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水曜日, 9月 24, 2008

パッシブデザインのすすめ


先週19日、札幌市内のとある集まりで小玉祐一郎氏の話を伺う事ができた。初対面で印象に残ったのは、僕は原理主義者ではないので、という言葉だった。ものごしやわらかな語り口の中に、瑣末な原理原則にとらわれることなく目標に向かって前進してゆくという強い意思を感じた。
早速、近著「住まいの中の自然―パッシブデザインのすすめ」をセブンアンドワイで購入した。今日は、私が通う北星学園大学の図書館にも置いてもらえることになった。じっくり読むことにしよう。

月曜日, 9月 22, 2008

「千歳のエコハウス」配筋検査


午前中に2階床スラブ、梁の配筋検査のため千歳に向かった。300mm厚のフラットスラブに大小梁を分散させた自称「メタボスラブ」に床暖用のパイプが200mm毎に敷設されている。スラブの熱容量を適度に期待できるので、厚めのスラブに価値があります。
ぎっしり並んだオレンジ色の配管は酸素透過防止架橋ポリエチレン管。名称を確認するためgoogle検索したら、なんと自分のブログ「真駒内東町の家の配筋検査」が出てきたではないか。思わず笑ってしまいました。

木曜日, 9月 18, 2008

時間に耐える


今日の一番は、なんといってもイチロー選手のMLB史上2人目の8年連続200本安打だろう。時間に耐える不滅の記録というのがあればこのことをいうのだろうか。この記録が初めて達成された1901年は、時間に耐える建築を追及した建築家ルイス・カーンの生まれた年でもある。

というわけで、無垢石のスレート板を踏板に使っているエクセター図書館階段の写真。この建築家らしいディテールである。ピンボケ写真はお許しください。

水曜日, 9月 17, 2008

後期授業


きょうから、北星学園大学での後期授業が始まった。文学部心理応用コミュニケーション学科で空間コミュニケーションという授業を受け持っている。コミュニケーションという視点から建築空間をとらえ、暮らしに生かすのが目標。2003年に始めて今年で6年目。1コマ90分で週1×13週=のべ1170分の講義だ。1170÷60=19.5時間は私自身の学習時間でもあり、回を重ねるごとに奥行き深く興味が尽きない。

ともあれ、半年ぶりのキャンパスだ。キャンパスは、大先輩の建築家・上遠野徹さんの設計で、スケール感ある中庭を主要な講義棟や研究棟・図書館棟で囲まれた清潔感のあるたたずまいを見せている。温かい日差しを浴びて、芝生に寝転んでいる学生達の姿があった。社会人講座や社会人学生の受け容れも積極的に行なわれているようで、きょうは同年代の受講者とおぼしき方に教室の場所を尋ねられた。キャンパスはいつの時代も同じように自由な雰囲気が漂い誰でもが自分を見つけて元気になれる空間である。

月曜日, 9月 15, 2008

エコの現場


「千歳のエコハウス」は1階CB(コンクリートブロック)積が終わったところだ。現場から13日状況写真が届いていた。CB積で現場最大の敵は雨。幸い先週は天候に恵まれたため作業が順調に進んでいる。


70年代のドムス誌でニューヨーク・ファイブの建築家ジョン・ヘイダック(John Hejduk)が紹介された号があった。クーパーユニオンの白黒写真と共に、ヘイダック・ファブリケーションと題された色彩鮮やかなドローイングがあったように記憶している。建築の意味の多様性をテーマに、エコロジー、エゴイズム、エコノミー、エッグといった単語が語呂合わせのように並んでいた。当時、エコは建築を本質から考えるためのアンリアルな抽象であったのだろう。40年後の現在は、ヘイダックの語呂合わせに笑えないほど身近にエコが迫っている。

木曜日, 9月 11, 2008

給気の工夫


少し気が早いのだが、北海道の冬の話。それも住宅の換気計画の話です。私は、室内の空気を排出し新鮮空気を屋外から取り込む換気システムでは、熱移動が合理的な熱交換給排気システムが理想。ですが、予算の都合で断念。いつも単純に外壁に穴を開けて外部の新鮮空気を取り込み、各室の汚れた空気をダクトで一ヶ所に集めて高性能換気ユニットから屋外へ排気する「第三種換気」にたどり着くのです。第三種換気の難点は給気が冷気を取り込み、排気が暖気を連れ去るところ。まして給気口まわりに寒さを呼んでしまいかねない。だからせめて給気口を暖房ヒーター近くに置き、冷気を直接感じないよう余熱をしてから取り込むという、快適性への工夫をすることになる。
写真は、床まであるガラス面のコールドドラフトを抑える目的の温水ヒーター、PSのCチューブを床に埋め込んだすぐ横から給気を取っています。「真駒内東町の家」でのちょっと涙ぐましい工夫です。

月曜日, 9月 08, 2008

山の手ハウス#5


6日、山の手の現場で基礎配筋検査をおこなった。一般的な布基礎で縦横筋はD10鉄筋300ピッチ、横筋は上下主筋D13鉄筋の標準配筋。整然と間違いなく施工されている。
札幌の凍結深度は600mm。寒冷地の場合は基礎底を凍結深度以下とすることが法で定められている。寒冷地でなければ根入れ深さつまり基礎底の地面からの深さは240mmでよい。600/240=2.5、つまり札幌においては根入を2.5倍深くしなければならない。これは北国寒冷地特有のハンデキャップ、つまりよけいに費用がかかるのです。

日曜日, 9月 07, 2008

千歳エコハウスのCB


千歳の現場で、1階床スラブコンクリート打設が行なわれた。打設立会いのため、現場に向かう。この住宅はCB造すなわち補強コンクリートブロック造。
現場に今回使用するコンクリートブロック3種類のサンプルが用意されている。向かって右は普通ブロック、中央は横筋用ブロック、左端がコーナーブロックである。

金曜日, 9月 05, 2008

真駒内東町の家の姿


「真駒内東町の家」の外部足場が外されて姿が現れた。白いガルバリウム鋼板の外壁に対比する、コーナーの木ルーバーが印象的。塗装は、今回初めて使用したキャピタルペイント社の木材用水性塗料一回塗りだ。クライアント同様、私も今から数週間後の完成が待ち遠しいところ。
先週末、鬼頭梓氏の著作「建築家の自由」が目に留まって早速注文し、きのう本が届いた。さっそく拾い読み。あらためてクライアントや社会に真摯に向かい合った、プロフェッショナルな建築家人生を全うされた方なのだと思う。

火曜日, 9月 02, 2008

千歳のエコハウス(ecohouse in chitose)


千歳の家はNEDO(独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構)の国庫補助金を受けることが予定されている住宅なので、エコハウスと呼ぶことにしている。
これは、省エネ意識の向上や高効率エネルギーシステムの導入促進を目的とする、住宅ではあるが国の先導的システム支援事業。今年度は人気があって、昨年度の2倍以上の申し込みがあった。その数、全国で5000件ほど。つまり、5000軒超のエコハウスがあるというわけ。
今日は、現場での定例会議を兼ねて、地中梁コンクリート施工と基礎断熱施工の状況確認をおこなった。

土曜日, 8月 30, 2008

カーペンターセンターの手摺


施工図で最終チェックをする段階で、いろいろと考えを広げる楽しい時間がある。先日も手摺のことをあれこれ考えていた。時代を超えてなるほどと納得させられる先人の仕事には、おしゃれな誠実さがある。写真は、ル・コルビュジェ設計のカーペンターセンターの手摺。
元JIA会長の鬼頭梓さんが亡くなられた。レンガが印象的な作品を多く手がけた建築家で、ご自身設計の北品川の教会で葬儀が行われるという。数十年前、木造の旧教会堂を訪れたことがあった。当時、私の弟が竹中工務店の施工担当として現場常駐するというので、ひやかしに行った。後日現場が始まり、鬼頭さんが真っ赤なスポーツカーで現場にやってきて、十数メートルもある根切り底に下りて自ら地盤の確認をされた、と聞いてなるほどと思ったものだ。おしゃれで誠実な仕事をされた大先輩だ。ご冥福をお祈りします。

水曜日, 8月 27, 2008

遣り方


12月の竣工を目指して「山の手の家」の現場が始動した。この住宅は、木羽目板を外壁全面に張っている。構造は在来木造。
実はこのクライアント、現在JICA職員としてアフリカのボツワナに駐在している。設計中は、時差が相当あるので、夜中に施主の家族を経由して連絡を取ってもらった。インターネットで日本のサイトを検索してさまざまな情報を得るやいなや、アフリカから質問や要望が家族の許へそして私へ、FAXで送られてきた。
任務が終了し帰国するころには、待ちに待った住宅が完成しているはず。敷地に設けられた遣り方の水糸に赤とんぼが羽を休める。まもなく現場に活気があふれる。

火曜日, 8月 26, 2008

造作家具(handmade furniture)


石狩市にある家具工場へ行く。目的は、色あわせ。今回は、予算上の都合で市販のユニット家具を組み合わせて使用するため塗装色を市販品に合わせることにしていた。ところが市販品は、扉、箱、天板とそれぞれ色が微妙に違うのである。そのため急きょ工場に市販品を持ち込んで色あわせが必要になったというわけだ。
ついでに、いつも打合せをしてくれる担当者だけではなく工場製作や現場での取り付けをしてくれる職人さんたちの姿を見ておきたいとも思った。F☆☆☆☆(フォースター)のシナランバー合板でつくる比較的廉価な家具だが、こころをこめて丁寧に製作している。

金曜日, 8月 22, 2008

配筋検査


午前中「千歳の家」の基礎配筋検査をおこなうため、千歳に向かった。現場はJR千歳駅から徒歩で7~8分。今日の天気は快晴だ。Googleトランジットで検索したら、事務所から現場まで所要時間1時間47分(うち徒歩30分)だという。新千歳空港行きのエアポート便はおよそ15分間隔で動いているので、今回はJRを利用した。いつもは車のハンドルを握る手に今日はお茶のペットボトルがある。「千歳の家」はエコ住宅がコンセプト、なのに現場監理ではガソリン撒き散らして通う?と車窓の濃い緑の風景を眺めながらひとり上機嫌。ただし徒歩はホトホト疲れます。

水曜日, 8月 20, 2008

現場再開


こころなしか肌寒くも感じる20日、お盆休みもすでに明け私たちの現場も作業を再開している。「真駒内東町の家」では内装下地貼の作業をほぼ終え仕上げの準備に余念がない。写真は、地下「音楽室」から階段、玄関ホールを見たところ。この開口部は、石膏ボード両面二重貼し中空部をグラスウール充填した遮音壁で仕切る。データ上の遮音等級はD50程度。透過損失は1000Hzで60dB弱を予定。ただしこの程度の遮音レベルではドラム(騒音レベル100dBA)を目いっぱいたたくと家中大声で叫びあうような状態になるので要注意、しかし本格的な音楽スタジオではないとのクライアントの一言。すこし安心。

火曜日, 8月 12, 2008

千歳の家(house in chitose)


「千歳の家」の工事が始まった。早速きょうは杭の打設をおこなう。径250mmのRC杭、長さ5mと一部6mものを打設機で圧入する。いつもながら機械を操作するオペレーターの手際の良さは見ていて感心する。まさに職人技で、しっかりとした杭工事がおこなわれた。
「千歳の家」は補強コンクリートブロック造3階建て住宅である。外断熱を施し、暖房は空気熱源のヒートポンプによっている。屋上にソーラーパネルが設置され、太陽光発電をおこなう。私の事務所では初めての取り組みであり今後を楽しみにしている。

土曜日, 8月 09, 2008

小樽公園通教会(otaru park street church)


8日午後、小樽へ行く。小樽公園通教会の構造補強工事に小樽市の歴史的建造物修理の助成を申請している。助成の金額に関わらず公的資金ということで、厳格な完了検査があり、その立会だ。来週、再度の検査が予定されている。
検査の立会いを終え、公園通りの坂を上ると白い壁で分離派調ファサードの「小樽ミルクファクトリー」がある。ちょっと知られたソフトクリーム屋さんで、270円のを食べた。店の前で立ち食いをしていると、続々と客が入ってきた。暑い日にはちょうどいい。

金曜日, 8月 08, 2008

私の一日


先日の新聞に、ソルジェニツィンが亡くなったという記事が載っていた。「イワン・デニソビッチの一日」を読んだのは学生時代であったろうか。極寒の地でレンガかブロック積みの作業をする描写に共感を覚えた。もくもくと作業をする、引きずり込まれて読み進んでいくとその仕事の論理が自由そのものだということに読者は気づく、そんな記憶がある。

もうすぐ、千歳でブロック住宅の工事が始まる。今日もまた一日が始まる。イワンのようにもくもくと仕事をしなければと。写真は、ブロック造の我が事務所兼自宅、google map street viewから転載した。これはいつ撮っていったのだろう。

火曜日, 8月 05, 2008

握手


4日、お昼にJRで旭川へ向かう。Sキップを緑の窓口で買い求め、改札口に走る。発車まであと5分。改札口手前で、東京の武蔵野美術大学で建築科の教授をしているM氏と偶然出会った。つり銭を握り締めている手でぎこちなく握手。「お盆で帰省ですか?」「いや、大学の学生説明会にきたのよ。」いろいろ話を聞きたいが時間がない。後ろ髪を引かれつつ、また握手して改札口に駆け込む。この握手は10年ぶりだろうか。
写真は、手のぬくもりが伝わる手摺の写真。以前、ルイス・カーンのエクセター図書館で撮ったもの。手摺の断面が人の手のように握手を求めているようにも見える。握手からの連想。

日曜日, 8月 03, 2008

サイン


建築で気を使うものの一つにサインがある。住宅では玄関の表札が代表格で、家のデザインやときに家主の人柄さえもにじみ出ることがあるので、なかなかおろそかにできない。
先日、こんなサインを発見した。駐車場のサインである。よく見ると車にペイントされているではありませんか。車体が駐車場サインそのものになっている。車として動いている時間より、駐車している時間のほうが圧倒的に長いのかもしれない、そう思った。ただ、これでは「どこでも駐車場」状態ではないか。と余計なコトを考えてちょっと愉快になった。