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月曜日, 9月 08, 2008

山の手ハウス#5


6日、山の手の現場で基礎配筋検査をおこなった。一般的な布基礎で縦横筋はD10鉄筋300ピッチ、横筋は上下主筋D13鉄筋の標準配筋。整然と間違いなく施工されている。
札幌の凍結深度は600mm。寒冷地の場合は基礎底を凍結深度以下とすることが法で定められている。寒冷地でなければ根入れ深さつまり基礎底の地面からの深さは240mmでよい。600/240=2.5、つまり札幌においては根入を2.5倍深くしなければならない。これは北国寒冷地特有のハンデキャップ、つまりよけいに費用がかかるのです。

日曜日, 9月 07, 2008

千歳エコハウスのCB


千歳の現場で、1階床スラブコンクリート打設が行なわれた。打設立会いのため、現場に向かう。この住宅はCB造すなわち補強コンクリートブロック造。
現場に今回使用するコンクリートブロック3種類のサンプルが用意されている。向かって右は普通ブロック、中央は横筋用ブロック、左端がコーナーブロックである。

金曜日, 9月 05, 2008

真駒内東町の家の姿


「真駒内東町の家」の外部足場が外されて姿が現れた。白いガルバリウム鋼板の外壁に対比する、コーナーの木ルーバーが印象的。塗装は、今回初めて使用したキャピタルペイント社の木材用水性塗料一回塗りだ。クライアント同様、私も今から数週間後の完成が待ち遠しいところ。
先週末、鬼頭梓氏の著作「建築家の自由」が目に留まって早速注文し、きのう本が届いた。さっそく拾い読み。あらためてクライアントや社会に真摯に向かい合った、プロフェッショナルな建築家人生を全うされた方なのだと思う。

火曜日, 9月 02, 2008

千歳のエコハウス(ecohouse in chitose)


千歳の家はNEDO(独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構)の国庫補助金を受けることが予定されている住宅なので、エコハウスと呼ぶことにしている。
これは、省エネ意識の向上や高効率エネルギーシステムの導入促進を目的とする、住宅ではあるが国の先導的システム支援事業。今年度は人気があって、昨年度の2倍以上の申し込みがあった。その数、全国で5000件ほど。つまり、5000軒超のエコハウスがあるというわけ。
今日は、現場での定例会議を兼ねて、地中梁コンクリート施工と基礎断熱施工の状況確認をおこなった。

土曜日, 8月 30, 2008

カーペンターセンターの手摺


施工図で最終チェックをする段階で、いろいろと考えを広げる楽しい時間がある。先日も手摺のことをあれこれ考えていた。時代を超えてなるほどと納得させられる先人の仕事には、おしゃれな誠実さがある。写真は、ル・コルビュジェ設計のカーペンターセンターの手摺。
元JIA会長の鬼頭梓さんが亡くなられた。レンガが印象的な作品を多く手がけた建築家で、ご自身設計の北品川の教会で葬儀が行われるという。数十年前、木造の旧教会堂を訪れたことがあった。当時、私の弟が竹中工務店の施工担当として現場常駐するというので、ひやかしに行った。後日現場が始まり、鬼頭さんが真っ赤なスポーツカーで現場にやってきて、十数メートルもある根切り底に下りて自ら地盤の確認をされた、と聞いてなるほどと思ったものだ。おしゃれで誠実な仕事をされた大先輩だ。ご冥福をお祈りします。

水曜日, 8月 27, 2008

遣り方


12月の竣工を目指して「山の手の家」の現場が始動した。この住宅は、木羽目板を外壁全面に張っている。構造は在来木造。
実はこのクライアント、現在JICA職員としてアフリカのボツワナに駐在している。設計中は、時差が相当あるので、夜中に施主の家族を経由して連絡を取ってもらった。インターネットで日本のサイトを検索してさまざまな情報を得るやいなや、アフリカから質問や要望が家族の許へそして私へ、FAXで送られてきた。
任務が終了し帰国するころには、待ちに待った住宅が完成しているはず。敷地に設けられた遣り方の水糸に赤とんぼが羽を休める。まもなく現場に活気があふれる。

火曜日, 8月 26, 2008

造作家具(handmade furniture)


石狩市にある家具工場へ行く。目的は、色あわせ。今回は、予算上の都合で市販のユニット家具を組み合わせて使用するため塗装色を市販品に合わせることにしていた。ところが市販品は、扉、箱、天板とそれぞれ色が微妙に違うのである。そのため急きょ工場に市販品を持ち込んで色あわせが必要になったというわけだ。
ついでに、いつも打合せをしてくれる担当者だけではなく工場製作や現場での取り付けをしてくれる職人さんたちの姿を見ておきたいとも思った。F☆☆☆☆(フォースター)のシナランバー合板でつくる比較的廉価な家具だが、こころをこめて丁寧に製作している。

金曜日, 8月 22, 2008

配筋検査


午前中「千歳の家」の基礎配筋検査をおこなうため、千歳に向かった。現場はJR千歳駅から徒歩で7~8分。今日の天気は快晴だ。Googleトランジットで検索したら、事務所から現場まで所要時間1時間47分(うち徒歩30分)だという。新千歳空港行きのエアポート便はおよそ15分間隔で動いているので、今回はJRを利用した。いつもは車のハンドルを握る手に今日はお茶のペットボトルがある。「千歳の家」はエコ住宅がコンセプト、なのに現場監理ではガソリン撒き散らして通う?と車窓の濃い緑の風景を眺めながらひとり上機嫌。ただし徒歩はホトホト疲れます。

水曜日, 8月 20, 2008

現場再開


こころなしか肌寒くも感じる20日、お盆休みもすでに明け私たちの現場も作業を再開している。「真駒内東町の家」では内装下地貼の作業をほぼ終え仕上げの準備に余念がない。写真は、地下「音楽室」から階段、玄関ホールを見たところ。この開口部は、石膏ボード両面二重貼し中空部をグラスウール充填した遮音壁で仕切る。データ上の遮音等級はD50程度。透過損失は1000Hzで60dB弱を予定。ただしこの程度の遮音レベルではドラム(騒音レベル100dBA)を目いっぱいたたくと家中大声で叫びあうような状態になるので要注意、しかし本格的な音楽スタジオではないとのクライアントの一言。すこし安心。

火曜日, 8月 12, 2008

千歳の家(house in chitose)


「千歳の家」の工事が始まった。早速きょうは杭の打設をおこなう。径250mmのRC杭、長さ5mと一部6mものを打設機で圧入する。いつもながら機械を操作するオペレーターの手際の良さは見ていて感心する。まさに職人技で、しっかりとした杭工事がおこなわれた。
「千歳の家」は補強コンクリートブロック造3階建て住宅である。外断熱を施し、暖房は空気熱源のヒートポンプによっている。屋上にソーラーパネルが設置され、太陽光発電をおこなう。私の事務所では初めての取り組みであり今後を楽しみにしている。

土曜日, 8月 09, 2008

小樽公園通教会(otaru park street church)


8日午後、小樽へ行く。小樽公園通教会の構造補強工事に小樽市の歴史的建造物修理の助成を申請している。助成の金額に関わらず公的資金ということで、厳格な完了検査があり、その立会だ。来週、再度の検査が予定されている。
検査の立会いを終え、公園通りの坂を上ると白い壁で分離派調ファサードの「小樽ミルクファクトリー」がある。ちょっと知られたソフトクリーム屋さんで、270円のを食べた。店の前で立ち食いをしていると、続々と客が入ってきた。暑い日にはちょうどいい。

金曜日, 8月 08, 2008

私の一日


先日の新聞に、ソルジェニツィンが亡くなったという記事が載っていた。「イワン・デニソビッチの一日」を読んだのは学生時代であったろうか。極寒の地でレンガかブロック積みの作業をする描写に共感を覚えた。もくもくと作業をする、引きずり込まれて読み進んでいくとその仕事の論理が自由そのものだということに読者は気づく、そんな記憶がある。

もうすぐ、千歳でブロック住宅の工事が始まる。今日もまた一日が始まる。イワンのようにもくもくと仕事をしなければと。写真は、ブロック造の我が事務所兼自宅、google map street viewから転載した。これはいつ撮っていったのだろう。

火曜日, 8月 05, 2008

握手


4日、お昼にJRで旭川へ向かう。Sキップを緑の窓口で買い求め、改札口に走る。発車まであと5分。改札口手前で、東京の武蔵野美術大学で建築科の教授をしているM氏と偶然出会った。つり銭を握り締めている手でぎこちなく握手。「お盆で帰省ですか?」「いや、大学の学生説明会にきたのよ。」いろいろ話を聞きたいが時間がない。後ろ髪を引かれつつ、また握手して改札口に駆け込む。この握手は10年ぶりだろうか。
写真は、手のぬくもりが伝わる手摺の写真。以前、ルイス・カーンのエクセター図書館で撮ったもの。手摺の断面が人の手のように握手を求めているようにも見える。握手からの連想。

日曜日, 8月 03, 2008

サイン


建築で気を使うものの一つにサインがある。住宅では玄関の表札が代表格で、家のデザインやときに家主の人柄さえもにじみ出ることがあるので、なかなかおろそかにできない。
先日、こんなサインを発見した。駐車場のサインである。よく見ると車にペイントされているではありませんか。車体が駐車場サインそのものになっている。車として動いている時間より、駐車している時間のほうが圧倒的に長いのかもしれない、そう思った。ただ、これでは「どこでも駐車場」状態ではないか。と余計なコトを考えてちょっと愉快になった。

金曜日, 8月 01, 2008

夏の庭


今日から8月。北海道も暑い。仕事も熱くなってきた。申請等で記録的な足踏みをし、関係者をやきもきさせている某住宅の着工への出口がようやく見えてきた。もうひとふんばりしましょう。
記録といえばMLBイチロー選手の3000本。彼のコメントには、味がある。味といえば豊浦町出身の内藤選手の逆転KO。それぞれのコメントは面白くも人間味があふれている。私はこの町とすこし関係がある。修行時代に豊浦町役場設計の手伝いをさせていただいた。


写真は、先月の初旬に点検のため訪れた「伏見のテラス」。花が散っても美しい夏の庭である。

水曜日, 7月 16, 2008

上棟


12日、午後「真駒内東町の家」で上棟式を行なった。前列中央、棟札を手にしているのがクライアントご夫妻、向かって左が私。後方中央はK棟梁ら大工さんたち、向かって左に設備電気屋さん、そして向かって右端がゼネコンの営業部長Sさん。天井高3.4mの2階居間にて撮影。翌日、クライアントの奥様から「本当に自分の家が建てられている実感ができまた、工事の方々と言葉を交わすことができて感無量でした。」というお礼のFAXをいただいた。

水曜日, 7月 09, 2008

夢をカタチに


北海道で日刊120万部の発行部数を誇る道新、北海道新聞のホームページ「住ピタ」に我がJIA住宅部会員が連載を持ち回りしているコラム「建築家が語る北のすまい」がある。今日からおよそ1ヶ月間は私、山之内が担当。テーマは「夢をカタチに」。夢の住宅を求めて出会うクライアントとの会話を散文風にしたものを掲載中です。
ぜひサイトを覗いてみてください。
アドレスは、http://sumai.hokkaido-np.co.jp/column/kenchikuka/kenchiku07.html

金曜日, 7月 04, 2008

小樽の教会


昨日、小樽公園通教会の構造補強工事が無事終了した。小樽市の歴史的建造物に指定されているため、市の景観条例による工事完了届や工事費の一部助成の事務手続きが残っている。
梁をタイバー補強し、空間的にも引き締まったようにも感じている。ちょっと自画自賛。
気積が大きいので音の響きがよさそうだ。まして古いオルガンとピアノが準備されている。どなたかコンサートなど開いてみてはいかがでしょう。
どなたでも見学可能なので、この大正の古い建築に触れることができればと思っています。

火曜日, 7月 01, 2008

日常の造形


先日、小樽からの帰り道に見かけた牧草地の風景。背景に手稲山頂が見えるこの場所は、たしか昨年は芝生を作っていたはずだ。専用の機械できれいに成形された牧草ロールがたくさん並んでいる。車を止めてシャッターを押した。ただ単に機械的な作業で作られた幾何学造形だが、強く美しい。形をつくる者としては、こうした日常の中の風景から学ぶことが多い。今日から7月が始まった。

火曜日, 6月 24, 2008

小樽のオルガン


小樽公園通教会の構造補強改修がもうすぐ終わる。今日早朝、最後の定例打合せを行なった。足場が外され、2階会堂が新しく生まれかわった。そこに、古いが存在感のあるオルガンがある。聞けば1926年建立の教会堂とおなじ時間を生きてきているという。
私は、今回補強された新しい部分もまた全体の一部となり、オルガン同様これからの長い時間を生きてもらいたいと思っている。
昼間のBSニュースで、フランスの国営TVが、インドの都市チャンディガールがユネスコ世界遺産審査中という放送をしていた。コルビュジェが設計してから半世紀あまり。それに比較はできないが、小樽のオルガンはおよそ1世紀を生きてきている。