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日曜日, 3月 09, 2025

住まい再訪・美しが丘の家

週刊ブロック通信2月号への寄稿です。建築専門誌リプランの取材に同行しました。

日曜日, 1月 26, 2025

ねじのある建築現場

とある住宅現場で外壁まわりに使用されている「ねじ」を並べてみた。ざっと7種類あった。 外壁は厚さ15mmのカラマツ羽目板を大和張りしている。大和張りは縦張りだから横胴縁が下地。 またXPS板厚100mmの断熱材を外貼りしている。そのため一番長い「ねじ」は180mmだ。 建築史の村松貞次郎博士によると、江戸時代はねじの無い文化、だったという。 金物を使用しない伝統工法の木造建築は別として、現代の建築現場に「ねじ」は欠かせない。 建築大辞典(彰国社)によれば「ねじ」は総称で、そのうち小型のものをビス(VISE,VIS)という。 たかがねじ(ビス)なのだが、奥が深い。さあ、明日からまたねじを巻いていこう。

月曜日, 1月 13, 2025

建築への捧げもの

ビタレスクの鈴木さんが提供してくれる月曜から始まるカレンダーがある。13日の月曜日は今年の3週目。今年は52週なのですでに4%ほどが過ぎ残り50週がスタートした。

週刊ブロック通信の令和7年1月1日「ブロック造住宅の系譜」今年の初めての投稿は、建築への捧げもの。私たちの設計行為はすべて建築に捧げられているのだ、ということを今年も発信していきたいと思う。


 

日曜日, 12月 08, 2024

住まい再訪(週刊ブロック通信11月寄稿)

週刊ブロック通信に掲載された「蘭東の家・再訪」です。かれこれ23年前に竣工したコンクリートブロック造2階建ての住宅。久しぶりに訪ねる機会があった。器としての建築は長い時間を経てもあまり変わった様子はなく竣工当時の感動を再び与えてくれた。それは時間に耐えることのできるコンクリートブロック素材と優秀な北欧製木製サッシュの力によるところが大きい。

週刊ブロック通信紙面

金曜日, 12月 06, 2024

食卓テーブルのデザイン

 家具工房の北風ワークスさんとのコラボ企画第二弾です。ダイニングのスペースに合わせ、特注サイズの食卓テーブルをデザイン・製作しました。材料は北海道産シラカバ積層材(エコシラ合板)です。白味の繊細な表面に仕上がっています。



[山之内+北風works]焼印!


水曜日, 10月 30, 2024

住み継ぐこと

 週刊ブロック通信10月21日号に「住み継ぎ」をテーマにした住宅改修事例を紹介しています。

「美しが丘の家・改修」として11月23日(土)開催の建築作品フォーラムで発表する予定。

耐用年数が長く丈夫で(頑丈なため解体しずらいとも言えますが)、そのため長い命を与えられている建築が、新しい施主をむかえてさらに輝きを増した。長生きをしていると幸せなことが訪れるというのは、人生も建築も同じなのかもしれません。そういう建築の話です。

月曜日, 10月 21, 2024

モックアップ作成 (make a mock-up)

 設計から現場に至る過程では、時間の許す範囲で様々な検討を行うのですが、実物大試作品によるモックアップ検証が一番最終形に近いと考えています。

今回は臥梁下に間接照明を組み込む設計のため、私の事務所エントランスのCB壁を利用して間接照明のモックアップを作りました。あらかじめお借りしていたメーカーのデモ機を装着して照明のチェックをしています。





月曜日, 10月 07, 2024

厚別東の家

 札幌市内で新築住宅の工事が始まっています。北海道の素材をフルに使用した小住宅です。1階は補強コンクリートブロック造で、2階は木造の混構造です。これから徐々に建築情報を発信していきます。



火曜日, 9月 03, 2024

1+7=8

 前回のブログで書いたのだが、70年代「遊」の特集で松岡正剛は「似ているものは本質を共有する」という相似律を視覚的に編集した。先ごろ40/40で話題の大谷翔平選手がいつも全力で走る姿が誰かに似ているなと思っていたら、半世紀前のテレビ漫画のヒーロー・エイトマンの全力疾走シーンがそっくりではないか!そういえば大谷翔平選手の背番号は17、1+7で8になることに気が付いた私。

土曜日, 8月 24, 2024

松岡正剛さんの記憶


 雑誌「遊」相似律と題されたゲシュタルト心理学副読本のような画像集。その中に書かれていた「似ているものは本質を共有する」という断定的な言葉に打たれてしまった。1978年の出版だから、今から46年前、私はまだ20代。ちょうどそのころ、旧札幌市民会館で開催されたワークショップに参加した。どのような集まりだったか忘れたが、休憩時間のトイレで田中泯さんとばったり顔を合わせたこと、参加者の中心にいて白いインドの行者のような姿で横になっている松岡正剛さんを記憶している。

木曜日, 7月 18, 2024

建築とは?

建築とは?ふとそのような原初的な問いが浮かぶことがある。

盟友・泉徹の著書「品質トラブル解決集」。北海道の建築家仲間で地道に建築を追求してきた人物で私のCADの師匠でもあった。序文で「技術とは問題を解決する方法論」と書いている。




水曜日, 7月 10, 2024

ブロック造の店舗

 ブロックの楚々とした佇まいは、店舗にこそ向いているのかもしれない。公共空間のように誰でも出入りができること、拒絶感を感じないこと、日常的に利用する理髪店のような店舗にはそのような性格が求められているのではないだろうか。加えてオシャレな空間であれば、来店のお客様はスッキリした頭とともにきっと満足するだろう。25年前に設計した札幌市内の理髪店に通うたびに新鮮さを感じている。写真は、駐車場のサインと店舗入り口まわり。



月曜日, 7月 01, 2024

厚別東の家のスタート




 「厚別東の家」がスタートしました。補強コンクリートブロック造一部木造の混構造です。

金曜日, 5月 17, 2024

週刊ブロック通信のコラム

月一連載の週刊ブロック通信にガラスブロックで個室を区切った改修例を載せました。前回、現場進行中だったガラスブロックを用いた子供室改修工事が完成した。その紙上報告です。

今回、依頼者から相談された子供室改修工事の目的は、幼児期を過ぎ成長期を迎えた子供たちに、それぞれ独立したスペースをつくりプライバシーを守ること。新築時、まだ幼い子供たちそれぞれの個室ではなく2室相当分のワンルームを用意し、時期が来たら仕切る設計としていた。いま、その時が来た。設計者として、子供の成長を楽しみにしている両親に応えたい。とはいえ、いままで直接ふれあうことができた家族が、個室化で疎外感を感じることのないように、独立しつつ連続する「空気感」を建築で表現できる計画となればと願った。

透光不可視の素材ガラスブロックは、まさにそうした「空気感」にふさわしい素材と考えた。改修の平面構成は、庭に面した南側に約800mm幅の廊下を残し、廊下から2分割した子供室へ出入りする、逆T字型に壁を配した。廊下の奥は両親の主寝室で、廊下を通るたび、それぞれの子供室の様子がわかり、成長を温かく見守りたい両親の心情に応えられるだろう。また子供室内からも廊下を通る家族や窓越しの庭が、それとなく分かり独立しつつも孤立感がない、そうした連続性が重要だと考えた。それぞれの連続性と個室の独立性、ふたつの相反する機能を建築の仕切り壁に求めた。採用したのは、表面がフロスト加工された半透明なガラスブロック・フロストプレーン。ガラスブロックは、特筆すべき遮音性能がある。日本建築学会資料によると周波数500Hzの音響透過損失35B、これはT-3等級の遮音性能。「空気感」に必要な静けさづくりに役立っている。(山之内裕一/山之内建築研究所)

 



木曜日, 5月 16, 2024

fujidana~ふじ棚

 ツタを這わせる目的で製作した。Φ9mmの丸鋼を工場で溶接組み立てた。道路近くの堆雪場所に仮置きしていたため積雪荷重で変形したのだが、偶然の造形に感動している。ほどよい赤さびが付いている。先日、庭の中央に移動して、オブジェとして利用している。材工10,000円程度で製作可能。





土曜日, 4月 06, 2024

小屋群の庭

庭造りを楽しむ家族の庭に3つの小屋を建てるプロジェクト。カーポート、物置小屋そして休憩小屋による小屋群だ。100坪ほどの敷地中央に既存住宅が建っている。南側と東側は植物を楽しむ庭。人と車がアクセスする北側にカーポート、南西角に休憩小屋、その中間に物置小屋を配した。

水曜日, 3月 27, 2024

ガラスブロックの可能性

週刊ブロック通信の最新号は「小屋群住居A]の子供室をガラスブロックで個室化した事例を紹介。

木曜日, 3月 14, 2024

一の坂

滝川市の一の坂にある屋外彫刻が見えた。コンスタンチン・ブランクーシの無限柱のような凛としたたたずまい。百年記念塔なきあと22mの高さで道内では最高高さを誇るコルテン鋼の工作物。飛ぶように過ぎ去ってゆく車窓からの眺め、今は変わってしまったかつて暮らした街の想い出がよみがえる。滝川は中学の1年間だけ暮らした街だ。通学路の途中に一の坂があった。坂を登れば目指す江陵中学がある。厳寒期は坂道の風が冷たい。不用意に帽子からはみ出していた耳たぶが凍傷になりかけたこともある。同級生の懐かしい顔を想いだす。コロッケ屋の黒元くん、花屋の奥山さん、野球部の山上くん、元気な田中さん、永井さん、縦笛が上手な清和くん、藤森先生、東先生…。

金曜日, 3月 01, 2024

僕の好きな先生

RCサクセッションの歌詞のような、高校生時代に忘れられない先生がいた。毎日スバル360で通勤していた。丸みのある角刈り頭で白衣を着ていた。ポケットに両手を突っ込み斜め上目線で歩く。立ち止まって教室の番号札が風で揺れているのをじっと眺めている。つられて立ち止まると「振り子の等時性だ」などと優しくボソッと。そのようなどこにでもいるようで実はどこにもいない物理教師だった。私たち生徒はそんな先生が好きで、ことあるごとに先生を囲むクラス会を開いていた。数年前88歳の米寿をお祝いするクラス会を開いた。高校教師を定年で辞めた後は子供たちのために物理の実験をする社会活動をしているという。「老年学(gerontology)」を実践しているのだと。老後は専門性を活かし社会的老年生活を目指せというそんな先生を私たちは大好きだった。

木曜日, 2月 01, 2024

二つの100年記念塔

ペーパークラフト自作のタワーを並べると共通する思いが湧く。思いとは極私的、私にはそれぞれの建築家アトリエに勤務した友人たちがいる、二人とも私と同学年で身近に感じていた。 グレー色は言わずと知れた水戸タワー、2022年に没した磯崎新の傑作。他方褐色は北海道では知らない人がいない北海道100年記念塔、2023年に没した井口健の出世作。どちらも100mの高さを誇り、100年を記念したモニュメントとして建設された。 2024年現在水戸タワーは水戸市民会館新築によりさらに中心性を増した。他方北海道百年記念塔はというと昨年ひっそりと姿を消した。今月14日には姿を消した記念塔と建築家を偲ぶ会が執り行われた。それから2週間、北海道に住む一人の建築家として命運をゆだねなければならない時間のなかの建築を想う。建築家はポジティブな面だけではなく時にはネガティブな面も勇気をもって語り継がなくてはと思う。それは死者たちが示す私たちへの道しるべなのだから…と。