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水曜日, 1月 05, 2011

小樽とバルセロナ

4日は、JRで小樽へ。目的地は、小樽駅からほど近い静屋通りにある蕎麦処「藪半」。かつて小樽運河の保存に功績のあった面々が集い新年会を開くというので、その昔に多少関わりのあった私も参加となった。昨年暮れに、峯山冨美さんという巨星が墜ちたばかりで、地味な酒飲み会になるはずだったそうだが普通の新年会になっていたのは、古い石造倉庫の2階という場のせいだろう。


写真は、蔵の引き分け窓。シンプルな納まりだが、どこかシュールだ。ほろ酔い気分で今年の一年がよい年になることを願いつつ11時の最終電車で、無事札幌に戻ることができた。
             

5日、バルセロナから年賀状が届く。昨年現地で出会った建築家・エンリック・マシップさんからのものだ。彼の最新作の100mの白い高層ビル、トラ・ゼロゼロが写っている。工事中を見学させていただいた。手前にヘルツォーク・ドムーロン、奥に建設中のザハ・ハディドの建築にはさまれている。遠くに地中海が見える。私も今日から頑張ろうという気にさせる一枚の写真だ。

火曜日, 1月 04, 2011

2011年が始動します

3元日も過ぎ、2011年が始動します。新年あけましておめでとうございます。


札幌は穏やかな正月です。雪は少なく、一日中0℃以下の気温で真冬日ではありますが、ときどき暖かい太陽が顔を出すと冬の厳しさを忘れます。正月恒例のTV三昧も3日目ではすっかり飽きました。BS-TBSの「世界遺産アンコールワット」は、興味を持った番組でした。箱根駅伝より観たかったのは、一昨年同じ地域にある「山の手の家」を設計した縁で勝手に応援している札幌山の手高校のバスケット日本選手権の試合でしたが、まったく中継されないのは残念でした。

今年はもういちど私の建築の原点を見つめる一年にしたいと思っています。もっと原寸大に設計活動し、結果、クライアントはもちろんのこと関わった人の夢や希望が響き合う建築の力を実感したいものです。
というのも昨年、バルセロナでガウディ建築を見聞きし、建築×建築家×地域×人、の完熟した関わりに触れる機会を得たことが大きい。

写真は、サクラダファミリアの敷地内にある付属小学校内に再現されたガウディの仕事場。なにより、建築家の現場主義や職人気質や合理精神や夢を見る力がここにはあると感じた写真です。

金曜日, 12月 31, 2010

総集編

2日間にわたったTV「龍馬伝」の総集編を見終わって、今年のドラマだったとつくづく思った。演じた役者の所作はもちろんのこと、灯明や月明かり、海に反射する強烈な日光や夕陽、雨や嵐など印象的なシーンを映像と音で表現した優れたクリエーターの存在を思う。


そこで、今年の私のブログ「住まいづくりYYAA」の総集編です。これは、3日に一度のペースで年間通算121回のアップでした。月平均にすると10回。内容はと言えば、現場報告が48回、建築関連の話題が40回、その他日常の話題が33回でした。

現場報告で最も多かったのは、小樽祝津の茨木家番屋関連。その小樽の運河保存運動に尽力された峯山冨美さんが今月28日、96歳で亡くなられた。一昨年、小樽運河保存運動の功績で受賞された日本建築学会文化賞のお祝いの席でのお元気な姿が思い出されます。ご冥福をお祈りします。

火曜日, 12月 14, 2010

バルセロナ建築展レポート1

日本建築家協会北海道支部とスペイン・バルセロナのカタルーニア建築家協会との交流建築展のため、先月(10月30日から11月8日まで)最初の週にバルセロナに行ってきました。当地の建築家との交流などがあり有意義な1週間でした。建築展はおよそ1ヶ月間、当地で開催され12月11日が最終日でした。

バルセロナと言えばガウディです。31年前、1979年3月に札幌で開催された「ガウディ展」を手伝って以来、私はいつか訪れたいと思っていたバルセロナでしたが、やっと念願がかないました。実際に体験したガウディ建築は、非常に手入れが良く明るく綺麗な印象でした。今回、私たちのツアーをサポートしていただいたスペイン在住30年のガウディ研究者で建築家の田中裕也さんたち後継者の努力の賜物です。建築家の魂が建築に宿り後継者に受け継がれている。そのような姿を見た思いです。

ガウディ建築を通して感じたことなど、今後レポートします。




会場のCOAC(カタルーニア建築家協会本部)
現地の建築家との交流会
            今回見学したガウディ建築主要7題

水曜日, 12月 08, 2010

灯りが点灯しています

8日(水)は、北星学園大学へ週一で通っている非常勤の日です。私が教えているのは、文学部心理応用コミュニケーション学科です。講義の目的は、誰もが感じていながら気づいていない空間との応答を、はっきりと気づかせ意識させ意味を理解すること。その結果として豊かな空間体験を多く持ってもらおうとするものです。今日は、小さな1/40模型を作る課題の講評でした。とにかく初めて模型を作る学生ばかり、あるいは一生に一度の出来事かもしれないのです。しかしどうでしょう。果敢に取り組みなかなかのものが出来上がりました。私はかのガウディも模型を作りながら現場を進めていた、と写真を使って説明したところ、一人の学生がガウディのように曲面を表現したかったのだけれどスチレンボードでは上手く表現できなかった、と言うではありませんか。学生のこころに空間の灯りが点灯しているのでしょう。立派に授業が成り立っていると確信した一瞬でした。


午後4時半、外は真っ暗です。キャンパス中庭にはこの季節大きなクリスマスツリーの灯りが点灯しています。早速iPhoneカメラで収めましたが、若干てぶれが幻想的か。

土曜日, 12月 04, 2010

プレカット工場製品検査

2日(木)午後、白老にあるプレカット工場へ製品検査に向かった。

今回の工場訪問の目的は、年間数百棟ものプレカット実績ある工場を視察すること、そしてストックヤードに積まれた現場納入製品を確認することだった。

昨日3日(金)は、北海道建築作品発表会があり、私は「山の手の家」を発表した。「発表会が終わった後の懇親会まで出席してはじめて作品発表会が終わる」という角支部長の言葉通り、私も懇親会で様々な方たちと楽しい時間を過した。

火曜日, 11月 30, 2010

北海道建築作品発表会

12月3日(金)午前11時から午後4時30分まで、北海道立近代美術館講堂にて「北海道建築作品発表会」があります。参加者には建築関係者や学生などが多く、専門的な発表会ですがどなたでも参加できますし入場無料です。今年は、30回目の節目の会になります。私も「山の手の家」を発表します。

月曜日, 11月 29, 2010

Xmas ShowWindow

29日朝、あたりは一面白い雪に覆われています。昨晩から降り続けて10cmを超えています。
昨日、いつも無垢板フローリング等を供給していただいている江別市大麻(おおあさ)の「ウッドいのうえ」さんに行ってきました。店舗では家具やローソクや小物を展示販売しています。薪ストーブの柔らかい暖かさに包まれた店内は天井から吊るされた色とりどりのモビールがクリスマスの雰囲気を演出していました。ほっと一息つける、そんな空間です。

木曜日, 11月 25, 2010

1800mm高のコンクリート塀

1800mm高さのコンクリート塀が隣家との境をつくる

コンクリート打設作業中
25日、札幌市内手稲の住宅現場では、先週打設したコンクリート型枠を外すと、しっかりした打放しコンクリート壁が現れた。冬場の工事で気をもんでいるのだが、幸いに天候に恵まれ工程通りに進んでいる。近日中にプレカット工場へ行き木材加工の状況を確認する予定。

水曜日, 11月 10, 2010

地鎮祭

先月末、札幌市内で地鎮祭がありました。先週末から早速着工し、本格的な雪が来る前に基礎と屋根までしっかり作り上げる、そのような緊張感ある現場です。乾式の在来木造だから可能な工事だともいえます。

水曜日, 10月 27, 2010

初雪

昨日、札幌市内では初雪が降りました。一夜明けた27日、朝の庭です。


数ヶ月前の、あんなに暑い夏が今は記憶のかなたにあります。これから、楽しい?冬の季節が到来します。北海道の住宅は、冬の季節が一番輝くのです。

木曜日, 10月 21, 2010

七条の平屋






札幌市中央区の「質素な家」改め「七条の平屋」が竣工した。家の価値は使用する材料の値段にあるのではなく、家全体の雰囲気や落ち着きにあるのだということを確認できた。質素な素材を駆使したローコスト住宅ではあるが、平屋という建て方が本質的なぜいたく感を引き出している。ということで、竣工を機会に本日からこう呼びます。

金曜日, 10月 15, 2010

インディアンサマーIndian Summer

14日、「旭川友の家」一年点検に向かいました。開口一番の挨拶はインディアンサマーですねと、小春日和の気持ちのよい旭川でした。一年間を経て、クライアントの評価は定まったようです。


ちょっとした手直しもありましたが、たいへんお褒めの言葉をいただきました。

グレーのガルバリウム鋼板の新館外観。左は、旧館

月曜日, 10月 11, 2010

ホオズキとシーサー

事務所と自宅の共用の玄関に妻がホオズキとシーサーを置いた。季節を感じさせる柿色のホオズキと招き猫ならぬ招きシーサーの組合せはココロを和ませる。

9日の夜、札幌市のPホテルで高校の同期生による還暦パーティが催された。高校を卒業してから早41年がたってしまった。鏡を見るようにお互いの変わり果てた?姿に見入ってしまうのだった。

木曜日, 9月 30, 2010

秋の気配

「質素な家」現場はすっかり秋の気配。カラマツ羽目板外壁は、木漏れ日がすがすがしい。外壁の水切りを良くするために、サッシの外側に羽目板を貼った。サッシまわりの板厚が見えている。無垢板は厚みで存在感を主張できる。いつも付けているガルバリウム板金の水切役物は最小限とした。シンプルで無駄がない私の好きな納まりだ。

火曜日, 9月 28, 2010

雨の現場




28日午後の雨の中、札幌市中央区の現場へ向かう。外部足場が外れ、外観が見えている。正面は、既存の樹木がうっそうとしており、目立たない。カラマツ羽目板とガルバリウム鋼板竪平葺のコントラストが自然だ。

山の手の家

9月25日発売の建築雑誌リプラン90号に「山の手の家」が掲載されました。今回は、ズームアップ住宅のコーナーで、もちろん写真家の安達治さんの撮影です。

金曜日, 9月 24, 2010

健康維持と200×10

昨日、北区のNPO法人「ふまねっと」の様子を見に行った。

自力施工でファサードの木ルーバーを塗装してあった。快適に使用しているとのこと、ひとまず安心。ふまねっと運動は、高齢者の健康維持と地域の活性化を目的とした活動です。

今年はこれまでイチローについて書かなかった。それでも、いつ大記録が生まれるかは気にしていた。今朝のブルージェイズ戦で10年連続200本安打の快挙が達成されたのを、TV中継で見た。


かつて、世界の建築家を見てきたGAの二川幸夫氏が建築家のピークは15年間だと語っている。建築家との単純な比較は出来ないが、身体を極限まで駆使する運動選手が15年間以上にわたって最高に健康でピーク状態を維持していることが驚きだ。

木曜日, 9月 23, 2010

非常勤講師(part-time teacher)

建築の7つ道具として紹介したスライド
メモ帳、シャープペンシル、スケール、デジカメ、そしてiPhoneなど

きのう22日から、後期の授業が始まった。北星大学文学部心理応用コミュニケーション学科で「空間コミュニケーション論」の講義だ。2003年の開講にあたって当時の主任教授から与えられたテーマを、私は普段仕事として関わっている住宅の空間論と関連付けて話している。初対面の学生さん達は若干緊張気味で、もっと建築を見たかったという講義後の意見があった。私も緊張していたのだろう、しゃべり過ぎだったかも知れない。来週は、話を控えめにしてたくさん建築を見せようと思う。「建築の7つ道具」として紹介したスライドの中に我がiPhoneがあるのはなぜ?という質問が学生からあった。なるほど、携帯電話としてだけなら他の機種でいい。しかし、私は実際PDFを持ち歩いたりでき便利なので、仕事に使えると言う意味で7つ道具に加えている。ちなみに、学生に尋ねたら50人ほどのクラスでiPhoneを使っているのは1人だけだった。

火曜日, 9月 21, 2010

支給品

見積外のものを現場に供給することを支給というのだが、手っ取り早くおこなうために私は自作をすることがある。昨日の休日を利用して、照明ボックスを3個作った。材料は、ストックしてあった合板である。日曜大工よろしくガレージで丸のこを使って木取りをしていると、きまって隣人に声をかけられるのも近所のコミュニケーションとなって楽しい。この程度のものなら、大工さんにお願いしても快く引き受けてくれるはずだが、ほどほどの手の感触を残したくて自作した。

水曜日, 9月 15, 2010

街なか彫刻

15日午後、札幌市の教育文化会館にて長期優良住宅の講習会に参加した。3時間に及ぶ詳細で丁寧な講習で、あっという間に時間が過ぎた。中ほどの休憩で外に出たときに志水晴児さんの湧水彫刻を久しぶりに眺めた。場所は札幌市中央区北1条西13丁目。大通り公園周辺には、30点以上の野外彫刻が点在しているという

火曜日, 9月 14, 2010

建具工場

「質素な家」の解体した既存建物から取り置いた建具を新築の住宅に取り付ける打合せを、東区の建具屋さん「鷲尾ウッドワークス」で行なった。ガラス入りの古い建具、実は小樽の茨木家中出張番屋の一部の建具と偶然にも同じ形式のものであった。2つの建物が増築や改変などどこかで時代が重なっているのだろうと推測している。暖房用のストーブや大型工作機械が配置された工場の昼休みの無人の中を案内していただいた。

左が「質素な家」、右が茨木家番屋

工場2階
暖房用薪ストーブ
             

木曜日, 9月 09, 2010

サーリネンの円形建築

9日は、フィンランド出身のアメリカの建築家サーリネンの葬儀があった日だという。サーリネンが設計した米国MITのチャペルがその会場であったというのを知った。私が以前MITを訪れた時には、日曜日の午前中で中国系らしき若者達が結婚式準備をしているところだった。外観のこじんまりした印象と違い、内部は大きく感じられたのを思い出す。チャペル内に入ると音響的理由で大きくうねり、建物まわりの水盤からの反射光を受けるレンガ壁を確かめつつ、中央天井から降り注ぐ光のオブジェに吸い寄せられた。ぶら下げられた金属板のピースに光が粒のように輝くオブジェは、ハリー・ベルトイアーの作品だということもつい最近まで知らなかった。サーリネンの葬儀にはルイス・カーンらと共に参列していたという。レンガの巨匠の夭折を目の前にして、ちょうど還暦を迎えたばかりでダッカに最大のプロジェクトを進めていたカーンは期するところがあったに違いない。およそ半世紀前のことだ。私の円形建築コレクションのひとつ。


レンガの外観
入口の上にはねだしているパイプオルガン席

光のオブジェ

屋上のオブジェ