数年前、米国東部のプリマス開拓村で、独立前の米国がまだ貧しかった頃の再現住宅を見学した。床は土間で、柱を等間隔に掘立てにした上に小屋を組んだプリミティブな住宅であった。室内は箱ベッドと小さなテーブルと椅子が数脚置かれているのを記憶している。昼でも薄暗い室内で、ガラスの入っていない小さな窓から陽光が差し込んでいた。ここからは想像なのだが、夜になってロウソクと暖炉の明かりがつくる雰囲気は開拓者の心意気を包み込むのに十分な力を持っていたのだろう。照明の原点を見る思いがしたものである。以来、照明に少しでも気持ちを込められないだろうかと考えている。写真は、天井に埋め込む現場製作のダウンライト。熱がこもりやすいので、ワット数の少ない蛍光灯電球を使用する。素朴な味わいが好きだ。日曜大工で明日の打合せのためのサンプルを自作した。
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