住まいづくりYYAA
北海道の建築家・山之内裕一の住まいづくりブログです。地域の歴史や風土の記憶を大切に住まいをつくります。お気軽にご相談を。
月曜日, 10月 06, 2025
帯広最古の建築(現存する)
昨日は帯広。現存する帯広最古の建築でレンガ造、緑が丘公園内にある十勝監獄石油庫を見た。瓦葺だがフランス積みで窓上は水平アーチ、入り口はボールト、コーナーは焼き過ぎレンガで意匠性と強度を高めている。帰りのJR列車が30数分遅れたのは新夕張駅手前で鹿と接触したためという今年の北海道ならではのオチがついた日帰り出張でした。
水曜日, 9月 17, 2025
エレベーターホールのフカシ壁
札幌市内南区の既存住宅にエレベーターを増築する工事が完了に近づいている。あえて450mm程度のフカシ壁(背後に空洞を持つ壁)を設け、壁幅はエレベーター扉枠同様の930mmに限定した。手摺が無くても両手を広げると壁に触れられる、転倒防止に役立つスケール感を求めた。さらに天井高さは2m強に抑えている。エレベーター室内から既存住宅へ連続するシンプルで無駄のない接合部を意図した。
日曜日, 9月 07, 2025
地球に生きるコンクリートブロック2重積住宅
秋田の西方里見さんがフェイスブックで教えてくれたのだが、住宅特集9月号「建築家の自邸」特集で、そのなかの特集記事「建築家自邸学」になにやら載っている。九州大学岩元真明研究室の調査研究を元に、1985年以降の新建築・住宅特集に掲載された400余の住宅を分析した記事だ。5つの主題ごとに10作品程度がまとめられて、3番目の主題「地球と生きる」で私の自邸「SHINKOTONI HOUSING」が一例として写真付きで掲載されている。なんと同じくくりで秋田の西方さんの自邸と仲良く並んでいる。「SHINKOTONI HOUSING」は今年の12月で竣工40年を数える。積雪寒冷地北海道には先輩建築家住宅が数多くあるなかで、個性あるコンクリートブロック二重積ということで取り上げられたのだろう。現在、北海道のコンクリートブロック住宅の研究・考察をしていることもあり、とても興味を持った。
木曜日, 8月 28, 2025
超小集電
週刊ブロック通信の8月コラムでは、年老いた住まい手の移動を助ける住宅用エレベーターの設置工事をレポートしています。組立の前に、エレベーターのひとつひとつの構成部品を今回初めて見ることができた。運転時の電気代が少し気になるところだ。そう考えていたら、今回号の一面で掲載されている「超小集電」という聞きなれない言葉が気になった。コンクリート製品の紹介記事で、照明が組み込まれた新製品ということらしい。土中に差し込んだ電極で生じる微弱電流を昼間に蓄電し、夜間は照明として利用する擁壁ブロックだという。太陽が出ていなくても、送電網がなくても発電可能なオフグリッドだというのが泣かせる。
水曜日, 8月 27, 2025
土曜日, 8月 16, 2025
建築は地域文化
数日前に届いたJ.C.B.A(建築コンクリートブロック工業会)ニュース8月最新号は、コンクリートブロックのデザインが印象的な名護市庁舎が解体に向かっているのは残念だと報じている。名護市庁舎等更新検討に関する整備方針(令和7年3月)では、多様に検討がされており明確な方向性は示されていないようだが、どうなっているのだろう。いうまでもなく名護市庁舎(1981年竣工)は、沖縄の地域文化を代表するポストモダン建築の名作。コンペで示された建築家の沖縄への深いまなざしはその後の多くの建築に影響を与えた。簡単に解体してほしくない建築、知恵を絞って残してほしい建築だと思う。
カサブルータスや日経新聞デジタル版などで既報の旧香川県立体育館。私は20年ほど前、後にJIA四国支部長になった野村正人さんの案内で見た時のチャーミングな外観の印象がある。
ご存じの通りハーバード大学やMOMAからも保存要請が出ているのだが、我がJIA(公益社団法人日本建築家協会)は佐藤尚己会長名で意見書(8月12日付け)を香川県知事等へ出した。建築は地域の誇り、建築文化の継承は次世代に向けた責任だ、としている。またデジタル署名(change.org)はすでに数万人を集めている。特に民間団体は買取を前提に具体的な改修方法や利活用を提案しているという。
金曜日, 8月 15, 2025
木曜日, 7月 31, 2025
CB造住宅見学会20250724
室蘭工業大学のM2渡邉君たちが自主的に勉強会を立ち上げた。7月24日の午後、私の「藻岩下の家」と「上遠野徹自邸」を巡った。上遠野邸の居間では、上遠野克さんのご好意で参加者による意見交換会が開かれた。次回は、10月または11月の予定という。
日曜日, 7月 27, 2025
15年後の予測
私が月一でコラムを載せている「週刊ブロック通信」で、最近気になった記事。野村総研の長期予測で、15年後の2040年には住宅着工件数が2024年実績数から25%減少するという。1990年から50年間では64%の減少となる。住宅の利用形態では持ち家(注文住宅)、分譲住宅の順に減少する。賃貸住宅は漸減するものの比較的緩やかな減少傾向となるという。つまり住宅設計をビジネスモデルとしてきた建築家は2040年には大苦戦することになるのだろうか。住宅市場はハウスメーカや力のある地場工務店だけになっているのかもしれない。15年先はそう遠くない。
土曜日, 7月 26, 2025
週刊ブロック通信6月&7月掲載コラム
6月23日号は、「CB造とRC造を比べてみると」鉄筋コンクリートの発明と同時に出現した両者を実際の住宅建設現場に即して比較している。7月21日号は、「基礎とかまど」100年前のニシン番屋改修時に知ることになった建築部材化された石材の考察です。後者はニシン番屋の建築について教えて欲しいという問い合わせがあったため、当時のデータを検証していく過程で認識を新たにした経緯がある。材料と工法は、機能性や経済性そして施工性によって考えられてきた事がうかがえる。
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