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水曜日, 5月 14, 2008

杭打設(くいだせつ)


14日、「真駒内東町の家」の現場で杭の打設を行なった。設計前の地盤調査によって、建物を安全に保つ支持地盤に到達する長さのRC杭が必要だという結果が出ていた。
建設会社担当者K氏の掛け声のもと、杭メーカーと重機オペレーターの洗練された連携作業で200φ、3メートルのRC杭55本を施工した。打設機械とそれを運搬する赤い重機が頼もしい。

ニセコその3(niseko3)


敷地に一本の樹木や小さな池があればなんともいえない魅力が生まれる。敷地を魅力的にするためには池を掘りすくなくとも木を植えればよく、つまりそれが敷地の設計ともなる。
しかし、なにもないところではこうしたことに気づかない。いつかどこかで見た光景が沈殿してはじめて意識できることなのだと思う。だから、記憶の中の風景をたどり再見することは、ただ思い出にふける以上の意味があるのです。

月曜日, 5月 12, 2008

ニセコその2(niseko-2)


ニセコは水が豊富でところどころ泉が湧いていた。こうした水辺には昆虫の姿を見つけることができた。ギンヤンマを最後に見たのは30年前のこと。今はどうなっているのだろう。
小さな池の土手に組んだ小枝の間から吐水口の塩化ビニール管が顔を出す。山頂から水が運ばれてくるのだろうか、雲に隠れた羊蹄山がユーモラスな小便小僧のようにみえてくるから面白い。

日曜日, 5月 11, 2008

ニセコ(niseko)


たしかに魅力的な場所だ。変化にとんだ自然がある。山の幸、じつは海の幸もほど近い。冬は厳しいが夏はさわやかだ。高校1年生の夏、宿泊学習で初めてこの自然を知る。3ヌプリ登山、5湖めぐりで汗を流した。冬のニセコは寒すぎてちょっと苦手。その寒さのおかげで例年ゴールデンウィークにスキーができるほどなのだ。
いま、ニセコがブームだという。ブームはいつか過ぎ去ってしまう。ただ、いつのときもこの自然は変わらぬままであってほしい。写真は30年前のニセコ曽我地区。ニセコ大橋付近。

火曜日, 5月 06, 2008

住宅巡礼


道東・帯広で先月26日、「建築家・五十嵐正」建築の外観を見て廻った。地元工務店のT氏の案内で短時間にかの本に紹介されていた5軒の住宅をすべて廻ることができた。最後に訪れた松本邸は、記述によると子供のダンス教室併設の住宅。手前の車は送り迎えの親の車だろうか。
T氏と北海道ホテルのロビーでひと休み。目の前を弦楽伴奏に乗って花嫁とその父親がチャペルへ入ってゆく。こうした行事やダンス教室の玄関先の光景に、ちょっとくすぐったいが上質の文化の香りを感じる。
私のほかにも沢山の巡礼者がいるのだろう。5軒の住宅はいずれも警備会社の標識が貼ってあった。住宅の外観は半公共のものと考える私だが、なんとなく住人の気持ちがわかる。

金曜日, 5月 02, 2008

千歳の家(house in chitose)


きのう5月1日、昨年来計画中だった「千歳の家」の確認申請がおりて着工の準備が出来た。補強コンクリートブロック造3階建て52坪の規模で、外壁は外断熱、開口部は木製サッシ(U値1.34W/m2K)、空気熱源ヒートポンプ(スティーベル製)暖房、ソーラーパネル(シャープ製3.21KW)を装備したエコハウスです。写真は左から南、東、北、西の各立面。
躯体コンクリートブロックは地元のよねざわ工業製、内装床フローリングは道産タモ材を使用する予定。

日曜日, 4月 27, 2008

ラジオ(radio)


26日は、道東の帯広で一日過した。少人数の住宅セミナーをASJ帯広スタジオで行なうのが主目的でしたが、ついでに建築家を紹介するラジオ番組の収録という初めての体験をした。写真は収録を終えてほっとしている山之内と、よく通る美声で話をうまく誘導していただいたFM帯広のパーソナリティー梶山憲章さん。放送予定の5月3日と17日の午前10時半には札幌で77.8MHにチューニングしてラジオに耳を傾けるつもりだと言ったら、可聴域は帯広近郊のみで札幌では聴こえないはずという。すこし残念。

水曜日, 4月 23, 2008

小樽(otaru)


最近小樽に行く機会が多い。暖かい陽気に誘われて桜が咲いた今日も小樽にきていた。街は生きもののように日々その姿を変えている。北海道では比較的古くまた質のよい建築物がまとまって残っている小樽でさえ古きよき街の風景が少なくなっているのを感じる。昼食を兼ねた打合せに向かった「静屋通り」で写真の町家が取り壊されるという、またひとつの風景が消える。

火曜日, 4月 22, 2008

グレイの家(grayish house)


今週末4月25~27日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「スタイルハウジングEXPO2008」で札幌の住宅雑誌社リプランの展示スペースに私のパネル「グレイの家」を展示予定です。興味ある方はご覧下さい。同時に10名ほどの北海道の建築家パネルも展示される予定。主催者HPには「ライフスタイルに合ったこだわりの住宅を建てようという住宅購入検討者に向けハウスメーカー・工務店・建築設計事務所など100社以上が出展しデザイン住宅を提案します。」とあります。インターネットで事前登録すると入場料2000円が無料になるようです。

月曜日, 4月 21, 2008

ソーラーパワー復活(solar power)


半年振りに庭に水瓶がよみがえった。太陽光発電による小さな噴水も復活した。札幌は例年になく桜の開花が早いという今年。待ちに待った春が早くきたようだ。それだけで理由なく嬉しい。

月曜日, 4月 14, 2008

木製ベンチの点検


雪が融けてしばらくたった自宅の庭に冬の間しまっておいた木製ベンチを置いた。これから次の冬がくるまでの半年間この場所に出しておくことになる。ベンチとテーブルは3年ほど前に近くのホームセンターで入手した。つくりは本当に簡素なもので最小限の細い部材をビスでとめボルトとナットでつないでいる。だからことしも使い始めは裏返してビスが抜けていないかナットが緩んでいないかを点検しなければならない。これがなかなか楽しい。

日曜日, 4月 13, 2008

東札幌の塔屋(penthouse)


昨日打合せの帰り道で、ミゾレ混じりの灰色の空にポツンとサイコロのような塔屋を見つけた。早速車を路肩に止めてしばらく眺めた。工場か倉庫のエレベーター機械室だろうか、直方体の外壁と規則的に組み込まれた明り取りガラスブロックが、形態を象徴的にしている。律儀にガラスブロックの中心に目地を切っているところもいい。電線に邪魔をされて歩道からはうまく見上げることが出来ないが、この塔屋はこの場所を印象付ける目印として十分な存在だと思う。これも建築の力でしょうか。

火曜日, 4月 08, 2008

地鎮祭


きょう午前中、真駒内東町の家で地鎮祭があった。構造は木造一部RC造、規模は地下1階地上2階建て。およそ130㎡の小住宅。
設計は、階段の蹴上げ寸法180㎜の倍数をもとに天井高さなど全ての断面寸法を決定するところから始まり、最終的に全体を5つのフロアーによる断面構成いわゆるスキップフロアーとした。また、北海道産木材で無垢の自然素材を構造材と仕上材に多く使用する予定。
昨年来準備を進め雪解けを待ちようやくこの日を迎えることができた。こういう日はいつも嬉しい気持ちになるものです。

月曜日, 4月 07, 2008

フロッタージュ


建築専門誌の新建築4月号で真壁智冶氏のなつかしい名前を見つけた。真壁氏は、70年代の初頭「タウ」というアングラ?雑誌で、私たちに都市=街の奥行きや楽しみ方を教えてくれた一人。後年、私は札幌市教育文化会館でのイベントに参加した。彼は、建物の外壁など手当たり次第に画用紙を当てて6B鉛筆でこすりだすフロッタージュ手法を伝授してくれた。私たちが向かった大通り公園近くの老舗デパートの階段室の壁には、大理石が貼られていた。こすりだしながら大理石に小さな化石を発見した。その瞬間、私たちは地球の歴史に思いをはせ、手に触れている石が建築素材の一番上質なものなのだと了解した。

先月末に帯広の街を早朝散策したのは五十嵐正建築の発見と鑑賞が目的ではあったが、通りがかりに偶然目にする街の奥行き感を楽しみたかった。私は、建築のつくり方にこうした街や建築を発見する方法論が生かされることを信じている。

写真は、6B鉛筆と舗装用敷石のフロッタージュ。

コンサバトリー(conservatory)


昨日の設計相談会は、入学入園式などと重なったせいか開店休業状態でした。次回は来週13日〈日曜日〉開催予定です。ご希望の方は山之内建築研究所のホームページからメールでご連絡ください。

コンサバトリーという温室のような空間があります。以前、米国マサチューセッツの海岸沿いの街で見たコンサバトリーはバルコニーに連続して庭や海に向かっていかにも気持ちのよい場所に思えました。
写真の模型は、とある量産化住宅のプロトタイプです。米国での体験を形にしたもので、北国の住空間に熱環境的な緩衝空間をつくる目的があり、玄関と居間にガラスで囲ったコンサバトリーを設けています。居間のはサンルーム、玄関のは風除室と言うべきでしょうか。

金曜日, 4月 04, 2008

日曜設計相談


4月6日(日曜日)、山之内建築研究所にて設計相談オープンオフィスをいたします。
時間は午前10時からです。
ご希望の方は前日に電話またはメールにてご予約が必要です。山之内建築研究所のホームページからお入りください。
今年新築を考えている方、土地選びに迷っている方、住宅の建て方をお知りになりたい方、事務所をご覧になりたい方、ぜひご連絡ください。お待ちしています。

火曜日, 4月 01, 2008

ロボットの時間


ドラえもんの物語は作者が不在になって続偏が楽しめないが、先日の夕張ファンタスティック映画祭で観た映画「僕の彼女はサイボーグ」「死神の精度」は時間を行き来するまさにドラえもんの続きのようで楽しめた。
昨日TVでRピアノが建築家は夢みる冒険家だと語っていたのが妙に記憶に残っている。彼もドラえもん?
あらゆる情報がインターネットで世界を駆け廻る時代、確かなものはやはり手に触れ体感できるもの。そう信じる私はばたばたと地べたを駆け巡り、小さな夢をつくり続ける建築家。住宅を夢見ているまだ見ぬクライアントの皆さんとお遭いする時が一日も早く訪れることを願っている。
アシモ君のミニチュアを見ながら思う今日はMLBの安打ロボット・イチローも開幕する4月の1日。

月曜日, 3月 31, 2008

帯広


帯広を訪れていた日曜の早朝、駅前の中心街近くを散策した。晴天だが気温マイナス2度。バッグから取り出したデジカメがいきなりシステムエラーを起こす。目的は帯広で500の建築を設計した建築家五十嵐正の建築に対面するため。かといって確かな目的地があるわけではなくただぶらりと歩く。このへんだろうと目星をつけそれらしく丁寧に楽しんで作っているビルをみてまわった。西2条通り六花亭本店近く「伊香保ビル」はあった。地下の喫茶店は先月閉店したと聞く。写真は、1階エントランスの白いモザイクタイルと照明器具。建築家は施主と建築のためにある、という言葉が頭をよぎった。

木曜日, 3月 27, 2008

小樽


先週、土曜日に小樽へゆく。30年前、小樽運河の保存のためになにか応援できないかと考えた若者達が小樽ポートフェスティバルという祭りを始めた。結果、大人たちを動かし運河は残り道路もできた。祭りの第1回メンバーのひとりが道外へ旅立つというので彼の送別会があった。私の小樽との初めての出会いは、この小樽ポートフェスティバルから始まっている。
次の出会いは「小樽入船の家」。写真は、竣工当時のもの。山之内建築研究所を立ち上げた年に設計。大屋根を架けたニシン番屋のような住宅で、暖かく居心地のよい家だ、と施主のO氏が言う。彼もまた30年前の仲間。
今年は「公園通り教会の改修工事」があり、また小樽に関わることになる。

金曜日, 3月 21, 2008

ゆうばり


昨日、春分の日の午後から映画を見に行った。財政破綻の影響を受けて昨年中止されていた夕張国際ファンタスティック映画祭が復活したのだ。向かった先は、夕張市民会館。いわゆる多目的ホール、大小あるうち580席の大ホールがメイン会場。今回NPO法人が立ち上げられ、市民の手で運営されている。「再開しようにも雨は漏る、壁にはカビが、水はストップ、ボイラーは動くのか?あきらめかけた矢先、市外から修復を引き受けてくれた企業があった」(ゆうばりファンタプレス紙から引用)という。こうした会館が文字通り住民の手で文化の拠点となっている本来の姿を見ると、暖かい気持ちになる。と同時に、設計する建築家としては維持管理費のかからない丈夫で長持ちする建物が本当に必要になのだということを痛感する。
私は熱心な映画ファンではないけれど、映画に感動する。今回は、綾瀬はるかさんと小出恵介さんの舞台挨拶を見た。俳優さんたちに直に会えるのもこうしたイベントの魅力。写真は、市民によるものだろう。一週間前、チケットを受け取りに行ったときに見た雨中の雪降ろし風景。