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火曜日, 4月 22, 2008

グレイの家(grayish house)


今週末4月25~27日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「スタイルハウジングEXPO2008」で札幌の住宅雑誌社リプランの展示スペースに私のパネル「グレイの家」を展示予定です。興味ある方はご覧下さい。同時に10名ほどの北海道の建築家パネルも展示される予定。主催者HPには「ライフスタイルに合ったこだわりの住宅を建てようという住宅購入検討者に向けハウスメーカー・工務店・建築設計事務所など100社以上が出展しデザイン住宅を提案します。」とあります。インターネットで事前登録すると入場料2000円が無料になるようです。

月曜日, 4月 21, 2008

ソーラーパワー復活(solar power)


半年振りに庭に水瓶がよみがえった。太陽光発電による小さな噴水も復活した。札幌は例年になく桜の開花が早いという今年。待ちに待った春が早くきたようだ。それだけで理由なく嬉しい。

月曜日, 4月 14, 2008

木製ベンチの点検


雪が融けてしばらくたった自宅の庭に冬の間しまっておいた木製ベンチを置いた。これから次の冬がくるまでの半年間この場所に出しておくことになる。ベンチとテーブルは3年ほど前に近くのホームセンターで入手した。つくりは本当に簡素なもので最小限の細い部材をビスでとめボルトとナットでつないでいる。だからことしも使い始めは裏返してビスが抜けていないかナットが緩んでいないかを点検しなければならない。これがなかなか楽しい。

日曜日, 4月 13, 2008

東札幌の塔屋(penthouse)


昨日打合せの帰り道で、ミゾレ混じりの灰色の空にポツンとサイコロのような塔屋を見つけた。早速車を路肩に止めてしばらく眺めた。工場か倉庫のエレベーター機械室だろうか、直方体の外壁と規則的に組み込まれた明り取りガラスブロックが、形態を象徴的にしている。律儀にガラスブロックの中心に目地を切っているところもいい。電線に邪魔をされて歩道からはうまく見上げることが出来ないが、この塔屋はこの場所を印象付ける目印として十分な存在だと思う。これも建築の力でしょうか。

火曜日, 4月 08, 2008

地鎮祭


きょう午前中、真駒内東町の家で地鎮祭があった。構造は木造一部RC造、規模は地下1階地上2階建て。およそ130㎡の小住宅。
設計は、階段の蹴上げ寸法180㎜の倍数をもとに天井高さなど全ての断面寸法を決定するところから始まり、最終的に全体を5つのフロアーによる断面構成いわゆるスキップフロアーとした。また、北海道産木材で無垢の自然素材を構造材と仕上材に多く使用する予定。
昨年来準備を進め雪解けを待ちようやくこの日を迎えることができた。こういう日はいつも嬉しい気持ちになるものです。

月曜日, 4月 07, 2008

フロッタージュ


建築専門誌の新建築4月号で真壁智冶氏のなつかしい名前を見つけた。真壁氏は、70年代の初頭「タウ」というアングラ?雑誌で、私たちに都市=街の奥行きや楽しみ方を教えてくれた一人。後年、私は札幌市教育文化会館でのイベントに参加した。彼は、建物の外壁など手当たり次第に画用紙を当てて6B鉛筆でこすりだすフロッタージュ手法を伝授してくれた。私たちが向かった大通り公園近くの老舗デパートの階段室の壁には、大理石が貼られていた。こすりだしながら大理石に小さな化石を発見した。その瞬間、私たちは地球の歴史に思いをはせ、手に触れている石が建築素材の一番上質なものなのだと了解した。

先月末に帯広の街を早朝散策したのは五十嵐正建築の発見と鑑賞が目的ではあったが、通りがかりに偶然目にする街の奥行き感を楽しみたかった。私は、建築のつくり方にこうした街や建築を発見する方法論が生かされることを信じている。

写真は、6B鉛筆と舗装用敷石のフロッタージュ。

コンサバトリー(conservatory)


昨日の設計相談会は、入学入園式などと重なったせいか開店休業状態でした。次回は来週13日〈日曜日〉開催予定です。ご希望の方は山之内建築研究所のホームページからメールでご連絡ください。

コンサバトリーという温室のような空間があります。以前、米国マサチューセッツの海岸沿いの街で見たコンサバトリーはバルコニーに連続して庭や海に向かっていかにも気持ちのよい場所に思えました。
写真の模型は、とある量産化住宅のプロトタイプです。米国での体験を形にしたもので、北国の住空間に熱環境的な緩衝空間をつくる目的があり、玄関と居間にガラスで囲ったコンサバトリーを設けています。居間のはサンルーム、玄関のは風除室と言うべきでしょうか。

金曜日, 4月 04, 2008

日曜設計相談


4月6日(日曜日)、山之内建築研究所にて設計相談オープンオフィスをいたします。
時間は午前10時からです。
ご希望の方は前日に電話またはメールにてご予約が必要です。山之内建築研究所のホームページからお入りください。
今年新築を考えている方、土地選びに迷っている方、住宅の建て方をお知りになりたい方、事務所をご覧になりたい方、ぜひご連絡ください。お待ちしています。

火曜日, 4月 01, 2008

ロボットの時間


ドラえもんの物語は作者が不在になって続偏が楽しめないが、先日の夕張ファンタスティック映画祭で観た映画「僕の彼女はサイボーグ」「死神の精度」は時間を行き来するまさにドラえもんの続きのようで楽しめた。
昨日TVでRピアノが建築家は夢みる冒険家だと語っていたのが妙に記憶に残っている。彼もドラえもん?
あらゆる情報がインターネットで世界を駆け廻る時代、確かなものはやはり手に触れ体感できるもの。そう信じる私はばたばたと地べたを駆け巡り、小さな夢をつくり続ける建築家。住宅を夢見ているまだ見ぬクライアントの皆さんとお遭いする時が一日も早く訪れることを願っている。
アシモ君のミニチュアを見ながら思う今日はMLBの安打ロボット・イチローも開幕する4月の1日。

月曜日, 3月 31, 2008

帯広


帯広を訪れていた日曜の早朝、駅前の中心街近くを散策した。晴天だが気温マイナス2度。バッグから取り出したデジカメがいきなりシステムエラーを起こす。目的は帯広で500の建築を設計した建築家五十嵐正の建築に対面するため。かといって確かな目的地があるわけではなくただぶらりと歩く。このへんだろうと目星をつけそれらしく丁寧に楽しんで作っているビルをみてまわった。西2条通り六花亭本店近く「伊香保ビル」はあった。地下の喫茶店は先月閉店したと聞く。写真は、1階エントランスの白いモザイクタイルと照明器具。建築家は施主と建築のためにある、という言葉が頭をよぎった。

木曜日, 3月 27, 2008

小樽


先週、土曜日に小樽へゆく。30年前、小樽運河の保存のためになにか応援できないかと考えた若者達が小樽ポートフェスティバルという祭りを始めた。結果、大人たちを動かし運河は残り道路もできた。祭りの第1回メンバーのひとりが道外へ旅立つというので彼の送別会があった。私の小樽との初めての出会いは、この小樽ポートフェスティバルから始まっている。
次の出会いは「小樽入船の家」。写真は、竣工当時のもの。山之内建築研究所を立ち上げた年に設計。大屋根を架けたニシン番屋のような住宅で、暖かく居心地のよい家だ、と施主のO氏が言う。彼もまた30年前の仲間。
今年は「公園通り教会の改修工事」があり、また小樽に関わることになる。

金曜日, 3月 21, 2008

ゆうばり


昨日、春分の日の午後から映画を見に行った。財政破綻の影響を受けて昨年中止されていた夕張国際ファンタスティック映画祭が復活したのだ。向かった先は、夕張市民会館。いわゆる多目的ホール、大小あるうち580席の大ホールがメイン会場。今回NPO法人が立ち上げられ、市民の手で運営されている。「再開しようにも雨は漏る、壁にはカビが、水はストップ、ボイラーは動くのか?あきらめかけた矢先、市外から修復を引き受けてくれた企業があった」(ゆうばりファンタプレス紙から引用)という。こうした会館が文字通り住民の手で文化の拠点となっている本来の姿を見ると、暖かい気持ちになる。と同時に、設計する建築家としては維持管理費のかからない丈夫で長持ちする建物が本当に必要になのだということを痛感する。
私は熱心な映画ファンではないけれど、映画に感動する。今回は、綾瀬はるかさんと小出恵介さんの舞台挨拶を見た。俳優さんたちに直に会えるのもこうしたイベントの魅力。写真は、市民によるものだろう。一週間前、チケットを受け取りに行ったときに見た雨中の雪降ろし風景。

木曜日, 3月 13, 2008

クリムト連想


一昨日の新聞にNHK大河ドラマ篤姫のタイトルバックがクリムトだという記事が載っていて、妙に納得した。実は同じことを感じていて確信的にそれを他言していた私は、この記事を見つけてほっとした。心のどこかで固まっていたモノが融けて流れた。連想は妄想ではなかったと。
いやいや連想はあながち外れていない。それどころか連想は、コミュニケーションの大きな武器なのだ。建築においても。
写真は自宅前。12日は好天に恵まれて、雪が融けて路面のアスファルトが顔を出している。

月曜日, 3月 10, 2008

KWH新聞記事


昨年末に竣工した、発寒の住宅「KWH」が北海道新聞の日曜版で紹介されました。

実は昨日、苫小牧でのイベント参加のお客様から「新聞で見たよ」と声をかけられ、話が弾んだ。お客様はありがたい。

苫小牧


土日は、ASJイベント参加のため苫小牧にいた。幸いにも両日ともに好天に恵まれ会場の高窓から見える空は青く雲ひとつない。多数の来場者に足を運んでいただき、熱心にパネルを見ていただきまた住宅づくりの話をたくさんさせていただいた。ありがとうございました。

土曜日, 3月 08, 2008

保険


住宅の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法には三つの柱があって、その中の一つに施工者(売主や請負人)へ10年間の瑕疵担保責任を負うことを義務付けている。しかし、必ずしも瑕疵担保責任を負いきれない現実が露呈した。そこで、施主(消費者)保護の観点から施工者(売主や請負人)があらかじめ保険に入るなどの義務付けがなされることになった。それが「住宅瑕疵担保履行法」で、来年10月に施行される。今日は、その研修会があった。
写真は、会場のJRタワ―から撮った札幌市中心街。ちなみに、設計者には建築家賠償責任保険というのがあり、もちろん私も加入している。

木曜日, 3月 06, 2008

フリージア


事務所のエントランスホールに花置き台があり今はフリージアが飾ってある。1坪ほどの狭い空間なので、花の香りが充満して気持ちがいい。聞けば南アフリカ原産だという。そういえば南アフリカの隣国ボツアナにいる施主から、プラン打合せの連絡とともに夏の真っ盛りで一日中クーラーを使うため体調が悪いというFAXがあったばかりだ。黄色のフリージアから暖かい春を連想している。

金曜日, 2月 29, 2008

2月29日


4年に一度の2月29日、この日は日本人男性平均寿命の78歳まで生きられたとしても20日ない。私の場合そのうちの半分はすでに過去の日々、残りは10日もない。と考えると今日はなんだか無駄にしたくない。

福祉機器の展示会と住宅に関連した講演会があるというので行った。会場は札幌市社会福祉総合センターで、実は私がかつて修行時代に設計を担当した建物。講師は目白大学教授の金沢先生。建築と理学療法を修めた実践的研究者だ。「自分でできて、安全で、介護が楽な住宅のヒント!」という演題。そのなかの「人の動きと住宅」では、一例として人の重心の移動と手摺の位置について分かりやすい話をお聞きすることができた。最初に住環境改善が障害者の自助努力到達点を画期的に底上げできること。それが障害者にとってどれほど重要かということを力説された。これは、私たち住宅設計者にとって重要な視点である。

写真は、社会福祉総合センターのエントランスホールで開催されていた展示会。4階には、常設の福祉機器展示コーナーがある。福祉関係の勉強をしているのだろうか、若者の姿も多い。

木曜日, 2月 28, 2008

建築家


建築家は誰のためにあるのか?施主と建築のためにあると、私は先日「JIA住宅セミナー」で話した。建築のためには建築家は消えてなくなってもいい存在なのだと。では、建築家としての私の楽しみはどこにあるのか。その答えが一冊の本にあった。


20年に一度のビッグイベントであった「JIA北海道支部建築家展」が終わって20日あまりたったのだが、私はいまだ総括ができていない。このあいだ、建築家展会場で書籍販売されていた「建築家五十嵐正」を読んだ。直接面識はないが建築家・五十嵐正は、以前の同僚の親父さんだ。そうした親近感もあって、じっくり読んだ。帯広で五百の建築をつくった。建築界の中央に登場するような作品性は無いが丁寧に密度高く作り続けた。あくまでも建築家としての立場を貫きしかも楽しんでつくっている建築家だと、著者・植田実はいう。いうまでもなく植田実氏は私たちの学生時代の裏教科書「都市住宅」誌の編集者であるから即納得。3月末に帯広に行くので、五十嵐建築に対面することができる。いまから楽しみに思っている。

火曜日, 2月 26, 2008

雪庇3


「大谷地の森の家」は、間口が7メートルほどの敷地に勾配屋根を架けている住宅。敷地に残された余裕は、法規限度の1メートル余りである。ここで採用しているのがステイルーフという名の落雪防止屋根工法による切妻屋根。その効果を検証するため現地に向かった。写真は、雪庇ができる可能性のある風下側。雪庇はわずかに外壁から飛び出ている程度。ただし勾配屋根では積雪が深くなると表層雪崩がおきることがあるので注意がいる。

火曜日, 2月 19, 2008

雪庇2


19日は、札幌は連日の零下からプラスに気温が上がった。道路は雪が融けて、アスファルトの路面が顔を出している。こんな日は、気をつけなければいけない。屋根の上では降り積もった雪の表面が融けてツララを作ったりする。

午後、打合せのため「美しが丘の家」へ向かう。写真は、フラットルーフの風下の雪庇状態。今日のプラス気温で少しツララができているようだ。

月曜日, 2月 18, 2008

雪庇(せっぴ)


雪庇(せっぴ)は、一般的に建築では風下に向かって屋根から張り出した庇状の積雪をいうのだが、雪は融けるか落下するかしていつかは消えてしまうもの。だから、そのまま放っておいてよさそうなものだが、敷地に余裕がない場合は隣地への影響が気になるし、軒の出が少ない場合などは住宅自身の外壁を傷めてしまうのではないかと心配になる。私の場合はそうならないように注意を払い、外壁仕上等を吟味して設計しているのでほとんど問題がない。
写真は、昨年末に竣工した札幌市西区発寒の「KWH」の風下側の雪庇状態。ただし、屋根の断熱もしっかり効いていてツララもほとんどできていないので安心である。
昨日、新聞取材の立会いのために久しぶりに訪れた。施主のご家族は、とても満足されている。特にお子さん達には大好評のようで、「実は、おかあさん!家を買ってくれてありがとうと、5歳の息子に言われました」と、最大級のお褒めをいただいた。

金曜日, 2月 15, 2008

マイ・ファニー・バレンタイン(My funny valentine)


昨日、小樽市花園町の小樽公園通教会に行った。往きも帰りも猛吹雪の中の運転。この春に予定している構造改修工事の打合せのためである。先日の北海道立近代美術館での建築家展に出展したパネルとモックアップ(原寸模型)を持参し、さっそく説明に使用。教会関係者の皆さんからは、建築家展の私の展示が教会にとってよい宣伝になった、と暖かい言葉をかけていただいた。頼まれもしないのに、この日のプレゼンテーションと展示のためにちょっと苦労をして手作りしただけに、よけい嬉しかった。マイルス・デイビスのCD (昨日は2月14日。1曲目がなんとMy funny valentineだったのだ)を聴きながら帰り道を急いだ。写真は、昨年末の教会外観。

日曜日, 2月 10, 2008

建築家展終了


10日間におよぶ「JIA北海道支部建築家展」が本日終了した。興味ある講演会が多く、前半こそ都合で参加できなかったものの後半は毎日のように聴講。建築史家の越野武先生の講演は、とにかく作ったら壊されないようにすることが大切ということでサスティナブルをひらたく教えてくれた。時間が経つとやめる理由ばかりになるので思いついたらすぐに行動するのだという藤森照信先生の木と植物の話の講演は、場内抱腹絶倒で面白かった。
山之内が司会進行した「住宅セミナー①」は、私の未熟さも手伝い情報発信の難しさを痛感。ただ、会場に駆けつけていただいた多くの顔見知りの方たちに勇気付けられた。ありがたい。
小樽公園通教会の構造改修という私の展示については、いろいろな方に過分な評価をしていただいた。不遜ないいかたを許していただくと、私は生き生きとしたいわば体温をつたえることを考えていた。展覧会を建築の墓場にはしたくなかった。いま、構造改修プロジェクトを経験するなかで建築構造の美しさと社会に必要とされている意味合いを再発見している。
撤収を待つ間、折からの札幌雪祭り会場に足を伸ばしてみた。写真は、ジオデシックドームが美しいスターバックスの仮設店舗の風景。
ともあれ建築家展へ、多くの皆さんが来場され展示をご覧いただいたことに感謝です。

木曜日, 1月 31, 2008

原寸模型(mock up)


明日から、JIA(日本建築家協会)北海道支部の建築家展が10日間の日程で、札幌市にある北海道立近代美術館にて開催される。多数の建築家の力作が展示されているので、是非ご覧ください。

私も現在設計中の日本キリスト教団小樽公園通教会の改修プロジェクトを発表している。82年前に竣工した木造教会堂に構造補強を施し、小樽市民に親しまれている歴史的建造物の末永い活用を目指すものである。保存改修コーディネーターとして友人の駒木定正氏(北海道職業能力開発大学校)、構造解析は武田寛氏(北海道工業大学)の協力を得ている。写真は、モックアップと呼ばれる建築部品の原寸および縮小模型である。設計者の体温がつたわる生きた展覧会にしたい、私にはそういう想いがある。

土曜日, 1月 26, 2008

雪影礼賛


積雪で生活の利便性を損ない、健康や安全を脅かされることは十分に理解しているものの、雪の表情の美しさは格別である。札幌では昨日からしんしんと雪が降り積もり、かくいう私も午前中に一度、夕方にはもう一度雪かきをする。雪を愛でているだけではすまないのだが。
太陽が雪雲を透過して弱々しく照らすとき、雪がつくる自然の起伏がなんともたおやかで柔らかい表情をみせる。あたかも障子を透過する光のような微妙な陰影をつくりだしている。
北国の住宅づくりは、積雪によって地盤面が高くなり風景が劇的に変わる、たとえばこのような積雪による見え方の変化についても考えられていなければならないのだ、と思う。

火曜日, 1月 22, 2008

竣工写真アルバム


昨年末に竣工し、オープンハウスにたくさんのお客様をお迎えした「発寒の住宅」の竣工写真が立派な冊子になって届いた。この住宅をプロデュースした会社が、写真家に依頼して数部限定で作成したものだ。竣工写真アルバムといえば、プリントした写真をアルバム帳に貼ったもの。という私の固定概念を見事に打ち破ってくれた。聞けば、この写真アルバムを手にした施主の喜びようは想像以上のものだったとか。私も嬉しくて、事務所を訪れる人たちに時々お見せしている。
昨日、日本画家の片岡球子さんが103歳で亡くなられた。実は、高校の大先輩である。もちろんお会いしたことはないのだが、北海道で生まれ育ち中央画壇で活躍されていた。いったいどのような人物だったのだろう。出身大学の女子美術大学同窓会のホームページでひととなりを知ることができた。絵画同様にエネルギッシュで粘り強く地道な努力を重ねた、ということだった。

月曜日, 1月 21, 2008

外気温


このところ気温の低い日が続く。むろん外気温は零下なのだが、日射をもろに受ける温度計は2℃を指していた。室内側では、別の温度計が24℃を指しているので、窓をはさんで気温差は22度ある計算。複層ガラスだけでこの気温差を耐えている。

写真は昨日。このあと、外部ガラス表面の汚れが気になって清掃したら、勢いで温度計の樹脂製ブラケットが折れてしまった。背後からの日射で劣化が進行していたようだ。暦では大寒の今日、寒冷地での住宅性能や暮らし方についていろいろ考えている。

木曜日, 1月 10, 2008

あと付け屋外階段


写真の階段は、明らかに後から取り付けられているものだが、うまくデザインされている。2階と3階からの避難を目的にした屋外階段である。下見板張り外壁にスチール下地を直接打ち付け、スチールの方杖を張り出し2階と3階の踊り場を支え、それぞれの踊り場からスチールのササラを架けて階段ができている。部材の細さ、それがこのデザインの生命線。それは、上げ下げ窓の方立ての繊細さに対応するように考えられたのではないか。真黒に塗られているのは、真白に塗られた下見板張りに対応させているためだ。エアコンが上げ下げ窓からお尻を出している。古い建物をなんとか現代に生かして使おうとする精神が見て取れるようだ。いじらしくもあり、誇り高くも感じる。
予備選挙が昨日行なわれた米国NH〈ニューハンプシャー〉州で、2003年秋に見た光景。TVニュースを見てふと思い出した。

金曜日, 1月 04, 2008

謹賀新年


新年あけましておめでとうございます。
山之内建築研究所(YYAA)は今春18周年を迎え、今日から始動します。

さて、私は今年の正月もTVかじり虫だった。中でも一番印象に残ったのは、NHKのイチロー密着ドキュメント番組。特に「プロフェッショナルとは観衆を圧倒し選手を圧倒し圧倒的な記録を残すこと」と最後に言い放つシーンには正直うなってしまった。直前にBSで放送していたヒルマンとバレンタインの両監督対談も面白かった。ヒルマンは試合中に書きとめたメモをファイルに整理して後日使えるようにしているとか、バレンタインは審判抗議が実は周到に用意された選手を鼓舞するための演技であるとか、「建築家監督論」を信じる私にとっては、聞き逃せない。なんと気がつくと3時間以上続けてTVにかじりついていた。
写真は、鉄の町室蘭のキャラクタ-人形ボルタ君。昨年購入したもの。ボルト、ナット、ワッシャー、ビス等をハンダ付けしたシンプルなつくり。これは、どう見てもイチローとSHINJOのようだ。新春一番、手にとってちょっと楽しい気持ちになっている。

今年もどうぞよろしくお願いします。

月曜日, 12月 31, 2007

松飾/インスタレーション


庭の角に、幹直径が20センチ程度に成長しているプンゲンストウヒの樹がある。プンゲンストウヒは成長が早く、一年で数十センチ枝を伸ばす。この頃は、隣地に越境するため毎年この時期に枝を少し払う。そのなかで枝振りのよさそうなのを選んで、正月の松飾に利用している。今日はすこし多めに枝を払ったので、庭の雪囲いの上に余った枝をトッピングしてしばらくのあいだ眺めた。きっと、子供の頃であれば雪だるまでも作って、枝を使って手足にしてみたであろうか。新年を待つ暮れのひとときが、ちょっとした面白い遊びの時間を与えてくれた。

土曜日, 12月 29, 2007

年末の一年点検


仕事納めの28日、「藤野の家」に一年点検を兼ねて訪れた。片流れ屋根のシンプルな構造の木造2階建て住宅である。道路に接する北側はガラスブロックで小さな開口を作っているだけだが、カラマツ林に面する南側には大きな開口部を集中させた。だからこの頃は、すっかり葉が落ちたカラマツ林から冬の陽ざしが差し込むと、むしろ秋口よりも暖かいという。施主は大満足のようだ。

外壁は、白のガルバリウム鋼板竪平葺き、構造用合板にシルバーグレー塗装、木毛セメント板素地といった簡素な仕上げである。開口部には、もちろん木製トリプルガラス入サッシを使用している。

火曜日, 12月 18, 2007

保存/解体


建築の仕事に関わっていて、いつも考えさせられることは耐久性の問題だ。どのような素材もやがては朽ちて無くなってしまう。札幌市内に一軒の住宅がある。築50年の堂々たる木造住宅である。聞けば、近所に住んでいた市役所勤務だった建築技師さんが設計したものだという。
私は、この家で幼少期を過した建主さんから依頼を受けているのだが。実は建主さん、現在海外赴任中である。この暮れに帰国するときに、この古ぼけた住宅をリホームして住むのか、はたまた全面解体して新築するのか。私は選択を迫られている。迷いなく架けられた勾配屋根のスカイラインは美しく懐かしい。だがしかし、骨組みは大幅な補強が必要だ。断熱となるとまったく入っていないも同然なのである。保存か解体か判断が難しいところ。

昨日、地球の裏側にいる建主さんからメールが届いた。帰国が少し遅れるとのことである。私に、すこし考える余裕ができた。

日曜日, 12月 09, 2007

オープンハウス終了


8(土)、9(日)に行なわれた「発寒の住宅」のオープンハウスが、師走にもかかわらず多数の来場者をお迎えして無事終了することができました。ご来場の皆様ありがとうございました。新しい空間を楽しそうにご覧いただいたのが印象的でした。あらためて空間にはわたしたちをワクワクさせる力があるのだと再認識した次第です。
写真は、来春着工予定のKさんご家族。遠路はるばる駆けつけてくれました。着工が今から待ち遠しいとのこと。ご一緒に素敵な住宅をつくりたいものです。

水曜日, 12月 05, 2007

オープンハウス案内


今週末、8日(土)および9日(日)の10:00~16:00「発寒の住宅」のオープンハウスを行ないます。札幌市西区発寒に新しい住宅が完成しました。中庭を片流れ屋根に囲まれた、小さな集落のような家です。今回は、常口販売家創り研究会との合同イベントですが、お気軽に見にいらしてください。場所は、札幌市西区発寒3条3丁目6-33。問い合わせ先は、山之内建築研究所山之内裕一まで。山之内建築研究所は、札幌市北区新琴似6条7丁目7-10、Tel :011-761-1173、Fax:011-766-0113、http://www1.odn.ne.jp/y.yamanouchi、e-mail:yamanouchi@pop02.odn.ne.jp

金曜日, 11月 30, 2007

色彩(color)


木材や金属やレンガや石といった素材と同じように、色彩そのものを素材として扱う考え方がある。光を伴う時、色彩ほど強く空間を彩る素材は他にない。いわば直裁に表現できる強烈で魅力的な素材なのである。だから、大きな建築よりむしろ小さなスケールで多く扱われてきた。建築にあっても、室内空間での扱いが多いのは、そうした強さが理由のひとつにあるのだろう。建築の外部に色彩を用いる場合は周囲との調和が不可欠なのだが、幸い北海道には夏の緑と冬の白雪の強い味方があって、色彩を引き立たせてくれるのが嬉しい。
もうすぐ完成する「発寒の住宅」では、少し抑えた黄色(オスモカラーのサンフラワー色)を外壁の羽目板に塗装している。

木曜日, 11月 22, 2007

大谷地の森


21日午後、週一で通っている大谷地の北星大学での講義が終わって中庭に出るとクリスマスのイルミネーションが点灯していた。時刻は午後四時半を廻っていただろうか。ちょっと眺めたあとで、帰宅を急ぐ学生の群れに押されるように駐車場へと向かう。途中にあるサッカーグラウンドの背後に「大谷地の森」が広がっている。コナラの純林で生育の北限であることは以前にも書いたことがある。すっかり落葉して森の向こうが見えている。これも冬の風景だ。
帰宅すると、近日発売の「リプラン建築家住宅特集第8集~北のくらしデザインしますPART8」が届いていた。今回の編集は、今までのものと趣が変わって、読み応えがある。私の「大谷地の森の家」も掲載されている。書店で発売されているので、読んでいただくと嬉しいものです。

月曜日, 11月 19, 2007

雪囲い


先日、札幌市内に雪が降った。現在住宅の着工を目前にしている数件のお施主様には施工条件が厳しくなり気の毒なのだが冬将軍は容赦がなく、私たちを待ってはくれない。施工では、これからは冬の期間に備えてどれだけよい準備をしておくかが大切になる。そして設計では、来年中に住まいを考えているお施主様にとって、これから冬の期間はまたとない打合せの時間になる。
18日午前中は庭に出て、ツツジ、シャクナゲ、バラなどの雪囲いをした。午後から、1年間の総決算としてJ1昇格が目前にあるコンサドーレの試合をTV観戦。写真は、庭の雪囲いの様子。

金曜日, 11月 16, 2007

発寒の住宅現場


昨日、札幌市内に雪が降り冬将軍の到来を告げた。昨日、施工中の「発寒の住宅」で現場説明を兼ねた打合せを、関係者がそろう夕方の時間から始めた。お施主様と施工者と私とで、ひととおり工事中の雑然とした室内をめぐって空間の確認をした。これから、床フローリングや壁塗装や天井羽目板などの仕上が施されて、見違えるようになるのであるが、今の段階で十分に満足されている。そのようなお施主様の様子に施工者ともども一安心である。写真は、数日前に撮った雪が降る前の外観。

火曜日, 11月 06, 2007

目をくばる


3、4日の両日は旭川ASJイベントに参加していた。「家具や建具、照明器具やカーテンブラインドは一緒に考えてくれるのですよね?」今回のイベントでは、複数の来場者の方がこのように問いかけてきた。私は、生活のすべてのシーンを建築家が目くばりした時代を理想と思っていることをお話した。そして現在も庭づくりや、時には冷蔵庫などの家電、時計や絵画などのセレクト等のお手伝いをしていることをお話した。目くばりを効かせ雰囲気をつくることは建築家の頭の中ではごく当たり前のことなのだが、実はこれらはそれぞれに分業化し単に既製品を組み合わせるだけの脈絡のない作業になっていることが多い。
写真は、私の展示コーナー。外観写真内部写真、平面図、模型が一セットの5棟の住宅を紹介している。この展示にも、家具や照明などのディテール表現に目くばりしようと考えているところ。

月曜日, 11月 05, 2007

日時計


札幌デザインウィークの催しが10月31日から、11月4日まで行なわれた。並行して開催された「グンナール・アスプルンド展」では、企画者として来道していた建築家で私の石本事務所時代の先輩でもある桐原武志さんに思いもかけず再会ができた。このような出会いがあるのが嬉しい。
自分のスタンダードデザインと思えるモノを展示するという趣旨の「マイベストスタンダードデザイン展覧会」に私も参加した。私は建築材料のコンクリートブロックで北の建築家像を重ねたモノを出展。以下出展のコメント。「木は好き、だけど森林破壊が心配。だからコンクリートブロックを選択した。これはどこにでもある再生可能な素材だ。それに、白い雪のファンデーションを塗布し大好きな円形を描く。円形は影響を受けた建築家カーンからのプレゼント。コンパスで描く丸、それは地球の真の姿でもある。銀のスプーンを突き立て影を大地に刻印する。北を向き、太陽を背に受け時を読む日時計ができた。それはまるで北の建築家の姿。私の場合、スタンダードとは選択頻度の多い素材やたくさん描いた形態をいう。」写真は、道庁赤レンガ庁舎2階の展示室風景。

日曜日, 10月 28, 2007

フラットルーフ


28日、午前中に札幌市内北区篠路にある「白い陸屋根の家」を訪れた。前日に施工した屋根の補修状況を確認するためである。久しぶりに施主ご家族とお会いし、予算の都合で断念した外構工事のことなど、これからの夢や希望をいろいろとお聞きした。
いつも、引き渡してから住まい手の感想をお聞きするのは、正直いって一抹の不安がある。今回のように「快適にくらしていますよ」の言葉をいただくと、ほっと胸をなでおろすのである。写真は、交差点側からの外観。

土曜日, 10月 27, 2007

円形


かつて身近にある形の中で、円形に興味を抱いてあれこれ調べたことがあった。当時、四角形だけを集めた写真集を見たことがきっかけだったかもしれない。目に飛び込んでくるさまざまな事物から、円形を発見する作業が楽しかった。建築に限ってみても、円窓やドームやボールトの円形屋根、平面そのものが円形の建築もたくさん存在することを知った。

私は室蘭市で子供の頃の一時期を過したのだが、そのときに竣工直後の円形校舎を見た記憶があった。先週の土曜日、その円形校舎、室蘭市立絵鞆(えとも)小学校を再訪することができた。およそ半世紀前に円形建築で一世を風靡した建築家・坂本鹿名夫の設計である。

水曜日, 10月 24, 2007

水平線と視野


週一で通っている北星学園大学の空間コミュニケーション論の講義も後期14週の折り返し地点に来た。よく、大学では何を教えているのですか?と問われる。私が通っているのは文学部の心理応用コミュニケーション学科という直接建築と関係のないところだから、疑問をもたれても当然である。しかし、例えば天井の高さ、部屋の広さの「意味」を語ると、そこで立派?に建築の授業が成り立つのが建築の奥深いところ。

20日(土)は、伊達での建築シンポジュウムの帰り、室蘭の地球岬に立ち寄った。ここでは、視野における相対的な上昇で、水平線がせり上がって見える。視覚の不思議だ。

火曜日, 10月 23, 2007

駅と街


21日、いつものASJイベントに参加するため岩見沢に行く。札幌からは、JRの特急で25分の距離である。自宅から駅までの延べ時間を含め比較すると、車を利用した場合と大差ないのだが、今回も一部完成した岩見沢駅舎内部が見たくてJRで行くことにした。写真は、夜景。古レールのサッシを通してレンガの暖かい表情がにじみ出ている。駅を軸に街を再生させようとする意気込みが伝わってくるようだ。

月曜日, 10月 15, 2007

360度


西宮の沢の家では、隣接する既存住宅の解体工事が終わり、今まで見ることのできなかった東側の外観が現れた。住宅街の外観は通常どこかが隠れてしまうものだが、この住宅のようにほぼ360度、距離をもって眺められるのは稀なケースである。そのお陰で、平面と呼応して変化する屋根の表情を、外から見ることができるのはありがたい。

日曜日, 10月 07, 2007

竣工引渡し


「西宮の沢の家」が竣工した。隣接する既存住宅の解体工事が迫っているので、いつもの関係者や新規のお客様による内覧会もなく、5日お施主様へ引き渡した。木造2階建ての2世帯住宅である。写真はこの住宅にとってメインとなる場所。北海道産カラマツ集成材で構成された7.3mスパンのワンルームに、居間食堂台所を納めている。

日曜日, 9月 30, 2007

万能シート


「発寒の住宅」では、外壁に透湿防水シートのタイベックを貼っている。デュポン社の解説によれば、一般名称はポリエチレンフラッシュ紡糸不織布。通常の風や水滴は通さず水蒸気が透過するフィルターのようなもので通気層工法に欠かせない素材だ。万能シートといっても過言ではない。
その万能シートに包まれて、秋の空を背景に屋根の輪郭がくっきりと姿を現してきた。

月曜日, 9月 24, 2007

ランドマーク(landmark)


サッポロビール工場跡地につくられた商業施設サッポロファクトリーでASJイベントがあり参加した。思いがけなく、かつての上司K氏や元所員のS君ご家族などが激励に来てくれた。ありがたい。
この建物も同様に、北海道開拓使の主要建築の多くはレンガ造であった。北海道庁(赤レンガ庁舎)などがすぐに思い出されるように、北海道にはレンガ造建築の横綱級が数多い。レンガは、素材としての強さや美しさを兼ね備えている点で類を見ないが、植物の緑と組み合わせると風景としても素晴らしい。写真は、サッポロファクトリーの南面、ツタとナナカマドとレンガの風景。この場所は、観光バスの玄関口、つまり駐車場。ここに札幌のランドマークのような風景がある。

土曜日, 9月 22, 2007

地鎮祭


22日午前中、千歳市のK邸で地鎮祭が行なわれた。昨晩の雨の影響もなく青空が広がる気持ちのよい朝だ。ときおり風が吹きぬける。まだ紅葉にもなっていないよと、神主さんの言葉。帰りがけに施主Kさんの小さなお嬢さんがコスモスの花を一輪、摘んで私に渡してくれた。
午後から、日本建築家協会設立20周年記念のドキュメンタリー映画鑑賞会に出席。当協会CPD(継続的職業教育)の一環である。「フランクロイドライト/建築と日本」という長編。「大正期に帝国ホテル設計のために来日、今も人々に感動を与え続け、日本の歴史と伝統に出会う機会を我々に与えてくれた。」(紹介文を要約)上映後の質疑応答で、どうしてライトなの?製作者エバンズさんへ素朴に質問したところ、建築家でライト研究者の父親の影響というシンプルな回答をいただく。文化は個人から生まれると、建築家・竹山実さんがかつて語っていたのを思い出す。