Powered By Blogger

木曜日, 7月 18, 2024

建築とは?

建築とは?ふとそのような原初的な問いが浮かぶことがある。

盟友・泉徹の著書「品質トラブル解決集」。北海道の建築家仲間で地道に建築を追求してきた人物で私のCADの師匠でもあった。序文で「技術とは問題を解決する方法論」と書いている。




水曜日, 7月 10, 2024

ブロック造の店舗

 ブロックの楚々とした佇まいは、店舗にこそ向いているのかもしれない。公共空間のように誰でも出入りができること、拒絶感を感じないこと、日常的に利用する理髪店のような店舗にはそのような性格が求められているのではないだろうか。加えてオシャレな空間であれば、来店のお客様はスッキリした頭とともにきっと満足するだろう。25年前に設計した札幌市内の理髪店に通うたびに新鮮さを感じている。写真は、駐車場のサインと店舗入り口まわり。



月曜日, 7月 01, 2024

厚別東の家のスタート




 「厚別東の家」がスタートしました。補強コンクリートブロック造一部木造の混構造です。

金曜日, 5月 17, 2024

週刊ブロック通信のコラム

月一連載の週刊ブロック通信にガラスブロックで個室を区切った改修例を載せました。前回、現場進行中だったガラスブロックを用いた子供室改修工事が完成した。その紙上報告です。

今回、依頼者から相談された子供室改修工事の目的は、幼児期を過ぎ成長期を迎えた子供たちに、それぞれ独立したスペースをつくりプライバシーを守ること。新築時、まだ幼い子供たちそれぞれの個室ではなく2室相当分のワンルームを用意し、時期が来たら仕切る設計としていた。いま、その時が来た。設計者として、子供の成長を楽しみにしている両親に応えたい。とはいえ、いままで直接ふれあうことができた家族が、個室化で疎外感を感じることのないように、独立しつつ連続する「空気感」を建築で表現できる計画となればと願った。

透光不可視の素材ガラスブロックは、まさにそうした「空気感」にふさわしい素材と考えた。改修の平面構成は、庭に面した南側に約800mm幅の廊下を残し、廊下から2分割した子供室へ出入りする、逆T字型に壁を配した。廊下の奥は両親の主寝室で、廊下を通るたび、それぞれの子供室の様子がわかり、成長を温かく見守りたい両親の心情に応えられるだろう。また子供室内からも廊下を通る家族や窓越しの庭が、それとなく分かり独立しつつも孤立感がない、そうした連続性が重要だと考えた。それぞれの連続性と個室の独立性、ふたつの相反する機能を建築の仕切り壁に求めた。採用したのは、表面がフロスト加工された半透明なガラスブロック・フロストプレーン。ガラスブロックは、特筆すべき遮音性能がある。日本建築学会資料によると周波数500Hzの音響透過損失35B、これはT-3等級の遮音性能。「空気感」に必要な静けさづくりに役立っている。(山之内裕一/山之内建築研究所)

 



木曜日, 5月 16, 2024

fujidana~ふじ棚

 ツタを這わせる目的で製作した。Φ9mmの丸鋼を工場で溶接組み立てた。道路近くの堆雪場所に仮置きしていたため積雪荷重で変形したのだが、偶然の造形に感動している。ほどよい赤さびが付いている。先日、庭の中央に移動して、オブジェとして利用している。材工10,000円程度で製作可能。





土曜日, 4月 06, 2024

小屋群の庭

庭造りを楽しむ家族の庭に3つの小屋を建てるプロジェクト。カーポート、物置小屋そして休憩小屋による小屋群だ。100坪ほどの敷地中央に既存住宅が建っている。南側と東側は植物を楽しむ庭。人と車がアクセスする北側にカーポート、南西角に休憩小屋、その中間に物置小屋を配した。

水曜日, 3月 27, 2024

ガラスブロックの可能性

週刊ブロック通信の最新号は「小屋群住居A]の子供室をガラスブロックで個室化した事例を紹介。

木曜日, 3月 14, 2024

一の坂

滝川市の一の坂にある屋外彫刻が見えた。コンスタンチン・ブランクーシの無限柱のような凛としたたたずまい。百年記念塔なきあと22mの高さで道内では最高高さを誇るコルテン鋼の工作物。飛ぶように過ぎ去ってゆく車窓からの眺め、今は変わってしまったかつて暮らした街の想い出がよみがえる。滝川は中学の1年間だけ暮らした街だ。通学路の途中に一の坂があった。坂を登れば目指す江陵中学がある。厳寒期は坂道の風が冷たい。不用意に帽子からはみ出していた耳たぶが凍傷になりかけたこともある。同級生の懐かしい顔を想いだす。コロッケ屋の黒元くん、花屋の奥山さん、野球部の山上くん、元気な田中さん、永井さん、縦笛が上手な清和くん、藤森先生、東先生…。

金曜日, 3月 01, 2024

僕の好きな先生

RCサクセッションの歌詞のような、高校生時代に忘れられない先生がいた。毎日スバル360で通勤していた。丸みのある角刈り頭で白衣を着ていた。ポケットに両手を突っ込み斜め上目線で歩く。立ち止まって教室の番号札が風で揺れているのをじっと眺めている。つられて立ち止まると「振り子の等時性だ」などと優しくボソッと。そのようなどこにでもいるようで実はどこにもいない物理教師だった。私たち生徒はそんな先生が好きで、ことあるごとに先生を囲むクラス会を開いていた。数年前88歳の米寿をお祝いするクラス会を開いた。高校教師を定年で辞めた後は子供たちのために物理の実験をする社会活動をしているという。「老年学(gerontology)」を実践しているのだと。老後は専門性を活かし社会的老年生活を目指せというそんな先生を私たちは大好きだった。

木曜日, 2月 01, 2024

二つの100年記念塔

ペーパークラフト自作のタワーを並べると共通する思いが湧く。思いとは極私的、私にはそれぞれの建築家アトリエに勤務した友人たちがいる、二人とも私と同学年で身近に感じていた。 グレー色は言わずと知れた水戸タワー、2022年に没した磯崎新の傑作。他方褐色は北海道では知らない人がいない北海道100年記念塔、2023年に没した井口健の出世作。どちらも100mの高さを誇り、100年を記念したモニュメントとして建設された。 2024年現在水戸タワーは水戸市民会館新築によりさらに中心性を増した。他方北海道百年記念塔はというと昨年ひっそりと姿を消した。今月14日には姿を消した記念塔と建築家を偲ぶ会が執り行われた。それから2週間、北海道に住む一人の建築家として命運をゆだねなければならない時間のなかの建築を想う。建築家はポジティブな面だけではなく時にはネガティブな面も勇気をもって語り継がなくてはと思う。それは死者たちが示す私たちへの道しるべなのだから…と。

日曜日, 1月 28, 2024

冬のニセコ

昨日、冬のニセコを本当に久しぶりに訪れた。噂には聞いていたものの、ホントにゴンドラ乗り場近くでで日本語が聞こえない。私もドサンコなのでいちおう半世紀前にはヒラフもアンヌプリもカンダハで滑走、当時のゲレンデは関西弁をよく耳にした。そんな訳で、ヘルツォーク似のムア・ニセコや本邦初のパークハイアット・ニセコのLVポップアップショップ、長谷川豪さん設計のイコ・ニセコなどを見物して帰ってきた。

木曜日, 1月 18, 2024

座面を張り替えた椅子

 

椅子の名称が想いだせない!

40年以上前のフォールディングチェア。デンマーク製で椅子メーカーのコトブキが1970年代に取り扱っていた。完全なノックダウンシステム、ジョイント部の塩ビ素材が目新しく、同時に最大の弱点だが意外と丈夫。当時、いくつかのデザイン事務所で目にすることがあった。しかし、麻布製のオリジナル座面はすっかり伸び切りついに破れた。そこで昨年末、私の施主でもあるノーム工房(手稲)さんに相談、新しい樹脂素材座面に張り替えた。

月曜日, 1月 15, 2024

パストラルタウンが語るもの

週刊ブロック通信令和6年新春号は、「パストラルタウン美しが丘」を取り上げました。1980年代半ばに4人の建築家が挑戦した建売住宅群で、竣工後40年近くを経て、さらに個性豊かな街並みに成熟している。建築家と地域工務店がチームを組みモデル住宅を設計した「南幌町きた住まいるヴィレッジ(2018年)」の先駆け事例であり成功例でもある。1980年代当時の担当者の一人、建築家・圓山彬雄さんの承諾を得て「建築学会作品発表会作品集43(2023年)」に収録されたコメントを載せています。街や建築は時間のなかで成熟しあるいは老朽化し味わい深い空気感を醸成するものだから、なるべく維持保全するのが優先的選択肢という建築界ではごく当たり前の典型的実例。先日、今は無い北海道百年記念塔設計者「井口健さんを偲ぶ会」があった。2024年(令和6年)良い年になることを祈らずにはいられない。

 

金曜日, 1月 05, 2024

建築を彩る多田美波の造形・展

 INAXライブミュージアムで開催中の多田美波さんの建築関係の仕事にフォーカスした展覧会。「数十年前の模型を修理したり、アトリエの発掘調査のような半年でした。」と多田美波研究所・岩本八千代所長の案内状にある。私は40数年前に一度だけ多田美波さんと仕事をしたことがある。「鍵のかかる引出に入れて所員にも見せないの」と仰られた「スケッチ」も展示されているのだろうか。


水曜日, 12月 06, 2023

二重壁工法

 二重積でもなくキャビティウォールでもない。正しくは、「コンクリートブロック造二重壁工法」という。1970年代後半に成立した工法を振り返る。


日曜日, 10月 29, 2023

張弦梁トラス

 月一で寄稿している週刊ブロック通信の紙面がA4サイズから約二倍大のタブロイド版に更新され、見開きで一般紙片面サイズになり、紙質も一般紙同様のいわゆる新聞紙になった。

10月23日号は、次号からの助走とすべく今までの10年100回の連載を振り返り主な画像を1枚選び並べた。「CB建築の講義・六」は、張弦梁トラスを用いた音楽アトリエを併設した住宅を題材に、敷地の持つ力について述べている。4×4.5間(7.28m×8.19m)の無柱空間をリーズナブルにつくるため採用した架構で、梁、束材に松集成材を用いM27のスチール弦材で締めるのが特徴。今回の採用は、開発者(ATA)と直接やり取りでき構造架構がより身近でカジュアルなものとして感じられたことが大きい。

タブロイド版になった紙面

張弦梁トラスを用いた住宅

火曜日, 9月 05, 2023

異質化と同質化


 週刊ブロック通信8月28日号への寄稿。木造要素とCB・RC造要素とが出会い、どのように簡素化し住宅に落とし込んでいるのか。竣工時の写真から自作の設計意図をゆるく検証する。

火曜日, 7月 25, 2023

いもとやぶれの積層感

 週刊ブロック通信コラムへの寄稿です。補強CB造は、縦横のコンクリートブロックを鉄筋補強する組積造ですが、表面上目地が縦方向に通る「いも」と、縦目地が途切れる「破れ」に大きく分かれる。私は、施工の分かりやすさを優先して「いも」を多用している。施工が丁寧にできるし、なにより単価も抑えられる。また「破れ」の意匠上の面白さは、出隅の組手部に意識的に用いている。今回は、コンクリートブロック造の積層感について書いています。


水曜日, 7月 19, 2023

藻岩下の家・再訪

 藻岩下の家(1996年竣工)へ、しばらくぶりの訪問。設備のメンテナンスに同行した。藻岩山原生林に隣接する敷地は、27年前と変わらない。木製サッシの再塗装が必要だがクライアントの自力施工で可能である。先日、このあたりに熊が出没してニュースになった。窓から子熊を目撃したというクライアントの話を聞いた時、原生林の自然に対峙して丸く囲い込んだ人工空間で暮らしを守るという、設計コンセプトがけっして大げさではなかったことを確認したのだった。



火曜日, 7月 11, 2023

地盤調査

 札幌市内で新規の住宅計画のために敷地の地盤調査を実施した。住宅では一般的なスウェーデン式サウンディング工法による地盤調査を行った。