木材や金属やレンガや石といった素材と同じように、色彩そのものを素材として扱う考え方がある。光を伴う時、色彩ほど強く空間を彩る素材は他にない。いわば直裁に表現できる強烈で魅力的な素材なのである。だから、大きな建築よりむしろ小さなスケールで多く扱われてきた。建築にあっても、室内空間での扱いが多いのは、そうした強さが理由のひとつにあるのだろう。建築の外部に色彩を用いる場合は周囲との調和が不可欠なのだが、幸い北海道には夏の緑と冬の白雪の強い味方があって、色彩を引き立たせてくれるのが嬉しい。
もうすぐ完成する「発寒の住宅」では、少し抑えた黄色(オスモカラーのサンフラワー色)を外壁の羽目板に塗装している。
もうすぐ完成する「発寒の住宅」では、少し抑えた黄色(オスモカラーのサンフラワー色)を外壁の羽目板に塗装している。