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火曜日, 10月 13, 2015

建築家はチャレンジし続ける

10・6の午後、半蔵門近くの会場で第22回空間デザインコンペティションの表彰式があった。「僕の小部屋」が作品部門で入賞した。実は、9年前にも同じ受賞をしている、2度目だ。コンペのアドバイザーは、かつての新建築編集長だった馬場璋造氏。表彰式の後の懇親会で、「選ばれてこそ建築家です」という前回祝辞が記憶に残っている。今回は、「建築家はチャレンジし続けなければなりません」という言葉をいただいた。「どんな仕事も、チャレンジなしでは手にすることすらできません」と、まさに私へ向けて発せられたような言葉だ。二次会は、近くの蕎麦屋で友人と数年ぶりの再会を果たすというおまけ付きであった。新しい力がこみ上げてくるような…気がした。
入賞した応募作品の前にて
二次会は東京の友人たちと乾杯
馬場璋造氏の祝辞

木曜日, 9月 24, 2015

都市住宅のこと

来月、雑誌・都市住宅の編集長として名高い植田実さん(まだお会いしたことはないが、尊敬と親しみを込めて)の講演会が札幌で開催される。テーマは1970年代の建築についてだという。
私は1970年に大学に入り、1974年に卒業した。私は、まさに雑誌・都市住宅こそ広い建築の世界を見せてくれたメディアであったと思う。このことは、同時期に建築を学んだ多くの建築家が一様に同じ感想を持っていることからもうかがい知ることができる。建築家・渡辺真理さんの文章(INAXREPORT・NO.170 再読「都市住宅」)を読んだ時に確信した。私も彼と同学年だからだ。

コールハースのPROJECTJAPAN(2012)やメタボリズムの未来都市展(森美術館2011~12)、2014年ベネチアビエンナーレ日本館展示、そして2015年の誰も知らない建築の話など、戦後とりわけ1970年代の建築がこのところ引き合いに出される印象がある。何がそこで起きていたのかを問う。
今でこそ、フランクゲーリ―のように建築がメディアそのものとして解釈されることは珍しくない。1970年代、雑誌・都市住宅はそのものが特別な建築メディアだった。だれにも分かりやすいテーマに絞りながら鋭く、中身が深く解像度がとにかく高い。

前出のINAXREPORT・NO.170で、植田実さんはまた「建築家は鮮烈でなければ」と言い放って、あの頃はよかった…と想い出話で終わらせてしまいそうな私たちを牽制している。今回の講演会が、鮮烈な建築家を生み出すひとつの契機になればと思う。
1970年代後半、消費文化を牽引したPARCO…私にとって、ああ原点と呼べるのは「都市住宅」




火曜日, 9月 15, 2015

店舗付き住宅

職住近接の店舗付き住宅で、店舗の部分にコンクリートブロックを用いた設計例。コンクリートブロックの凛とした雰囲気とラフな素材感が初めてのお客様に新鮮さを提供する。
ファサード見上げ
内部

日曜日, 9月 13, 2015

入賞しました

第22回空間デザインコンペティションの作品部門に入賞しました。このコンテストは、ガラスやガラスブロックを用いた設計を対象にするもので、提案部門と作品部門に分けられています。ガラスブロックは、箱状のもので内部に空気が詰まっています。四方がガラスでつながっているため、熱は表面を裏側まで伝わります。したがって、高度な断熱性能は得られません。北国の断熱性能を重視する設計シーンからは、近年完全に見放された素材になっています。しかしながら、ガラスの重量感や透光性は他の素材では得がたいものがあります。今回は、もう一つの特徴である遮音性能のよさを最大限に生かし、内部に小部屋をつくるという限定的な用い方をしました。適材適所ですね。
提出したプレゼンシートの一部

木曜日, 9月 03, 2015

コンクリート打設

基礎工事のコンクリート打打設。職人さんたちの非常に手慣れた様子で黙々と作業が進む。陽ざしも強くなく、雨も降りそうもない。コンクリート打設日和だ。
今回は、布基礎の立ち上がり部分。基礎断熱材XPS100mmを外側にはさんで打設した。北国仕様である。


月曜日, 8月 31, 2015

色と形

アーティストの畑江さんは、実は私のクライアントでもある。かれこれ20年前に、札幌市内に住宅を設計させていただいた。その畑江さんが先日、北広島市と札幌市内のギャラリーで個展を続けざまに開いた。そのうちの1点を今回、私の事務所で譲り受けた。微妙な空気の動きにつられて動き出す繊細な彫刻である。壁コンクリート打放しの無頓着でざっくりとした風合いと、繊細な形で鮮烈な色彩の彫刻がとても良いく対比している。建築空間は、こうしたアートの背景になりたい。アートで生かされる建築空間をつくりたい。
昼の自然光に浮かぶ
夜の人工照明でぼんやりと…

火曜日, 7月 07, 2015

スキップフロアーの家再訪

先日、札幌市南区の住宅を訪れた。6年前に竣工した木造2階建て地下1階のスキップフロアーの断面構成が特長の住宅です。メンテナンスの打合せで向かったのですが、自分の設計した建築は懐かしく愛おしい。設計時の濃密な時間と、現場進捗時の充実した時間を反射的に想う。居間からの景色を撮ろうとしたら、階段からの眺めが一番いいですよとクライアントの声。すっかり忘れていたのですが、それは私も現場で発見したことだった。
居間からの景色
スキップフロアーの階段
1階外壁はカラマツ横羽目板仕上

スキップフロアー断面
居間から外を眺める

火曜日, 6月 23, 2015

黒いコンクリートブロック(black concrete block)

小屋群住居Oは2棟の小屋と称する大小建築が連結する構成の住宅です。小さい方は車庫で、黒いコンクリートブロックを積んでいる。一方、住居部分の外壁は燻煙加工で黒っぽくなったカラマツ羽目板でおおわれている。そこで外壁は、コンクリートブロック自体もできるだけ燻煙木材に近い落ち着いた色調でまとめたい、と考えた。黒色顔料を混ぜ込んだコンクリートブロックがあるというので早速使用した。雨の日などは、一段と鮮やかな色になっている。
手前が車庫棟、外壁はブッラクコンクリートブロック。奥は住宅棟、1階の外壁はカラマツ燻煙木材羽目板。

火曜日, 6月 16, 2015

ブラケット照明K

居間の外壁から少し離れた場所に2階への階段がある。居間天井に5.1チャンネルの音響スピーカーが用意され映像鑑賞時に使われる。階段の上部に自然光の採光窓があり、直下に冬場の冷気を防いでくれるコールドドラフト防止用の放熱器が取り付けられた。階段には磁器製のレセップにLED球を組み合わせただけのブラケット照明Kが取り付けられた。クライアントの苗字であるアルファベットのKを表現している。
居間に階段を組み合わせたコンパクトなプランの住宅で、熱光音の建築環境工学?の競演。

水曜日, 6月 10, 2015

地盤調査

地盤調査をしました。木造住宅では、一般的にスウェーデン式サウンディング試験という簡便な試験方法があります。「スクリューポイントを取り付けたロッドの頭部に、100KGまでの荷重を加えて貫入を測り、貫入が止まったらハンドルに回転を加えて地中にねじ込み、1mねじ込むのに必要な半回転数を測定する方法。」(住宅金融支援機構 木造住宅工事仕様書より)

敷地地盤の状態を把握しておくことが、計画のスタートです。地上にあって目視できるものについては、寸法を計測する道具さえあれば記録できるのですが、地面の下は見ることができず厄介です。地盤調査は、そうした地面の中がどのようになっているのかという基礎的な情報を私たちに教えてくれます。
中央のロッド(金属棒)が地面に回転しながら貫入する。
ロッドは25本25mまで用意しているという。

土曜日, 6月 06, 2015

躯体

「ブロックガレージデザインコンペ」というのがあります。今年で、3回目ということです。とても素晴らしい試みで、コンクリートブロックの建築材料としての積極的な活用を視野に入れたものです。
コンペのテーマは「庭先につくるプラスアルファの組積空間」です。まずは庭先のガレージから、という主催者「全国建築コンクリートブロック工業会」のなんとも健気な心意気が伝わってきます。
コンクリートブロックで住宅を30年来作り続けてきた私は、ゆくゆくはガレージではなく住宅や街や都市のさまざまな建築がテーマになってほしいと思っています。
コンクリートブロックは一般的な建築素材で、断熱を挟み込んだものは省エネ時代の有望な建築素材ではないかと思います。現在、イタリアや米国のメーカーのものがあるようですが、日本では耐震基準などのクリアすべき問題があるとのことで、情報としてはあるものの真剣に向き合うメーカーはありません。建設費と維持修繕管理費を総合的に評価するライフサイクルコストを考えるならば、断熱コンクリートブロックによる建築は可能性大といえるのです。そんなことを考えながら、6月を迎えています。
第3回ブロックガレージコンペ2015

断熱ブロック:イタリアのメーカー LECAのHPより

金曜日, 4月 17, 2015

気密性(air tightness)

CB造の利点、その2は気密性です。コンクリートブロックを積んで、その隙間をモルタルで充填するのですから、完全な気密性が確保されます。実際に建物完成時に気密試験を行うと、サッシや外部ドアの隙間以外からは空気の出入りがないことが証明されます。気密性が高いと、室内空気のコントロールが上手くできるので、新鮮空気の採り入れや湿度の調整ができることになり、快適で健康な室内環境をつくることが出来るようになるのです。
CB造の和室~設計:YYAA

水曜日, 4月 15, 2015

熱容量(heat capacity)

CB造(コンクリートブロック造)への期待として、CB造の利点。その第一は、大きな熱容量ということです。ひとくちで表現すると、熱容量とは熱の含有可能量です。熱容量が大きいとどうなるか?例えば部屋の暖房を停止すると、室温の下降と共に暖まった壁が徐々に放熱していくのですが、その時間が長くなるということです。夜間など太陽が隠れている時間の急激な室温下降がなく、ゆっくりした温度変化で体の負担が少ないという利点があります。
CBの和室~設計:YYAA

火曜日, 4月 14, 2015

CB造への期待

学生時代の建築設計の恩師から丁寧な手紙を頂戴した。私がコンクリートブロック(CB)造住宅が激減している現在の状況をレポートをした、先月末の研修会。そのときに、熱心に聴いていただいた。

文面は、私がCB住宅の設計を続けていることへの励ましでした。CB造住宅の利点は、①大きな熱容量、②気密性、③耐久性だというごくシンプルな言葉の中に、先輩建築家としての確信が漂っています。早速返信の手紙を投函しました。有難い。
CB(コンクリートブロック)の和室~設計:YYAA

木曜日, 4月 09, 2015

CB プロダクト

CB(コンクリートブロック)は、誰でも手軽に利用でき身の回りの必要なものを簡単に作ることができる素材です。板とCBがあれば、本棚やテーブルや椅子を作ることができます。CB工事の現場では、コンクリートブロックをカットすることがあります。このCBライトは、半分にカットした残材を利用して作ったものです。重量があるので倒れにくく、フロアーライトとしての存在感があります。
使用した素材は、コンクリートブロックと真鍮版です。サイズは、190mm×190mm×190mm。
CBテーブル、CB TV台もあります。
CB フロアーライト
CBテーブル
CB TV台

水曜日, 4月 01, 2015

屋根の上のピラミッド

建築家ってやつは、いやただのスタッフであってもオートマチックに線を引いているのではなく、考えながら手を動かしているものなのです。
先日、帯広駅前の帯広市民文化ホールに立ち寄りました。かつて、私はこの建物の図面を、特に、大小ホールの平面と断面を描いた。オーディトリアムでは一番大切な、聴こえることと見えることを決める図面です。それはさておき、しっかりメンテナンスされて使われていることに、驚いた。吉田五十八賞を受賞したこともある彫刻家・志水晴児さんのステンレス作品も健在。
ふと私の「屋根の上のピラミッド」も健在だろうか?と思い、隣の長崎屋ビルの窓から確認することにした。エントランスホールの真ん中の屋根にシンボルとなるようなものを作ろうということになって、「屋根の上のピラミッド」を描いた。実は、同じものが札幌市中央図書館の屋根にも載っている。
帯広文化センター正面、屋根の上のピラミッドが見える
前庭にある志水晴児さんの彫刻
エントランスホール屋根の上のピラミッドの内側


木曜日, 3月 26, 2015

コンクリートブロックのベンチ

丘の上の教会堂の前庭に手摺替わりのコンクリートブロックでつくられたベンチがある。コンクリートブロックは、一枚の大きさがおよそ100mm×150mm×200mmのコンクリートの塊でできている。それを、座面高さ500mm×奥行500mmの断面で10数mの長さのベンチに仕立てた。
丘の上の手摺替わりのベンチで思い浮かべるのは、グエル公園の波のようにうねったベンチだ。
このコンクリートブロックのベンチは、グエル公園の設計者ガウディの弟子だったジュジョールの教会堂にある。未完のまま半世紀を経て、およそ10数年前に後世の人たちが完成させたものだ。

日曜日, 3月 22, 2015

日曜日

事務所ではコーヒーメーカーを使っているのですが、ひとりふたりで飲むときは、コーヒーのいれ方を昔のやりかたで…楽しんでいます。少し違うのは、直接コーヒーカップにドリッパー(HARIOの赤色)からコーヒーが落ちていく様子を見られるように、三脚(アルコールランプ用)を用意したこと。静かに落ちる水音を聴くのがとても心地良いので、すこしまわりに飛び散るのは我慢です。水は札幌市の水道水、近くのコンビニのコーヒー豆、同じくペーパーフィルターと、身近に手に入るものばかりですが贅沢を言わなければ満足というところです。

金曜日, 3月 20, 2015

帯広でASJイベントに参加予定

来週末、3月28日(土)、29日(日)の2日間、帯広市100年記念館にてASJイベントに参加します。お近くの方は、ぜひ建築家の家づくりに触れてみてください。

火曜日, 3月 10, 2015

◯□△の家

北海道の南部、厚沢部町に位置する住宅です。竣工20年目を今年迎えます。大きない地球の上に立つ、い躯体にの屋根を載せたしっかりとした住宅をイメージしています。
今回の住宅の構造・規模は、コンクリートブロック造一部木造、2階建ですが、実際にコンクリートブロック(CB工事)が使われている比率、つまり工事費に占めるコンクリートブロックの割合は極めて少ないのです。
基礎やスラブに使用する鉄筋コンクリート(RC工事)を加えても、全体工事費の12%程度になっています。木造躯体(W工事)のおよそ半分です。このことは、①CB工事費による影響は少ない、②CB積のままで使用するとローコストな壁を有効につくることが可能と言えるのです。

(20年前の工事で、また建設場所や見積もりにより比率は変動するものとお考えください。)
模型写真
1階/厚190C種CB造2重積、2階/20フィート ツーバイ材2×10@450
1階CB造、2階木造の混構造


日曜日, 2月 15, 2015

コーヒーしています。

今年も、息子のお嫁さんが贈ってくれました。誕生日とバレンタインデーのチョコレートです。
FIKAという初モノです。スウェーデン語でFIKAはコーヒーを飲むこと、だそうです。
ちょっとした時間に、コーヒーを飲みながら、これからもあれこれ建築思索してみたいですね。
2006年からニューヨークで開店したようです。ニューヨーク州北部の酪農地帯から原料を調達しているとHPに書いてありました。美味しかったです。


金曜日, 2月 06, 2015

三角屋根住宅から学ぶこと

北海道建築技術協会が発行する最新会報(2015年1月号)に寄稿しています。タイトルは「ブロック住宅がつくる町並みの再生」で、私が所属する研究会「メーソンリー建築研究会」の記事です。
かつて数百戸単位で建設され、今もその姿を残している三角屋根コンクリートブロック住宅がつくる懐かしさにあふれた町並みを念頭に、新しい断熱技術を採り入れた住宅の町並み再生を願う私たちの設計事務所としてのスタンスを表現しています。
札幌市北区屯田地区には、建設時の姿を現在も残している三角屋根ブロック住宅の町並みがあります。連続する三角のスカイラインは美しく感じられます。その三角屋根を突き破ってそそり立つ煙突もまた、北海道ならではの風景をつくっていると感じられます。現実問題として、暖房は断熱はどうなっているのでしょうか?個々のケースについて知ることができば、コンクリートブロックの躯体を生かした設計(リノベーション)を加え現実的で素敵な住環境ができると考えています。

水曜日, 1月 14, 2015

札幌市時計台

札幌市時計台の写真です。国の重要文化財で旧札幌農学校演武場が正式名称。いわば札幌のシンボルになっていますが、40年前に開拓の村への移築論を抑えて現地保存に落ち着いたという経緯があります。この場所に時計台が保存されていなかったら、きっとこの街の風景もずいぶんと味気ないものになっていたことでしょう。
札幌時計台/上 1973年撮影/下 2013年撮影

金曜日, 1月 02, 2015

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。2015年、どのようなことが待っているのでしょうか?
希望に満ち溢れた一年でありますように、期待を込めてこの一年をスタートしたいと思います。

雪に埋もれた庭の隅に植えたプンゲンストウヒの枝を利用し注連飾り(しめかざり)をつくりました。
新芽は自由に広がり、ちょっと太い枝から伸びて、水引は干支の羊の角を控え目に表現しました。

日曜日, 12月 28, 2014

北広島のコートハウス

ちょっとフライング気味ですが、週間ブロック通信(1月1日号)が届いたので載せてみました。
今回は、北広島の家。かれこれ18年前の設計です。長く使えるようにと、メンテナンスフリーを心掛けました。居間から庭へ出る木製デッキだけは通常のツーバイ材に塗装のみでしたから、腐食が進んで取り換えることになりましたがあとは問題ありません。コート掛けやロッカーなどの固定家具から、食卓テーブルとイス、ソファーとセンターテーブルなどの可動家具まで特別に家具屋さんと協働してデザインしました。かけたエネルギー量に比例して長持ちするようなそんな気がしています。しっかり仕事してよかった、と感じるこのごろです。

月曜日, 12月 15, 2014

住宅の現場から

完成に向けて急ピッチで進んでいる住宅の現場から外観写真をお届けします。
集合住宅の一形態である長屋建て形式の住宅です。2戸の住宅が接しています。
南側外観、グレー色ガルバリウム鋼板とカラマツ燻煙木材板を組み合わせました。
下に、全体が分かる完成模型を追加しました。


月曜日, 12月 08, 2014

ガラスブロックで家の中に部屋をデザイン。

2階に12㎡のオープンスペースがあります。80cm幅の通路を残し、8㎡(約5帖)の子供室をつくることになりました。クライアントの要望は、①居間の上なのでTVの音が聞こえないようにしたい、②もともと明るく開放感のある場所だったのでその雰囲気を残したい、③収納は充実させたいというものでした。
そこで、私はガラスブロックを使い、光を透し音は遮断する壁と収納壁の組み合わせを提案しました。ガラスブロックには、すぐれた遮音性能(500Hzで透過損失38dB)があるからです。これは100mm厚の軽量コンクリート板いわゆるALC板(500Hzで透過損失34dB)を上回る性能なのです。もちろんガラスブロックは相当程度の光を透過する性質があります。(可視光線透過率は28%)
ガラスブロックを用いることで、クライアントの要望を100%達成するデザインとなりました。
(データは全て日本電気硝子株式会社の技術資料による。)

今回は子供部屋でしたが、ちょっとした書斎や茶室、アトリエなどさまざまな展開を考えると面白いです。
2階のオープンスペースをガラスブロックで囲う
ガラスブロックを透過する外部からの自然光
解放感がある室内

オープンスペース、部屋をつくる前の状態
吹抜側の手摺はそのまま残している