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火曜日, 4月 03, 2007

コミュニケーション試行


4月は、新しい気持ちになれる。正月とは違って、この季節が春の訪れと共にあることと関係しているのだろう。とりわけ北国では時間と共に雪が融け、季節が移り行くのが実感できるからかもしれない。いまいくつか新しい試みをしている。そのひとつ9月からの北星学園大学での空間コミュニケーションの講義では、大学ホームページのシラバスにも書いているが、ストレートに建築空間のコミュニケーション論を扱う。昨年までの4年間は、建築計画論からのアプローチであった。いわばボールゾーンからの試行の結果、空間コミュニケーション論のストライクゾーンの輪郭が浮かび上がってきたといっていい。秋の開講までによい準備をしたいと思う。準備をすることもまた楽しみである。講義では、JIA北海道支部発行「建築家カタログ第3集」を推薦図書としている。写真は、同カタログの私のページを再構成したもの。どのように表現したら伝わるのかをいつも考えている。

火曜日, 3月 27, 2007

東京ミッドタウン(Tokyo midtown)


週末、東京へ行ったついでに、昨年夏に建築中の現場を見学した六本木ミッドタウンに立ち寄った。完成した姿をみておきたいと思ったからだ。26日はちょうどプレス内覧会の日だった。そのため新しい美術館などの内部には入ることができなかったが、外観だけは眺めることができた。いつも思うことだが、完成した建築物はとても美しい。しかし建設のプロセスを知るものとしては、建築現場の荒々しくもあのむせかえるような活気がどこにも感じ取ることができないのは少し寂しい。昨日までこの場にいたおびただしい数の施工者達は、大役を終え安堵の表情をヘルメットの下に隠し次の現場へ無事旅立っただろうか。ここでは今、テレビで見覚えのある女性アナウンサーとカメラクルーが取材を始めようとしている。きょうからは、ここを訪れる人々とここで迎える人々がこの場を作っていく。

金曜日, 3月 09, 2007

屋根からの眺め


足場は高さ7mを超えている。風は吹いていない。数日前に30数メートルの瞬間最大風速を記録した後だけにちょっと怖いが、現場の足場に上るのは嫌いではない。というのも、視線の変化によって風景が変化して見える楽しみを私は知っているからだ。ガルバリウム鋼板屋根下地のガムロン防水シートの施工を確認した後は、冬の「大谷地の森」の景色を眺めた。

水曜日, 3月 07, 2007

住宅展


札幌市中央区南2西2ほくせんビル4階にある「ほくせんギャラリー・アイボリー」で、「北海道の建築家による住宅展」が11日までの会期で始まっている。仲間の建築家たちの展示パネルが、ギャラリーの白い壁に色とりどりに並べられた。模型や写真などに様々な工夫がみられエネルギーを感じる展覧会。写真は、「この地に暮らす。」と題した私の展示風景。リアルな敷地に建っている住宅、を表現。11日(日曜日)14:00から「自然に暮らす」というテーマでフォーラムがあり、私もパネリストの一人として参加します。入場無料。

日曜日, 3月 04, 2007

ホーム(home)


3日、4日は札幌市内でのASJイベントに参加した。今回の会場は、北24条の札幌サンプラザ。実は、私の高校生時代の通学路にあたる場所であった。いわゆるホームである。とはいっても何十年も前のこと、まわりの建物も風景も昔の面影はない。にもかかわらず、懐かしい。街のどこかに記憶を呼び起こす痕跡がある。ほっと安心できる、これがホームの強みだ。写真は、私の展示風景。今回来場のお客様から、私の「ホームページを見てますよ」という声をかけていただいた。たいへん嬉しい。

日曜日, 2月 25, 2007

建方(erection)


一般的に木造では、土台・柱・梁・小屋組みの組立てを建方(たてかた)という。「大谷地の森の家」の現場では、雪の晴れ間をねらって作業が進行中だ。今回、柱や梁は北海道産のカラマツ構造用集成材、一部フィンランド産針葉樹構造用集成材を使用した。また床下地についても北海道産のカラマツ構造用合板を用いた。プレカット工場で加工を確認した木材が現場で正しく組み立てられている。もちろん全ての素材が、強度等級、ホルムアルデヒド放散量等の基準をクリアーしている。

金曜日, 2月 16, 2007

土台(sill)


土台(どだい)、なんという重たく響く言葉だろう。ちょっと、本棚に手を伸ばして意味を確認してみると。柱から伝えられる荷重を基礎に伝える役割を果たす横材、(鉄筋コンクリートで作られた)布基礎にアンカーボルトで緊結され、(中略)防腐性のある材料を使用する。(彰国社建築大辞典)また、物事の基礎。基本。元来。(略)(三省堂大辞林)とある。ドダイ無理よ、と言われればもともとダメな話。とにかく、これは大事なのだ。写真は、大谷地の森の家。

土曜日, 2月 10, 2007

養生上屋


単管組ビニールシート養生上屋の屋根に突き刺さった筒先を通し、ポンプ車から圧送されたコンクリートが打設されている。昨日、石狩市花川の現場で基礎コンクリート工事を施工。工程上の都合で厳寒期のコンクリート打設となったのだが、躯体コンクリートの品質確保には細心の注意が払われている。

金曜日, 2月 09, 2007

幕間(seventh inning stretch)


もうすぐ再開予定の現在冬期休業中の現場がある。いまは、再開に向けての準備に余念がない。私の好きな野球で言えば攻守チェンジの時間、それもアメリカメジャーリーグで言うところのセブンスイニングストレッチの時間であろうか。あの陽気な「私を野球に連れてって」の大合唱が聞こえてくるようだ。この歌は、1908年に初めて発表されたと言う。今年で99年目の超ロングヒットソングとういわけだ。野球狂の女性が、2対2の同点でこれからホームチームの活躍を応援する歌だという。いい建築を作ろうとしてあれこれ思案しているこの季節の私たちに似つかわしい歌ではないだろうか。「私を現場に連れてって」と。

金曜日, 2月 02, 2007

雪だるま(snowman)


半年雪に閉ざされる北海道で、冬の季節をどれだけ有効に過せるか。私たちにとってはとても大切な問題だ。室内をおおきめにする。できるだけワンルームにする。天井も低いより高いほうがいい。自然の採光を大切に。などなど。室内で過す時間の質と量を考えなければならない。もちろん、戸外での楽しみも。写真は、隣家のご主人がお孫さんのために毎年作る雪だるま。なかなか表情豊かだ。雪を運ぶ北風が吹く北西方向を誇らしげにながめている。

木曜日, 2月 01, 2007

凍土


2月、今日から新しい現場が始まった。敷地は札幌市の隣、石狩市の花川。200ミリほど凍り付いている表土を砕いて、基礎工事をしている。この時期、厳冬期に着工することが決まっていたために敷地の雪を取り除いていた。表土が直に冷気に接している状態が続いていたのだ。その結果、土の表面を凍らせてしまった。雪に適度な断熱効果があることは経験的によく知られていることで、皮肉にも自然に雪が堆積している場所の土は凍結していないという。

水曜日, 1月 17, 2007

耐用年数


20年前に取り付けた自宅の樹脂製レバーハンドルが折れた。頻繁に使用するトイレの片開き扉に取り付けられていたもので、きっと何かの拍子で異常な力がかかったのだろう。このタイプのハンドルはデザインが気に入りそして廉価だという理由で採用した記憶がある。当時工事を担当してくれた建具屋さんからは、すぐに壊れるからよしたほうがいいよと言われた。その一言がずっと頭に残っていて、いつ壊れてもおかしくはないといつも自分自身に言い聞かせて使用していた。同じものを希望した施主に対しても、建具屋さんからの受け売りで、これは壊れやすいそうですよと私は説明した。そう言われると、きっと丁寧に扱う気持ちが芽生えてくるのかもしれない。幸いこれまで一度もトラブルはなかった。20年というと、1日の使用頻度を15回として、約10万回以上の使用に耐えたことになる。ご苦労サンといっていいだろう。ちなみに、現在の設計には、壊れにくい金属製のものを使用している。念のため。(写真右)

火曜日, 1月 09, 2007

等身大スケールⅡ


昨日は成人の日の祝日。事務所に使用している建物が、年末にちょうど20年を過ぎた。人間で言えばめでたく成人である。建物全体は共同住宅で、詳細はjt(住宅特集1986年12月号 、SHINKOTONI HOUSING)に掲載されているのだが、その一部を事務所として使用している。
ところで、事務所のボールト天井には天井高さを示す目印をつけてあり、高さを実感するスケールとなっている。たびたび打合せ時に活用し、また毎日の設計時の確認用としても重宝している。私の場合、手を伸ばすとちょうど2150mmの位置に届く。したがって手を伸ばせば、どこでも天井高さをほぼ把握できる。
さて、コンクリートの表面は20年間全く変化していない。それは外断熱工法の利点と言うものだろう。今年は、少しまとめて外断熱(鉄筋コンクリート造等)をこの欄で取り上げる予定である。

金曜日, 1月 05, 2007

等身大スケール


今日から仕事始めです。
JICAでアラビア半島のイエメンに行っている知人にメールする。その知人の案内で砂漠の摩天楼シバームを一度見てみたいと思っていたが、近々帰国が決まっている。せめてもと、グーグルアースの航空写真を見てみるも感じがつかめない。以前お世話になったボストンの宿屋の女将に航空便を出す。葉書は70円切手一枚で届く。今年は、松坂効果を期待していることだろう。ミラノに短期留学中の施主へ出したメールは読んでもらっただろうか。などなど考えながら、地球上の距離感やスケール感が頭の中でどんどん変化していくのを感じているのは私だけではないだろう。しかし、である。私たちが取り組むべき建築は、身近な目の前に等身大にあるの。今年も、ひとつひとつの仕事に真正面から取り組んで、満足のいく建築をつくりたいと思う。
写真は、昨年末にJIA北海道支部から発行された「建築家カタログ~北の住まいを建築家とつくろうVol.3」。北海道で仕事をしている私たちの建築家仲間が載っている。

木曜日, 1月 04, 2007

水まわり(sanitary)


あけましておめでとうございます。仕事始めは明日からだが、きょうはこれから始まる仕事の準備という意味もあり、衛生機器会社の企業誌を10数年分積み上げ、浴室やトイレなど「水まわり」関連資料を一日中ゆっくりと拾い読みした。一度は読んでいるはずなのにすっかり忘れている。だから初めて読むときのように面白い。「忘れる」と言うのもなかなか味なものだ。
建築家・前川國男邸の水まわりはいわゆる3in1、その新しさに驚いたが、これは昨年見学した。建築家・土浦亀城邸の真っ白いタイル張りの白い陶磁器に包まれた空間にモダニズムデザインの本質があり、また実用的な意味だけではなく精神的な意味でも清潔感がキーワードだと藤森照信氏が言う。コルビュジェのサヴォア邸の水まわりは光が満ちていて美しい、正月のテレビ番組でチラッと観た。
「水まわり」は住宅だけではない。現在、あるオフィスビルの環境改善策としてトイレの改修を計画中。限られた予算で満足を追及することになる。いま「水まわり」は、あらためて住宅のもっとも大切な部分でもあることを再確認している。
我輩はネコ(写真は自宅で飼っている雄ネコ)、いや建築家である。今年もこの目でしっかりと建築の仕事の周辺を伝えていきたいと思っています。

木曜日, 12月 28, 2006

越年準備


上屋を架けてコンクリート打設した「大谷地の森の家」の壁の型枠をはずし、地下部分の一部を埋め戻した。スラブは土台のアンカーを突き出したブルーシートで表面を覆い、雨や雪から躯体を保護している。この状態で、1ヶ月ほどさらに養生期間を置く。ここからは、すっかり葉が落ちて見通しが良くなった森が見える。すばらしい景色にしばらく見とれてしまう。カラスの鳴き声だけが響いている。竣工時の1階居間からの風景予想ができた。

水曜日, 12月 27, 2006

師走の雨


27日、この時期には珍しく一日中雨が降っている。道路の轍(わだち)は、氷の谷間に水がたまり、次に寒波がくると路面が危険な状態になりそうだ。午後から、対向車に注意しながら、9月に引き渡した「美しが丘の家」のアフター工事の確認に向かった。懸案事項は全て完了していた。施主さんから、「とても快適」という一言をいただく。ひと安心である。写真は、屋根の雨水を勢いよく落とすステンレスアングル製の樋。

木曜日, 12月 21, 2006

上屋(うわや)


「大谷地の森の家」で1階床スラブの配筋検査を行なった。土曜日のコンクリート打設に備えて、最悪の天候を予測して降雪保護のシート上屋と採暖の準備をし、当日は万全の態勢で臨む。

非常勤

今日、札幌市厚別区にある北星学園大学で今年最後の講義をした。1コマ90分、毎週1コマ、延べ14週で1260分の授業を、私は非常勤で通っている。この間、プレゼンテーションに用いたパワーポイントの容量を見てみたら、208MBだった。これが多いのか少ないのかはわからないが、1枚のスライドは500KB程度の画像が主だから、400枚以上のスライドを写したことになる。毎度、その一枚一枚にコメントを入れた。今日の授業では、後半30分、一人ひとりの名前と顔を確認しながら質問や感想を聞いた。私の講義テーマは「空間コミュニケーション」だが、今年内容は建築空間の紹介に終始している。それは、基本となる空間をまず理解してもらおうと考えたからだ。途中、全員で建築の小模型制作も実施した。今あらためて思っている。建築空間は体で捉えるもので、建築空間は風土や構造や環境や社会を反映しているものだと。

月曜日, 12月 18, 2006

DIY


住宅は、住み手が使い込むもの。日々の暮らしに必要な手間をかけなければならないもの。やってみるとこれがなかなか楽しいものだ。昨日午後、庭への出入り口に雪止め柵を手作りした。例年は、スタイロフォーム100ミリ厚の板をガラス面に立て掛けて済ましていたのだが、庭からの景色が悪いので、思い立って日曜大工を試みた。まだ、塗装仕上げが残っているものの満足している。私のささやかなDo it yourself である。