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月曜日, 4月 14, 2008

木製ベンチの点検


雪が融けてしばらくたった自宅の庭に冬の間しまっておいた木製ベンチを置いた。これから次の冬がくるまでの半年間この場所に出しておくことになる。ベンチとテーブルは3年ほど前に近くのホームセンターで入手した。つくりは本当に簡素なもので最小限の細い部材をビスでとめボルトとナットでつないでいる。だからことしも使い始めは裏返してビスが抜けていないかナットが緩んでいないかを点検しなければならない。これがなかなか楽しい。

日曜日, 4月 13, 2008

東札幌の塔屋(penthouse)


昨日打合せの帰り道で、ミゾレ混じりの灰色の空にポツンとサイコロのような塔屋を見つけた。早速車を路肩に止めてしばらく眺めた。工場か倉庫のエレベーター機械室だろうか、直方体の外壁と規則的に組み込まれた明り取りガラスブロックが、形態を象徴的にしている。律儀にガラスブロックの中心に目地を切っているところもいい。電線に邪魔をされて歩道からはうまく見上げることが出来ないが、この塔屋はこの場所を印象付ける目印として十分な存在だと思う。これも建築の力でしょうか。

火曜日, 4月 08, 2008

地鎮祭


きょう午前中、真駒内東町の家で地鎮祭があった。構造は木造一部RC造、規模は地下1階地上2階建て。およそ130㎡の小住宅。
設計は、階段の蹴上げ寸法180㎜の倍数をもとに天井高さなど全ての断面寸法を決定するところから始まり、最終的に全体を5つのフロアーによる断面構成いわゆるスキップフロアーとした。また、北海道産木材で無垢の自然素材を構造材と仕上材に多く使用する予定。
昨年来準備を進め雪解けを待ちようやくこの日を迎えることができた。こういう日はいつも嬉しい気持ちになるものです。

月曜日, 4月 07, 2008

フロッタージュ


建築専門誌の新建築4月号で真壁智冶氏のなつかしい名前を見つけた。真壁氏は、70年代の初頭「タウ」というアングラ?雑誌で、私たちに都市=街の奥行きや楽しみ方を教えてくれた一人。後年、私は札幌市教育文化会館でのイベントに参加した。彼は、建物の外壁など手当たり次第に画用紙を当てて6B鉛筆でこすりだすフロッタージュ手法を伝授してくれた。私たちが向かった大通り公園近くの老舗デパートの階段室の壁には、大理石が貼られていた。こすりだしながら大理石に小さな化石を発見した。その瞬間、私たちは地球の歴史に思いをはせ、手に触れている石が建築素材の一番上質なものなのだと了解した。

先月末に帯広の街を早朝散策したのは五十嵐正建築の発見と鑑賞が目的ではあったが、通りがかりに偶然目にする街の奥行き感を楽しみたかった。私は、建築のつくり方にこうした街や建築を発見する方法論が生かされることを信じている。

写真は、6B鉛筆と舗装用敷石のフロッタージュ。

コンサバトリー(conservatory)


昨日の設計相談会は、入学入園式などと重なったせいか開店休業状態でした。次回は来週13日〈日曜日〉開催予定です。ご希望の方は山之内建築研究所のホームページからメールでご連絡ください。

コンサバトリーという温室のような空間があります。以前、米国マサチューセッツの海岸沿いの街で見たコンサバトリーはバルコニーに連続して庭や海に向かっていかにも気持ちのよい場所に思えました。
写真の模型は、とある量産化住宅のプロトタイプです。米国での体験を形にしたもので、北国の住空間に熱環境的な緩衝空間をつくる目的があり、玄関と居間にガラスで囲ったコンサバトリーを設けています。居間のはサンルーム、玄関のは風除室と言うべきでしょうか。

金曜日, 4月 04, 2008

日曜設計相談


4月6日(日曜日)、山之内建築研究所にて設計相談オープンオフィスをいたします。
時間は午前10時からです。
ご希望の方は前日に電話またはメールにてご予約が必要です。山之内建築研究所のホームページからお入りください。
今年新築を考えている方、土地選びに迷っている方、住宅の建て方をお知りになりたい方、事務所をご覧になりたい方、ぜひご連絡ください。お待ちしています。

火曜日, 4月 01, 2008

ロボットの時間


ドラえもんの物語は作者が不在になって続偏が楽しめないが、先日の夕張ファンタスティック映画祭で観た映画「僕の彼女はサイボーグ」「死神の精度」は時間を行き来するまさにドラえもんの続きのようで楽しめた。
昨日TVでRピアノが建築家は夢みる冒険家だと語っていたのが妙に記憶に残っている。彼もドラえもん?
あらゆる情報がインターネットで世界を駆け廻る時代、確かなものはやはり手に触れ体感できるもの。そう信じる私はばたばたと地べたを駆け巡り、小さな夢をつくり続ける建築家。住宅を夢見ているまだ見ぬクライアントの皆さんとお遭いする時が一日も早く訪れることを願っている。
アシモ君のミニチュアを見ながら思う今日はMLBの安打ロボット・イチローも開幕する4月の1日。

月曜日, 3月 31, 2008

帯広


帯広を訪れていた日曜の早朝、駅前の中心街近くを散策した。晴天だが気温マイナス2度。バッグから取り出したデジカメがいきなりシステムエラーを起こす。目的は帯広で500の建築を設計した建築家五十嵐正の建築に対面するため。かといって確かな目的地があるわけではなくただぶらりと歩く。このへんだろうと目星をつけそれらしく丁寧に楽しんで作っているビルをみてまわった。西2条通り六花亭本店近く「伊香保ビル」はあった。地下の喫茶店は先月閉店したと聞く。写真は、1階エントランスの白いモザイクタイルと照明器具。建築家は施主と建築のためにある、という言葉が頭をよぎった。

木曜日, 3月 27, 2008

小樽


先週、土曜日に小樽へゆく。30年前、小樽運河の保存のためになにか応援できないかと考えた若者達が小樽ポートフェスティバルという祭りを始めた。結果、大人たちを動かし運河は残り道路もできた。祭りの第1回メンバーのひとりが道外へ旅立つというので彼の送別会があった。私の小樽との初めての出会いは、この小樽ポートフェスティバルから始まっている。
次の出会いは「小樽入船の家」。写真は、竣工当時のもの。山之内建築研究所を立ち上げた年に設計。大屋根を架けたニシン番屋のような住宅で、暖かく居心地のよい家だ、と施主のO氏が言う。彼もまた30年前の仲間。
今年は「公園通り教会の改修工事」があり、また小樽に関わることになる。

金曜日, 3月 21, 2008

ゆうばり


昨日、春分の日の午後から映画を見に行った。財政破綻の影響を受けて昨年中止されていた夕張国際ファンタスティック映画祭が復活したのだ。向かった先は、夕張市民会館。いわゆる多目的ホール、大小あるうち580席の大ホールがメイン会場。今回NPO法人が立ち上げられ、市民の手で運営されている。「再開しようにも雨は漏る、壁にはカビが、水はストップ、ボイラーは動くのか?あきらめかけた矢先、市外から修復を引き受けてくれた企業があった」(ゆうばりファンタプレス紙から引用)という。こうした会館が文字通り住民の手で文化の拠点となっている本来の姿を見ると、暖かい気持ちになる。と同時に、設計する建築家としては維持管理費のかからない丈夫で長持ちする建物が本当に必要になのだということを痛感する。
私は熱心な映画ファンではないけれど、映画に感動する。今回は、綾瀬はるかさんと小出恵介さんの舞台挨拶を見た。俳優さんたちに直に会えるのもこうしたイベントの魅力。写真は、市民によるものだろう。一週間前、チケットを受け取りに行ったときに見た雨中の雪降ろし風景。

木曜日, 3月 13, 2008

クリムト連想


一昨日の新聞にNHK大河ドラマ篤姫のタイトルバックがクリムトだという記事が載っていて、妙に納得した。実は同じことを感じていて確信的にそれを他言していた私は、この記事を見つけてほっとした。心のどこかで固まっていたモノが融けて流れた。連想は妄想ではなかったと。
いやいや連想はあながち外れていない。それどころか連想は、コミュニケーションの大きな武器なのだ。建築においても。
写真は自宅前。12日は好天に恵まれて、雪が融けて路面のアスファルトが顔を出している。

月曜日, 3月 10, 2008

KWH新聞記事


昨年末に竣工した、発寒の住宅「KWH」が北海道新聞の日曜版で紹介されました。

実は昨日、苫小牧でのイベント参加のお客様から「新聞で見たよ」と声をかけられ、話が弾んだ。お客様はありがたい。

苫小牧


土日は、ASJイベント参加のため苫小牧にいた。幸いにも両日ともに好天に恵まれ会場の高窓から見える空は青く雲ひとつない。多数の来場者に足を運んでいただき、熱心にパネルを見ていただきまた住宅づくりの話をたくさんさせていただいた。ありがとうございました。

土曜日, 3月 08, 2008

保険


住宅の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法には三つの柱があって、その中の一つに施工者(売主や請負人)へ10年間の瑕疵担保責任を負うことを義務付けている。しかし、必ずしも瑕疵担保責任を負いきれない現実が露呈した。そこで、施主(消費者)保護の観点から施工者(売主や請負人)があらかじめ保険に入るなどの義務付けがなされることになった。それが「住宅瑕疵担保履行法」で、来年10月に施行される。今日は、その研修会があった。
写真は、会場のJRタワ―から撮った札幌市中心街。ちなみに、設計者には建築家賠償責任保険というのがあり、もちろん私も加入している。

木曜日, 3月 06, 2008

フリージア


事務所のエントランスホールに花置き台があり今はフリージアが飾ってある。1坪ほどの狭い空間なので、花の香りが充満して気持ちがいい。聞けば南アフリカ原産だという。そういえば南アフリカの隣国ボツアナにいる施主から、プラン打合せの連絡とともに夏の真っ盛りで一日中クーラーを使うため体調が悪いというFAXがあったばかりだ。黄色のフリージアから暖かい春を連想している。

金曜日, 2月 29, 2008

2月29日


4年に一度の2月29日、この日は日本人男性平均寿命の78歳まで生きられたとしても20日ない。私の場合そのうちの半分はすでに過去の日々、残りは10日もない。と考えると今日はなんだか無駄にしたくない。

福祉機器の展示会と住宅に関連した講演会があるというので行った。会場は札幌市社会福祉総合センターで、実は私がかつて修行時代に設計を担当した建物。講師は目白大学教授の金沢先生。建築と理学療法を修めた実践的研究者だ。「自分でできて、安全で、介護が楽な住宅のヒント!」という演題。そのなかの「人の動きと住宅」では、一例として人の重心の移動と手摺の位置について分かりやすい話をお聞きすることができた。最初に住環境改善が障害者の自助努力到達点を画期的に底上げできること。それが障害者にとってどれほど重要かということを力説された。これは、私たち住宅設計者にとって重要な視点である。

写真は、社会福祉総合センターのエントランスホールで開催されていた展示会。4階には、常設の福祉機器展示コーナーがある。福祉関係の勉強をしているのだろうか、若者の姿も多い。

木曜日, 2月 28, 2008

建築家


建築家は誰のためにあるのか?施主と建築のためにあると、私は先日「JIA住宅セミナー」で話した。建築のためには建築家は消えてなくなってもいい存在なのだと。では、建築家としての私の楽しみはどこにあるのか。その答えが一冊の本にあった。


20年に一度のビッグイベントであった「JIA北海道支部建築家展」が終わって20日あまりたったのだが、私はいまだ総括ができていない。このあいだ、建築家展会場で書籍販売されていた「建築家五十嵐正」を読んだ。直接面識はないが建築家・五十嵐正は、以前の同僚の親父さんだ。そうした親近感もあって、じっくり読んだ。帯広で五百の建築をつくった。建築界の中央に登場するような作品性は無いが丁寧に密度高く作り続けた。あくまでも建築家としての立場を貫きしかも楽しんでつくっている建築家だと、著者・植田実はいう。いうまでもなく植田実氏は私たちの学生時代の裏教科書「都市住宅」誌の編集者であるから即納得。3月末に帯広に行くので、五十嵐建築に対面することができる。いまから楽しみに思っている。

火曜日, 2月 26, 2008

雪庇3


「大谷地の森の家」は、間口が7メートルほどの敷地に勾配屋根を架けている住宅。敷地に残された余裕は、法規限度の1メートル余りである。ここで採用しているのがステイルーフという名の落雪防止屋根工法による切妻屋根。その効果を検証するため現地に向かった。写真は、雪庇ができる可能性のある風下側。雪庇はわずかに外壁から飛び出ている程度。ただし勾配屋根では積雪が深くなると表層雪崩がおきることがあるので注意がいる。

火曜日, 2月 19, 2008

雪庇2


19日は、札幌は連日の零下からプラスに気温が上がった。道路は雪が融けて、アスファルトの路面が顔を出している。こんな日は、気をつけなければいけない。屋根の上では降り積もった雪の表面が融けてツララを作ったりする。

午後、打合せのため「美しが丘の家」へ向かう。写真は、フラットルーフの風下の雪庇状態。今日のプラス気温で少しツララができているようだ。

月曜日, 2月 18, 2008

雪庇(せっぴ)


雪庇(せっぴ)は、一般的に建築では風下に向かって屋根から張り出した庇状の積雪をいうのだが、雪は融けるか落下するかしていつかは消えてしまうもの。だから、そのまま放っておいてよさそうなものだが、敷地に余裕がない場合は隣地への影響が気になるし、軒の出が少ない場合などは住宅自身の外壁を傷めてしまうのではないかと心配になる。私の場合はそうならないように注意を払い、外壁仕上等を吟味して設計しているのでほとんど問題がない。
写真は、昨年末に竣工した札幌市西区発寒の「KWH」の風下側の雪庇状態。ただし、屋根の断熱もしっかり効いていてツララもほとんどできていないので安心である。
昨日、新聞取材の立会いのために久しぶりに訪れた。施主のご家族は、とても満足されている。特にお子さん達には大好評のようで、「実は、おかあさん!家を買ってくれてありがとうと、5歳の息子に言われました」と、最大級のお褒めをいただいた。