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日曜日, 10月 16, 2011

建築文化週間2011

15日(土)、日本建築学会北海道の建築文化週間2011イベントで小樽市祝津に向かった。
小樽と積丹の歴史的建造物のうち鰊番屋を巡るツアーのお手伝いである。
参加費無料の一般公募で選ばれた市民の皆さんに見学していただいた。
昨年の建物修復完成以来、地域交流施設としての番屋の活用はめざましく、今日も祝津港で水揚げされた魚介類をふんだんに使った料理を地元漁師の奥様達が調理に腕を振るう、ワンデ―シェフレストランが盛大に開催されていた。地域の皆さんが生き生きとしている様子が嬉しい。
大漁旗を飾って、雰囲気を盛りあげている
番屋内で説明をする、北海道職能大の駒木定正氏

木曜日, 10月 06, 2011

虹の風景

スペイン.バルセロナを拠点とするカタルニアの建築家たちの展覧会が開かれている。写真と図面の映像で、12組の建築家が「都市の風景、自然の風景、歴史の風景」という3つのテーマに沿って展示している。テーマの中で、特徴的なのは歴史的な改修や増築を扱っている「歴史の風景」だろう。小樽や函館などでの例はあるものの、私たち北海道の建築家にはなじみが少ない。12組の建築家はそれぞれ師弟関係で、50~60代と30~40代のグループに分かれている。組織の規模は数人から10数人程度で決して大組織ではないのだが、学校などの公共建築から個人住宅まで手がけている。理想的なアトリエ派といえそうだ。作風は若い世代であってもいたって堅実。長い時間で物を考えている様子が伝わってくる。


2日(日)から始まって、3日(月)は札幌エルムガーデンでの交歓会に参加した。日本と同じで、バルセロナから来た25歳の若者はSANAAやSOU FUJIMOTOなどが気になるようで、しかし一番はPETER ZUMTHORだと言って、私を喜ばせた。ならば、心と魂のわが白井晟一を知っているかと尋ねたが、どんなスペルかと聞くので、SHIRAI SEIICHI、つまり日本のLOUIS KAHNだと日本酒の勢いに任せて答えておいたのだった。

5日(水)は、北星大学の空間コミュニケーションの座学。私たちの心に響く美しい形がもつ法則のあれこれを考えた時間が終わって帰り際に虹が大谷地の森にかかっていた。ちょうどその時iPhoneのプロポーションの美しさについて語ったばかりだった。今日、6日(木)アップルの巨星が墜ちた。かのカタルニアの建築家たちもまたiPhoneを愛用していたのは言うまでもない。

日曜日, 10月 02, 2011

1万人の世界建築展

有楽町の東京フォーラムで、開催されていたUIA東京大会は本日閉幕。一万人の世界建築展というちょっと大げさなタイトルの作品展に住宅の写真を出展していました。東京フォーラムのガラスの壁面に貼りつけてあり、通りがかりの人たちに自由に見てもらおうというもの。

駅へ向かう人波

1人あたりA3サイズのパネル

木曜日, 9月 29, 2011

ヒアシンスハウス

25日からUIA東京大会に、開会式や公式行事にできるだけ参加してきました。大会は10月1日が閉会式です。札幌へ戻る27日、中浦和へ足を延ばしてヒアシンスハウスを見てきました。立原道造が1938年に設計した、未着工の小住宅。2004年に実現してから、7年を経て外壁の竪羽目板が落ち着いた色合いになっています。あいにく旗が揚がっていない日だったので、内部は玄関のガラスを通して外から覗くだけでした。
たまたま六本木ヒルズの森美術館で観たメタボリズム建築展の主役丹下健三は立原道造の1年後輩でもある。建築家の想像力は、都市計画から小住宅までの大きな振り幅がある。私の立ち位置は言うまでもなくこちら側だと、UIA(国際建築家連合)の東京大会でふと考えた。

金曜日, 9月 23, 2011

軽量鉄骨梁

豊平区平岸の現場で、9mスパンを支える軽量鉄骨梁の建入れが始まった。天井高3mで、畳50帖敷きの道場空間である。天井がなく青空が見えているときはさほど広さを感じないが、梁がかかって空間が覆われてくると床面積相当の広さを感じるものだ。

水曜日, 9月 21, 2011

土台

21日、平岸の道場併設住宅現場は、土台敷きが完了。この後、見事な夕焼けが西の空を染め、後片付け中の職人さんも一瞬手を止めて眺めた。台風接近の前兆でしょうか。


北星学園大学の後期講義始めの当日は、この講義始まって以来の過去最大の受講者人数を集めた。で、学校側からはいつもの2倍の大きさの教室を割り当てられたものの、後ろの学生の表情が読み取れないので、昨年までの教室をお願いすることにしました。授業は、空間コミュニケーションですから。

それにしても、単位がとりやすいからなのか?いえいえ、授業が面白いのでしょう!
17:02 北星大のグラウンド運動部員が元気に走っています
17:38 現場到着土台確認
17:47 夕焼けも闇に隠れた

火曜日, 9月 20, 2011

笑顔で授業を始めよう


札幌市白石区大谷地にある北星学園大学で、明日から後期の授業が始まります。


私が非常勤で受け持っているのは、「空間コミュニケーション」といういわば人と空間とのかかわりを実例写真を通して計画論的に学ぶ授業です。いつも履修登録は100名以上になりますが、実際の出席者は60名程度でしょうか。さて今年はどうなるのでしょうか。毎年、初日の学生さん達との出会いが楽しみです。

今日、東京の写真家Hさんから1枚の写真が届きました。1983年に撮った、建築家フランク・ゲーリーです。以前、ゲーリーを好きだといっていたのを思い出して送ってくれたようです。今年82歳のゲーリー、ちょうど54歳の頃の素敵な笑顔ですね。私への説明を透明カバーの上から赤で書いてくれました。
明日からゲーリーのような笑顔で授業を始めよう、そう思っています。

日曜日, 9月 11, 2011

飛行船

9月11日。札幌上空に飛行船があった。保険会社メットライフアリコの宣伝媒体「スヌーピーJ号」だということをネットで知った。メットライフといえば、ニューヨークのシンボル的建築で、かつてのパンナムビルを思い出す。2003年秋、交差点の中央分離帯のど真ん中で首にぶら下げていたカメラをおもむろに構えた。通りがかりの若者から、ジャパニーズスタイル!と声がかかった。

水曜日, 9月 07, 2011

札幌聖ミカエル教会とアントニン・レーモンド展

今月1日から10日間、北大の遠友学舎で開かれている、札幌聖ミカエル教会とアントニン・レーモンド展を見てきた。レーモンドの北海道に現存する唯一の建築が、札幌聖ミカエル教会。以前、同じレーモンド設計の新発田カトリック教会を見学した折、ジョージ・ナカシマの素朴な椅子が印象的であった。そしてなぜ札幌聖ミカエル教会には、彼の椅子がないのだろうかと不思議だった。
今回展示の写真でよく分った。予算の都合で、竣工時には椅子も揃っていなかったのだ。

北大の角先生の研究室で製作した模型が素晴らしい。

水曜日, 8月 31, 2011

地盤改良杭施工

豊平区平岸の現場では地盤改良杭施工がおこなわれている。現場施工なので、取り扱いは、特に慎重におこなっている。期待以上の施工状態なので、ホット一息。まるで、遺跡の発掘現場のよう。

日曜日, 8月 28, 2011

沿道応援

28日、2011北海道マラソンが正午過ぎにスタートしたのをTVで確認して沿道応援に向かった。
コースは例年になく炎天下のアスファルト道路、私はゆっくり応援ポイントに向かったのだが、選手はさすがに速い。目の前をすでに先頭集団が過ぎていってしまった。これで、札幌の8月は終わる。

水曜日, 8月 24, 2011

マキストーブが必要になる頃

震災の影響で、電気がなくても暖を採ることができるマキストーブに人気が出ているという、TVでの話題。ちょっと高価なしろものだが、炎を目で楽しむことができるし豊かな気持ちになる。先への心配が決断を後押しする。私も、最近住宅の設計で提案する機会が多い。

札幌市白石区にあるストーブ専門ショップ「さかしたペチカ」にて

めずらしく、昨日の新聞にイチローの記事が出ていた。通算の先頭打者ホームラン数が日本記録に並んだとか。ついでに、今年は年間200本安打が厳しい状態だとも。この分だと184本ペースなのだ。すると、昨日今日の2試合で5本まとめて打ったようだ。はらはら心配するのもファンの楽しみの一つ。ストーブが必要となる季節には朗報を。

火曜日, 8月 23, 2011

現場が始まる

札幌市豊平区で、住宅の現場が始まりました。住宅といっても、ちょっと特異です。クライアントさまの道場を併設した、堂々とした3階建ての住宅です。現在は、建物の位置を正確に敷地に落とす、遣り方(やりかた)の段階。数日後には、地盤改良杭の施工が始まります。

水曜日, 7月 27, 2011

夏の訪問者

写真中央にセミ
26日、庭で蝉(せみ)を発見。クリスマスローズの葉の下で羽化し、抜け殻を残し陽の当たる葉の上に移動してじっと羽を乾かしている。エゾゼミだろうか。先日は大雨の後、庭でカエルが鳴いていた。きょうは、こんな小さな庭にも素敵な夏の訪問者が来た。住宅には、小さくても土のある庭が欲しいものです。

トリミングしてクローズアップ


土曜日, 7月 16, 2011

駅逓(えきてい)

札幌市の隣、北広島市にある国の指定史跡「旧島松駅逓所」。

駅逓は、交通不便の地に駅舎と人馬を備えて、宿泊と運送の便をはかるために設置されたもので、その起源は寛政11年(1799年)蝦夷地に置かれたものをはじめとする。(案内パンフレットより)木造平屋の建物で、明治6年(1873年)に最初の建築がなされ、その後の改修を経て現在に至っている。
この場所で特に有名なのが、米国へ帰るクラーク博士が見送りにきた札幌農学校生達へBoys be ambitiousという別れの言葉を送った、というエピソード。
私は札幌に住んでいながら、今回初めて内部を見学した。国道36号線を千歳へ向かって右手に入る。

イオニア式の柱頭が付いている記念碑の洋風と駅逓の和風が時代を表す


木曜日, 7月 14, 2011

緑のチカラ ~六花文庫

六花文庫は、札幌・真駒内にある図書施設。食の本を一般開放。朗読会やブックバザールなど地域に根ざしたイベントを開催。(施設説明文より)

蔦におおわれた外観、窓ガラスと屋根のスカイラインだけが見て取れる。なんとも柔らかいファサードのマチエールである。聞けばもともと住宅併設の医院だったそうだ。銘菓で名高い六花亭が展開する文化事業の一環だそうだ。それにしても、緑にはココロを癒す力がある。
駐車場から喫茶コーナーの窓が見える。奥に書棚。
正面ファサード。
自動ドア。
図書コーナー。職員が常駐している。
マキストーブがある。初雪にあわせて火を入れるという。
スタッフオンリーの二階。

 

火曜日, 7月 12, 2011

ティンバライズ・コンクリートブロック

ティンバライズ建築展にて
先日、北海道工業大学図書館ギャラリーで開催された、ティンバライズ建築展は刺激的な内容であった。ながく法規上制限されていた木造建築が技術の革新に裏付けられて、10年前の2000年に改正された。都市に木造建築を、という問いかけである。

コンクリートブロックの下階に木造の上階を乗せる。いわゆる混構造の提案は、コンクリートブロック造の蓄熱性能や耐久性能と、木造の良さを併せ持つものとして多く試みてきた。
木造のフラットスラブであるマッシブホルツに、コンクリートブロックの壁体を組み合わせる。展覧会を見終わった後にこんなアイディアが浮かんだ。
「ティンバライズ」とは、木を新しい素材としてとらえ、新しいものをつくり出すという造語。(ティンバライズ建築展パンフレットより)

1階はコンクリートブロック、2階が木造の「厚沢部の家」 ©安達治


火曜日, 7月 05, 2011

カエルの歌が

4日は、午前中から雨が降り午後には上がったものの湿度が高い一日だった。

夕方、どこから迷い込んだものか庭から蛙(カエル)の大きな鳴き声が聴こえてきた。夜中には聴こえなくなったから、どこかへいってしまったのだろう。それにしても、いったいどこから来たというのだ。一番近い水辺からは300メートル以上離れているし、途中はアスファルトの道路だらけである。雨に濡れたアスファルトの道路を渡ってきたのだろうか。昼休みの休憩時間に、蛙の気持ちになって水辺まで歩いてみた。

上:カエルの声が聴こえた庭 下:300m先の水辺


日曜日, 7月 03, 2011

コンクリートブロックの住宅を緑の中につくろう

2日(土)の午後、札幌市南区にある札幌市立大学芸術の森キャンパスで、建築家・坂本一成氏の講演会があった。講演は、1960年代後半から現在まで40年以上におよぶ「設計しながら考えてきたこと」を作品毎に丁寧に解説していくという非常に分りやすいものでした。好ましいものをつくりたい、つくりたくないものを排除する。自由な空間をつくるのが最大のテーマ。と、決断力に裏打ちされた強度ある言葉を静かに語られた。場所を移しての懇親会で、答えの出ない質問になるとわかってはいたが初対面の坂本先生にご意見を伺った。街なかの市民に愛されている建物が経済合理性で建替えられてしまう現実を、どう思いますかと。即座に、文化財にでもならない限り残すことは難しいですね、と実に真摯にお答えいただいた。
緑の中にあるキャンパスは美しく、いつまでも残ってほしい風景。そして、緑の中で映えるコンクリートブロック住宅を作りましょう。

藻岩下の家 ©安達治


土曜日, 7月 02, 2011

コンクリートブロックで住宅をつくろう

SHINKOTONI HOUSING 夏1986        ©安達治


SHINKOTONI HOUSING 冬1985        ©安達治


住宅建築を造っている素材は時間とともに朽ちていくもので、さまざまに手を入れながら使い続ける。そういった当たり前のことが経済性というモノサシで測ると、壊して造りなおしたほうが安く上がるという結論に導かれてしまうことがある。商業建築などは数年で初期投資を回収できれば、あとはスクラップアンドビルドのスパイラル地獄が待っているのだと、自嘲しつつ妙に納得させられた。いまそれを言い訳はしないが、変わってしまうことに鈍感になっていないだろうか。住まい手が愛着を持って暮らしている住宅は美しい。時間が経っても古びないむしろうまく歳をとることができる住宅を作りたいと考えてきた。コンクリートブロックの住宅シリーズはそうした一連の試み、こころあるクライアント募集中です。