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水曜日, 6月 14, 2006

更地(さらち)


「建築物がなく宅地として使うことができる土地」のこと。「新地」とも記すと、三省堂の大辞林。知り合いに頼まれ、中古住宅の解体工事に立ち会った。跡形もなくならされた敷地を眺めながらぼんやりと考えていた。いま、周囲の住宅の様子から、解体された中古住宅を容易に思い出すことができそうもない。それほどに強烈なリセット状態。なのに同時に誰にも頼まれていないのに、建築家の性(さが)で勝手に新地に住宅計画を想っている。

火曜日, 6月 13, 2006

コンクリートブロック(concrete block)


「美しが丘の家」の現場でブロック積みの打合せをおこなった。ブロックメーカーのよねざわ工業さん、施工の堀江さん、そしてゼネコンの札建工業さんと私の4者。現場は昨日打ち上がったばかりの真新しいコンクリート面に墨が打たれ、いつでもブロック積みが始められる状態。今回、C種190ミリ厚とA種100ミリ厚の2種類のブロックを使用する。施工は日本建築学会建築工事標準仕様書JASS7最新版にしたがうのだが、特に曲面部分の取り合いの難しいところを集中的に打合せした。実際にものを手にとって確認することが大切と、いつも現場では教えられる。

月曜日, 6月 12, 2006

舞台(ぶたい)


先週末からサッカーWカップが始まり海の向こうではお祭り気分だが、札幌では「よさこいソーラン祭り」があった。日曜日、地元のグループ「新琴似天舞龍神(しんことにてんぶりゅうじん)」が300チーム以上参加した審査会で大賞に輝いた。それも3年連続という快挙。写真は市内数十ヶ所に点在するという会場のひとつ「新琴似会場」でのもの。幅員4車線の幹線道路を遮断して即席の路上ステージができる。客席は歩道。私たちの事務所がそばにあるので期間中は踊りを盛り上げる大音響の重低音が鳴り響いた。

土曜日, 6月 10, 2006

保存(ほぞん)


午前中、札幌郊外にある「美しが丘の家」の配筋検査のため現場へ向かった。敷地の特長は、南東角にミズキの大木があること。竣工後もずっと建物を見下ろし場所の個性を表すこのすばらしい木を保存し、住まいづくりに生かしたいと考えた。「美しが丘の家」は、補強コンクリートブロック造の上に木造を乗せた混構造2階建て住宅である。1階スラブ配筋を上げるところまできた。建築現場は、地道に成果を残す多業種がひとつながりになるいわば保存過程そのものだから、能力の高い仕事の痕跡が業種間へ影響をもたらすことになる。検査を済ませ、とても精度のよい施工をしてくれた鉄筋の職方にお礼を言って、現場を離れた。

木曜日, 6月 08, 2006

雨樋(あまどい)


今日は午後から雨である。こんな日、トレペに手書きの図面を書いていたころは鉛筆ののりがよいので気分は悪くなかった。
ただ現場が心配だった。自信を持って引き渡したあとの屋根さえも心配になるのは、今でも同じである。
北海道では雪を優先的に考えるため、雨樋を取付ける習慣がない。たとえ取付けたとしても、雪の重みで壊れてしまう。
だから、平入りの出入り口では雨だれが首筋にポタリ落ちる。これが時としてクレームになる。
数年前、米国マサチューセッツの開拓村OSBV(オールドスターブリッジビレッジ)で木製雨樋を見たとき、いにしえの雨にまつわるエピソードを想像し、ひとり愉快な気分になった。

水曜日, 6月 07, 2006

住まいづくりYYAA

住まいづくりYYAA

年輪(ねんりん)


HPC(北海道ポリテクカレッジ)で建築計画2コマの授業を終えて、帰路の途中で「西野T邸」に立ち寄った。中庭の木製デッキ工事が完了したのを確認するためである。今回、全ての部材をオーストラリア桧材で構成した。理由は、その耐候性のよさにつきる。材の小口断面を見ると、数えることができないほどぎっしりと年輪が詰まっている。長い時間をかけて作られたものは、長い時間を生きることができるということだ。

象嵌(ぞうがん)

こんにちは。私は北海道札幌市在住の建築家です。日々の設計活動で見聞きした興味ある事柄や仕事の風景など、「建築家とつくる住まいづくり」のすべてを発信してまいります。きょう、数年前に竣工した「伏見の家」を訪れた折、玄関ポーチ床が気になって、写真に収めた。これはコンクリートに200角の玄昌石(げんしょうせき)が象嵌されているもので、比較的リーズナブルな予算で暖かい雰囲気づくりができる手法として、私は気に入ってよく試みているものだ。石の間隔とコンクリートのかぶり具合がちょうどいい。あたたかく来客を迎えるための床のデザインだ。