日, 12月 18, 2007

保存/解体


建築の仕事に関わっていて、いつも考えさせられることは耐久性の問題だ。どのような素材もやがては朽ちて無くなってしまう。札幌市内に一軒の住宅がある。築50年の堂々たる木造住宅である。聞けば、近所に住んでいた市役所勤務だった建築技師さんが設計したものだという。
私は、この家で幼少期を過した建主さんから依頼を受けているのだが。実は建主さん、現在海外赴任中である。この暮れに帰国するときに、この古ぼけた住宅をリホームして住むのか、はたまた全面解体して新築するのか。私は選択を迫られている。迷いなく架けられた勾配屋根のスカイラインは美しく懐かしい。だがしかし、骨組みは大幅な補強が必要だ。断熱となるとまったく入っていないも同然なのである。保存か解体か判断が難しいところ。

昨日、地球の裏側にいる建主さんからメールが届いた。帰国が少し遅れるとのことである。私に、すこし考える余裕ができた。