設計から現場に至る過程では、時間の許す範囲で様々な検討を行うのですが、実物大試作品によるモックアップ検証が一番最終形に近いと考えています。
今回は臥梁下に間接照明を組み込む設計のため、私の事務所エントランスのCB壁を利用して間接照明のモックアップを作りました。あらかじめお借りしていたメーカーのデモ機を装着して照明のチェックをしています。
設計から現場に至る過程では、時間の許す範囲で様々な検討を行うのですが、実物大試作品によるモックアップ検証が一番最終形に近いと考えています。
今回は臥梁下に間接照明を組み込む設計のため、私の事務所エントランスのCB壁を利用して間接照明のモックアップを作りました。あらかじめお借りしていたメーカーのデモ機を装着して照明のチェックをしています。
前回のブログで書いたのだが、70年代「遊」の特集で松岡正剛は「似ているものは本質を共有する」という相似律を視覚的に編集した。先ごろ40/40で話題の大谷翔平選手がいつも全力で走る姿が誰かに似ているなと思っていたら、半世紀前のテレビ漫画のヒーロー・エイトマンの全力疾走シーンがそっくりではないか!そういえば大谷翔平選手の背番号は17、1+7で8になることに気が付いた私。
建築とは?ふとそのような原初的な問いが浮かぶことがある。
盟友・泉徹の著書「品質トラブル解決集」。北海道の建築家仲間で地道に建築を追求してきた人物で私のCADの師匠でもあった。序文で「技術とは問題を解決する方法論」と書いている。
ブロックの楚々とした佇まいは、店舗にこそ向いているのかもしれない。公共空間のように誰でも出入りができること、拒絶感を感じないこと、日常的に利用する理髪店のような店舗にはそのような性格が求められているのではないだろうか。加えてオシャレな空間であれば、来店のお客様はスッキリした頭とともにきっと満足するだろう。25年前に設計した札幌市内の理髪店に通うたびに新鮮さを感じている。写真は、駐車場のサインと店舗入り口まわり。
今回、依頼者から相談された子供室改修工事の目的は、幼児期を過ぎ成長期を迎えた子供たちに、それぞれ独立したスペースをつくりプライバシーを守ること。新築時、まだ幼い子供たちそれぞれの個室ではなく2室相当分のワンルームを用意し、時期が来たら仕切る設計としていた。いま、その時が来た。設計者として、子供の成長を楽しみにしている両親に応えたい。とはいえ、いままで直接ふれあうことができた家族が、個室化で疎外感を感じることのないように、独立しつつ連続する「空気感」を建築で表現できる計画となればと願った。
透光不可視の素材ガラスブロックは、まさにそうした「空気感」にふさわしい素材と考えた。改修の平面構成は、庭に面した南側に約800mm幅の廊下を残し、廊下から2分割した子供室へ出入りする、逆T字型に壁を配した。廊下の奥は両親の主寝室で、廊下を通るたび、それぞれの子供室の様子がわかり、成長を温かく見守りたい両親の心情に応えられるだろう。また子供室内からも廊下を通る家族や窓越しの庭が、それとなく分かり独立しつつも孤立感がない、そうした連続性が重要だと考えた。それぞれの連続性と個室の独立性、ふたつの相反する機能を建築の仕切り壁に求めた。採用したのは、表面がフロスト加工された半透明なガラスブロック・フロストプレーン。ガラスブロックは、特筆すべき遮音性能がある。日本建築学会資料によると周波数500Hzの音響透過損失35dB、これはT-3等級の遮音性能。「空気感」に必要な静けさづくりに役立っている。(山之内裕一/山之内建築研究所)
ツタを這わせる目的で製作した。Φ9mmの丸鋼を工場で溶接組み立てた。道路近くの堆雪場所に仮置きしていたため積雪荷重で変形したのだが、偶然の造形に感動している。ほどよい赤さびが付いている。先日、庭の中央に移動して、オブジェとして利用している。材工10,000円程度で製作可能。
週刊ブロック通信令和6年新春号は、「パストラルタウン美しが丘」を取り上げました。1980年代半ばに4人の建築家が挑戦した建売住宅群で、竣工後40年近くを経て、さらに個性豊かな街並みに成熟している。建築家と地域工務店がチームを組みモデル住宅を設計した「南幌町きた住まいるヴィレッジ(2018年)」の先駆け事例であり成功例でもある。1980年代当時の担当者の一人、建築家・圓山彬雄さんの承諾を得て「建築学会作品発表会作品集43(2023年)」に収録されたコメントを載せています。街や建築は時間のなかで成熟しあるいは老朽化し味わい深い空気感を醸成するものだから、なるべく維持保全するのが優先的選択肢という建築界ではごく当たり前の典型的実例。先日、今は無い北海道百年記念塔設計者「井口健さんを偲ぶ会」があった。2024年(令和6年)良い年になることを祈らずにはいられない。
INAXライブミュージアムで開催中の多田美波さんの建築関係の仕事にフォーカスした展覧会。「数十年前の模型を修理したり、アトリエの発掘調査のような半年でした。」と多田美波研究所・岩本八千代所長の案内状にある。私は40数年前に一度だけ多田美波さんと仕事をしたことがある。「鍵のかかる引出に入れて所員にも見せないの」と仰られた「スケッチ」も展示されているのだろうか。
月一で寄稿している週刊ブロック通信の紙面がA4サイズから約二倍大のタブロイド版に更新され、見開きで一般紙片面サイズになり、紙質も一般紙同様のいわゆる新聞紙になった。
10月23日号は、次号からの助走とすべく今までの10年100回の連載を振り返り主な画像を1枚選び並べた。「CB建築の講義・六」は、張弦梁トラスを用いた音楽アトリエを併設した住宅を題材に、敷地の持つ力について述べている。4×4.5間(7.28m×8.19m)の無柱空間をリーズナブルにつくるため採用した架構で、梁、束材に松集成材を用いM27のスチール弦材で締めるのが特徴。今回の採用は、開発者(ATA)と直接やり取りでき構造架構がより身近でカジュアルなものとして感じられたことが大きい。