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木曜日, 4月 24, 2025

CB積みの開放端

CB積み目地のチカラを、施工およびデザインとして考えてみたいと、少し前に書いた。その時は触れなかったが、私は出隅をウマ積み(破れ目地)とすることが多い。いや今では必ずそうすることにしている。動きを感じる目地が、壁の囲い込みをつくり、住まいの流動性が失われることのないように端部(エッジ(edge))を開放したいと考えているからだ。偶然できた凹凸が時としてインターフォンの置き場になったりもする。

水曜日, 4月 23, 2025

フラットスラブ扁平臥梁(美しが丘の家2006)

補強CB造では臥梁の存在が強みでありまた弱みでもある。基礎と臥梁で上下に鉄筋コンクリートで緊結されたCB壁は堅牢な構造体になる。他方で臥梁の施工には材料と手間がかかり、コスト上昇の一因となっている。そこでスラブに扁平臥梁を組み込み煩雑な臥梁型枠を無くす、扁平スラブ一体臥梁であった。私たちは、もともと旧4号物件であっても補強CB造では許容力度計算を必須としていた。

月曜日, 4月 21, 2025

引込柱または受電柱のデザイン(美しが丘の家)

引込柱または受電柱は、電灯線や電話線を住宅に引き込むために敷地内に設ける。美しが丘の家では、溶融亜鉛メッキしたH鋼-200×200を利用した。H鋼フランジの陰に配管を隠している。住宅外壁に直接引き込み線による開口等を設けることがないため、外壁を傷つけることがなくまた景観上の問題を回避できる手法だ。

月曜日, 4月 07, 2025

表札デザイン(美しが丘の家)

住宅の玄関に必要なアイテムにインターホンや郵便受け、そして表札や玄関照明などがある。それらを調整するのもデザインの肝になる。写真は、「美しが丘の家(新築2005年、改修2024年)」でデザインした表札をベースにインターホン、郵便受けを一体化したものである。

日曜日, 4月 06, 2025

歴史的建造物を維持する意味

20数年前調査に訪れたマサチューセッツ・ディアフィールド歴史地区のその後をグーグルマップで覗いてみた。17~19世紀当時の街を再現した野外博物館である。旧市街のほぼ中央に向かい合っている2軒、向かって右側・白色木造ゴシック風のムーア邸と左側・黒色木板下見張りのアレン邸。2003年当時ムーア邸は修理中だったのだが6年前には綺麗に塗装されている。また2019年のアレン邸は足場が掛けられていて修理しているようだ。歴史的建造物を維持管理する意味とは、後世へ建設時の姿を素材工法の本質を変えずそのまま伝えることなのだ。この場所は、改めてそれが正論だということを教えてくれる。

木曜日, 4月 03, 2025

建築保存の正義

札幌市役所屋上から500mm望遠で撮った。当時、開拓の村への移転議論の中で現地保存が決定した時計台。今から半世紀前の1973年8月、卒業設計の準備調査として札幌市建築課へヒアリングに行った帰り。デザインサーベイという言葉につき動かされ、国道5号線の幅員までも赤信号時に横断歩道上でテープ実測している。(写真上) マチに出たついでに時計台に立ち寄ってみた。外壁の羽目板の一部に塗装が劣化剥離しているのが散見できる。北側は許容範囲内なのだが、南側の塗装が劣化剥離している。市のホームページで確認すると、7年前の2018年に外壁塗装の劣化剥離部のみを部分的に塗り直している。もちろん改修記録もある。従前通りに劣化剥離部分を再塗装し、地域の顔・重要文化財としての美しい外壁を再現する、今年がその時なのかもしれない。改修費用を心配する向きもあるがすでに予算措置されていると信じたい。国指定の重要文化財なので国庫補助50%+北海道補助25%が見込めるため、改修工事費の札幌市実質負担は25%に過ぎず、広報誌によると札幌市新年度予算は1兆2666億円という巨額であることから、予算不足を理由に出来ないはずだ。 そもそも現地保存に導いた建築史家の論理は、時代の建築をそのまま残すことで歴史の真実を記録する価値を認める。立地や平立面と共に工法や素材も可能な限り保存する、それが建築保存の正義正論であり維持費用軽減目的で安易な素材工法に置き換えるなどは曲論だ。(写真下)