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水曜日, 3月 27, 2024

ガラスブロックの可能性

週刊ブロック通信の最新号は「小屋群住居A]の子供室をガラスブロックで個室化した事例を紹介。

木曜日, 3月 14, 2024

一の坂

滝川市の一の坂にある屋外彫刻が見えた。コンスタンチン・ブランクーシの無限柱のような凛としたたたずまい。百年記念塔なきあと22mの高さで道内では最高高さを誇るコルテン鋼の工作物。飛ぶように過ぎ去ってゆく車窓からの眺め、今は変わってしまったかつて暮らした街の想い出がよみがえる。滝川は中学の1年間だけ暮らした街だ。通学路の途中に一の坂があった。坂を登れば目指す江陵中学がある。厳寒期は坂道の風が冷たい。不用意に帽子からはみ出していた耳たぶが凍傷になりかけたこともある。同級生の懐かしい顔を想いだす。コロッケ屋の黒元くん、花屋の奥山さん、野球部の山上くん、元気な田中さん、永井さん、縦笛が上手な清和くん、藤森先生、東先生…。

金曜日, 3月 01, 2024

僕の好きな先生

RCサクセッションの歌詞のような、高校生時代に忘れられない先生がいた。毎日スバル360で通勤していた。丸みのある角刈り頭で白衣を着ていた。ポケットに両手を突っ込み斜め上目線で歩く。立ち止まって教室の番号札が風で揺れているのをじっと眺めている。つられて立ち止まると「振り子の等時性だ」などと優しくボソッと。そのようなどこにでもいるようで実はどこにもいない物理教師だった。私たち生徒はそんな先生が好きで、ことあるごとに先生を囲むクラス会を開いていた。数年前88歳の米寿をお祝いするクラス会を開いた。高校教師を定年で辞めた後は子供たちのために物理の実験をする社会活動をしているという。「老年学(gerontology)」を実践しているのだと。老後は専門性を活かし社会的老年生活を目指せというそんな先生を私たちは大好きだった。

木曜日, 2月 01, 2024

二つの100年記念塔

ペーパークラフト自作のタワーを並べると共通する思いが湧く。思いとは極私的、私にはそれぞれの建築家アトリエに勤務した友人たちがいる、二人とも私と同学年で身近に感じていた。 グレー色は言わずと知れた水戸タワー、2022年に没した磯崎新の傑作。他方褐色は北海道では知らない人がいない北海道100年記念塔、2023年に没した井口健の出世作。どちらも100mの高さを誇り、100年を記念したモニュメントとして建設された。 2024年現在水戸タワーは水戸市民会館新築によりさらに中心性を増した。他方北海道百年記念塔はというと昨年ひっそりと姿を消した。今月14日には姿を消した記念塔と建築家を偲ぶ会が執り行われた。それから2週間、北海道に住む一人の建築家として命運をゆだねなければならない時間のなかの建築を想う。建築家はポジティブな面だけではなく時にはネガティブな面も勇気をもって語り継がなくてはと思う。それは死者たちが示す私たちへの道しるべなのだから…と。

日曜日, 1月 28, 2024

冬のニセコ

昨日、冬のニセコを本当に久しぶりに訪れた。噂には聞いていたものの、ホントにゴンドラ乗り場近くでで日本語が聞こえない。私もドサンコなのでいちおう半世紀前にはヒラフもアンヌプリもカンダハで滑走、当時のゲレンデは関西弁をよく耳にした。そんな訳で、ヘルツォーク似のムア・ニセコや本邦初のパークハイアット・ニセコのLVポップアップショップ、長谷川豪さん設計のイコ・ニセコなどを見物して帰ってきた。

木曜日, 1月 18, 2024

座面を張り替えた椅子

 

椅子の名称が想いだせない!

40年以上前のフォールディングチェア。デンマーク製で椅子メーカーのコトブキが1970年代に取り扱っていた。完全なノックダウンシステム、ジョイント部の塩ビ素材が目新しく、同時に最大の弱点だが意外と丈夫。当時、いくつかのデザイン事務所で目にすることがあった。しかし、麻布製のオリジナル座面はすっかり伸び切りついに破れた。そこで昨年末、私の施主でもあるノーム工房(手稲)さんに相談、新しい樹脂素材座面に張り替えた。

月曜日, 1月 15, 2024

パストラルタウンが語るもの

週刊ブロック通信令和6年新春号は、「パストラルタウン美しが丘」を取り上げました。1980年代半ばに4人の建築家が挑戦した建売住宅群で、竣工後40年近くを経て、さらに個性豊かな街並みに成熟している。建築家と地域工務店がチームを組みモデル住宅を設計した「南幌町きた住まいるヴィレッジ(2018年)」の先駆け事例であり成功例でもある。1980年代当時の担当者の一人、建築家・圓山彬雄さんの承諾を得て「建築学会作品発表会作品集43(2023年)」に収録されたコメントを載せています。街や建築は時間のなかで成熟しあるいは老朽化し味わい深い空気感を醸成するものだから、なるべく維持保全するのが優先的選択肢という建築界ではごく当たり前の典型的実例。先日、今は無い北海道百年記念塔設計者「井口健さんを偲ぶ会」があった。2024年(令和6年)良い年になることを祈らずにはいられない。

 

金曜日, 1月 05, 2024

建築を彩る多田美波の造形・展

 INAXライブミュージアムで開催中の多田美波さんの建築関係の仕事にフォーカスした展覧会。「数十年前の模型を修理したり、アトリエの発掘調査のような半年でした。」と多田美波研究所・岩本八千代所長の案内状にある。私は40数年前に一度だけ多田美波さんと仕事をしたことがある。「鍵のかかる引出に入れて所員にも見せないの」と仰られた「スケッチ」も展示されているのだろうか。


水曜日, 12月 06, 2023

二重壁工法

 二重積でもなくキャビティウォールでもない。正しくは、「コンクリートブロック造二重壁工法」という。1970年代後半に成立した工法を振り返る。


日曜日, 10月 29, 2023

張弦梁トラス

 月一で寄稿している週刊ブロック通信の紙面がA4サイズから約二倍大のタブロイド版に更新され、見開きで一般紙片面サイズになり、紙質も一般紙同様のいわゆる新聞紙になった。

10月23日号は、次号からの助走とすべく今までの10年100回の連載を振り返り主な画像を1枚選び並べた。「CB建築の講義・六」は、張弦梁トラスを用いた音楽アトリエを併設した住宅を題材に、敷地の持つ力について述べている。4×4.5間(7.28m×8.19m)の無柱空間をリーズナブルにつくるため採用した架構で、梁、束材に松集成材を用いM27のスチール弦材で締めるのが特徴。今回の採用は、開発者(ATA)と直接やり取りでき構造架構がより身近でカジュアルなものとして感じられたことが大きい。

タブロイド版になった紙面

張弦梁トラスを用いた住宅

火曜日, 9月 05, 2023

異質化と同質化


 週刊ブロック通信8月28日号への寄稿。木造要素とCB・RC造要素とが出会い、どのように簡素化し住宅に落とし込んでいるのか。竣工時の写真から自作の設計意図をゆるく検証する。

火曜日, 7月 25, 2023

いもとやぶれの積層感

 週刊ブロック通信コラムへの寄稿です。補強CB造は、縦横のコンクリートブロックを鉄筋補強する組積造ですが、表面上目地が縦方向に通る「いも」と、縦目地が途切れる「破れ」に大きく分かれる。私は、施工の分かりやすさを優先して「いも」を多用している。施工が丁寧にできるし、なにより単価も抑えられる。また「破れ」の意匠上の面白さは、出隅の組手部に意識的に用いている。今回は、コンクリートブロック造の積層感について書いています。


水曜日, 7月 19, 2023

藻岩下の家・再訪

 藻岩下の家(1996年竣工)へ、しばらくぶりの訪問。設備のメンテナンスに同行した。藻岩山原生林に隣接する敷地は、27年前と変わらない。木製サッシの再塗装が必要だがクライアントの自力施工で可能である。先日、このあたりに熊が出没してニュースになった。窓から子熊を目撃したというクライアントの話を聞いた時、原生林の自然に対峙して丸く囲い込んだ人工空間で暮らしを守るという、設計コンセプトがけっして大げさではなかったことを確認したのだった。



火曜日, 7月 11, 2023

地盤調査

 札幌市内で新規の住宅計画のために敷地の地盤調査を実施した。住宅では一般的なスウェーデン式サウンディング工法による地盤調査を行った。




木曜日, 7月 06, 2023

100mの塔(水戸アートタワー)

6月の上旬、 水戸芸術館を訪問。目的は、会期末が迫った展覧会「磯崎新ー水戸芸術館を創る」を観るため。2階の展示ホールに、水戸芸術館のシルクスクリーン、水戸芸術館の設計資料等、短時間では十分な理解ができないほどの展示物が並んでいる。美術館、演劇ホール、等の文化施設が中庭を囲むように配され、その一端にシンボルとしての塔がある。水戸アートタワーと称されるチタンパネルの記念塔は、高さ100メートル。水戸市制百周年の記念として1990年に竣工。正四面体を28個重ねた形状は、ブランクーシの無限柱に着想を得ているという。

庭からタワーを見上げる
タワー1階ホールにある建築模型
展示「震」ジョイント部の構造原寸断面図
水戸芸術館HPペーパークラフト設計図による山之内自作模型復習用(1/400)

月曜日, 7月 03, 2023

尺度、遠近感、比例、寸法体系

 私たち建築家が何を考えて設計しているのかを多くの人に知ってもらいたい、との思いで書いている626日掲載の週刊ブロック通信「ブロック住宅の系譜」をご紹介します。

今回は「CB建築の講義・その三」で、南幌町「カスタマイズできる家」を題材に尺度や比例、遠近法などについて書いています。

CB建築の講義・三

私たちは、建築空間を五感で受け止めています。同時に建築空間に組み込まれた法則を知覚し、さまざまな効果を感じ取ります。今回は、そうした建築空間の法則について、形式と内容を考えます。

「カスタマイズできる家(本誌第二九九二号)」は、三棟連結プランの補強コンクリートブロック造平屋住宅です。母屋棟を中心に、両端にカーポート棟と小屋棟の三棟を直線状につなぐ配置です。一つの大きな屋根で覆うにではなく、人の住まいに程よい尺度(スケール)をもつ小屋根の組み合わせとしています。全体として、尺度(スケール)が分節されることで建築空間が人間の尺度(スケール)に寄り添う外観を意図しました。

室内では、高窓が特徴的です。冬場の太陽を母屋棟の中心に取り込むため、コンクリートブロック壁を南面にずらしました。そこでは遠近感(パースペクティブ)が生まれ、奥行きが強調されました。

壁体のコンクリートブロックは目地込み200mm×400mmの1:2の比例(プロポーション)を持ちます。屋根架構は、在来木造の455mmの寸法体系(モデュール)を持ちます。これらの倍数でつくられた室内全体には、整然とした印象が生まれています。

ここでは、尺度(スケール)、遠近感(パースペクティブ)、比例(プロポーション)、寸法体系(モデュール)、などの建築空間に重要な法則が存在し、住まいに心地よい効果を生んでいます。私たち建築家は、先人たちが発見・発明した多くの成果を学びながら個々の設計事例に役立てているのです。(山之内裕一/山之内建築研究所)


月曜日, 5月 22, 2023

建築家のいい話を寄稿

 私たち建築家が何を考えて設計しているのかを一般の方に知ってもらいたい、との思いで書いています。CB建築講義の第二回目は、私たちが建築空間をどう受け止めているか、視覚をはじめとした五感で受け取る空間と心の関係性について考えます。私たちは、みる・きく・かぐ・さわる・あじわうという五感で知覚される多くの情報を瞬時にしかも体系的にとらえ、建築空間を受け止めています。そして建築家は、長い歴史の中で建築空間の知覚構造を理解し、同時に建築空間の法則を設計行為として、今も発明し発見し続けています。



 

月曜日, 5月 01, 2023

コアドライとCLT

 連休前の427日、先月HOBEAフォーラムで木質について講演した北海道林産試験場の大橋義徳さんを訪ねた。カラマツ材コアドライ、トドマツとカラマツのCLT、最適な塗装、などなどデータを取りつつ経過観察している実験棟(北海道CLTパビリオン:遠藤アトリエ設計)などを見せていただく。コアドライは、伐採期にある北海道産カラマツ人工林材を柱材として利用するためのねじれや割れを防止する乾燥技術で、北海道林産試験場が主導して開発した。こうした地元産木材を北海道で設計する我々が日常的に使えるようになれば良いのだが。

左がコアドライによる製材。中央と右は従来の乾燥材で割れが生じる。
北海道CLTパビリオン~設計は遠藤アトリエ(上:内部、下:外観~向かって右はトドマツ、左はカラマツを使い分けて経年変化を検証する、実験棟)

水曜日, 4月 26, 2023

週刊ブロック通信4月24日号に寄稿しています。

 週刊ブロック通信4月24日号へ、「CB建築の講義・その1」を寄稿しました。私が建築設計するときに何をどのように考えているのか、をはっきりと伝えたい。それが講義という形式になりました。私は講義は対話(ダイアローグ)だと思います。ちょっと上から目線に思われるかもしれませんが、そうではありません。一方的ではなく、様々な意見に耳を傾けていくことが考えを深めることになります。

今回、建築の原型としてのシェルターは人との関係性によって大きさなどが最適化される、ことを述べました。つまり人との関係性をどう作るかで、大きさなどの設計が決まるのですね。

CB建築の講義・その一

前回、建築は床・壁・屋根でできていて、生命と財産を守るシェルターだと学びました。改めてシェルターを辞書で引くと「群れの保護が原義で、避難所、隠れ場、小屋、住まい、バス停、防空壕」です。また類似語のシェルは「堅い外皮が本義で、貝殻、外殻、局面板」で機能と構造のイメージが浮かびます。ここで私が設計した二つの具体例、規模の小さな住宅建築と規模の大きな公共建築の例で比較考察してみましょう。「僕の部屋」は面積8.5㎡、ベッドと机が置いてある子供室です。自然光は入りますが不可視で遮音性能があるガラスブロック壁で仕切られています。常に他の家族からプライバシーが守られている極私的な場所(シェルター)です。ここでは帰宅した子供が例外なく落ち着くことができます。他方「札幌市中央図書館アトリウム」は天井高9.1mで256.2㎡の面積です。図書館を訪れる市民があふれています。隣接する公園を眺め、壁と天井のガラスからの自然光に溢れた光景に非日常の喜びを感じられる場所(シェルター)です。大きなアトリウムが私たちの心に与えるものと小さな子供室のそれ、つまり大小の異なるシェルターのそれぞれが人の心に響くものの違いに私たちは気づきつつ、生活しているのです。ではどのように響いているのか、何がそうしているのか、という考察は次回のお楽しみに。(山之内裕一・山之内建築研究所)


木曜日, 4月 20, 2023

薪ストーブの知らせが施主から届いた

 桜が咲き春を迎えた北海道、冬の半年間活躍した薪ストーブの情報を施主が寄せてくれた。

数年前に薪ストーブを導入した施主から、その後の使用状況を知らせるメールが届きました。この住宅では、おおむね9月から4月いっぱい薪による全館暖房を実施しているという。ひと冬の薪の使用量は3タナ分の丸太(1タナは地元の出荷単位のことで約0.5立米)だという。

この丸太をチェーンソーで35㎝にカット後、縦に割って薪にする。使用している薪ストーブのサイズと燃焼時間との兼ね合いで薪の長さを決めた。薪の火は、一度消すと着火に手間がかかるので昼間は火を絶やさないのだとか…


薪置き場~施主が丸太から切割した薪
3タナ分の丸太~半年分の暖房用