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金曜日, 6月 28, 2013

私のルイスカーン#3

学生時代に建築の授業で洋書を翻訳する時間があった。配布されたプリントには、建築物の荷重を垂直に地面へ伝えるアーチの仕組みや考え方について書いてあった。その時私は、構造を数式や図などに頼らず言葉だけで表現できることに、新鮮な驚きを感じた。ルイスカーンは建築を語る。その言葉通りにレンガ建築は、開口部にアーチを用い、どのように小さな開口部でも徹底的にアーチが繰り返されている。正方形開口部は水平アーチ、正円開口部は上下の半円アーチを組み合わせている。写真で2階建ての正円アーチをよく観察すると、最も荷重を負担する1階下半分は3重アーチになっているのが分かる。1階の正円開口は2階のそれよりふた回り程度小さい。また、プレキャストコンクリートのタイビームが見える、これはアーチのレンガと組み合わされて柱梁構造のような繊細さを開口部に与えている。開口部は上の階ほど大きく、逆に壁面積は下の方ほど大きい構造理念が視覚化されている。
1975年撮影、バングラデシュ国会議事堂議員宿舎棟(設計:ルイス・カーン)

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