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金曜日, 2月 15, 2008

マイ・ファニー・バレンタイン(My funny valentine)


昨日、小樽市花園町の小樽公園通教会に行った。往きも帰りも猛吹雪の中の運転。この春に予定している構造改修工事の打合せのためである。先日の北海道立近代美術館での建築家展に出展したパネルとモックアップ(原寸模型)を持参し、さっそく説明に使用。教会関係者の皆さんからは、建築家展の私の展示が教会にとってよい宣伝になった、と暖かい言葉をかけていただいた。頼まれもしないのに、この日のプレゼンテーションと展示のためにちょっと苦労をして手作りしただけに、よけい嬉しかった。マイルス・デイビスのCD (昨日は2月14日。1曲目がなんとMy funny valentineだったのだ)を聴きながら帰り道を急いだ。写真は、昨年末の教会外観。

日曜日, 2月 10, 2008

建築家展終了


10日間におよぶ「JIA北海道支部建築家展」が本日終了した。興味ある講演会が多く、前半こそ都合で参加できなかったものの後半は毎日のように聴講。建築史家の越野武先生の講演は、とにかく作ったら壊されないようにすることが大切ということでサスティナブルをひらたく教えてくれた。時間が経つとやめる理由ばかりになるので思いついたらすぐに行動するのだという藤森照信先生の木と植物の話の講演は、場内抱腹絶倒で面白かった。
山之内が司会進行した「住宅セミナー①」は、私の未熟さも手伝い情報発信の難しさを痛感。ただ、会場に駆けつけていただいた多くの顔見知りの方たちに勇気付けられた。ありがたい。
小樽公園通教会の構造改修という私の展示については、いろいろな方に過分な評価をしていただいた。不遜ないいかたを許していただくと、私は生き生きとしたいわば体温をつたえることを考えていた。展覧会を建築の墓場にはしたくなかった。いま、構造改修プロジェクトを経験するなかで建築構造の美しさと社会に必要とされている意味合いを再発見している。
撤収を待つ間、折からの札幌雪祭り会場に足を伸ばしてみた。写真は、ジオデシックドームが美しいスターバックスの仮設店舗の風景。
ともあれ建築家展へ、多くの皆さんが来場され展示をご覧いただいたことに感謝です。

木曜日, 1月 31, 2008

原寸模型(mock up)


明日から、JIA(日本建築家協会)北海道支部の建築家展が10日間の日程で、札幌市にある北海道立近代美術館にて開催される。多数の建築家の力作が展示されているので、是非ご覧ください。

私も現在設計中の日本キリスト教団小樽公園通教会の改修プロジェクトを発表している。82年前に竣工した木造教会堂に構造補強を施し、小樽市民に親しまれている歴史的建造物の末永い活用を目指すものである。保存改修コーディネーターとして友人の駒木定正氏(北海道職業能力開発大学校)、構造解析は武田寛氏(北海道工業大学)の協力を得ている。写真は、モックアップと呼ばれる建築部品の原寸および縮小模型である。設計者の体温がつたわる生きた展覧会にしたい、私にはそういう想いがある。

土曜日, 1月 26, 2008

雪影礼賛


積雪で生活の利便性を損ない、健康や安全を脅かされることは十分に理解しているものの、雪の表情の美しさは格別である。札幌では昨日からしんしんと雪が降り積もり、かくいう私も午前中に一度、夕方にはもう一度雪かきをする。雪を愛でているだけではすまないのだが。
太陽が雪雲を透過して弱々しく照らすとき、雪がつくる自然の起伏がなんともたおやかで柔らかい表情をみせる。あたかも障子を透過する光のような微妙な陰影をつくりだしている。
北国の住宅づくりは、積雪によって地盤面が高くなり風景が劇的に変わる、たとえばこのような積雪による見え方の変化についても考えられていなければならないのだ、と思う。

火曜日, 1月 22, 2008

竣工写真アルバム


昨年末に竣工し、オープンハウスにたくさんのお客様をお迎えした「発寒の住宅」の竣工写真が立派な冊子になって届いた。この住宅をプロデュースした会社が、写真家に依頼して数部限定で作成したものだ。竣工写真アルバムといえば、プリントした写真をアルバム帳に貼ったもの。という私の固定概念を見事に打ち破ってくれた。聞けば、この写真アルバムを手にした施主の喜びようは想像以上のものだったとか。私も嬉しくて、事務所を訪れる人たちに時々お見せしている。
昨日、日本画家の片岡球子さんが103歳で亡くなられた。実は、高校の大先輩である。もちろんお会いしたことはないのだが、北海道で生まれ育ち中央画壇で活躍されていた。いったいどのような人物だったのだろう。出身大学の女子美術大学同窓会のホームページでひととなりを知ることができた。絵画同様にエネルギッシュで粘り強く地道な努力を重ねた、ということだった。

月曜日, 1月 21, 2008

外気温


このところ気温の低い日が続く。むろん外気温は零下なのだが、日射をもろに受ける温度計は2℃を指していた。室内側では、別の温度計が24℃を指しているので、窓をはさんで気温差は22度ある計算。複層ガラスだけでこの気温差を耐えている。

写真は昨日。このあと、外部ガラス表面の汚れが気になって清掃したら、勢いで温度計の樹脂製ブラケットが折れてしまった。背後からの日射で劣化が進行していたようだ。暦では大寒の今日、寒冷地での住宅性能や暮らし方についていろいろ考えている。

木曜日, 1月 10, 2008

あと付け屋外階段


写真の階段は、明らかに後から取り付けられているものだが、うまくデザインされている。2階と3階からの避難を目的にした屋外階段である。下見板張り外壁にスチール下地を直接打ち付け、スチールの方杖を張り出し2階と3階の踊り場を支え、それぞれの踊り場からスチールのササラを架けて階段ができている。部材の細さ、それがこのデザインの生命線。それは、上げ下げ窓の方立ての繊細さに対応するように考えられたのではないか。真黒に塗られているのは、真白に塗られた下見板張りに対応させているためだ。エアコンが上げ下げ窓からお尻を出している。古い建物をなんとか現代に生かして使おうとする精神が見て取れるようだ。いじらしくもあり、誇り高くも感じる。
予備選挙が昨日行なわれた米国NH〈ニューハンプシャー〉州で、2003年秋に見た光景。TVニュースを見てふと思い出した。

金曜日, 1月 04, 2008

謹賀新年


新年あけましておめでとうございます。
山之内建築研究所(YYAA)は今春18周年を迎え、今日から始動します。

さて、私は今年の正月もTVかじり虫だった。中でも一番印象に残ったのは、NHKのイチロー密着ドキュメント番組。特に「プロフェッショナルとは観衆を圧倒し選手を圧倒し圧倒的な記録を残すこと」と最後に言い放つシーンには正直うなってしまった。直前にBSで放送していたヒルマンとバレンタインの両監督対談も面白かった。ヒルマンは試合中に書きとめたメモをファイルに整理して後日使えるようにしているとか、バレンタインは審判抗議が実は周到に用意された選手を鼓舞するための演技であるとか、「建築家監督論」を信じる私にとっては、聞き逃せない。なんと気がつくと3時間以上続けてTVにかじりついていた。
写真は、鉄の町室蘭のキャラクタ-人形ボルタ君。昨年購入したもの。ボルト、ナット、ワッシャー、ビス等をハンダ付けしたシンプルなつくり。これは、どう見てもイチローとSHINJOのようだ。新春一番、手にとってちょっと楽しい気持ちになっている。

今年もどうぞよろしくお願いします。

月曜日, 12月 31, 2007

松飾/インスタレーション


庭の角に、幹直径が20センチ程度に成長しているプンゲンストウヒの樹がある。プンゲンストウヒは成長が早く、一年で数十センチ枝を伸ばす。この頃は、隣地に越境するため毎年この時期に枝を少し払う。そのなかで枝振りのよさそうなのを選んで、正月の松飾に利用している。今日はすこし多めに枝を払ったので、庭の雪囲いの上に余った枝をトッピングしてしばらくのあいだ眺めた。きっと、子供の頃であれば雪だるまでも作って、枝を使って手足にしてみたであろうか。新年を待つ暮れのひとときが、ちょっとした面白い遊びの時間を与えてくれた。

土曜日, 12月 29, 2007

年末の一年点検


仕事納めの28日、「藤野の家」に一年点検を兼ねて訪れた。片流れ屋根のシンプルな構造の木造2階建て住宅である。道路に接する北側はガラスブロックで小さな開口を作っているだけだが、カラマツ林に面する南側には大きな開口部を集中させた。だからこの頃は、すっかり葉が落ちたカラマツ林から冬の陽ざしが差し込むと、むしろ秋口よりも暖かいという。施主は大満足のようだ。

外壁は、白のガルバリウム鋼板竪平葺き、構造用合板にシルバーグレー塗装、木毛セメント板素地といった簡素な仕上げである。開口部には、もちろん木製トリプルガラス入サッシを使用している。

火曜日, 12月 18, 2007

保存/解体


建築の仕事に関わっていて、いつも考えさせられることは耐久性の問題だ。どのような素材もやがては朽ちて無くなってしまう。札幌市内に一軒の住宅がある。築50年の堂々たる木造住宅である。聞けば、近所に住んでいた市役所勤務だった建築技師さんが設計したものだという。
私は、この家で幼少期を過した建主さんから依頼を受けているのだが。実は建主さん、現在海外赴任中である。この暮れに帰国するときに、この古ぼけた住宅をリホームして住むのか、はたまた全面解体して新築するのか。私は選択を迫られている。迷いなく架けられた勾配屋根のスカイラインは美しく懐かしい。だがしかし、骨組みは大幅な補強が必要だ。断熱となるとまったく入っていないも同然なのである。保存か解体か判断が難しいところ。

昨日、地球の裏側にいる建主さんからメールが届いた。帰国が少し遅れるとのことである。私に、すこし考える余裕ができた。

日曜日, 12月 09, 2007

オープンハウス終了


8(土)、9(日)に行なわれた「発寒の住宅」のオープンハウスが、師走にもかかわらず多数の来場者をお迎えして無事終了することができました。ご来場の皆様ありがとうございました。新しい空間を楽しそうにご覧いただいたのが印象的でした。あらためて空間にはわたしたちをワクワクさせる力があるのだと再認識した次第です。
写真は、来春着工予定のKさんご家族。遠路はるばる駆けつけてくれました。着工が今から待ち遠しいとのこと。ご一緒に素敵な住宅をつくりたいものです。

水曜日, 12月 05, 2007

オープンハウス案内


今週末、8日(土)および9日(日)の10:00~16:00「発寒の住宅」のオープンハウスを行ないます。札幌市西区発寒に新しい住宅が完成しました。中庭を片流れ屋根に囲まれた、小さな集落のような家です。今回は、常口販売家創り研究会との合同イベントですが、お気軽に見にいらしてください。場所は、札幌市西区発寒3条3丁目6-33。問い合わせ先は、山之内建築研究所山之内裕一まで。山之内建築研究所は、札幌市北区新琴似6条7丁目7-10、Tel :011-761-1173、Fax:011-766-0113、http://www1.odn.ne.jp/y.yamanouchi、e-mail:yamanouchi@pop02.odn.ne.jp

金曜日, 11月 30, 2007

色彩(color)


木材や金属やレンガや石といった素材と同じように、色彩そのものを素材として扱う考え方がある。光を伴う時、色彩ほど強く空間を彩る素材は他にない。いわば直裁に表現できる強烈で魅力的な素材なのである。だから、大きな建築よりむしろ小さなスケールで多く扱われてきた。建築にあっても、室内空間での扱いが多いのは、そうした強さが理由のひとつにあるのだろう。建築の外部に色彩を用いる場合は周囲との調和が不可欠なのだが、幸い北海道には夏の緑と冬の白雪の強い味方があって、色彩を引き立たせてくれるのが嬉しい。
もうすぐ完成する「発寒の住宅」では、少し抑えた黄色(オスモカラーのサンフラワー色)を外壁の羽目板に塗装している。

木曜日, 11月 22, 2007

大谷地の森


21日午後、週一で通っている大谷地の北星大学での講義が終わって中庭に出るとクリスマスのイルミネーションが点灯していた。時刻は午後四時半を廻っていただろうか。ちょっと眺めたあとで、帰宅を急ぐ学生の群れに押されるように駐車場へと向かう。途中にあるサッカーグラウンドの背後に「大谷地の森」が広がっている。コナラの純林で生育の北限であることは以前にも書いたことがある。すっかり落葉して森の向こうが見えている。これも冬の風景だ。
帰宅すると、近日発売の「リプラン建築家住宅特集第8集~北のくらしデザインしますPART8」が届いていた。今回の編集は、今までのものと趣が変わって、読み応えがある。私の「大谷地の森の家」も掲載されている。書店で発売されているので、読んでいただくと嬉しいものです。

月曜日, 11月 19, 2007

雪囲い


先日、札幌市内に雪が降った。現在住宅の着工を目前にしている数件のお施主様には施工条件が厳しくなり気の毒なのだが冬将軍は容赦がなく、私たちを待ってはくれない。施工では、これからは冬の期間に備えてどれだけよい準備をしておくかが大切になる。そして設計では、来年中に住まいを考えているお施主様にとって、これから冬の期間はまたとない打合せの時間になる。
18日午前中は庭に出て、ツツジ、シャクナゲ、バラなどの雪囲いをした。午後から、1年間の総決算としてJ1昇格が目前にあるコンサドーレの試合をTV観戦。写真は、庭の雪囲いの様子。

金曜日, 11月 16, 2007

発寒の住宅現場


昨日、札幌市内に雪が降り冬将軍の到来を告げた。昨日、施工中の「発寒の住宅」で現場説明を兼ねた打合せを、関係者がそろう夕方の時間から始めた。お施主様と施工者と私とで、ひととおり工事中の雑然とした室内をめぐって空間の確認をした。これから、床フローリングや壁塗装や天井羽目板などの仕上が施されて、見違えるようになるのであるが、今の段階で十分に満足されている。そのようなお施主様の様子に施工者ともども一安心である。写真は、数日前に撮った雪が降る前の外観。

火曜日, 11月 06, 2007

目をくばる


3、4日の両日は旭川ASJイベントに参加していた。「家具や建具、照明器具やカーテンブラインドは一緒に考えてくれるのですよね?」今回のイベントでは、複数の来場者の方がこのように問いかけてきた。私は、生活のすべてのシーンを建築家が目くばりした時代を理想と思っていることをお話した。そして現在も庭づくりや、時には冷蔵庫などの家電、時計や絵画などのセレクト等のお手伝いをしていることをお話した。目くばりを効かせ雰囲気をつくることは建築家の頭の中ではごく当たり前のことなのだが、実はこれらはそれぞれに分業化し単に既製品を組み合わせるだけの脈絡のない作業になっていることが多い。
写真は、私の展示コーナー。外観写真内部写真、平面図、模型が一セットの5棟の住宅を紹介している。この展示にも、家具や照明などのディテール表現に目くばりしようと考えているところ。

月曜日, 11月 05, 2007

日時計


札幌デザインウィークの催しが10月31日から、11月4日まで行なわれた。並行して開催された「グンナール・アスプルンド展」では、企画者として来道していた建築家で私の石本事務所時代の先輩でもある桐原武志さんに思いもかけず再会ができた。このような出会いがあるのが嬉しい。
自分のスタンダードデザインと思えるモノを展示するという趣旨の「マイベストスタンダードデザイン展覧会」に私も参加した。私は建築材料のコンクリートブロックで北の建築家像を重ねたモノを出展。以下出展のコメント。「木は好き、だけど森林破壊が心配。だからコンクリートブロックを選択した。これはどこにでもある再生可能な素材だ。それに、白い雪のファンデーションを塗布し大好きな円形を描く。円形は影響を受けた建築家カーンからのプレゼント。コンパスで描く丸、それは地球の真の姿でもある。銀のスプーンを突き立て影を大地に刻印する。北を向き、太陽を背に受け時を読む日時計ができた。それはまるで北の建築家の姿。私の場合、スタンダードとは選択頻度の多い素材やたくさん描いた形態をいう。」写真は、道庁赤レンガ庁舎2階の展示室風景。

日曜日, 10月 28, 2007

フラットルーフ


28日、午前中に札幌市内北区篠路にある「白い陸屋根の家」を訪れた。前日に施工した屋根の補修状況を確認するためである。久しぶりに施主ご家族とお会いし、予算の都合で断念した外構工事のことなど、これからの夢や希望をいろいろとお聞きした。
いつも、引き渡してから住まい手の感想をお聞きするのは、正直いって一抹の不安がある。今回のように「快適にくらしていますよ」の言葉をいただくと、ほっと胸をなでおろすのである。写真は、交差点側からの外観。