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水曜日, 4月 15, 2015

熱容量(heat capacity)

CB造(コンクリートブロック造)への期待として、CB造の利点。その第一は、大きな熱容量ということです。ひとくちで表現すると、熱容量とは熱の含有可能量です。熱容量が大きいとどうなるか?例えば部屋の暖房を停止すると、室温の下降と共に暖まった壁が徐々に放熱していくのですが、その時間が長くなるということです。夜間など太陽が隠れている時間の急激な室温下降がなく、ゆっくりした温度変化で体の負担が少ないという利点があります。
CBの和室~設計:YYAA

火曜日, 4月 14, 2015

CB造への期待

学生時代の建築設計の恩師から丁寧な手紙を頂戴した。私がコンクリートブロック(CB)造住宅が激減している現在の状況をレポートをした、先月末の研修会。そのときに、熱心に聴いていただいた。

文面は、私がCB住宅の設計を続けていることへの励ましでした。CB造住宅の利点は、①大きな熱容量、②気密性、③耐久性だというごくシンプルな言葉の中に、先輩建築家としての確信が漂っています。早速返信の手紙を投函しました。有難い。
CB(コンクリートブロック)の和室~設計:YYAA

木曜日, 4月 09, 2015

CB プロダクト

CB(コンクリートブロック)は、誰でも手軽に利用でき身の回りの必要なものを簡単に作ることができる素材です。板とCBがあれば、本棚やテーブルや椅子を作ることができます。CB工事の現場では、コンクリートブロックをカットすることがあります。このCBライトは、半分にカットした残材を利用して作ったものです。重量があるので倒れにくく、フロアーライトとしての存在感があります。
使用した素材は、コンクリートブロックと真鍮版です。サイズは、190mm×190mm×190mm。
CBテーブル、CB TV台もあります。
CB フロアーライト
CBテーブル
CB TV台

水曜日, 4月 01, 2015

屋根の上のピラミッド

建築家ってやつは、いやただのスタッフであってもオートマチックに線を引いているのではなく、考えながら手を動かしているものなのです。
先日、帯広駅前の帯広市民文化ホールに立ち寄りました。かつて、私はこの建物の図面を、特に、大小ホールの平面と断面を描いた。オーディトリアムでは一番大切な、聴こえることと見えることを決める図面です。それはさておき、しっかりメンテナンスされて使われていることに、驚いた。吉田五十八賞を受賞したこともある彫刻家・志水晴児さんのステンレス作品も健在。
ふと私の「屋根の上のピラミッド」も健在だろうか?と思い、隣の長崎屋ビルの窓から確認することにした。エントランスホールの真ん中の屋根にシンボルとなるようなものを作ろうということになって、「屋根の上のピラミッド」を描いた。実は、同じものが札幌市中央図書館の屋根にも載っている。
帯広文化センター正面、屋根の上のピラミッドが見える
前庭にある志水晴児さんの彫刻
エントランスホール屋根の上のピラミッドの内側


木曜日, 3月 26, 2015

コンクリートブロックのベンチ

丘の上の教会堂の前庭に手摺替わりのコンクリートブロックでつくられたベンチがある。コンクリートブロックは、一枚の大きさがおよそ100mm×150mm×200mmのコンクリートの塊でできている。それを、座面高さ500mm×奥行500mmの断面で10数mの長さのベンチに仕立てた。
丘の上の手摺替わりのベンチで思い浮かべるのは、グエル公園の波のようにうねったベンチだ。
このコンクリートブロックのベンチは、グエル公園の設計者ガウディの弟子だったジュジョールの教会堂にある。未完のまま半世紀を経て、およそ10数年前に後世の人たちが完成させたものだ。

日曜日, 3月 22, 2015

日曜日

事務所ではコーヒーメーカーを使っているのですが、ひとりふたりで飲むときは、コーヒーのいれ方を昔のやりかたで…楽しんでいます。少し違うのは、直接コーヒーカップにドリッパー(HARIOの赤色)からコーヒーが落ちていく様子を見られるように、三脚(アルコールランプ用)を用意したこと。静かに落ちる水音を聴くのがとても心地良いので、すこしまわりに飛び散るのは我慢です。水は札幌市の水道水、近くのコンビニのコーヒー豆、同じくペーパーフィルターと、身近に手に入るものばかりですが贅沢を言わなければ満足というところです。

金曜日, 3月 20, 2015

帯広でASJイベントに参加予定

来週末、3月28日(土)、29日(日)の2日間、帯広市100年記念館にてASJイベントに参加します。お近くの方は、ぜひ建築家の家づくりに触れてみてください。

火曜日, 3月 10, 2015

◯□△の家

北海道の南部、厚沢部町に位置する住宅です。竣工20年目を今年迎えます。大きない地球の上に立つ、い躯体にの屋根を載せたしっかりとした住宅をイメージしています。
今回の住宅の構造・規模は、コンクリートブロック造一部木造、2階建ですが、実際にコンクリートブロック(CB工事)が使われている比率、つまり工事費に占めるコンクリートブロックの割合は極めて少ないのです。
基礎やスラブに使用する鉄筋コンクリート(RC工事)を加えても、全体工事費の12%程度になっています。木造躯体(W工事)のおよそ半分です。このことは、①CB工事費による影響は少ない、②CB積のままで使用するとローコストな壁を有効につくることが可能と言えるのです。

(20年前の工事で、また建設場所や見積もりにより比率は変動するものとお考えください。)
模型写真
1階/厚190C種CB造2重積、2階/20フィート ツーバイ材2×10@450
1階CB造、2階木造の混構造


日曜日, 2月 15, 2015

コーヒーしています。

今年も、息子のお嫁さんが贈ってくれました。誕生日とバレンタインデーのチョコレートです。
FIKAという初モノです。スウェーデン語でFIKAはコーヒーを飲むこと、だそうです。
ちょっとした時間に、コーヒーを飲みながら、これからもあれこれ建築思索してみたいですね。
2006年からニューヨークで開店したようです。ニューヨーク州北部の酪農地帯から原料を調達しているとHPに書いてありました。美味しかったです。


金曜日, 2月 06, 2015

三角屋根住宅から学ぶこと

北海道建築技術協会が発行する最新会報(2015年1月号)に寄稿しています。タイトルは「ブロック住宅がつくる町並みの再生」で、私が所属する研究会「メーソンリー建築研究会」の記事です。
かつて数百戸単位で建設され、今もその姿を残している三角屋根コンクリートブロック住宅がつくる懐かしさにあふれた町並みを念頭に、新しい断熱技術を採り入れた住宅の町並み再生を願う私たちの設計事務所としてのスタンスを表現しています。
札幌市北区屯田地区には、建設時の姿を現在も残している三角屋根ブロック住宅の町並みがあります。連続する三角のスカイラインは美しく感じられます。その三角屋根を突き破ってそそり立つ煙突もまた、北海道ならではの風景をつくっていると感じられます。現実問題として、暖房は断熱はどうなっているのでしょうか?個々のケースについて知ることができば、コンクリートブロックの躯体を生かした設計(リノベーション)を加え現実的で素敵な住環境ができると考えています。

水曜日, 1月 14, 2015

札幌市時計台

札幌市時計台の写真です。国の重要文化財で旧札幌農学校演武場が正式名称。いわば札幌のシンボルになっていますが、40年前に開拓の村への移築論を抑えて現地保存に落ち着いたという経緯があります。この場所に時計台が保存されていなかったら、きっとこの街の風景もずいぶんと味気ないものになっていたことでしょう。
札幌時計台/上 1973年撮影/下 2013年撮影

金曜日, 1月 02, 2015

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。2015年、どのようなことが待っているのでしょうか?
希望に満ち溢れた一年でありますように、期待を込めてこの一年をスタートしたいと思います。

雪に埋もれた庭の隅に植えたプンゲンストウヒの枝を利用し注連飾り(しめかざり)をつくりました。
新芽は自由に広がり、ちょっと太い枝から伸びて、水引は干支の羊の角を控え目に表現しました。

日曜日, 12月 28, 2014

北広島のコートハウス

ちょっとフライング気味ですが、週間ブロック通信(1月1日号)が届いたので載せてみました。
今回は、北広島の家。かれこれ18年前の設計です。長く使えるようにと、メンテナンスフリーを心掛けました。居間から庭へ出る木製デッキだけは通常のツーバイ材に塗装のみでしたから、腐食が進んで取り換えることになりましたがあとは問題ありません。コート掛けやロッカーなどの固定家具から、食卓テーブルとイス、ソファーとセンターテーブルなどの可動家具まで特別に家具屋さんと協働してデザインしました。かけたエネルギー量に比例して長持ちするようなそんな気がしています。しっかり仕事してよかった、と感じるこのごろです。

月曜日, 12月 15, 2014

住宅の現場から

完成に向けて急ピッチで進んでいる住宅の現場から外観写真をお届けします。
集合住宅の一形態である長屋建て形式の住宅です。2戸の住宅が接しています。
南側外観、グレー色ガルバリウム鋼板とカラマツ燻煙木材板を組み合わせました。
下に、全体が分かる完成模型を追加しました。


月曜日, 12月 08, 2014

ガラスブロックで家の中に部屋をデザイン。

2階に12㎡のオープンスペースがあります。80cm幅の通路を残し、8㎡(約5帖)の子供室をつくることになりました。クライアントの要望は、①居間の上なのでTVの音が聞こえないようにしたい、②もともと明るく開放感のある場所だったのでその雰囲気を残したい、③収納は充実させたいというものでした。
そこで、私はガラスブロックを使い、光を透し音は遮断する壁と収納壁の組み合わせを提案しました。ガラスブロックには、すぐれた遮音性能(500Hzで透過損失38dB)があるからです。これは100mm厚の軽量コンクリート板いわゆるALC板(500Hzで透過損失34dB)を上回る性能なのです。もちろんガラスブロックは相当程度の光を透過する性質があります。(可視光線透過率は28%)
ガラスブロックを用いることで、クライアントの要望を100%達成するデザインとなりました。
(データは全て日本電気硝子株式会社の技術資料による。)

今回は子供部屋でしたが、ちょっとした書斎や茶室、アトリエなどさまざまな展開を考えると面白いです。
2階のオープンスペースをガラスブロックで囲う
ガラスブロックを透過する外部からの自然光
解放感がある室内

オープンスペース、部屋をつくる前の状態
吹抜側の手摺はそのまま残している

月曜日, 10月 27, 2014

木彫りのクマ

「北海道の木彫り熊の考察」という本が出版された。著者は山里稔さんという。ご縁があって、懇意にさせていただいている。玩具などない半世紀前のこと、私は畳の上で木彫りのクマにまたがって遊ぶのが楽しかった。記憶に残っている限り、唯一の遊び道具だった。最近、年老いた母にそのクマのことを聞いた。「私が嫁ぐとき、父が持たせてくれたんだよ」と。母の記憶は確かだ。母の父、私の祖父は当時国鉄マンで奈井江駅長だった。作者の堀井清司氏は奈井江町在住、顔見知りの祖父が一体のクマの木彫りを譲り受けたという。そんな話をつい最近聞いたのだった。そんな折、山里稔さんが木彫り熊の本を出すという情報を得た。すぐに我が家にあるクマを持参してお話を伺った。北海道の愛すべきそして精緻なクラフトとして、木彫り熊は見直される価値がある。
我が家にある木彫りクマ。伝 堀井清司作。銘はない。

木曜日, 10月 23, 2014

小屋群住居O


今月の週間ブロック通信~ブロック造住宅の系譜は、「小屋群住居O」です。一軒の戸建住宅から街並を目指そうとする野望を秘めています。北海道のコンクリートブロックは綺麗です。職人さんも上手です。もくもくと積んでいく、モルタルを詰めるコテの音しか聞こえない本当に静かな建設現場です。壁式構造で耐震性に優れ、躯体蓄熱が期待できる。耐用年数つまり長寿命の建築物だから将来のリノベーションにも対応できる。木材との相性もいい。土地の素材からできた住宅なのです。
コンクリートブロックをスケルトンに、そして多様なインフィルを組み合わせ「小屋群住居O」ができました。

月曜日, 9月 01, 2014

住宅着工件数

平成25年の住宅着工件数の統計を見たところ、北海道内の戸建コンクリートブロック造住宅は前年と同じ1軒で、それも私の所で設計したものが唯一のようだ。全国的に見ても、沖縄を除くとほとんど無いに等しい。なぜこうなったのだろうか。外断熱工法と組み合わせ、比較的安価に出来ていたコンクリートブロック住宅がいつの間にか姿を消した。長年かかわってきたものとして、見過ごすわけにはいかないという思いがある。
数年前から、コンクリートブロック住宅の衰退が危惧されてきた。有効な手立てがないまま数年が経ち、今日に至っている。一方、既存のコンクリートブロック住宅をリノベーションして再生利用する、という試みが成功しているという。こうした状況を大局的に俯瞰する目がいま求められているのだろう。だれか、シャープな分析と次の一手を示唆してほしいものだ。

火曜日, 7月 29, 2014

坂の町の景観

7月の週間ブロック通信に載せた文章です。坂の町、小樽の住宅を再録しました。1970年代、地元北海道で建築設計の仕事についた頃、まさに小樽運河を埋め立てか、それとも存続させるのかの一大論争が起こっていました。ほとんど使われなくなった運河はヘドロが堆積し、悪臭を放ちゴミに埋もれ見捨てられていました。夏には海水浴客で渋滞する札幌から余市に抜ける道路を運河を埋め立てて造ろうという埋立推進派と、貴重な歴史と景観を守り取り戻そうとする保存派との争いでした。都市景観として、山から海に向かって幾筋も伸びている坂道を、高速道路で分断してはならないだろう、というまともな話。いまでこそ一般的になった、地域の歴史や景観が経済的な価値にまで高まるはずという読みもあり、最終的には運河の大部分を現在の姿に保存。そうした小樽とのかかわりの中から生まれた住宅です。

水曜日, 7月 09, 2014

久しぶりのリプラン北海道

「小屋群住居K」(Hut Dwelling K)リプラン北海道150号に掲載させていただきました。
若いカップルの小さな住宅なのですが、小屋群としたのにはちょっとしたわけがあります。

札幌市の端から端まで相当の距離を敷地探しのお付き合いをしていく過程で目にした住宅地の現在。それに対する建築家としてのメッセージを、たかだか1軒の住宅ですが意味を込め発したい。

最初に訪れた江別市大麻(おおあさ)地区は、ゆったりと計画された良質な成熟した住宅地です。
高齢化が進んだせいで土地の出物がありました。しかしもともと100坪単位の大きな区画であったため、過剰な出費が予想されたクライアントには荷が重かったようです。

そして、札幌市の郊外で手ごろな敷地を物色したのですが、こちらは新しすぎて西部開拓史のような一夜にして建ったかのような町の風情がなんとも心もとない印象でしたが、未来を信じて決めることに…

数十年後には良質な成熟した住宅地と称されるように、連なる民家のような風景を期待しました。
そのために、1軒でも連なって見える住宅の集合体を思い描いたのです。
それが、「小屋群住居K」(Hut Dwelling K)となりました。
「北の建築家」欄に掲載された「小屋群住居K」ページ

リプラン北海道WEBサイトより転載