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水曜日, 2月 29, 2012

2月の余韻

29日は4年に一度の特別な日です。この日をただの2月の余りと考えるのか、はたまた3月本番へのミニキャンプのような準備の一日と考えるのか、1日分時間をすこし得をしたような気分になります。余談ですが最近完成した古いオフィスビルの内装リフォームのビフォーアフターをご覧下さい。住宅ではありませんが同じ建築、日常の住宅設計の余熱が込められています。
1階ホールの改修後その1~スライド扉を新設
1階ホールの改修後その2
テナント改修後~床をタイルカーペット、暖房を電気に変更
上、改修以前の様子、3画像

日曜日, 2月 26, 2012

薪ストーブに火を入れる

発寒5-5モデルハウスの薪ストーブに火を入れた。サカシタペチカの坂下社長さんが丁寧に手ほどきしてくれた様子です。高気密住宅で第三種換気という条件でも、基本的な注意をすることで安全に問題なく薪ストーブが使用できます。

説明を始める坂下さん

着火用の新聞紙を丸めて置き、その上に焚きつけを置く
用意が出来たら、近くの窓を少し開け室内の負圧を解消して点火する
燃えだしたら薪を入れ、窓を閉める

日曜日, 2月 19, 2012

薪ストーブ

昨年2月の建築展での薪ストーブ展示
この季節、とくに今年は寒さが厳しいこともあり暖房が恋しいもの。ちょうど1年前に開いた建築家展(空間の響き~建築家・山之内裕一展:ギャラリー創)では、居間の象徴として薪(まき)ストーブを置いた展示を行いました。ギャラリーを1軒の家と「見立て」ることで、来場者が住宅の雰囲気の中で展示を味わってもらおうと考えたのでした。
今月の各週末の土日、開催中の「発寒5-5モデルハウス」では、現実に居間の中心として薪ストーブを置いています。機種は、株式会社サカシタペチカさんの取扱によるノルウェー製のヨツールF162.カタログによると税込価格は33万6千円だが、これに外部煙突が必要で、今回の場合は工事費を含めて70万円程度になっています。

札都「発寒5-5モデルハウス」の居間の薪ストーブ
2月19日(日)、25日(土)、26日(日)のオープンハウスでご覧になれます。

木曜日, 2月 16, 2012

写真展

酒井広司写真展「写真の中の時間―室蘭・母恋 昭和51年ほか」を観てきました。白黒の写真がちょうどいい目の高さに並べられています。小中学校そして大学生活の大半を室蘭で過した私には、古いアルバムをめくるような少しドキドキするような想いがありました。今回、酒井さんもまた中学高校を室蘭で過されていることを知りました。同じように室蘭の同じ時代を過した人が、何人もギャラリーを訪れて来るのだそうです。母恋(ぼこい)はなんとも優しい響きの地名です。
写真展は、今月20日(月)まで札幌市中央区北1西28-2-35 MOMA 3Fで開催中です。

金曜日, 2月 10, 2012

顧客満足

顧客満足ってどうなんだろう。建築家はサービス業に分類されるってことご存知ですよね。例えばクライアントに住宅設計を依頼されました、と言った場合。まずクライアントさまがどういう方なのか、どういう暮らしを望んでいるのかを徹底的にお聞きするのです。でも、あんまり根掘り葉掘りお聞きするのは品が無いなあと、つい手加減していると大切なことを聞きそびれたりすることもあって、あとで後悔することに。住まいは毎日の生活のいれものだから、クライアントの生活がどのようなものなのか行動をトレースしたり、持ち物の大きさや数量を具体的に知っておかなくてはならないのです。クライアントさまの理解と協力で必要な情報を首尾よくゲットして、さてこれからが設計の本番です。といってもこの時、とうぜんですが私の頭の中は漠然としたイメージが浮かんでは消えしている頼りない状態。でも、一日も早く設計の成果をご覧になりたいクライアントさまに、なにか実例を見てもらうことで時間稼ぎをする、いや失礼、一緒に考えたいのです。そうすることで満足のグレードアップが図れると思いますから。
明日から、今月毎週末(11,12,18,19,25,26)に札幌市西区発寒5-5で実例の一つをご覧いただけます。今回は、ハウスメーカー札都さんへコンセプト提供したモデルハウスです。

どうぞお越し下さい。お待ちしています。
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火曜日, 2月 07, 2012

タージマハール(snow taj m.)

打合せの帰りに「さっぽろ雪祭り」の会場を通った。雪のタージマハールが気になっていたのだ。37年前、初めて海外旅行したときに観た建築だったから。そして雪のように白い大理石だった。

1950年に始まった雪祭りは、今年で63回目を迎える。公式HPによると1週間の会期中に200万人以上の観客数を数える。寒い冬の一日家族連れで楽しめる、もはや札幌の街には無くてはならない行事となっている。街づくりは、なにも恒久的な箱物をつくるだけではない。こうした数日で姿を消す幻のような雪像建築(?)も美しい街づくりの光景のひとつだろう。
雪像は、実物の1/4スケールでたしかに小粒ではあるのだが、白い大理石を雪の白さで表現したのは成功だったように思える。また観光客が多いのもかの地に似てイメージが重なる。
雪像をiPhoneで撮影、この後ちかくで小さな雪像が崩れる事故があった

タージマハールは、印度のほぼ中央部の都市アグラにある霊廟。17世紀ムガール王朝時代のビザンチン建築の影響とペルシャの玉ねぎ形ドームが用いられ、多種の要素を総合して建てられたイスラム建築で、総大理石の美しい建築。(建築史:藤岡通夫他著・市ヶ谷出版社参照)
37年前にcanonカメラにコダックエクタクロームスライドで撮影したものをスキャン




日曜日, 2月 05, 2012

駅逓(えきてい)その2

4日午後、札幌市内のギャラリーで、駅逓(えきてい)の模型展示を観た。駅逓は、交通不便の地に駅舎と人馬を備えて、宿泊と運送の便をはかるために設置されたもので、その起源は寛政11年(1799年)蝦夷地に置かれたものをはじめとする。(当ブログ2011.7.16駅逓より)


現在、修復や復元され道内で見ることのできる施設は6ヶ所。そのうちのひとつ、別海町にある奥行臼駅逓の1/10模型で、道都大学の学生が10数人がかりで4ヶ月以上も製作日数をかけた大作だ。

木曜日, 2月 02, 2012

再録

10年前掲載誌に書いた「土壌蓄熱床暖房システムの家」の説明文を再録する。

美唄の家は、「眺め」がキーワードの住宅です。敷地は、北側に池をもつ自然豊かな公園に接しています。計画にあたり配置は、敷地の北側に住宅を南半分は庭を配し、南北両方向への「眺め」をいかに獲得するかを目指しました。


いつも住宅設計では、随所に開口部を設け、外の風や光を取り込み、室内が自然とともに呼吸したいと考えています。ここでは、断熱・気密性の高い北海道の住宅だからこそ、一日中さまざまな角度から光がまわり、暖房や換気と同じく「眺め」が良好であることが、大切だと考えました。

この想いを実現するため、内部に二つのヴォイド(吹抜け)をつくり、「眺め」を視覚化する場所としています。一つ目は玄関ホールです。ホール正面、ヴォイド下部に地窓を設けました。地窓は、床からの高さを目線までとし、視線を外部の坪庭に導きます。階段を2階に上がっていくと、窓から公園の緑が室内に入ってきます。窓前のテラスからは、池の全体を見渡すことが可能で、テラスは外観のアクセントになっています。

「眺め」を大切にした住宅ということが、外部の誰の目にもわかるのです。

二つ目のヴォイドは、居間・台所・食堂のヴォイドです。北には食堂前の庭があり、ここから入る朝日を浴びながら朝食をとる。また南は居間から庭がひろがり、家事をしながら夕日を眺めることもできます。「眺め」が開放感をもたらし、自然の時間の流れをいつも感じながら生活できる、素晴らしい空間です。

こうした室内いたるところからの「眺め」を実現できたのは、配置計画とヴォイド(吹抜け)の力によるものですが、外観のシンプルな構成や、徹底した無垢材・自然素材の使用、また電気熱源土壌蓄熱方式の床暖房システム(サーマスラブ)をはじめとするオール電化、そして外断熱仕様など、ハード面の充実が鍵になったと考えています。