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火曜日, 8月 29, 2006

メディア(media)


27日の日曜日、札幌マラソンを沿道から観戦した。話題は、なんといっても千葉真子のラストランである。実は、昨年も同じ場所で観ている。今年はパパラッチ風の中継バイクが、ペースメーカーの男達に囲まれた彼女に併走し、力走する姿を写している。腕に「ありがとう」と書いてあることは家を出る前にテレビで見て知っていた。テレビを見ていなかったら気づかなかったかも知れないと思いながら、一団が走り過ぎていくのを目で追った。
帰り道、本屋に寄って定期購読している建築雑誌数冊を受け取り、午後の数時間は自宅庭のベンチに腰掛けて読んだ。いろいろな建築と初めて出会う瞬間だ。更に深い建築の理解へとつながるような気がする、雑誌メディアの力だ。

土曜日, 8月 26, 2006

現場再開



お盆休みが終わり、現場再始動してからしばらく経った。施工現場では、時間が余ることがない。いままでは、表面仕上げに隠れ施工中でしか見ることのできない構造材や断熱材などの重要な部分を丁寧に施工し、それを私は現場確認してきた。これからは、最終的に目に触れる仕上げ施工の段階に入ってきた。どのように仕上がるのか、施主はもちろん、建築家は言うに及ばず、施工会社は目の色をかえ、これからは誰もが楽しみにしている。写真は、「美しが丘の家」と「藤野の家」。

金曜日, 8月 18, 2006

ホームセンター


お盆の休みにホームセンターに行った。普段の設計活動の中で、製品カタログを見てもいまいち実感がつかめない場合がある。そんな時、ショールームなど実物を確認できる場所が便利だ。建築資材が豊富に揃っているホームセンターは、寸法や重量を実感できるだけではなく値段を把握できるのが嬉しい。私などは、店内をあちこちただぶらぶらしているだけで幸せな気分になってくるから不思議だ。例えば、1枚980円の合板をカットしてもらうと50円、指定場所まで運んでもらうと更に50円かかるという。材料費+加工費+運搬費=見積単価となっており、誰にも理解しやすい。そのせいではないけれど、明らかにプロの職人さんの買い物姿をよく見かける。帰りがけのレジで、非常勤で通っている大学の学生に声を掛けられた。ここのアルバイト店員だという。なるほど、勉強になる場所なのだ。

金曜日, 8月 11, 2006

根太なしフロアー


「藤野の家」で建方が進行中だ。木造軸組みの接合部に金物を効果的に使用するのと並行して、構造耐力向上を目指しこの現場では床下地に24mm厚の構造用合板を使用している。そのために、通常303mmから455mm間隔で入れる根太が省略されている。これは施工の省力化に役立っているようだ。現場に着いて、大工さんと目が会う。開口一番に「床張りが楽だね」と言われたのだ。

木曜日, 8月 10, 2006

コンクリートブロック そのⅡ(concrete blockⅡ)


「美しが丘の家」現場で外壁のブロック積み作業が進行している。内壁を積んで以来、しばらくぶりでブロック積み職人さんの姿があった。ブロック積み作業を眺めながら、熟練の技と言うのは手際の良さにあるのだと感じた。一つひとつの工程を確実に、丁寧にやり切る。自信にあふれた手さばき、そして身のこなしが、流れるようなある種の速ささえ感じさせる。隣の建築現場で作業をしていた大工さんが手を休め、感心した表情で眺めている。プロをうならせる職人技なのである。

月曜日, 8月 07, 2006

木製サッシ(wood sash)


断熱気密性が高く、独特な存在感がある木製サッシを窓に使用することが多い。国産品は広葉樹が使用できる点や短い納期、メンテナンスのよさなどに、また輸入品は割安な価格に特長がある。ただし、北欧製のものは彼らの夏休みまでに発注をしないと納期が大幅にずれ込むことがあり、同じ北国同士としてこの季節の大切さを十二分に理解しつつも、待ってはくれない現場との間で苦労をしている。写真は、「美しが丘の家」の2階に取付けられた木製サッシ。3重の、いわゆるトリプルガラスである。

水曜日, 8月 02, 2006

プレカット(precut)


柱や梁の仕口をあらかじめ加工し、現場での作業を簡略化する。プレカット工場では、ほとんどの工程が機械化されているが、工期と予算の都合により今回は手作業で取り組んでいる。写真は、「藤野の家」の構造用木材の一部。北海道産の松材がほとんどを占めている。今日は、工場の一画にある加工場で、作業をしている顔見知りの大工さんを交え打合せをおこなった。

火曜日, 8月 01, 2006

藤野の家(house in Fujino)


札幌市の南区藤野に木造2階建て住宅の現場が始まっている。施主は、南面をうっそうとした樹木で囲われた敷地に惚れ込んでいる。プランの要点は、2階に居間など主な生活の場を南面への開放感とともに作ること、1階に2台分の駐車スペースを組み込むことである。私にとっては久しぶりの公庫利用物件であり、仕様書とにらめっこしながら設計した。構造は在来工法とし、ツーバイ材による片流れ屋根と組み合わせ、シンプルな構成を目指している。

金曜日, 7月 28, 2006

BASE4


学生時代、私の設計演習の先生でもあった集団設計の船木幹也さんが設計されたという瀟洒な邸宅が札幌市北区の麻生にある。2年前、突然レストランにリニューアルされてからは、見学ついでに時々利用している。住宅として大切に使用されたことが感じられ、また内部空間に漂う落ち着きが好ましい。きょうは「BASE4」の昼食会を行なった。「BASE4」は、松橋常世、國澤利光、平尾稔幸、山之内裕一の4人がメンバーの設計グループである。それぞれ建築家であり設計事務所の主宰者であるのだが、さらに協力してプロジェクトや設計活動を展開していくことを目指している。写真は、会合に利用した奥の和室から庭を眺めたもの。居心地よく、会話もはずみ、結局3時間ものながいをしてしまった。

月曜日, 7月 24, 2006

北海道産(made in Hokkaido)


最近、できるだけ地元産の素材を使用することにしている。これは、身近にあるものがどのようなものなのかを知ることから始まっているといっていい。素材や製品を追跡していくと様々な人に出会い、それぞれの事情がわかる。初めて見聞きすることも少なくない。写真は、「美しが丘の家」カラマツ合板の天井とカラマツ集成梁、もちろんメイド・イン・ホッカイドウ。

日曜日, 7月 23, 2006

蛇篭(じゃかご)


「藤野の家」の現場に行く途中、住宅地の一画に印象に残る塀がある。鉄線で編んだ篭の中に割り石が積まれている、いわゆる蛇篭である。この土地の由来は承知していないが、どうも一般の宅地には見えない。それはともかく、コンクリート塀やコンクリートブロック塀、まして木塀などにはマネのできない存在感である。人工物であるが、より自然に近いところが魅力だ。

金曜日, 7月 21, 2006

梁天井(beam ceiling)


「美しが丘の家」2階木造部の柱梁がほぼ組みあがった。屋根は集成材梁によるフラットルーフである。集成材は北海道産カラマツでつくり、60mm×360mm寸法材を455mm間隔、最大スパン6mで用いた。竣工時には、室内に美しい梁が露出する見事な梁天井となることだろう。

月曜日, 7月 17, 2006

マイ・アーキテクト(my architect)


誰にも気になる存在というのがある。30数年前、初めての海外旅行で偶然にもバングラデシュの工事現場を訪れ、シャープなコンクリートの幾何学形態や構造体としてのレンガの迫力に圧倒された。そのとき以来、ルイス・カーンは私の好きな建築家の一人だ。彼は、50歳を過ぎてから代表作を手がけ、絶頂期だった73歳の春、出張帰りに倒れ突然この世を去る、見事に劇的な建築家人生を送った。写真は、建築家ルイス・カーンの映画「マイ・アーキテクト」のテキスト。新建築社が編集した資料としても本格的な一冊。映画は、今年5月の連休中に札幌の映画館シアターキノで観た。私は、若者の頃から随分影響を受けいまも勇気を与えられている。

日曜日, 7月 16, 2006

モエレ沼公園(moerenuma park)


札幌市の北東に位置するモエレ沼公園へ行った。イサムノグチがマスタープランを作った公園として名高い。広々とした敷地に、北海道の気持ちのいい夏に触れた。ガラスのピラミッドの中にある資料館でしばしイサムノグチの世界へ。資料解説によると、イサムノグチがこの敷地を気に入った理由は、NYマンハッタンのセントラルパークの半分の面積を有しているというそのスケールの大きさだったという。雄大なスケール感を堪能した。

土曜日, 7月 15, 2006

集成材(glued laminated timber )


石狩市にあるプレカット工場の三津橋木材で、製品検査を行った。「美しが丘の家」の2階木造部に用いる材料が、プレカットを終えて出荷を待っていた。施工図に忠実に、機械で切り出された。写真は、タルキ小屋組みとして使用するカラマツ集成材梁である。組み木細工のような、赤みがかった華やかな木の表情が面白い。

木曜日, 7月 13, 2006

養生(ようじょう)


今日は日差しが強く、昨日コンクリートを打設したばかりの「美しが丘の家」の現場では、打設後のコンクリートが発熱し表面温度が上昇しすぎないように定期的に表面を散水している。品質を保つために、こうした見えないところに手間をかけている。写真は、2階床スラブを支えている1階の支柱(サポート)。

火曜日, 7月 11, 2006

配筋検査


「美しが丘の家」の2階床スラブの配筋検査があった。写真は、カーポート上のスラブ配筋状態。厚250mm、鉄筋は長辺方向150mm間隔、短辺方向200mm間隔、D13mm鉄筋を使用。

土曜日, 7月 08, 2006

ザ.チェアー(the chair)


日常、机にかじりついて仕事をする私たち建築家はどうしても腰を痛めやすい。かつて私が事務所を立ち上げた時、最初に実行したのは座って疲れない椅子を買い求めることだった。いろいろ探して、当時西ドイツ製のウィルクハーンの事務椅子に決めたのだが、これは世界初のエルゴノミクスチェアーで、日々の酷使に耐えつつ使い良さは今もって期待を裏切ることがない。
写真は、かの米国大統領JFKが愛したというハンスウェグナーの名作である。残念ながら私の物ではない。某所で籐の座面が壊れ見捨てられていたのを修理するお手伝いをした。椅子のなかの椅子である。

木曜日, 7月 06, 2006

芝生(lawn)


週一で通っている、銭函のポリテクカレッジの途中に芝生の畑がある。隣の芝生があおく見えるのならば、芝生屋さんのそれはどんなだろう。数百メートルにおよぶ芝生畑は壮観である。さすがにプロの仕事はすばらしい。

日曜日, 7月 02, 2006

組積造(masonry)


補強コンクリートブロック造「美しが丘の家」の構造壁コンクリートブロック組積工事が終了した。雨の影響で数日予定より延びたものの、ほぼ工程通りだ。仕上がりは素晴らしく、まさに職人さんが一生懸命に作業をしてくれたおかげだ。表面には多孔質なコンクリートブロック特有のざらつきがある。私はこのざっくりした素材感が気に入っている。工事の後半に予定されている外装壁コンクリートブロック組積工事まで、しばらくブロック積みはお休み。