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金曜日, 2月 15, 2008

マイ・ファニー・バレンタイン(My funny valentine)


昨日、小樽市花園町の小樽公園通教会に行った。往きも帰りも猛吹雪の中の運転。この春に予定している構造改修工事の打合せのためである。先日の北海道立近代美術館での建築家展に出展したパネルとモックアップ(原寸模型)を持参し、さっそく説明に使用。教会関係者の皆さんからは、建築家展の私の展示が教会にとってよい宣伝になった、と暖かい言葉をかけていただいた。頼まれもしないのに、この日のプレゼンテーションと展示のためにちょっと苦労をして手作りしただけに、よけい嬉しかった。マイルス・デイビスのCD (昨日は2月14日。1曲目がなんとMy funny valentineだったのだ)を聴きながら帰り道を急いだ。写真は、昨年末の教会外観。

日曜日, 2月 10, 2008

建築家展終了


10日間におよぶ「JIA北海道支部建築家展」が本日終了した。興味ある講演会が多く、前半こそ都合で参加できなかったものの後半は毎日のように聴講。建築史家の越野武先生の講演は、とにかく作ったら壊されないようにすることが大切ということでサスティナブルをひらたく教えてくれた。時間が経つとやめる理由ばかりになるので思いついたらすぐに行動するのだという藤森照信先生の木と植物の話の講演は、場内抱腹絶倒で面白かった。
山之内が司会進行した「住宅セミナー①」は、私の未熟さも手伝い情報発信の難しさを痛感。ただ、会場に駆けつけていただいた多くの顔見知りの方たちに勇気付けられた。ありがたい。
小樽公園通教会の構造改修という私の展示については、いろいろな方に過分な評価をしていただいた。不遜ないいかたを許していただくと、私は生き生きとしたいわば体温をつたえることを考えていた。展覧会を建築の墓場にはしたくなかった。いま、構造改修プロジェクトを経験するなかで建築構造の美しさと社会に必要とされている意味合いを再発見している。
撤収を待つ間、折からの札幌雪祭り会場に足を伸ばしてみた。写真は、ジオデシックドームが美しいスターバックスの仮設店舗の風景。
ともあれ建築家展へ、多くの皆さんが来場され展示をご覧いただいたことに感謝です。

木曜日, 1月 31, 2008

原寸模型(mock up)


明日から、JIA(日本建築家協会)北海道支部の建築家展が10日間の日程で、札幌市にある北海道立近代美術館にて開催される。多数の建築家の力作が展示されているので、是非ご覧ください。

私も現在設計中の日本キリスト教団小樽公園通教会の改修プロジェクトを発表している。82年前に竣工した木造教会堂に構造補強を施し、小樽市民に親しまれている歴史的建造物の末永い活用を目指すものである。保存改修コーディネーターとして友人の駒木定正氏(北海道職業能力開発大学校)、構造解析は武田寛氏(北海道工業大学)の協力を得ている。写真は、モックアップと呼ばれる建築部品の原寸および縮小模型である。設計者の体温がつたわる生きた展覧会にしたい、私にはそういう想いがある。

土曜日, 1月 26, 2008

雪影礼賛


積雪で生活の利便性を損ない、健康や安全を脅かされることは十分に理解しているものの、雪の表情の美しさは格別である。札幌では昨日からしんしんと雪が降り積もり、かくいう私も午前中に一度、夕方にはもう一度雪かきをする。雪を愛でているだけではすまないのだが。
太陽が雪雲を透過して弱々しく照らすとき、雪がつくる自然の起伏がなんともたおやかで柔らかい表情をみせる。あたかも障子を透過する光のような微妙な陰影をつくりだしている。
北国の住宅づくりは、積雪によって地盤面が高くなり風景が劇的に変わる、たとえばこのような積雪による見え方の変化についても考えられていなければならないのだ、と思う。

火曜日, 1月 22, 2008

竣工写真アルバム


昨年末に竣工し、オープンハウスにたくさんのお客様をお迎えした「発寒の住宅」の竣工写真が立派な冊子になって届いた。この住宅をプロデュースした会社が、写真家に依頼して数部限定で作成したものだ。竣工写真アルバムといえば、プリントした写真をアルバム帳に貼ったもの。という私の固定概念を見事に打ち破ってくれた。聞けば、この写真アルバムを手にした施主の喜びようは想像以上のものだったとか。私も嬉しくて、事務所を訪れる人たちに時々お見せしている。
昨日、日本画家の片岡球子さんが103歳で亡くなられた。実は、高校の大先輩である。もちろんお会いしたことはないのだが、北海道で生まれ育ち中央画壇で活躍されていた。いったいどのような人物だったのだろう。出身大学の女子美術大学同窓会のホームページでひととなりを知ることができた。絵画同様にエネルギッシュで粘り強く地道な努力を重ねた、ということだった。

月曜日, 1月 21, 2008

外気温


このところ気温の低い日が続く。むろん外気温は零下なのだが、日射をもろに受ける温度計は2℃を指していた。室内側では、別の温度計が24℃を指しているので、窓をはさんで気温差は22度ある計算。複層ガラスだけでこの気温差を耐えている。

写真は昨日。このあと、外部ガラス表面の汚れが気になって清掃したら、勢いで温度計の樹脂製ブラケットが折れてしまった。背後からの日射で劣化が進行していたようだ。暦では大寒の今日、寒冷地での住宅性能や暮らし方についていろいろ考えている。

木曜日, 1月 10, 2008

あと付け屋外階段


写真の階段は、明らかに後から取り付けられているものだが、うまくデザインされている。2階と3階からの避難を目的にした屋外階段である。下見板張り外壁にスチール下地を直接打ち付け、スチールの方杖を張り出し2階と3階の踊り場を支え、それぞれの踊り場からスチールのササラを架けて階段ができている。部材の細さ、それがこのデザインの生命線。それは、上げ下げ窓の方立ての繊細さに対応するように考えられたのではないか。真黒に塗られているのは、真白に塗られた下見板張りに対応させているためだ。エアコンが上げ下げ窓からお尻を出している。古い建物をなんとか現代に生かして使おうとする精神が見て取れるようだ。いじらしくもあり、誇り高くも感じる。
予備選挙が昨日行なわれた米国NH〈ニューハンプシャー〉州で、2003年秋に見た光景。TVニュースを見てふと思い出した。

金曜日, 1月 04, 2008

謹賀新年


新年あけましておめでとうございます。
山之内建築研究所(YYAA)は今春18周年を迎え、今日から始動します。

さて、私は今年の正月もTVかじり虫だった。中でも一番印象に残ったのは、NHKのイチロー密着ドキュメント番組。特に「プロフェッショナルとは観衆を圧倒し選手を圧倒し圧倒的な記録を残すこと」と最後に言い放つシーンには正直うなってしまった。直前にBSで放送していたヒルマンとバレンタインの両監督対談も面白かった。ヒルマンは試合中に書きとめたメモをファイルに整理して後日使えるようにしているとか、バレンタインは審判抗議が実は周到に用意された選手を鼓舞するための演技であるとか、「建築家監督論」を信じる私にとっては、聞き逃せない。なんと気がつくと3時間以上続けてTVにかじりついていた。
写真は、鉄の町室蘭のキャラクタ-人形ボルタ君。昨年購入したもの。ボルト、ナット、ワッシャー、ビス等をハンダ付けしたシンプルなつくり。これは、どう見てもイチローとSHINJOのようだ。新春一番、手にとってちょっと楽しい気持ちになっている。

今年もどうぞよろしくお願いします。

月曜日, 12月 31, 2007

松飾/インスタレーション


庭の角に、幹直径が20センチ程度に成長しているプンゲンストウヒの樹がある。プンゲンストウヒは成長が早く、一年で数十センチ枝を伸ばす。この頃は、隣地に越境するため毎年この時期に枝を少し払う。そのなかで枝振りのよさそうなのを選んで、正月の松飾に利用している。今日はすこし多めに枝を払ったので、庭の雪囲いの上に余った枝をトッピングしてしばらくのあいだ眺めた。きっと、子供の頃であれば雪だるまでも作って、枝を使って手足にしてみたであろうか。新年を待つ暮れのひとときが、ちょっとした面白い遊びの時間を与えてくれた。

土曜日, 12月 29, 2007

年末の一年点検


仕事納めの28日、「藤野の家」に一年点検を兼ねて訪れた。片流れ屋根のシンプルな構造の木造2階建て住宅である。道路に接する北側はガラスブロックで小さな開口を作っているだけだが、カラマツ林に面する南側には大きな開口部を集中させた。だからこの頃は、すっかり葉が落ちたカラマツ林から冬の陽ざしが差し込むと、むしろ秋口よりも暖かいという。施主は大満足のようだ。

外壁は、白のガルバリウム鋼板竪平葺き、構造用合板にシルバーグレー塗装、木毛セメント板素地といった簡素な仕上げである。開口部には、もちろん木製トリプルガラス入サッシを使用している。

火曜日, 12月 18, 2007

保存/解体


建築の仕事に関わっていて、いつも考えさせられることは耐久性の問題だ。どのような素材もやがては朽ちて無くなってしまう。札幌市内に一軒の住宅がある。築50年の堂々たる木造住宅である。聞けば、近所に住んでいた市役所勤務だった建築技師さんが設計したものだという。
私は、この家で幼少期を過した建主さんから依頼を受けているのだが。実は建主さん、現在海外赴任中である。この暮れに帰国するときに、この古ぼけた住宅をリホームして住むのか、はたまた全面解体して新築するのか。私は選択を迫られている。迷いなく架けられた勾配屋根のスカイラインは美しく懐かしい。だがしかし、骨組みは大幅な補強が必要だ。断熱となるとまったく入っていないも同然なのである。保存か解体か判断が難しいところ。

昨日、地球の裏側にいる建主さんからメールが届いた。帰国が少し遅れるとのことである。私に、すこし考える余裕ができた。

日曜日, 12月 09, 2007

オープンハウス終了


8(土)、9(日)に行なわれた「発寒の住宅」のオープンハウスが、師走にもかかわらず多数の来場者をお迎えして無事終了することができました。ご来場の皆様ありがとうございました。新しい空間を楽しそうにご覧いただいたのが印象的でした。あらためて空間にはわたしたちをワクワクさせる力があるのだと再認識した次第です。
写真は、来春着工予定のKさんご家族。遠路はるばる駆けつけてくれました。着工が今から待ち遠しいとのこと。ご一緒に素敵な住宅をつくりたいものです。

水曜日, 12月 05, 2007

オープンハウス案内


今週末、8日(土)および9日(日)の10:00~16:00「発寒の住宅」のオープンハウスを行ないます。札幌市西区発寒に新しい住宅が完成しました。中庭を片流れ屋根に囲まれた、小さな集落のような家です。今回は、常口販売家創り研究会との合同イベントですが、お気軽に見にいらしてください。場所は、札幌市西区発寒3条3丁目6-33。問い合わせ先は、山之内建築研究所山之内裕一まで。山之内建築研究所は、札幌市北区新琴似6条7丁目7-10、Tel :011-761-1173、Fax:011-766-0113、http://www1.odn.ne.jp/y.yamanouchi、e-mail:yamanouchi@pop02.odn.ne.jp

金曜日, 11月 30, 2007

色彩(color)


木材や金属やレンガや石といった素材と同じように、色彩そのものを素材として扱う考え方がある。光を伴う時、色彩ほど強く空間を彩る素材は他にない。いわば直裁に表現できる強烈で魅力的な素材なのである。だから、大きな建築よりむしろ小さなスケールで多く扱われてきた。建築にあっても、室内空間での扱いが多いのは、そうした強さが理由のひとつにあるのだろう。建築の外部に色彩を用いる場合は周囲との調和が不可欠なのだが、幸い北海道には夏の緑と冬の白雪の強い味方があって、色彩を引き立たせてくれるのが嬉しい。
もうすぐ完成する「発寒の住宅」では、少し抑えた黄色(オスモカラーのサンフラワー色)を外壁の羽目板に塗装している。

木曜日, 11月 22, 2007

大谷地の森


21日午後、週一で通っている大谷地の北星大学での講義が終わって中庭に出るとクリスマスのイルミネーションが点灯していた。時刻は午後四時半を廻っていただろうか。ちょっと眺めたあとで、帰宅を急ぐ学生の群れに押されるように駐車場へと向かう。途中にあるサッカーグラウンドの背後に「大谷地の森」が広がっている。コナラの純林で生育の北限であることは以前にも書いたことがある。すっかり落葉して森の向こうが見えている。これも冬の風景だ。
帰宅すると、近日発売の「リプラン建築家住宅特集第8集~北のくらしデザインしますPART8」が届いていた。今回の編集は、今までのものと趣が変わって、読み応えがある。私の「大谷地の森の家」も掲載されている。書店で発売されているので、読んでいただくと嬉しいものです。

月曜日, 11月 19, 2007

雪囲い


先日、札幌市内に雪が降った。現在住宅の着工を目前にしている数件のお施主様には施工条件が厳しくなり気の毒なのだが冬将軍は容赦がなく、私たちを待ってはくれない。施工では、これからは冬の期間に備えてどれだけよい準備をしておくかが大切になる。そして設計では、来年中に住まいを考えているお施主様にとって、これから冬の期間はまたとない打合せの時間になる。
18日午前中は庭に出て、ツツジ、シャクナゲ、バラなどの雪囲いをした。午後から、1年間の総決算としてJ1昇格が目前にあるコンサドーレの試合をTV観戦。写真は、庭の雪囲いの様子。

金曜日, 11月 16, 2007

発寒の住宅現場


昨日、札幌市内に雪が降り冬将軍の到来を告げた。昨日、施工中の「発寒の住宅」で現場説明を兼ねた打合せを、関係者がそろう夕方の時間から始めた。お施主様と施工者と私とで、ひととおり工事中の雑然とした室内をめぐって空間の確認をした。これから、床フローリングや壁塗装や天井羽目板などの仕上が施されて、見違えるようになるのであるが、今の段階で十分に満足されている。そのようなお施主様の様子に施工者ともども一安心である。写真は、数日前に撮った雪が降る前の外観。

火曜日, 11月 06, 2007

目をくばる


3、4日の両日は旭川ASJイベントに参加していた。「家具や建具、照明器具やカーテンブラインドは一緒に考えてくれるのですよね?」今回のイベントでは、複数の来場者の方がこのように問いかけてきた。私は、生活のすべてのシーンを建築家が目くばりした時代を理想と思っていることをお話した。そして現在も庭づくりや、時には冷蔵庫などの家電、時計や絵画などのセレクト等のお手伝いをしていることをお話した。目くばりを効かせ雰囲気をつくることは建築家の頭の中ではごく当たり前のことなのだが、実はこれらはそれぞれに分業化し単に既製品を組み合わせるだけの脈絡のない作業になっていることが多い。
写真は、私の展示コーナー。外観写真内部写真、平面図、模型が一セットの5棟の住宅を紹介している。この展示にも、家具や照明などのディテール表現に目くばりしようと考えているところ。

月曜日, 11月 05, 2007

日時計


札幌デザインウィークの催しが10月31日から、11月4日まで行なわれた。並行して開催された「グンナール・アスプルンド展」では、企画者として来道していた建築家で私の石本事務所時代の先輩でもある桐原武志さんに思いもかけず再会ができた。このような出会いがあるのが嬉しい。
自分のスタンダードデザインと思えるモノを展示するという趣旨の「マイベストスタンダードデザイン展覧会」に私も参加した。私は建築材料のコンクリートブロックで北の建築家像を重ねたモノを出展。以下出展のコメント。「木は好き、だけど森林破壊が心配。だからコンクリートブロックを選択した。これはどこにでもある再生可能な素材だ。それに、白い雪のファンデーションを塗布し大好きな円形を描く。円形は影響を受けた建築家カーンからのプレゼント。コンパスで描く丸、それは地球の真の姿でもある。銀のスプーンを突き立て影を大地に刻印する。北を向き、太陽を背に受け時を読む日時計ができた。それはまるで北の建築家の姿。私の場合、スタンダードとは選択頻度の多い素材やたくさん描いた形態をいう。」写真は、道庁赤レンガ庁舎2階の展示室風景。

日曜日, 10月 28, 2007

フラットルーフ


28日、午前中に札幌市内北区篠路にある「白い陸屋根の家」を訪れた。前日に施工した屋根の補修状況を確認するためである。久しぶりに施主ご家族とお会いし、予算の都合で断念した外構工事のことなど、これからの夢や希望をいろいろとお聞きした。
いつも、引き渡してから住まい手の感想をお聞きするのは、正直いって一抹の不安がある。今回のように「快適にくらしていますよ」の言葉をいただくと、ほっと胸をなでおろすのである。写真は、交差点側からの外観。

土曜日, 10月 27, 2007

円形


かつて身近にある形の中で、円形に興味を抱いてあれこれ調べたことがあった。当時、四角形だけを集めた写真集を見たことがきっかけだったかもしれない。目に飛び込んでくるさまざまな事物から、円形を発見する作業が楽しかった。建築に限ってみても、円窓やドームやボールトの円形屋根、平面そのものが円形の建築もたくさん存在することを知った。

私は室蘭市で子供の頃の一時期を過したのだが、そのときに竣工直後の円形校舎を見た記憶があった。先週の土曜日、その円形校舎、室蘭市立絵鞆(えとも)小学校を再訪することができた。およそ半世紀前に円形建築で一世を風靡した建築家・坂本鹿名夫の設計である。

水曜日, 10月 24, 2007

水平線と視野


週一で通っている北星学園大学の空間コミュニケーション論の講義も後期14週の折り返し地点に来た。よく、大学では何を教えているのですか?と問われる。私が通っているのは文学部の心理応用コミュニケーション学科という直接建築と関係のないところだから、疑問をもたれても当然である。しかし、例えば天井の高さ、部屋の広さの「意味」を語ると、そこで立派?に建築の授業が成り立つのが建築の奥深いところ。

20日(土)は、伊達での建築シンポジュウムの帰り、室蘭の地球岬に立ち寄った。ここでは、視野における相対的な上昇で、水平線がせり上がって見える。視覚の不思議だ。

火曜日, 10月 23, 2007

駅と街


21日、いつものASJイベントに参加するため岩見沢に行く。札幌からは、JRの特急で25分の距離である。自宅から駅までの延べ時間を含め比較すると、車を利用した場合と大差ないのだが、今回も一部完成した岩見沢駅舎内部が見たくてJRで行くことにした。写真は、夜景。古レールのサッシを通してレンガの暖かい表情がにじみ出ている。駅を軸に街を再生させようとする意気込みが伝わってくるようだ。

月曜日, 10月 15, 2007

360度


西宮の沢の家では、隣接する既存住宅の解体工事が終わり、今まで見ることのできなかった東側の外観が現れた。住宅街の外観は通常どこかが隠れてしまうものだが、この住宅のようにほぼ360度、距離をもって眺められるのは稀なケースである。そのお陰で、平面と呼応して変化する屋根の表情を、外から見ることができるのはありがたい。

日曜日, 10月 07, 2007

竣工引渡し


「西宮の沢の家」が竣工した。隣接する既存住宅の解体工事が迫っているので、いつもの関係者や新規のお客様による内覧会もなく、5日お施主様へ引き渡した。木造2階建ての2世帯住宅である。写真はこの住宅にとってメインとなる場所。北海道産カラマツ集成材で構成された7.3mスパンのワンルームに、居間食堂台所を納めている。

日曜日, 9月 30, 2007

万能シート


「発寒の住宅」では、外壁に透湿防水シートのタイベックを貼っている。デュポン社の解説によれば、一般名称はポリエチレンフラッシュ紡糸不織布。通常の風や水滴は通さず水蒸気が透過するフィルターのようなもので通気層工法に欠かせない素材だ。万能シートといっても過言ではない。
その万能シートに包まれて、秋の空を背景に屋根の輪郭がくっきりと姿を現してきた。

月曜日, 9月 24, 2007

ランドマーク(landmark)


サッポロビール工場跡地につくられた商業施設サッポロファクトリーでASJイベントがあり参加した。思いがけなく、かつての上司K氏や元所員のS君ご家族などが激励に来てくれた。ありがたい。
この建物も同様に、北海道開拓使の主要建築の多くはレンガ造であった。北海道庁(赤レンガ庁舎)などがすぐに思い出されるように、北海道にはレンガ造建築の横綱級が数多い。レンガは、素材としての強さや美しさを兼ね備えている点で類を見ないが、植物の緑と組み合わせると風景としても素晴らしい。写真は、サッポロファクトリーの南面、ツタとナナカマドとレンガの風景。この場所は、観光バスの玄関口、つまり駐車場。ここに札幌のランドマークのような風景がある。

土曜日, 9月 22, 2007

地鎮祭


22日午前中、千歳市のK邸で地鎮祭が行なわれた。昨晩の雨の影響もなく青空が広がる気持ちのよい朝だ。ときおり風が吹きぬける。まだ紅葉にもなっていないよと、神主さんの言葉。帰りがけに施主Kさんの小さなお嬢さんがコスモスの花を一輪、摘んで私に渡してくれた。
午後から、日本建築家協会設立20周年記念のドキュメンタリー映画鑑賞会に出席。当協会CPD(継続的職業教育)の一環である。「フランクロイドライト/建築と日本」という長編。「大正期に帝国ホテル設計のために来日、今も人々に感動を与え続け、日本の歴史と伝統に出会う機会を我々に与えてくれた。」(紹介文を要約)上映後の質疑応答で、どうしてライトなの?製作者エバンズさんへ素朴に質問したところ、建築家でライト研究者の父親の影響というシンプルな回答をいただく。文化は個人から生まれると、建築家・竹山実さんがかつて語っていたのを思い出す。

金曜日, 9月 21, 2007

待合室


今週末にASJイベントが札幌ファクトリーであるので、散髪へいく。パナシェ・シマダという理髪店で、8年ほど前に札幌市白石区菊水に設計した店舗付住宅だ。3階建ての1階部分が店舗で、そこだけ外断熱のCB造で作った。コンクリートブロック化粧積壁が久しぶりに私を迎えてくれた。小一時間リラックスし、頭もすっきりである。最後の客だったので、すこしおしゃべりをして帰る。店舗だから当然ではあるが、なにより大切にそして工夫をして空間を使っているのが設計者として大変嬉しい。
写真は、待合室のツイン照明の下に飾られた一対のポスター。お客様への気持ちが表れている。

火曜日, 9月 18, 2007

手摺(handrail)


ネコや犬などの四本足の動物には必要ないが、我々人間には、手摺がどうしても必要だ。住宅では階段の昇降はもちろん、玄関の段差やトイレや浴室に設けている。今は元気だから関係ない、と言う場合もある。それでもいつかは手摺のお世話になる時が来る。
手摺が目立ちすぎておかしな雰囲気になってしまうのは困りもの。普段は目立たず、誰でもが必要だと感じたときに使えるようになっていればよい。一見、手摺と見えないようにつくるのも手だ。大切なのは、よく考えて手摺をデザインすることだろう。
写真は、「八軒の家」の階段まわり。暖房放熱パネルを手摺代わりに使用した例。階段まわりの冷気を完全に遮断し、居間を居心地のよいものにしている。

17日は、敬老の日、日本の高齢化率(全人口に対する65歳以上の人口比)が20%を超えた、という記事が印象に残った。

火曜日, 9月 11, 2007

工事現場


建設工事中の敷地はいつも活気にあふれている。昨日10日は、写真の「発寒の住宅」の上棟だった。この住宅は、延べ床面積は30坪台の小住宅なのだがとても広々と感じられる。それもそのはずで、敷地いっぱいにつくるというほとんど平屋の計画だからだ。基礎の上にしっかりと柱梁の軸組みが載り、水平方向と垂直方向の大きなフレームができあがった。
空間の形が見えてくる骨組み段階の現場が、設計者としての私は好きだ。そもそも現場の雰囲気が好きなのかもしれない。まちなかの工事現場には興味があるし、新しくできた建物はちょっと覗いてみたい。

今日11日といえば、数年前に見たNYのグランドゼロ。工事現場の巨大さに圧倒された。

月曜日, 9月 10, 2007

再訪


日曜日の午前中、「藻岩下の家」を訪ねた。札幌市の藻岩スキー場下の原生林に隣接する住宅で、竣工後10年以上の歳月が経っている。傾斜地の、少し広めの敷地に、住宅、車庫、物置の3つの建物を分散的に「間(ま)」をとって配置している。年月が経ち、その「間(ま)」に貫禄のようなものができて心地よく感じられる。この住宅のイメージをつくっているコンクリートブロックの外壁は、いよいよこれからがお楽しみというような感じで、時間と共になんともいえない風合いが出てきている。
実は、時間と共にペットも代替わりしていて、私は施主の愛犬に熱烈歓迎のおまけ付きであった。
午後からは、3年連続で北海道マラソンの沿道応援。台風一過で札幌は今日だけ真夏、酷暑の中の力走に拍手した。

木曜日, 9月 06, 2007

造作家具


「西宮の沢の家」現場に家具が搬入された。家具といっても、特注のキッチンや、造り付けの収納などの造作家具のことで、工場で製作し現場で組み立てるものだ。設計段階で施主と打合せをして収納される中身の分量を決めているので、持ち物が過不足なく納まり室内が整理できる。施工段階では設計図に基づいてつくられた家具製作図を使って詳細を検討している。
造作家具工事の全体に占める割合は10%程度だが、現場工事での製作が難しいこともあって、近年増える傾向にある。写真は、現場に運び込まれた収納家具の一部。工場で丁寧に塗装仕上げされている。

水曜日, 9月 05, 2007

記録


先日、イチローがMLB新人から7年連続200本安打の新記録を作った。野球ファンのひとりとして祝福したい。イチローのコメント「どんな状況でも記録を残す。自分以外の人間を納得させる。」に感心。継続は力なり、か。
ところで、私がここ数年地道に継続していることがある。小型のスケッチブックをメモ帳としていつも持ち歩いている。私の場合は、物忘れがちな自分のための備忘録でもある。それは、文字だけではなく、絵やイメージ記号のようなものも記す。時として、急場の打ち合わせ用のプレゼンテーションに見事に化けることもあるので、ますます手放せなくなる。画像は、「発寒の住宅」を練っているときに記したスケッチ。全体を小さな家型の集合として考えるコンセプトが意識されている。

木曜日, 8月 30, 2007

大安吉日


昨日、29日は大安吉日で、「発寒の住宅」現場では建て方が始まった。防腐土台と、隅柱が設置された。骨組みはこれから10日間ほどの予定で組み立てる。早速、施主のNさんから「総監督様よろしく!」との激励のメールがリアルタイムに届く。ありがとうございます。そして、応援よろしくお願いします。

現場というフィールドでは、職人さんたち施工チームが一番の「選手」。私たち建築家はベンチで大声を出し選手を鼓舞する「監督」もしくは高校野球で一人だけユニフォームを着ていない「部長」か「総監督」だろうか。とにもかくにも、感動のドラマは始まった。

火曜日, 8月 28, 2007

レイトショー


皆既月食の夜、映画を観た。ゲーリーのドキュメンタリー映画「スケッチオブフランクゲーリー」で、お盆前から札幌シアターキノにてロードショー公開されていた。私にようやく時間ができ、駆けつけた。一人の建築家の生きざまを作品の系譜を追いながら、クライアントやスタッフの証言を交え、建築家本人が語っている。十分に面白く楽しめた。なによりゲーリー建築の自由な造形に癒された。もっとも、帰りがけに目が会ったキノの中島氏は、シドニーポラック監督が何をしたかったのか?と首をかしげていたのだが。

私の施主に、残念ながら若くして他界した彫刻家のM氏がいた。彫刻は建築のようにもっと人々に身近な存在になるべきだ、というのがM氏の持論で、だから建築にとても興味を持っていた。アトリエを新築した時も自宅をリフォームするときも、建築家の私よりよほど熱心だった。そのM氏が不治の病の床につく前、最後のスペイン旅行を敢行したという。目的はゲーリー設計のビルバオグッケンハイム美術館を見るためであった。家族や友人に支えられて、車椅子で廻りとても喜んだという。ゲーリー建築には心を癒す魅力があるのだろう。

札幌での上映は今月末まで、偶然にもM氏の命日と重なる。実は、スクリーンを目で追いながら不覚にも涙しそうになり、場内が暗いうちに席を立つ。映画は一人で観るのに限る。写真は長沼町にあるM氏の「アトリエMOMO」、在りし日の風景である。

金曜日, 8月 24, 2007

たこ渦(うず)連想


先週、小樽の調査に向かった帰り、とある螺旋階段に出会った。さほど広くはない住宅の中心だ。鉄のフレームに寿司屋のカウンターにでもなるかのような極上のスプルス材の段板が取り付けられている。木の香がほのかに漂う段板に誘われ上へ。屋上で海を見る。なんだか嬉しい。

そう、いうまでもなく建築には生命力を喚起する力があるのだ。札幌に戻り、かのミースファンデルローエに螺旋階段のスケッチがあるのを見つける。そこには、金属のフレームに木の段板が描かれていた。
写真は、たこ渦の小皿。隣家からいただいたトウキビがつい先程まで盛られていた。これは美味かった。海と渦。生命の源DNAの二重螺旋構造。フィボナッツイ数列の渦。などなど、連想スパイラルは続く。

木曜日, 8月 23, 2007

スカイライン(skyline)


「西宮の沢の家」では、外観が見えてきた。片流れの勾配屋根が向き合ってできる仮想の大屋根をイメージしている。空を背景にして屋根がつくる輪郭(スカイライン)は、近くにあって景観要素になっている手稲山の雄大なシルエットを意識している。
北海道産の杉竪羽目板が貼られた外壁は、塗装仕上げを待つところ。近日中に、塗装したサンプルを現場に掲げて、施主との共同作業で4種の候補色の中から最終決定をおこなう予定だ。

水曜日, 8月 22, 2007

ファサード(façade)


22日、「大谷地の森の家」で雑誌の写真撮影があり、取材に同行した。竣工引渡し後数ヶ月ぶりで、あらためて隅々まで見る機会となる。大谷地の森に面する居間からの眺めがすばらしい。取材中、せみの鳴き声が響く。この住宅は敷地形状の影響で、間口5メートル弱、奥行き12メートル強の長方形平面。勾配屋根は、北側斜線クリアと室内ボリューム確保を同時に解決することに役だった。施主のたっての希望の左官壁は、外壁の色彩という新しい楽しみを私に与えてくれた。逆に道路側の南面は、ファサード(正面)の見え方をどうするかずいぶん悩んだ。結論はRC基壇の上に木造躯体を載せ、さらに屋根を載せる。はっきりとした三層構成にしたのだが、今はそれでよかったと思っている。

現寸場(full size drawing field)


札幌市の東雁木にある工務店の作業場に向かった。作業場では製材された柱や梁などが墨付けされた後、仕口加工される。作業場の床に貼られた合板には現寸が描かれている。現寸とは、実寸法で図面を起こし確認する作業をいうのだが、異なる3種の軸線が交差する「発寒の住宅」では、木造ではあるが現寸を起こしている。抽象化された「図面」が厚みも重量もある「実物」へ到達する第一歩だ。図面に込められた「思い」を育てていく。現場は、「思い」の集積場でありコミュニケーションの場。いま、関係者みんなのよいコミュニケーションを期待しているところだ。

水曜日, 8月 15, 2007

塔の部屋


「小樽公園通り教会」のシンボルタワーの真下に、塔の部屋がある。7帖ほどの広さで、壁に上げ下げ窓と丸窓がある明るい部屋だ。通りを見下ろす窓に、小さな木製の簡素な椅子がならべられている。聞けば、子供たちの控え室として使用しているという。窓辺から差し込む自然光の下で、絵本を読んだりするのだろう。通りを行きかう人や車の様子もよくわかる。窓の位置や椅子の配置、それらの単純な組み合わせの中に、子供の居場所と読書空間の原点を見る。

定礎


14日、お盆休みの合間を縫って、小樽市の「小樽公園通り教会」へ向う。小樽の建築歴史専門家K氏の調査に協力する目的であった。建物は、花園4丁目にあり、市の歴史的建造物に指定されている2階建ての木造建築。写真は、80年以上前の定礎石。石は、小樽の古い建物に共通する軟石である。定礎は、基礎工事が終了する時に建物の安泰を祈願して行なわれた定礎式の年月日を記録している。

火曜日, 8月 14, 2007

石の風景


お盆に墓石を眺めたので、ニューヨークの摩天楼を思い出した。というのも、かの摩天楼を林立する墓石の風景のようだと評した一文が妙に頭に残っているからだ。出典は定かではないが、問題ではない。写真は、ミース・ファン・デル・ローエのシーグラムビル。敷地の両端にちょうどベンチの高さの濃い緑色の大理石の低い塀がある。目透かし処理ですこし地面から浮き上がっていて、どこまでもディテールにこだわる設計姿勢に感銘を受けた。ミースの作品によく使用されるティノス大理石(TINOS VERDE)と呼ばれるギリシャ産の石。実は、この石が建物の印象を決定付けているように私には思われる。それほど強い印象を与える石の風景である。

木曜日, 8月 09, 2007


今週末からほぼ1週間、建築の現場がつかの間の休息のお盆休みに入る。「西宮の沢の家」では、外壁のガルバリウム角波鋼板が施工中である。写真は、木製サッシとの取り合い部。下から上へ重ね、雨じまいよく施工する板金加工の納まりは、ほぼ確立されている。迷いなく切り取られた鋼板に、職人さんの技を見た。サッシの陰に隠れ、ガラスに撮影者が映りこまないように撮るのは、昔、写真家の安達治氏から教わった私の技である。

B


できるだけ、地元産の素材を使用したいと思っている。北海道産無垢フローリングなどで、長さや色が不揃いで少し節目があるなどの理由で、いわゆるB等級になったものがある。肌触りなどの触感、強度や含水率などの物理性能は通常品同等なのだが、なぜか廉価で市場に出回っている。これらは、間違いなくホンモノで、何の遜色もない。私たちの、ちょっとした価値観の修正でうまく使用すれば、厳しい予算を乗り越える切り札になる。同時に資源の有効利用になるだろう。また、価値とは何かを考えることでもある。
バリーボンズ(B.B)が756本のMLBホームラン記録を達成した。きょう一番のBだ。写真は、日米野球でホームランを打ってベースをまわっているボンズ。数年前、札幌ドームで撮った。画像はまさにBクラスだが。

火曜日, 7月 31, 2007

配筋検査


きょう31日、「発寒の住宅」現場で配筋検査をおこなった。基礎部分は、スカート断熱とし凍結深度の低減をおこない、基礎根入れ深さを浅くしている。配筋はD13㎜とD10㎜の標準仕様である。基礎の高さが低く、作業しやすいのだろう。仕上がりが整然としている。
7月末に節目があった。イチローのMLB1500本安打、参議院選挙、そして作家・小田実(おだまこと)が逝った。私の本棚に彼の出世作「何でも見てやろう」がある。40年前に発行された定価380円の本。帯には、知性と勇気の旅行記とある。私も、好奇心や情熱や感受性をこの本から学んだ読者の一人だ。私たちの住まいづくりは、まさに「何でも見てやろう」の実践でもあると思う。

水曜日, 7月 25, 2007

落雪防止勾配屋根


24日、「西宮の沢の家」の現場では屋根の仕上工事が始まっている。0.35mmのガルバリウム鋼板を落雪防止屋根工法(ステイルーフ)で葺く。経験上、札幌の雪にはうまく適合するという工法で、勾配屋根でありながら雪止めの取付が不要であり、急激な落雪を防止し敷地内での屋根雪処理を可能にしてくれる。建築は、経験の上に成り立つ技術だということを改めて知らされる。

月曜日, 7月 23, 2007

庭づくり


「美しが丘の家」の庭工事が完成した。工事を担当していただいた政村庭園さんから連絡が入り、23日、現場を訪れ工事の確認をした。今回の工事は、植栽を中心にしている。道路側に背の高いニオイヒバをならべ、既存のイチイも一部残している。また、イスやテーブルを置くスペースをコンクリートブロックと同じ素材のインターロッキングブロックで敷きつめた。残りのスペースは、子供達の遊び場として芝を張り込んでいる。
建物が完成してから、今回の庭が完成するまでおよそ10ヶ月を要したが、青々とした木々や芝を眺めていると、そうした時間や苦労が報われるようだ。

火曜日, 7月 17, 2007

敷地確認


先日MLBオールスター戦で、我がイチロー選手のランニングホームラン(英語ではインサイドパークホームランというらしい)の快挙を、地元紙はヒーローのインサイドジョブという表現で報じた。仕事は外でするもの(ホームランはフェンスを越すもの)という常識を、我がヒーローはこともなげに打ち破って見せたのだ。このところ事務所内にこもって山積している業務をこなす日々が続いている私には、涙の出る話だ。


きょうは、札幌市西区発寒で着工を目前にした敷地に向かった。施主が近隣挨拶にまわった後で、敷地の確認と遣方検査をするためである。敷地に来るといろいろと判ることがある。敷地にシンボル的なイメージを与えているポプラの大木がある。施主の話では、数年前の台風で倒れそうになり危険だということで間もなく伐採される運命にあるという。せめて半分だけでも残せないかと、私は思う。カラスの住処となって困ると言う大木も、敷地の環境作りに大きく貢献していると考えるからだ。

金曜日, 7月 06, 2007

交差点


札幌市内から国道36号線沿いに車を走らせ大谷地へ向かう途中、交差点で一時停止の間に札幌ドームの展望台が目にとまった。いうまでもなく建築家・原広司氏の設計。銀色に輝く屋根は、都市の中に舞い降りた巨大なUFO のように近未来的な風景だ。いつ見ても面白い。ぼんやりとした心を刺激する非日常的なイメージを与えている。今年は、ここを拠点とするプロ野球の日本ハムとサッカーJ2のコンサドーレが元気だ。応援する人たちの数も多い。イチローが伝統の中に新しいものを組み合わせると言い、オシムが代表のサッカーはその国の文化を表現するものでなければならないと言う。たかがスポーツと言うなかれ。ここには新しい都市のイメージと人生へのメッセージがあるのだ。