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火曜日, 12月 10, 2019

連結農家、アノニマスな住居




最後の図は、数世代を経て成長した「連結農家」の姿です。南北方向に走る道路に沿って建てられた家屋が、道路に近いほうから順に奥へ向かって増築されています。風土の季節風の影響を避け、太陽の恵みを最大限に享受するかのように南側に庭が作られている。北海道と同じ冬の季節が厳しい米国NH(ニューハンプシャー州)の例です。また写真は、農家と断定することは出来ませんが同様に連結する建築として出会ったMA(マサチューセッツ州)の事例です。これらの観察から私の「小屋群住居」の発想が生まれたのです。

水曜日, 12月 04, 2019

ブロック造住宅の系譜20191125


週刊ブロック通信11月25日号に「北海道のコンクリートブロック団地」を寄稿しました。

11月12日に行った町営住宅の見学レポートです。
以下、文面を載せます。北海道のコンクリートブロック団地

1960年代から70年代にかけて、北海道で大量に供給された簡易耐火平屋建コンクリートブロック造公営住宅(簡平CB造)が、現在どうなっているのか知りたいと思っていた。先日、新ひだか町役場で公営住宅を担当する亀田主査の案内で静内神森(しずないかみもり)団地を見学する機会があった。馬産地として知られる日高地方は、太平洋と日高山脈にはさまれた海岸線に沿って街が点在している。静内神森団地はそうした街と海を見下ろす一画にある。今から10年ほど前、全面リフォーム工事された。トータルリモデルと呼ばれる公営住宅整備事業。構造性能を検証したうえでCB造躯体を残し改善された良質のストックをつくる。ここでは、簡平CB造棟は、5棟のうち2棟を解体し3棟配置とした。隣棟間隔を広げ、駐車スペースを確保。長屋形式の4戸1棟となる。
今回、事前に5~60年前の簡平CB造も見学し、全面リフォーム後の変化が確認できた三点について述べたい。第一に、躯体コンクリートブロックをそのまま残したことが最大の特徴。外部は、スカート断熱を採用した基礎断熱で全面外断熱された。開口部は樹脂サッシでペアガラス。熱交換換気を組み合わせて高性能な温熱環境を確保している。
第二に、内部は床下全面に捨コン打設し束立て床組みすることで室内化した。改変されたのは、水まわり、床の段差、建具の幅など、
内部の飛躍的な変化が見られた。第三に、居住者と管理者の関係。当事者間のやり取りから合理的に考えられている、ガス機器などはリース契約。居住者への配慮も多く、玄関前に増設された木造ポーチは寒い北風と積雪から守ってくれる。玄関まわりでは居住者による改変が見受けられた。ファサードに愛着とアクセントを作り出しているのだが、こうしたことも住宅風景として大切なことだ。
第一種換気の給排気フードが小屋根に見える。
外断熱のため外壁総厚が300mm程度になる。

火曜日, 12月 03, 2019

小屋群住居を考える1


20191129日の建築学会北海道支部建築作品フォーラムにおいて、
司会者から質問があった件の説明です。

小屋群住居は、個室群住居とどう違うのかという質問がありました。
想定していなかった質問なので、正直なところ答えに窮しました。
ここで改めて考えをまとめてみようと思いブログにしました。
司会者が言う個室群住居とは、1970年前後に黒澤隆さんが発表したもので、
家族の関係性をいわば抽象化してプランニングに落とし込んでいくものです。
具体的には、家族の例えば夫婦の個室をそれぞれ独立したプライベート空間とし、
居間などの共通部分をパブリック空間と定義、その関係性を考察するものでした。

その後、昭和から平成の時代の中で家族の在り方とその多様性に対応するように、
建築領域よりはむしろ社会学の分野でより深化し展開した問題意識と考えています。
家族意識やいわゆるジェンダー論、上野千鶴子さんの女性学などの方向でしょうか。

黒澤隆さんの個室群住居は、抽象化した優れたプランニング論であったと思います。
一方、私の小屋群住居は、むしろ具象化でありデザイン方法論だと思っています。
日常生活が営まれるアノニマスな建築観察から発想したタイポロジ―で、建築的です。


例えば建築家なしの建築に見られるような長い時間をかけてつくられた群としての建築をはじめから仕掛けることによって、物語性を建築に与えることができると考えたのです。
幾世代もにわたり増築されてきた農家住宅を観察すると、物語を発見することができる。
そうした物語には豊かな人間の歴史が語られているものです。
そのプロセスを逆にさかのぼる。あえて初めに形をつくるアプローチがあると思います。

小屋群住居は、具体的な家族の風景を込めた住居単位(小屋)をつなげていくこと、
いわば具象を抽象的に構成するプロセスを建築化する作業です。
最近出会った言葉があって「歴史を模倣する」という言葉ですが、
これが妙に腑に落ちました。
模倣は、データを駆使するAIが得意な分野ですから、これからの時代に展開していく予感があります。

どなたか一緒に考えてくれる方がいらっしゃいましたら是非お声をかけてください。

土曜日, 11月 16, 2019

浦河教会新築

浦河新教会完成イメージ/設計:山之内建築研究所 山之内裕一

現在、浦河教会は来年の新築を目指しています。

私・山之内裕一は建築設計監理の指名を受けています。
教会建設委員会から多くのそして大切な使命を託されました。
建築をつくる機会に感謝しつつその喜びを分かち合いたいと思います。

教会は、広く皆様の寄付によって建設します。
応援していただける方々、興味のある方々は下記のサイトをご覧ください。
https://urakawach.net  ( 日本キリスト教団 浦河教会)


土曜日, 10月 19, 2019

小屋群住居A

10月21日号のコンクリート製品業界紙「週刊ブロック通信」は「小屋群住居A]を載せています。

斜面に住居を組積する 

敷地は北海道の中心都市旭川市の一画、JR富良野線に沿って北に流れる美瑛川を見渡す小高い丘にある。前面道路から6~7メートルほど高低差があり、ナナカマドなどの原生林に覆われ、都市化された周辺と対照的な森の記憶を残している。こうした傾斜地に建築する以上、ある程度の困難は織り込み済み。ところが、いざ蓋を開けてみると地区計画、開発行為が待ち受け、とどめは冬期間の施工不可能状態で、ほぼ丸1年を敷地形成に費やした。
法規と計画による相当量の切土と樹木伐採をおこない、斜面の北側隣地境界線に沿う形で住居が配された。半径62メートルの円弧が約30メートルのコンクリートブロック壁として、住居が斜面に置き換わった。
平屋の個人住宅である。プランは居間や個室という単位空間を小屋に見立て併置する連結型配置とした。かつて私は「小屋群住居」は、アノニマスに数世代かけて家族が紡いだ住宅の形姿を、あらかじめ時間を凝縮し意図的に構築する試みだと述べた(小屋群・住居・街並み/201510.19号)。原始の森を切り拓き、平地をつくり建築空間を置く。通りから奥へ、街から森へ、公からプライベートへ、連結する外壁をたどり森の奥深く潜入する住居をイメージした。連結型住居にはそのような時空を駆け巡る空間、大地の記憶と重ねることができる力強い住居が可能であると考えた。
自然環境厳しい北海道では、住居の温熱性能が日々進化している。もちろん温熱性能は大事だが、私は同時に美しく感動する空間を期待する。かつて北海道の民家と称された三角屋根コンクリートブロック住宅の温熱環境は未完であった。現在、コンクリートブロック造は技術的進化を遂げている。蓄熱効果という木造住居では得られない新しい価値が期待されているのである。
(設計/山之内裕一・山之内建築研究所)


金曜日, 9月 20, 2019

北海道の民家


9月16日付けのコンクリート製品の業界紙「週刊ブロック通信」で、北海道のブロック造三角屋根を紹介した。日頃、飽きの来ない定番のそれでいて格好の良い住宅、つまり民家を目指している私にとって一つの目標でもあるのが「コンクリートブロック造三角屋根」だ。
「北海道の住宅と住様式」(1982年)の中で、足達富士夫(当時北大教授)は「北海道は、その歴史事情からして、まだ独自の民家を持っていない。(中略)住宅供給公社のいわゆる「三角屋根」の住宅などはその一つで、コンパクトにまとめられて、しかも合理的な平面と、単純だが雪処理にもすぐれ、形の安定している外観は、北海道の民家の可能性を示すに足る優れた成果である。」として三角屋根住宅の可能性を評価した。同時に、後述ではいまだ未完成であるとしてさらなる開発を促している。37年前のことだ。

水曜日, 7月 24, 2019

無人駅の物置小屋

7月22日発刊の「週刊ブロック通信」では、JR北海道浦河・荻伏駅構内に建つ物置小屋を取り上げている。2m×2mほどのブロック造で、用途は不明。公道から撮影した写真から簡単な図面を作成した。庭に置いて読書小屋にもなりそうな片流れ屋根の可愛らしい形態だとふと思ったりする。圧倒的なブロックの質感が素晴らしいのだ。

金曜日, 6月 28, 2019

夢のカスタマイズ

コンクリート製品の業界紙「週刊ブロック通信」令和元年6月24日号の巻末コラム「ブロック住宅の系譜」に掲載しています。
夢のカスタマイズ
一年前に半完成品住宅として竣工した「カスタマイズできる家」は、そのまま時間を止めていた。その間に多くの来場者を受け入れ、住まい手(オーナー)に出会う準備の毎日が過ぎた。そして、私が待ちに待ったその日が来た。オーナーは本州から移住されるご夫妻で、平屋住宅の暮らしに、北海道の夢を託しているという。現在、ご夫妻の要望にお応えして、いくつかのカスタマイズを実施している。住まい手(オーナー)不在のまま生まれた「建売住宅」が、注文を受け作りこまれ「注文住宅」に変身、ようやく住まい手(オーナー)の満足を得る。そして半完成品住宅コンセプトがいよいよ実現する。
外観上の大きな変化は、万能小屋と呼ぶ約5坪の小屋をぐるりと囲い、半戸外の木床デッキとしたこと。室内からつながる空間は、開放的で魅力がある。また、カーポートに防雪用木板塀を設けた。これは冬場に威力を発揮する。万能小屋とカーポートの木塀は異なるデザインとし繊細な配慮をしている。

金曜日, 5月 17, 2019

赤心社の物語~人物

建築の設計監理では「地域の歴史」と直接かかわることがあります。かつてかかわった「小樽祝津のニシン番屋」では、私たちを含めた復原チームが発見した一枚の棟札から当時の大工棟梁の個人史が100年の時空を超えてよみがえりました。建築の背後に広がる「地域の歴史」を知ることは、建築の読み解きに大きな力を与えてくれるだけではなく、何より物語そのものが面白いのです。
現在、私は浦河で赤心社という木造の店舗兼事務所を設計監理中です。そこには長い歴史があります。「赤心社は、キリスト者の開拓集団のために北海道日高地方の浦河に設立された組織である。(ウィキペディアより)」始めは開拓集団の中心人物、澤茂吉の話です。

慶應義塾大学出版会による三田評論に北海道の開拓者として紹介されていますので、一部引用します。(2011年11月号~加藤三明・慶應義塾幼稚舎長)
澤茂吉(さわしげきち)は、嘉永6(1853)年、摂津三田藩士の長男として生まれ、明治4年から慶應義塾で学ぶが、二年後、夫に先立たれ、次男、三男を失った母の希望で退塾、帰省して、酪農に従事する。明治8年洗礼を受け、同10年から二年間、神戸ホーム(現神戸女学院)で教鞭をとる。同15年、旧三田藩士を中心とするキリスト教開拓結社の赤心社に入社する。赤心は「まごころ」「偽りない心」を意味し、赤心社は、理想郷を築こうと明治13年に鈴木清らによって設立された結社である。中略。そこで、開拓には優れた指導者が必要だとして茂吉に声が掛かったのである。

写真は、澤茂吉翁の胸像で、浦河町役場荻伏支所の前庭に建てられています。像の製作は、彫刻家・本郷新。



木曜日, 4月 25, 2019

物語を生むコンクリートブロック

月一連載の週刊ブロック通信コラム「コンクリートブロック住宅の系譜」最新号です。
サグラダファミリアが完成に近づくにつれ、ガウディの右腕ジュジョールが設計し工事開始後半世紀間の中断後に工事再開され完成に至ったコンクリートブロック造のモンフェリ―教会堂は、そのシンプルなプランと構造により小さなサグラダファミリアとしてだけではなく、ガウディ建築の原型としての意味を持つのではと考える。

金曜日, 4月 05, 2019

庭の残雪

4月になり、庭の残雪も少なくなった。5月の連休までしぶとく残る年もあったが、今年はもうすぐ消えそうだ。雪囲いの庭木や鉢植えなどの周りが融けている。根空きとか根開きとか言うそうだ。樹木や植木鉢などに吸収された太陽熱が、積雪に熱を伝えている。熱の伝導、輻射などがつくりだす自然の造形が面白い。なんとも不思議なラインが形づくられている。そして純白の雪が少しづつグレーに染まっていくのも春の訪れならではの光景だ。

日曜日, 3月 17, 2019

始まりはレンガ造

19743月17日は建築家L.I.カーンの命日である。没後45年。私のブロック造へのこだわりは、レンガ造との出会いから始まった。明日発行の週刊ブロック通信に寄稿しました。お読みいただければ幸いです。





木曜日, 2月 21, 2019

24年目の事実(ファクト)

週刊ブロック通信の連載最新記事、「ブロック住宅の系譜」が18日付けで発行されました。今回は、24年前に設計したブロック造住宅の改修計画についてのレポートです。暖房システムについて、当時と今の状況が異なり、現在は特にエネルギーとの向き合い方をきちんとしなければならない状況になっています。幸いにも住宅の断熱性能は現在も十分通用するレベルになっていますので、これから始まる改修計画は将来を見通した暖房システムの再構築をどうするかが最大のポイントになります。タイトルは、今年話題の著書「ファクトフルネス」を念頭に置いたものです。20年前の常識が今は通じない「事実に基づく世界の理解」の必要性が私のまわりにも例外なくありました。
24年前のブロック造住宅の改修から学ぶこと

水曜日, 2月 13, 2019

コーヒー飲んでます。

今年も東京にいる息子のお嫁さんからチョコを送ってきました。ベルギーの有名なパティシエだそうです。そういえば、数日前にテレビ番組で紹介されていました。なんでも世界中のカカオ豆農園と契約していろいろ異なった味を追求しているとか。番組では完成したチョコレートを初めて食べたカカオ豆生産農家の驚きの表情が印象的だった。個人的にはあまり実感がないが、こうしたものが私たちの口に入る、やはり日本は間違いなく豊かな国のようだ。
TVではカカオ豆は加工され舌触りが良い数ミクロンの粒子にするのだという説明。美味しいですね。

月曜日, 12月 10, 2018

冬景色

南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジに雪が降った。数日前から降り積もっている。頭のどこかでこの景色を楽しみにしていたのは私だけではない。白い雪が大地を覆いつくし、風景が小気味よくリセットされる。楽しみの理由は他にもある。冬景色が私たちにこの地に生きる者のプライドを示してくれるのだ。人はプライドの生き物、だから清々しい。
山之内建築研究所が設計した「カスタマイズできる家」
南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジ 撮影:山本亜耕氏

金曜日, 12月 07, 2018

JEH優秀賞

日本エコハウス大賞優秀賞2018を受賞して2週間と3日、ようやく落ち着いてブログを書くことができました。思えば、エントリーは締め切り当日にようやく提出しましたし、ファイナルプレゼンテーションは初めての会場でしかも5分間の短時間で行う、ぎりぎりのスケジュールと密度の濃い内容を要求されるものでした。そのなかで所定の成果を収められたことに安堵しています。全国から選りすぐりのエコハウスが参集する中での受賞は、コンクリートブロック住宅の存在を知っていただくまたとない良い機会になりました。
しかし、まだまだコンクリートブロック住宅は十分に知られていないことがはっきり認識できました。この貴重な機会をきっかけにして情報発信をしていかなければと思います。

毎月コラムを寄稿している「週刊ブロック通信」で当日の取材と論評を書いていただきました。古くから踏襲されてきたブロック住宅の良いところを生かして、さらに時代に合った新しいありかたを模索したいと思います。

木曜日, 11月 22, 2018

第4回日本エコハウス大賞の優秀賞を受賞しました。

11月20日、東京ビッグサイトで「第4回日本エコハウス大賞」ファイナル審査で「カスタマイズできる家」が優秀賞を受賞しました。日本全国からエントリーされた力作ぞろいの中からの光栄な受賞です。「カスタマイズできる家」は、北海道に根付いた古くて新しい素材のコンクリートブロック建築を再定義した住宅です。写真は、授賞式の様子です。

水曜日, 10月 03, 2018

教会建築2題

JIA(公益社団法人日本建築家協会)の全国大会に参加した。私のミッションは南幌町きた住まいるヴィレッジの発表。無事役目も終わり余った時間を利用して、かねてから見ておきたかった建築を駆け足で回った。①「弓町本郷教会」と②「聖アンセルモ教会」それぞれに特徴のある建築。私の興味は、①「弓町本郷教会」では型枠ブロックの元祖・鎮ブロックを、②「聖アンセルモ教会」はレーモンドの設計をそれぞれ体験すること。①の鎮ブロックは、躯体に使われているということだが、表面のタイル状のものがそうなのかよく判らない。内装は、きれいに仕上げられているので躯体らしきものは全く見ることができない。そもそも、ブロックは躯体であり、そのまま仕上げとすることが特異なのかもしれない。コンクリート造なのだが、パイプオルガンのある会堂では木造建築のような親近感を感じた。
②のレーモンドの設計は、木造のこじんまりした教会(札幌聖ミカエル教会、カトリック新発田教会)を見慣れた目からは、堂々たる規模の迫力を感じた。圧倒的気積の大きさに驚くとともに、折しも始まったミサの荘厳さをゆったりと包み込むことができる空間ボリュームを末席にて堪能することができた。打放しコンクリートが室内を覆い、近代建築の人工的な表情を見せてはいるのだが、出入り口や側壁まわりが手の届くスケールで構成されているために心地よく感じられる。人の心に響くスケールの力を見た思いだ。
弓町本郷教会

聖アンセルモ教会

聖アンセルモ教会

聖アンセルモ教会
コンクリートブロック(鎮ブロック)を使用した建築
弓町本郷教会

火曜日, 9月 11, 2018

工事中の家その2

昨日に続き「神楽岡の家」現場の報告です。工務店さんからLINEで木製サッシ到着したとの画像。先日の「北海道胆振東部地震」の影響により3日遅れたものの工程上問題ない。トラリッドフェンスターというスウェーデン製の窓で、私はおよそ30年来使用しているものだ。今回は札幌オーバーシーズ社扱いだが、ガデリウス社などの商社がほぼ同じものを取り扱っている。定価は外為の変動で時々変動するし、納期は船便のため3か月を要するので計画的な発注が重要。仕様は3層ガラスで、U値はFIX窓で1.1、回転窓と片開窓で1.2の高性能品。木製サッシは、太い窓枠と重たいガラスがブロックの重量感に負けない存在になる。

月曜日, 9月 10, 2018

工事中の家

なんと6月以来、3か月ぶりの投稿です。この間、記憶に残っているのは「南幌町みどりのきた住まいる住宅」だろうか。6月2日、オープン以降ほぼ毎週末の土日は午後からとはいえ「カスタマイズできる家」に案内係として張り付いていた。その間、実にありがたいことに、大勢の道内外からの人々に見学していただいた。
9月に入り、工事中の現場で佳境を迎えているのが「神楽岡の家」です。ようやく躯体のコンクリートブロック積が完了し、屋根と外壁に取り組んでいる。
西~北面はコンクリートブロック2重積壁で、緑の中から姿を表す

火曜日, 6月 05, 2018

屋外コンセント

南幌町のモデルハウスでは、モデルハウスということもあり、これからの暮らし方を誘発するような仕掛けを試みている。その一つが、EV・PHEV用充電屋外コンセント。電気自動車の充電コンセントだ。定価は数千円のものだから、必要になった時に取りつければよいのだけれど、すでに用意したところにモデルとしての意気込みがある。
コンセントはカーポートの奥。

右がEV・PHEV充電用コンセント、左は通常の100v屋外コンセント。

月曜日, 5月 28, 2018

南幌町現場#98の昨日

オープンを1週間後に控えた、昨日、私たち晃和+山之内チームの住宅「カスタマイズできる家」の様子をスナップ写真とともにレポートします。刻々と出来上がる住宅を目の当たりにするのは理屈抜きに嬉しい。いろいろ考えて、カタチになった。そして生まれたカタチに触れて、新たな楽しみが今また始まる。
照明が点灯し、植栽も加わった。

高窓。室内から空を見るのは開放感がある。小屋組タルキが日射調節ルーバーになる。
臥梁から上部は、木の香りがする北海道産のトドマツ合板貼。
玄関は居間収納で仕切られている。来訪者は不可視だが気配は伝わる。

台所窓。目線を可能な限り下げた。
FIX窓下の床ガラリ。床下で暖房された給気をとっている。
居間。敷地の向こうに緑の遊歩道が見える。
ブロック壁を浮かび上がらせる照明効果を確かめる。



木曜日, 5月 10, 2018

柔らかい

週刊ブロック通信5月7日号掲載の南幌町プロジェクト「カスタマイズできる家」

今月末の完成へ向けて、いよいよ外壁を張り始めます。近所のホームセンターで手に入る荒木をそのまま使用。DIYでメンテナンスが可能になりますし、材料調達コストをわかりやすくユーザーに伝えることができる。これは、外壁がコンクリートブロック造外断熱材を保護するためのものであり、さらに外観を考えればよいだけ、という容易さから生まれた発想でもあります。
もちろん木材保護を考慮して、オリンピックステイン#900を木目が出る程度に薄塗しています。しかも塗装のプロではない工務店の社員が総出で塗るという徹底したユーザー目線です。
内部も形が見えてきました。ブロック造とはいっても天井と床、そして壁の半分は木造。だから、内部はトドマツの良い香りが充満しています。特徴的なハイサイドライトからは一日中、柔らかい光が差し込みます。冬場のダイレクトゲインを主眼としていますが、今の季節は直射日光ではなく柔らかい天空光で満たされることをイメージしています。


木曜日, 5月 03, 2018

新川通の桜

札幌市内北区を流れる新川沿いに桜並木がある。特に北側河岸は日照条件が良いのか美しく咲いた桜が多く並んでいる。そのなかでも特に見事なのがあった。どうやら数本の樹がうまく重なっているらしい。