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日曜日, 5月 23, 2010

タイムマシンに乗って

22、23日の両日、小樽祝津にしん祭りに参加した。今年で2回目となる祭りの主会場は、荒波がせまる砂浜の一画。好評の鰊串焼きサービスには市民の長蛇の列ができた。


祭りのボランティアスタッフによる「番屋めぐりツアー」の一環で、工事中の現場見学も行なわれた。私たちの調査時に発見された上棟時の棟札から当時の大工棟梁・山田留三氏が推定できている。今回は、なんとその山田留三棟梁のお孫さんが東京から駆けつけ「番屋めぐりツアー」に参加してくださったのだ。皆さんの笑顔が素敵だ。

棟札発見から今日に至るプロセスは、インターネット情報社会の背景なしに語れない。通信手段としてのメールやブログ、調査手段としてのgoogleなどのサーチエンジン、それらが結びついた成果だ。100年の時空を超えて孫世代の関係者が出会う。私も感動の対面が実現した。まさにタイムマシンの仕業と言っていい。
  
祝津漁港から番屋を望む

鰊と数の子の群来(くき)ソバ 

土曜日, 5月 22, 2010

鰊まつり前夜祭

21日、鰊まつり前夜祭という会合に出席するため夕方から小樽へ向かった。

会合の場所は、祝津三大網元のひとつ「白鳥家」の番屋、群来陣(くきじん)である。
その昔、鰊御殿で使用されていたお膳でいただいた。当時を再現した鰊料理だという。

今年で第2回目の「祝津鰊まつり」は、今日22(土)、明日23(日)の2日間開催されます。美味しいにしんが食べられます。駐車場も無料開放されます。工事中の「茨木家鰊番屋」も写真のような外観と土間部分を覗くことができます。是非お越し下さい。

金曜日, 5月 21, 2010

平屋

平屋の住宅設計を手がける機会が増えている。敷地をめいっぱい使う場合が多く、敷地面積に余裕が必要だ。例えば30坪の平屋建て住宅を、建蔽率40%の場所で建てるためには、75坪の敷地が必要になる計算だ。効率的な土地利用の観点からは都市部のド真中では贅沢な気もするが、敷地内に緑がたくさん残せるとあっては建築家たるもの平屋に味方したくなる。なんといっても広い北の大地には平屋がとてもよく似合う。写真は最新プロジェクトで、札幌の平屋住宅模型。

木曜日, 5月 20, 2010

地盤調査


20日午前、札幌市内の現在設計中の住宅建設予定地へ地盤調査の立会いに向かった。市街地で、参考にできる近隣周辺データが豊富にある場所。設計中の住宅は木造平屋だから、地盤への自重による影響は少ない。したがって、簡易なスウェーデン式サウンディング工法で地盤調査を依頼している。解体予定の既存住宅の前庭にある桜があいにくの雨にぬれながらも満開でした。作業員もしばし見とれていました。

月曜日, 5月 17, 2010

納屋と番屋

北海道産カラマツ下見板
明治の仕事に平成の仕事が隣り合う
屋根ステイルーフ

複雑なしかし魅力的な小屋組

小樽祝津の鰊番屋の下見板外壁が仕上がってきた。それにしても複雑な小屋組みを見るたびこの建築はどこから来たのだろうと思う。明治末期の建築と言われているのだが、実はこの建物の正確な建設年は特定されていない。納屋建築は、当時すでに札幌農学校の時計台などとともにあった。そして農業技術とともに米国から来たことがはっきりしている。他方、鰊漁とともに番屋建築は本州いわゆる内地から来た。そう考えるのが自然なのだが、どうもそう簡単に片付けたくない私は、現代建築家フランク・ゲーリーのダイナミックで美しい小屋組みと勝手に比較し、またチャールズ・ムーアのバーンスタイルなどとの類似性を考えたりしている。外来技術のトラスをくずした小屋組みに不思議な迫力を感じ、土着性や草の根建築などといったキーワードが頭をよぎる。

土曜日, 5月 15, 2010

YYAA建築相談


山之内建築研究所からのお知らせです。

以前から、不定期に開催していました事務所開放の2010年第一弾を明日おこないます。
明日16日(日)午前10時~15時まで、山之内建築研究所にて「YYAA建築相談会」いたします。
設計相談は無料ですのでお気軽にお越し下さい。
メール:yamanouchi@pop02.odn.ne.jpまたは電 話:011-761-1173で事前のご予約が必要です。

金曜日, 5月 14, 2010

NPO

とあるご縁で、NPO法人の拠点施設のリフォームをお手伝いすることになった。高齢者の運動能力を向上させ老化や介護の予防に役立てようという活動を支援しているNPO法人です。今日は早速、活動の様子を見学させていただいた。活動リーダー達のトレーニング風景です。どうやら、高齢者を引っ張ってゆくのも同じ高齢者、というあたりがミソらしい。私の役目は社会貢献というと大げさだけどその手助けにはなりそうだし、NPO法人から少なくとも私が学ぶところはたくさんありそうです。

木曜日, 5月 13, 2010

まだまだ桜

12日、BASE4メンバーの還暦祝いを円山にあるH建築事務所で花見を兼ねておこなった。小雨模様で肌寒い今日の札幌ですがまだまだ桜は見ごろ、けなげに咲く姿から私たちも元気をもらいましょう、という趣旨でもあった。

日曜日, 5月 09, 2010

近所にあるホームセンター駐車場の街路樹が健康な爪のような淡いピンクに色付いている。いつもは殺風景な駐車場もこのときばかりは華やかだ。雨模様の中、打合せからの帰路に桜が開花した風景に出会った。これからしばらくは札幌市内の各所で桜の見ごろとなる。

土曜日, 5月 08, 2010

クリスマスローズ

北国北海道の春は一気に訪れる。暖かい日が続いたGW連休、つい先日まで雪に埋もれていた自宅庭にもクリスマスローズが咲いている。寒さに強く日陰で咲く。

金曜日, 5月 07, 2010

フットプリント(footprint)

自称本の行商・大森書房の大森さんがGAなどの建築専門書を運んできてくれた。もうかれこれ30年以上の付き合いで打合せ室のテーブルの下には大森さん専用の灰皿が用意してある。いつも時間を忘れて話が尽きない。究極の対面販売としての行商には営利を超えたコミュニケーションの奥深さがある。そのようなわけで手にしたばかりの、GAJAPAN104号を斜め読みした感想を書こうと思った。書き始めて当代のトップランナー諸氏のスケールは、この小さな文章には収まらないことに気がついた。ひとつ、フットプリントという言葉が気になった。解説文中で敷地面積に対する建築の占有面積(つまり建築面積)の意味で使われ、footprint足跡・領域という直訳通り人間の営為が表される言葉だ。

なかなか含蓄ある言葉だと思った。個性的なフットプリントでプリツカー賞の栄誉に輝いたSANAAのご両人にひけをとらない(と私は考える)行商・大森書房のフットプリントに改めて感謝したい。

木曜日, 5月 06, 2010

居間の風景Ⅱ

キッチンから食卓へ続き居間全断面ほどのガラス開口を通し外部ウッドデッキに繋がっている。敷地が周囲から視線の影響を受けない高台にある場合の例である。


キッチンおよび食卓トップは面一(つらいち)。食卓の高さは700mm、キッチン高さ850mmは一部床面を150mm低くすることで確保している。

水曜日, 5月 05, 2010

居間の風景(view of room)

南側の庭に庇が伸び間口いっぱいの開口がある。東側にペレットストーブとTV、西側に二人掛けのソファがある。さほど広くはない居間だが、居心地は最高だ。今日は休日、朝からBS放送のMLB中継を楽しんでいる施主。


最近、私が思い描く居間の基本路線。定番仕様は、床と天井が北海道産の無垢板、壁は水性塗装、建具は木製断熱サッシだ。

月曜日, 5月 03, 2010

祝津のステイルーフ

落雪防止屋根工法という雪止めを兼ねたガルバリウム鋼板長尺葺き屋根である。小樽祝津鰊番屋の屋根工事では、20数メートルの長尺となった。現場までの道のりには3つのトンネルがあり、それを通過してこなければならなかった。事前にトレーラー運転手が下見をして慎重に運搬したという。ここにも現場のこだわりがある。

金曜日, 4月 30, 2010

休日の家

休日は木立に囲まれて静かに読書や庭仕事などをしながら過したい。昼寝はウッドデッキで背中に暖かい日差しを受けながら。時間が来れば料理が呼んでくれる。そんな隠れ家。オーベルジュの計画案です。いつかどこかで実現する日を待っています。

木曜日, 4月 29, 2010

変化と継承

晩ごはんを食べながら、6大学のピッチャーだったという爽やか新キャスター氏のNHKニュース9TVを見ていた。歌舞伎座の建物が60年の幕を閉じ、3年後に新装なるというので設計者の隈研吾氏が「現代の建築家として、時代の要請と歴史の継承を考えた図面を引いている」とインタビューに風格ある姿で応えていた。


数日前「小樽祝津の鰊番屋完成を記念するフォーラム」開催が、6月中旬の工事竣工と同時に行なうことが決定した。ここ数日は、フォーラムで話すことを漠然と考えていた。鰊番屋もまた時代の要請として地域の会館として使用し、あわよくば運河に続く小樽の観光名所に育てと期待されつつ、同時に100年物の魚場建築遺構として歴史の継承をする。まさにその間(はざま)で現代の建築家としての私が図面を引いているのだが。現実は、施工を担当する工務店さんと共に、限られた厳しい予算と法規のしばりの中で毎日のように頭を悩ませている。

写真は祝津番屋通りの白鳥家番屋で明治10年代の建設、近年飲食店として再生。

水曜日, 4月 28, 2010

インテリアと景観

先日、久しぶりに江別市大麻の「ウッドいのうえ」ショールームへお邪魔しました。日頃は建築用木材の商社として、床フローリングや外壁板材など多種の北海道産無垢材を提供していただいています。当日は北欧や北米の香りのするインテリアや小物に囲まれて、しばらく楽しい時間を過しました。江別西インター近く、サイロや牧舎の景観がショールームの雰囲気とたいへんよく合っています。

火曜日, 4月 27, 2010

発寒の家再訪


27日、午前中に札幌市内の「発寒の家」へ向かう。12年前に竣工した住宅であるが、室内は、ほとんど当時のままだ。緊急のメンテナンスと、うれしいことに増築計画もあるという。南側隣地にあり居間の日除けともなっていた栗の大木が、今はない。数年前日除けをテント用キャンバス地で製作し、庇に固定した。写真は、かつて栗の木があった南側からのアングル。

金曜日, 4月 23, 2010

落雪防止屋根工法

23日午後、小樽へ向かう。発注者主催の会議があり、監理者として工事の進捗状況などを報告した。現在、鰊番屋現場は外部の屋根板金工事、そして内部はネダイ等の修復工事にかかっている。

屋根は厚0.35mmのガルバリウム鋼板の落雪防止屋根工法、いわゆるステイルーフ。
軒先の積雪荷重を軽減するため、軒先約1m部分は雪が滑りやすく積もりにくい横葺きとした。

今回の修復工事は、建物のおよそ半分を地域の町内会館として使用する。そもそも明治末期に作られた魚場建築に断熱など期待できるはずもない。既存の大屋根の中に、断熱材で囲われた町内会館部分をいわば「入れ子」として設けている。この部分では、しっかりと床・壁・天井を断熱し、弱点となる窓は高性能なトリプルガラス入りの木製断熱サッシを入れた。


日曜日, 4月 18, 2010

魅力的な敷地

18日午後、同業者の建築家・アカサカシンイチロウ氏の自邸を見学させていただいた。

まだ雪が残る札幌市中央区円山西町の奥深い住宅地に建っている。北海道らしい自然が魅力的な敷地だ。