5日、正月休みを利用して北星学園大学学生のK君が私のところへ、事務所訪問と称してやって来た。話し始めるなり、隣家前で見た雪だるまの話で盛り上がった。私の授業で街の風景として取り上げていたこともあって記憶していたらしい。いまだ正月休みの私の頭は、いろいろ質問攻めにあって刺激を受けつつも楽しい時間を過した。
ファイルを整理していたら、1993年の年頭に「北国の家」(現在廃刊)に執筆した「建築家監督考」なる拙文が出てきた。その年に注目されてスタートするJリーグ、負けじと活性化をはかるプロ野球、そのなかで当時ダイエーホークスの初代監督になった根本陸夫氏の言葉にインスパイアーされたのだ、と書き出す。野球では選手が一番エライ、(中略)監督やコーチは選手の能力のさまたげになってはいけない、と根本監督の言葉を続け。家づくりの現場では職人さん達が一番エライ、実際つくり手のいい仕事がなければ家など実現しないのだ、と職人さんと選手を強引に結ぶ。そして、私たちには経験がたくさんあるのだからそれを選手に伝えればいい、という根本監督の言葉を再び引用、だから建築家はクライアントの目的(野球では勝利)に向かう立場が酷似している、と我田引水的結論。そして、建築家(監督)として今年も職人さん(選手)のハッスルプレーをたくさん見たいしクライアント(ファン)の勝利に喜ぶ顔もたくさん見たいと見事(?)締めくくっている。
しかし、19年前も今も私の想いは変ることがありません。今年もたくさんいい家づくり(試合)をしたい。
昨年末、メタボリズムの建築家.菊竹清訓氏が亡くなられたことを数時間前のtwitterで知った。私は直接お会いしたことはなかったが、大監督と呼ぶにふさわしい仕事をされた日本を代表する建築家だ。
金曜日, 1月 06, 2012
月曜日, 1月 02, 2012
2012:新年あけましておめでとうございます(a happy new year)
小樽祝津茨木家中出張(なかでばり)番屋修復~土間から新設した水まわりを見る |
元日の午後、近くの新琴似神社へ。冷たい風の中、参拝の行列に加わった。
夜は、TV三昧。「ニッポンのジレンマ」という数時間におよぶ討論番組に付き合った。勉強不足の私にとって、アナウンサー以外は顔も知らない初めての人たちが意見を交換する。40歳以下の若い世代を代表する論客たちだ。未来がない、将来を期待できないのがデフォルト(規定値)の世代なのだという。世代間格差社会で、団塊世代に比較してマイノリティ(少数派)の世代。しかし、分析は鋭く批評や提言は的を得ていた。この国のOS(オペレーションシステム=社会構造)を変えなければいけないと言う。共同体と機能体、自立と依存、テーマは多岐にわたる。自らこうしたイノベーション(革新)に立ち向かう覚悟はあるのかと問うところでNHKらしく番組が終わった。
年賀の整理、同い年の友人からは、リタイアしたので海外旅行しているとか、健康維持のために運動しているとか、視力が衰えて仕事が厳しいとか、しかしよく読むと皆さん楽しそうだ。クライアントの皆さんからは、この家が好きですとか、住み心地が最高ですとか、嬉しい言葉を頂きました。
この一年、勇気を持って乗り切ろうと思います。
土曜日, 12月 31, 2011
大晦日
日曜日, 12月 25, 2011
碍子(gaishi)
解体した古い住宅からいただいてきた碍子(がいし)。今はほとんど目にすることはないが、室内の露出配線に使われてきた電線を固定する器具。白い焼物独特の質感がなんともなつかしい。美しく露出配線が施工されていた時代からのプレゼント。ペグやノブに転用することもできる。
木曜日, 12月 22, 2011
新しい勲章
水曜日, 12月 21, 2011
レバーハンドル
床と壁と天井には開口部があり、そこには建具がある。建具の金物は、その場の雰囲気を作るほど重要だ。特にドアの取手は、直接手で触る部分だから選択には注意が必要だ。レバーハンドルは、握力が弱くても操作できる点が優れている。我が家では、開け方を習得してしまったネコが届かないように、ハンドルを高い位置に移し替えている。ネコの手でも開けられるレバーハンドル、私はシンプルなMIWA33TYPEアルミシルバーをよく使っている。
日曜日, 12月 18, 2011
この季節に想いだすこと
今年も残るところあと2週間。非常勤で通っている北星学園大学からクリスマスカードが届いた。私が小学生だった頃、近くの教会の日曜学校へ通っていた。そこではゴールマンさんという神父さんがネイティブ英語で歌や単語を、名前は忘れたが制服を着た近くの工業高校の元気のよい学生さんが算数やトランプ遊びを教えてくれた。転勤族のクリスチャンでもない両親が私の学力を心配して塾代わりに通わせていたのだろう。同世代の子供たち10数名が仲間で、クリスマス会など小学校の学級とは一味違う楽しみがあった。小林先生と言う優しいシスターもいた。特にゴールマンさんの英語は、今でも耳に残っている。TENはテンです、ティエンではありません。QUESTIONはクエスションではありません、クエスチョンです。というのが口癖だった。私はクリスチャンではないが、この季節になるとなぜか想いだす。今から半世紀前の話。
土曜日, 12月 17, 2011
サグラダファミリア
金曜日, 12月 16, 2011
優れた木製断熱玄関扉
木曜日, 12月 08, 2011
厚さ
週一で通っている北星学園大学文学部での講義、7日は小さな模型をつくる演習最終日。講評会と名付けて、それぞれに作った模型を自己紹介するコミュニケーションの場を設けた。生まれて初めて手にしたスチレンボードには2ミリの厚さがあることを、木工用ボンドはつけすぎてはいけないことを知ったという。70数名の学生のうち、この先の人生でそのほとんどが経験することがないだろう模型作り、その貴重なワークショップが終わった。リアルな物質としての建築には、模型以上に非ユークリッド空間としての厚さがある。などと思いつつ外に出ると、恒例のクリスマスの光が綺麗だった。
月曜日, 12月 05, 2011
日曜日の現場
平岸の現場は職人さんたちが日曜返上の追い込み中です。午後、一瞬の晴れ間にシャッターを切る。昨晩、降り積もった雪が融けて道路は水びたし。足場が外れて、白と黒の外観が顔を出している。ガルバリウム鋼板の白と、カラマツ燻煙木材の黒の対比を意識した。
日曜日, 12月 04, 2011
棚
サッカーJ2で3位になったコンサドーレ札幌が、来年から2008年以来のJ1昇格が決定した。
私はTV観戦だけの「お茶の間サポーター」だが、来年は久しぶりにスタジアムで観てみたいと思う。
かつてクライアントに熱心なサポーターがいて、きっと勝利を願って手を合わせるだろう、そう思って居間の片隅に「コンサ神棚」を提案したことがあった。きょうは美酒が飾られているに違いない。
私はTV観戦だけの「お茶の間サポーター」だが、来年は久しぶりにスタジアムで観てみたいと思う。
かつてクライアントに熱心なサポーターがいて、きっと勝利を願って手を合わせるだろう、そう思って居間の片隅に「コンサ神棚」を提案したことがあった。きょうは美酒が飾られているに違いない。
火曜日, 11月 29, 2011
屋上がコケで緑化されていた
HOUSE3屋上の美しいコケ、白いのは雪 |
HOUSE3からHOUSE2屋上を見る |
木曜日, 11月 24, 2011
ガルバリウム鋼板
安くて強くて不燃材でメンテナンスフリーでしかも長持ちする夢のような外装材がガルバリウム鋼板である。ただし切り口に適切な処理をしておかないと錆が出ることも忘れてはいけないが、このアルミと亜鉛の合金は、とにかく重宝する建築素材だ。JIA(社団法人 日本建築家協会)北海道支部では、地元のメーカー北海鋼機株式会社と提携してJIAオリジナルカラーというシリーズをつくった。
これは、なんとしても使わねばならないだろうというわけで、ホワイト色のものを角波で使っている。
これは、なんとしても使わねばならないだろうというわけで、ホワイト色のものを角波で使っている。
水曜日, 11月 23, 2011
燻煙木材
金曜日, 11月 18, 2011
初雪
木曜日, 11月 17, 2011
キャンパスの片隅で
週一で通っている北星学園大学の授業、半期15回のうち16日で9回目を終えた。現在は、2.4m×2.4m×2.4mの立方体の中に納まるフォーリー(あずまや)を1/40の模型で表現するという演習をしている。建築設計とは直接関係のない文学部心理応用コミュニケーション学科で、私の受け持つ「空間コミュニケーション」講義の一環。
素人とあなどるなかれ、若い学生さん達の製作意欲はすごいのだ。私は、こうした体験を生かして将来、建築家に理解のある賢い施主になってくれたらと願っている。熱気溢れる時間が終わって、外は真っ暗。キャンパスの片隅に小さなクリスマスツリーが飾られていた。
素人とあなどるなかれ、若い学生さん達の製作意欲はすごいのだ。私は、こうした体験を生かして将来、建築家に理解のある賢い施主になってくれたらと願っている。熱気溢れる時間が終わって、外は真っ暗。キャンパスの片隅に小さなクリスマスツリーが飾られていた。
火曜日, 11月 15, 2011
my favorite things~m.toyoshima exhibition
札幌市中央区にあるギャラリー創で開催されていた、先輩建築家の豊嶋守さんの建築展「My Favorite things」が昨日終了した。
画工房(かくこうぼう)を率いて33年の間に、約700点もの作品を誕生させているという。入口付近でお気に入りの招き猫と写ってくれた素敵な笑顔の豊嶋さん。同業者として、尊敬している。
画工房(かくこうぼう)を率いて33年の間に、約700点もの作品を誕生させているという。入口付近でお気に入りの招き猫と写ってくれた素敵な笑顔の豊嶋さん。同業者として、尊敬している。
月曜日, 11月 14, 2011
雪囲い
金曜日, 11月 11, 2011
小樽市都市景観賞
小樽市都市景観賞に「茨木家中出張番屋とNPO祝津たなげ会の活動」が選ばれました。
11日(金)小樽市のHPと北海道新聞で発表がありました。単に番屋の修復工事だけにとどまらず、その後の地域活性化の活動を含めた評価を頂いたということで、たいへん価値ある受賞です。
11日(金)小樽市のHPと北海道新聞で発表がありました。単に番屋の修復工事だけにとどまらず、その後の地域活性化の活動を含めた評価を頂いたということで、たいへん価値ある受賞です。
木曜日, 11月 10, 2011
現場職人さんの模型
札幌市平岸で現場進行中の階段まわりができつつある。今日、その現場でスケッチのように作られた模型に触れた。
現場所長さんが、これを金物屋さんが作ってきた、といって針金細工のようなものを出してきた。階段の鉄筋製手摺の模型だ。木製で不安定な踊場を固定する吊鉄筋とそれに絡む手摺の鉄筋との位置関係を確認するために作ってきたらしい。実に分りやすい。何のために作ったのかが直裁に伝わる。私たちのスケッチや模型もこのようにシンプルに作りたいものだ。
現場所長さんが、これを金物屋さんが作ってきた、といって針金細工のようなものを出してきた。階段の鉄筋製手摺の模型だ。木製で不安定な踊場を固定する吊鉄筋とそれに絡む手摺の鉄筋との位置関係を確認するために作ってきたらしい。実に分りやすい。何のために作ったのかが直裁に伝わる。私たちのスケッチや模型もこのようにシンプルに作りたいものだ。
水曜日, 11月 09, 2011
新聞記事
火曜日, 11月 08, 2011
コンクリートブロック住宅のリニューアル
澄川の家のリニューアルが完成した。今回のリニューアルの目的の一つは、2室に分かれていた洋室と和室を一部屋にすることであった。床には無印のイグサユニット畳を使用した。押入れ襖は、間仕切りに使われていた襖を転用した。小さな床の間も新設した。洋室の窓には太鼓張りの障子を外付けして和室らしさと断熱性能を期待している。天井の羽目板の模様や2個連結されたパネルヒーターには2室だったころの名残がある。24時間換気システムの排気口などは動かすことが出来なかったのだが、これも改修工事ならではのこと。
月曜日, 11月 07, 2011
パネル凱旋
昨年10月~11月スペインのバルセロナで展示されていたA1版のパネルが、先月札幌駅地下通路空間で開催された報告展を経て、1年ぶりに戻ってきた。
バルセロにはコンクリートブロック住宅「グレイの家」を持っていった。組積造の歴史のあるスペインで見てもらいたいと思ったからだ。会場で会ったバルセロナの建築家は、コンクリートブロック造は普通の工法だけれど表面をそのままあらわしにする使い方はしない。これはティチーノの建築だね、と言った。彼らには、私がかつて衝撃的な印象を受けたマリオ・ボッタの下敷きが透けて見えていたようだ。ともあれ、地球の反対側まで行って無事に戻ってきたパネルよ、ご苦労様。
バルセロにはコンクリートブロック住宅「グレイの家」を持っていった。組積造の歴史のあるスペインで見てもらいたいと思ったからだ。会場で会ったバルセロナの建築家は、コンクリートブロック造は普通の工法だけれど表面をそのままあらわしにする使い方はしない。これはティチーノの建築だね、と言った。彼らには、私がかつて衝撃的な印象を受けたマリオ・ボッタの下敷きが透けて見えていたようだ。ともあれ、地球の反対側まで行って無事に戻ってきたパネルよ、ご苦労様。
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