小樽祝津の茨木家鰊番屋から棟札が発見されたのだが、そこに書かれていた大工棟梁のお孫さんで、東京在住のY氏から資料が送られてきた。決して分かるはずがないと思っていたのだが、偶然が重なって分かった。
梁によじ登り棟札を見つけた学生の偶然、室蘭工大で講演に来ていた建築家・西方里見氏に鰊番屋の話をした山之内の偶然、棟札の写真を秋田へ戻った西方里見氏にメールした時たまたま事務所にいた能代市役所のM氏が棟梁につながる情報を知っていたという偶然、それらが見事につながった。いま、墨書された棟札が読み解かれようとしている。
棟札一枚から、100年という時空を超えて一人の大工棟梁の人生を垣間見ることができる、改めて記録するという意味を考えさせられる出来事だ。
写真中央が大工棟梁・山田留三。
金曜日, 2月 12, 2010
月曜日, 2月 08, 2010
住宅計画調書
計画のスタートに際してクライアントの基本情報やさまざまな設計条件など、部外秘の個人情報を計画調書というペーパーに書き出してもらうのだが、今日クライアントから手渡されたペーパーには早速「住宅エコポイント」の要望が出されていた。「住宅エコポイント」なんという浸透力だ。今年は、これがキーワードになるのかもしれない。
山之内裕一/明治のラストサムライの末裔/室蘭工大で建築を学ぶ/16年間の設計事務所勤務の後独立して十数年/カタチあるものはなんでも設計できるはず/現在、住宅設計に没頭している/戸建住宅設計実績は50件以上/建築では想定外のことが必ず起きる/すべてが特殊解で、普遍的な解答がない/作ることが罪にならないように作る/難しいけれど面白い
以前書きとめた自己紹介の文面を見つけた。ちょうど十年ほど前の頃だったろうか、あれから時間が随分と経過した。読んでいて新鮮な気持ちになった。計画調書にこの拙文を載せておこう、そう思った。
山之内裕一/明治のラストサムライの末裔/室蘭工大で建築を学ぶ/16年間の設計事務所勤務の後独立して十数年/カタチあるものはなんでも設計できるはず/現在、住宅設計に没頭している/戸建住宅設計実績は50件以上/建築では想定外のことが必ず起きる/すべてが特殊解で、普遍的な解答がない/作ることが罪にならないように作る/難しいけれど面白い
以前書きとめた自己紹介の文面を見つけた。ちょうど十年ほど前の頃だったろうか、あれから時間が随分と経過した。読んでいて新鮮な気持ちになった。計画調書にこの拙文を載せておこう、そう思った。
月曜日, 2月 01, 2010
楽しく暮らす
30日、非常勤で通っている北星学園大学の学外講師交流会があった。私のような学外からの協力者と学内の先生たちとの交流会である。いかに一般社会と結びつけた教育ができるか、もはや学外の協力なしでは教育が成り立たないという。そのような主旨の集まりなので、実は非常勤講師の面々が一番楽しそうに話していた。楽しく教えることは楽しく学ぶこと。
31日、「千歳のエコハウス」の一年点検に向かった。補強コンクリートブロック造3階建ての構造体に外断熱を施し、空気熱源のヒートポンプで床暖房と給湯をまかない、太陽光パネルで発電している戸建住宅だ。一年間の生活体験を通じて居心地や使い勝手の良さなどお褒めを頂いた。同時にこれからの設計にも参考になるであろう改善点についてもご指摘を受けた。ありがたいことである。一年会わないうちに随分大きくなった子供さん達、ご家族みなさんが楽しく暮らしている痕跡を食卓のCB壁に発見し、写真を撮らせていただいた。
31日、「千歳のエコハウス」の一年点検に向かった。補強コンクリートブロック造3階建ての構造体に外断熱を施し、空気熱源のヒートポンプで床暖房と給湯をまかない、太陽光パネルで発電している戸建住宅だ。一年間の生活体験を通じて居心地や使い勝手の良さなどお褒めを頂いた。同時にこれからの設計にも参考になるであろう改善点についてもご指摘を受けた。ありがたいことである。一年会わないうちに随分大きくなった子供さん達、ご家族みなさんが楽しく暮らしている痕跡を食卓のCB壁に発見し、写真を撮らせていただいた。
金曜日, 1月 29, 2010
暖かい家
木曜日, 1月 28, 2010
エコポイント
月曜日, 1月 25, 2010
恩師再会
23日、高校時代のクラス会があり久しぶりに担任だった斎藤孝先生を囲んで数時間の再会をしました。高齢になるとともに仕事などでの社会との関わりが少なくなると、体の中心が崩壊するような気持ちに襲われたという。人生の大先輩の一言にはさすがに含蓄があります。ライフワークの科学啓蒙活動で手作りされた「ストロー鉄砲」をお土産にいただいた。みんなに広めてくださいとのことなので、写真と解説を載せました。
金曜日, 1月 22, 2010
冬の手稲山
22日、かつて非常勤講師としてお世話になった小樽市銭函(ぜにばこ)にあるポリテクカレッジに向かった。途中、手稲前田森林公園近くを通ると手稲山がパノラマのように広がる。往きは稜線がくっきり見えたのだが帰りは雲に隠れている。冬の山は一瞬たりとも同じ顔を見せてくれないようです。
木曜日, 1月 21, 2010
忙中閑有
昨日20日は、旭川へ向かいました。昨年完成した「旭川友の家」で新年初の打合せ。
出席者の皆さんに初めての冬でいろいろ気づいたことなどを伝えていただきました。
今日21日は、小樽への往復。小樽祝津鰊番屋の工事監理で工務店の担当者との打合せ。
この時期、冬道の運転は気を使います。昨日は、雪が解ける暖かさでアスファルト路面は黒々と顔を出し快走そのものでしたが、今日の夕方はすっかり凍結。油断するとまるでスケートリンクのようにタイヤが滑り危険。焦ってアクセルを踏むと余計からまわりする。誰でも分かってはいるのだが忙しいときこそ心の余裕を、か。
コーヒー店で、目をやった窓辺の餌台に野鳥が来ている。どうやら冬鳥のツグミらしい。北海道の冬は美しいと気づく一瞬だった。
出席者の皆さんに初めての冬でいろいろ気づいたことなどを伝えていただきました。
今日21日は、小樽への往復。小樽祝津鰊番屋の工事監理で工務店の担当者との打合せ。
この時期、冬道の運転は気を使います。昨日は、雪が解ける暖かさでアスファルト路面は黒々と顔を出し快走そのものでしたが、今日の夕方はすっかり凍結。油断するとまるでスケートリンクのようにタイヤが滑り危険。焦ってアクセルを踏むと余計からまわりする。誰でも分かってはいるのだが忙しいときこそ心の余裕を、か。
コーヒー店で、目をやった窓辺の餌台に野鳥が来ている。どうやら冬鳥のツグミらしい。北海道の冬は美しいと気づく一瞬だった。
土曜日, 1月 16, 2010
温度差25
16日午後、まぶしいほどの陽ざしに誘われて外に出るとこれぞ北海道という肌を刺す寒さ。実測値は外気温マイナス5℃で予想より暖かい。室内気温は少し低めの20℃、室内外で25℃の温度差が生じている。同じ時刻同じ北海道でマイナス10℃を下回る場所では室内外の温度差は30℃以上に達している。だから北海道では、住宅は食品冷蔵倉庫のような高性能の断熱が要求される。
木曜日, 1月 14, 2010
積雪200
あたりさわりなく天候の話題で始まる話で、誰もが同じように今年はおかしいという。例年雪が多いはずの所に雪がめっきり少なく、札幌のほうがよほど多いですねという。札幌も少ないですよと返すのだがいつでも帳尻が合うのが北海道の冬の常だから、まして昨年の記憶すら定かではない私の声は弱い。写真判定によると、今朝の庭は昨日よりおよそ200mm積雪が増えた。昨夜短時間の間に積もった雪だ。
水曜日, 1月 13, 2010
補講
今日13日は、北星学園大学で補講日。12月に、小樽祝津鰊番屋の工事入札業務が重なったためやむなく休講とした代替日。正月明けの学生はどんな顔をしているのだろう、と思いきや変わりなし。数日前に成人式を終えた2年生が1/3程度いる。試験に代わるレポートを課している最中なので、みな真剣。課題は、キャンパスの中で感謝する空間を見つけよというもの。キャンパスを設計した建築家、故上遠野徹氏への感謝の意味を込めた、数年続けているキャンパス発見の課題だ。感謝をどう解釈するのか、どこに感謝を発見するのか、それをどうレポートするのか来週の結果が楽しみである。
4時半をまわって校舎を出た。すっかり暗くなった雪明りの道を振り返って講義棟を写す。今年の札幌は、寒さは例年通りだがいままでのところ雪が少ない冬の日が続いている。
4時半をまわって校舎を出た。すっかり暗くなった雪明りの道を振り返って講義棟を写す。今年の札幌は、寒さは例年通りだがいままでのところ雪が少ない冬の日が続いている。
木曜日, 1月 07, 2010
続ルイス・カーン
バングラデシュに建築家ルイス・カーンが残した国会議事堂が、紙幣になっているという記事をイタリアの建築雑誌カザベラJAPANに見つけました。印刷された本の1ページとは言え、そのままコピーするのはいささか気が引けたので、見本と上書きしました。
自分が設計した建築が国の顔になっている、これぞルイス・カーンです。
他愛ない話題ですが、そのむかし現地を訪れたことを想い出したという、正月ならではの話です。
自分が設計した建築が国の顔になっている、これぞルイス・カーンです。
水曜日, 1月 06, 2010
鰊番屋続報
暮の大晦日に朝日新聞が祝津茨木家番屋を記事にしています。浜からの強い寒風の影響で屋根養生の工事が中断したままの写真。自然はいまも昔も変わらないだろうから、車も暖かい家も十分になかった頃の冬の浜の暮らしはどのようだったのだろうか。
住宅雑誌リプラン最新号に小樽の蕎麦屋藪半(やぶはん)の店主・小川原さんが載っています。彼こそが、祝津茨木家番屋修復工事の仕掛け人。知る人ぞ知るMACの使い手で私のiPhoneの先輩。得意のITを駆使して、山のようなメールとウェブサイトを操っています。興味のある方は、小樽藪半(おたるやぶはん)を検索してみてください。美味しそうな画像満載で、すいたお腹が鳴ること請け合いです。
住宅雑誌リプラン最新号に小樽の蕎麦屋藪半(やぶはん)の店主・小川原さんが載っています。彼こそが、祝津茨木家番屋修復工事の仕掛け人。知る人ぞ知るMACの使い手で私のiPhoneの先輩。得意のITを駆使して、山のようなメールとウェブサイトを操っています。興味のある方は、小樽藪半(おたるやぶはん)を検索してみてください。美味しそうな画像満載で、すいたお腹が鳴ること請け合いです。
仕事始め
6日、2010年の仕事始めです。よくわかりませんが、少しでも多くの人に見てもらえるのではとAdSenseをリンクしました。顔写真も載せました。
ちょうど印度の細密画「踊る男」のように自由に重心が動き自然に体が移動している。そんなふうにもう一歩前へ「出」る年にしたいと思っています。
正月休みに「SD選書ルイス・カーン建築論集」「建築家の講義ルイス・カーン」「私のルイス・カーン」3冊のルイス・カーン本を斜め読みしました。なかでも工藤国雄著「私のルイス・カーン」はみずみずしい表現で何度読んでも感動します。これといった根拠はありませんが、建築家ルイス・カーンは私に始まりを生む力を与えてくれると勝手に思っているからです。
ちょうど印度の細密画「踊る男」のように自由に重心が動き自然に体が移動している。そんなふうにもう一歩前へ「出」る年にしたいと思っています。
正月休みに「SD選書ルイス・カーン建築論集」「建築家の講義ルイス・カーン」「私のルイス・カーン」3冊のルイス・カーン本を斜め読みしました。なかでも工藤国雄著「私のルイス・カーン」はみずみずしい表現で何度読んでも感動します。これといった根拠はありませんが、建築家ルイス・カーンは私に始まりを生む力を与えてくれると勝手に思っているからです。
日曜日, 1月 03, 2010
2010年 謹賀新年
正月はお決まりのTV三昧ですが、除夜の鐘の音を聞いた直後の新年最初はイチローのMLB9年間通算2030本の安打を延々と全て見せるというただそれだけの番組を観ました。2001年から年間最多安打262本を打った2004年までの、なんと3時間も付き合ってしまった。さすがに6時間全ては付き合いきれませんでしたが。これぞ記録男の記録映像という番組でした。BGMが米国の70~80年代のヒット曲というのも心地よかった。
今日3日は、午前中にウィーンフィルニューイヤーコンサートの中継を観ました。アンコールではヨハンシュトラウスの「美しき青きドナウ」が聴けましたし、門外漢の私でも知っている曲ばかり、映像も美しく楽しめました。時間を気にせず楽しむのが正月TVの鑑賞法なのかもしれません。
今年4月、山之内建築研究所は20周年を迎えます。この間、多くのクライアントの皆さまに出会いました。今年もあらたな出会いを期待しそして引き続きのお付き合いをお願い申し上げます。
今日3日は、午前中にウィーンフィルニューイヤーコンサートの中継を観ました。アンコールではヨハンシュトラウスの「美しき青きドナウ」が聴けましたし、門外漢の私でも知っている曲ばかり、映像も美しく楽しめました。時間を気にせず楽しむのが正月TVの鑑賞法なのかもしれません。
今年4月、山之内建築研究所は20周年を迎えます。この間、多くのクライアントの皆さまに出会いました。今年もあらたな出会いを期待しそして引き続きのお付き合いをお願い申し上げます。
水曜日, 12月 30, 2009
月曜日, 12月 28, 2009
土曜日, 12月 26, 2009
イエメンの民家
金曜日, 12月 25, 2009
プレス発表
小樽祝津の鰊番屋の記者発表の様子を25日付け小樽版の北海道新聞が取り上げている。この工事は実は、国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」による修復事業だ。縁あって私は事業管理者の「北後志ツーリズム協議会」の委嘱を受け設計監理担当者として半ばボランティア作業しているのだが、どのような工事にも設計監理の役割が必要なことをあまりお上はご存じないらしいということが今回の経験でわかった。もっとも、建築家側にも仕事は社会貢献であるというような意識が少ないということが背景にあるのかもしれない。建築家は形だけを追い求めてデザインしているのではない。地域の再生や人々の暮らしが生き生きとなることを求めデザインしていると考えるべきなのだから。
水曜日, 12月 23, 2009
土曜日, 12月 19, 2009
室蘭へ行く
火曜日, 12月 15, 2009
旭川友の家別館
月曜日, 12月 14, 2009
鰊番屋
日曜日, 12月 13, 2009
建築フォーラム2009
11日(金)、北海道立近代美術館講堂において、日本建築学会北海道支部が主催する第29回北海道建築作品発表会(建築フォーラム)が開催された。設計者自らが、住宅から公共施設まで近作を持ち寄り発表する北海道の建築動向を俯瞰するまたとない機会である。私は、その年の自分自身の設計の出来具合を客観的に確認する場として1990年の独立以来20年間、毎年1作品を発表し続けている。今年も「真駒内東町の家」を発表させていただいた。大変ありがたいことに、思いもかけず「真駒内東町の家」のクライアントが学生や同業者で埋め尽くされた客席へ来てくれた。私の建築デザインは1番ではなかったかもしれないが、こうした発表会に駆けつけてくれた私のクライアントはまぎれもなく1番である。
火曜日, 12月 08, 2009
日曜日, 12月 06, 2009
火曜日, 12月 01, 2009
チャリティコンサート
日曜日, 11月 29, 2009
月曜日, 11月 23, 2009
枕木の土留
金曜日, 11月 20, 2009
木曜日, 11月 19, 2009
建築作品発表会2009
木曜日, 11月 12, 2009
北星学園大学での授業
11日、週一で通っている北星学園大学での授業があった。そもそも北星学園大学に建築学科は無い。私は文学部の心理応用コミュニケーション学科で、いわゆる座学の「空間コミュニケーション」を講じている。たまには手を動かそうという、きょうは演習日。一生に一度の経験となるのであろう学生たちに、スチレンボードとカッターを渡す。キャンパス内に建つ「フォーリー」を1/40縮尺模型で表現しようという課題である。
建築とは無縁の学生たちが、「フォーリー」という装置でキャンパス空間と嬉々として向き合う。
このキャンパスこそ北海道の建築家として私たち世代の父親的存在であった建築家・上遠野徹先生の仕事の一部なのです。その上遠野徹先生が9日(月)に85歳で亡くなられ、11日はお通夜。そのことを学生達に告げて、私はお通夜の席へ向かった。上遠野徹先生が構想された空間に若い学生達の声が満ちている。そのことを報告するために。
建築とは無縁の学生たちが、「フォーリー」という装置でキャンパス空間と嬉々として向き合う。
このキャンパスこそ北海道の建築家として私たち世代の父親的存在であった建築家・上遠野徹先生の仕事の一部なのです。その上遠野徹先生が9日(月)に85歳で亡くなられ、11日はお通夜。そのことを学生達に告げて、私はお通夜の席へ向かった。上遠野徹先生が構想された空間に若い学生達の声が満ちている。そのことを報告するために。
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