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木曜日, 11月 22, 2007

大谷地の森


21日午後、週一で通っている大谷地の北星大学での講義が終わって中庭に出るとクリスマスのイルミネーションが点灯していた。時刻は午後四時半を廻っていただろうか。ちょっと眺めたあとで、帰宅を急ぐ学生の群れに押されるように駐車場へと向かう。途中にあるサッカーグラウンドの背後に「大谷地の森」が広がっている。コナラの純林で生育の北限であることは以前にも書いたことがある。すっかり落葉して森の向こうが見えている。これも冬の風景だ。
帰宅すると、近日発売の「リプラン建築家住宅特集第8集~北のくらしデザインしますPART8」が届いていた。今回の編集は、今までのものと趣が変わって、読み応えがある。私の「大谷地の森の家」も掲載されている。書店で発売されているので、読んでいただくと嬉しいものです。

月曜日, 11月 19, 2007

雪囲い


先日、札幌市内に雪が降った。現在住宅の着工を目前にしている数件のお施主様には施工条件が厳しくなり気の毒なのだが冬将軍は容赦がなく、私たちを待ってはくれない。施工では、これからは冬の期間に備えてどれだけよい準備をしておくかが大切になる。そして設計では、来年中に住まいを考えているお施主様にとって、これから冬の期間はまたとない打合せの時間になる。
18日午前中は庭に出て、ツツジ、シャクナゲ、バラなどの雪囲いをした。午後から、1年間の総決算としてJ1昇格が目前にあるコンサドーレの試合をTV観戦。写真は、庭の雪囲いの様子。

金曜日, 11月 16, 2007

発寒の住宅現場


昨日、札幌市内に雪が降り冬将軍の到来を告げた。昨日、施工中の「発寒の住宅」で現場説明を兼ねた打合せを、関係者がそろう夕方の時間から始めた。お施主様と施工者と私とで、ひととおり工事中の雑然とした室内をめぐって空間の確認をした。これから、床フローリングや壁塗装や天井羽目板などの仕上が施されて、見違えるようになるのであるが、今の段階で十分に満足されている。そのようなお施主様の様子に施工者ともども一安心である。写真は、数日前に撮った雪が降る前の外観。

火曜日, 11月 06, 2007

目をくばる


3、4日の両日は旭川ASJイベントに参加していた。「家具や建具、照明器具やカーテンブラインドは一緒に考えてくれるのですよね?」今回のイベントでは、複数の来場者の方がこのように問いかけてきた。私は、生活のすべてのシーンを建築家が目くばりした時代を理想と思っていることをお話した。そして現在も庭づくりや、時には冷蔵庫などの家電、時計や絵画などのセレクト等のお手伝いをしていることをお話した。目くばりを効かせ雰囲気をつくることは建築家の頭の中ではごく当たり前のことなのだが、実はこれらはそれぞれに分業化し単に既製品を組み合わせるだけの脈絡のない作業になっていることが多い。
写真は、私の展示コーナー。外観写真内部写真、平面図、模型が一セットの5棟の住宅を紹介している。この展示にも、家具や照明などのディテール表現に目くばりしようと考えているところ。

月曜日, 11月 05, 2007

日時計


札幌デザインウィークの催しが10月31日から、11月4日まで行なわれた。並行して開催された「グンナール・アスプルンド展」では、企画者として来道していた建築家で私の石本事務所時代の先輩でもある桐原武志さんに思いもかけず再会ができた。このような出会いがあるのが嬉しい。
自分のスタンダードデザインと思えるモノを展示するという趣旨の「マイベストスタンダードデザイン展覧会」に私も参加した。私は建築材料のコンクリートブロックで北の建築家像を重ねたモノを出展。以下出展のコメント。「木は好き、だけど森林破壊が心配。だからコンクリートブロックを選択した。これはどこにでもある再生可能な素材だ。それに、白い雪のファンデーションを塗布し大好きな円形を描く。円形は影響を受けた建築家カーンからのプレゼント。コンパスで描く丸、それは地球の真の姿でもある。銀のスプーンを突き立て影を大地に刻印する。北を向き、太陽を背に受け時を読む日時計ができた。それはまるで北の建築家の姿。私の場合、スタンダードとは選択頻度の多い素材やたくさん描いた形態をいう。」写真は、道庁赤レンガ庁舎2階の展示室風景。

日曜日, 10月 28, 2007

フラットルーフ


28日、午前中に札幌市内北区篠路にある「白い陸屋根の家」を訪れた。前日に施工した屋根の補修状況を確認するためである。久しぶりに施主ご家族とお会いし、予算の都合で断念した外構工事のことなど、これからの夢や希望をいろいろとお聞きした。
いつも、引き渡してから住まい手の感想をお聞きするのは、正直いって一抹の不安がある。今回のように「快適にくらしていますよ」の言葉をいただくと、ほっと胸をなでおろすのである。写真は、交差点側からの外観。

土曜日, 10月 27, 2007

円形


かつて身近にある形の中で、円形に興味を抱いてあれこれ調べたことがあった。当時、四角形だけを集めた写真集を見たことがきっかけだったかもしれない。目に飛び込んでくるさまざまな事物から、円形を発見する作業が楽しかった。建築に限ってみても、円窓やドームやボールトの円形屋根、平面そのものが円形の建築もたくさん存在することを知った。

私は室蘭市で子供の頃の一時期を過したのだが、そのときに竣工直後の円形校舎を見た記憶があった。先週の土曜日、その円形校舎、室蘭市立絵鞆(えとも)小学校を再訪することができた。およそ半世紀前に円形建築で一世を風靡した建築家・坂本鹿名夫の設計である。

水曜日, 10月 24, 2007

水平線と視野


週一で通っている北星学園大学の空間コミュニケーション論の講義も後期14週の折り返し地点に来た。よく、大学では何を教えているのですか?と問われる。私が通っているのは文学部の心理応用コミュニケーション学科という直接建築と関係のないところだから、疑問をもたれても当然である。しかし、例えば天井の高さ、部屋の広さの「意味」を語ると、そこで立派?に建築の授業が成り立つのが建築の奥深いところ。

20日(土)は、伊達での建築シンポジュウムの帰り、室蘭の地球岬に立ち寄った。ここでは、視野における相対的な上昇で、水平線がせり上がって見える。視覚の不思議だ。

火曜日, 10月 23, 2007

駅と街


21日、いつものASJイベントに参加するため岩見沢に行く。札幌からは、JRの特急で25分の距離である。自宅から駅までの延べ時間を含め比較すると、車を利用した場合と大差ないのだが、今回も一部完成した岩見沢駅舎内部が見たくてJRで行くことにした。写真は、夜景。古レールのサッシを通してレンガの暖かい表情がにじみ出ている。駅を軸に街を再生させようとする意気込みが伝わってくるようだ。

月曜日, 10月 15, 2007

360度


西宮の沢の家では、隣接する既存住宅の解体工事が終わり、今まで見ることのできなかった東側の外観が現れた。住宅街の外観は通常どこかが隠れてしまうものだが、この住宅のようにほぼ360度、距離をもって眺められるのは稀なケースである。そのお陰で、平面と呼応して変化する屋根の表情を、外から見ることができるのはありがたい。

日曜日, 10月 07, 2007

竣工引渡し


「西宮の沢の家」が竣工した。隣接する既存住宅の解体工事が迫っているので、いつもの関係者や新規のお客様による内覧会もなく、5日お施主様へ引き渡した。木造2階建ての2世帯住宅である。写真はこの住宅にとってメインとなる場所。北海道産カラマツ集成材で構成された7.3mスパンのワンルームに、居間食堂台所を納めている。

日曜日, 9月 30, 2007

万能シート


「発寒の住宅」では、外壁に透湿防水シートのタイベックを貼っている。デュポン社の解説によれば、一般名称はポリエチレンフラッシュ紡糸不織布。通常の風や水滴は通さず水蒸気が透過するフィルターのようなもので通気層工法に欠かせない素材だ。万能シートといっても過言ではない。
その万能シートに包まれて、秋の空を背景に屋根の輪郭がくっきりと姿を現してきた。

月曜日, 9月 24, 2007

ランドマーク(landmark)


サッポロビール工場跡地につくられた商業施設サッポロファクトリーでASJイベントがあり参加した。思いがけなく、かつての上司K氏や元所員のS君ご家族などが激励に来てくれた。ありがたい。
この建物も同様に、北海道開拓使の主要建築の多くはレンガ造であった。北海道庁(赤レンガ庁舎)などがすぐに思い出されるように、北海道にはレンガ造建築の横綱級が数多い。レンガは、素材としての強さや美しさを兼ね備えている点で類を見ないが、植物の緑と組み合わせると風景としても素晴らしい。写真は、サッポロファクトリーの南面、ツタとナナカマドとレンガの風景。この場所は、観光バスの玄関口、つまり駐車場。ここに札幌のランドマークのような風景がある。

土曜日, 9月 22, 2007

地鎮祭


22日午前中、千歳市のK邸で地鎮祭が行なわれた。昨晩の雨の影響もなく青空が広がる気持ちのよい朝だ。ときおり風が吹きぬける。まだ紅葉にもなっていないよと、神主さんの言葉。帰りがけに施主Kさんの小さなお嬢さんがコスモスの花を一輪、摘んで私に渡してくれた。
午後から、日本建築家協会設立20周年記念のドキュメンタリー映画鑑賞会に出席。当協会CPD(継続的職業教育)の一環である。「フランクロイドライト/建築と日本」という長編。「大正期に帝国ホテル設計のために来日、今も人々に感動を与え続け、日本の歴史と伝統に出会う機会を我々に与えてくれた。」(紹介文を要約)上映後の質疑応答で、どうしてライトなの?製作者エバンズさんへ素朴に質問したところ、建築家でライト研究者の父親の影響というシンプルな回答をいただく。文化は個人から生まれると、建築家・竹山実さんがかつて語っていたのを思い出す。

金曜日, 9月 21, 2007

待合室


今週末にASJイベントが札幌ファクトリーであるので、散髪へいく。パナシェ・シマダという理髪店で、8年ほど前に札幌市白石区菊水に設計した店舗付住宅だ。3階建ての1階部分が店舗で、そこだけ外断熱のCB造で作った。コンクリートブロック化粧積壁が久しぶりに私を迎えてくれた。小一時間リラックスし、頭もすっきりである。最後の客だったので、すこしおしゃべりをして帰る。店舗だから当然ではあるが、なにより大切にそして工夫をして空間を使っているのが設計者として大変嬉しい。
写真は、待合室のツイン照明の下に飾られた一対のポスター。お客様への気持ちが表れている。

火曜日, 9月 18, 2007

手摺(handrail)


ネコや犬などの四本足の動物には必要ないが、我々人間には、手摺がどうしても必要だ。住宅では階段の昇降はもちろん、玄関の段差やトイレや浴室に設けている。今は元気だから関係ない、と言う場合もある。それでもいつかは手摺のお世話になる時が来る。
手摺が目立ちすぎておかしな雰囲気になってしまうのは困りもの。普段は目立たず、誰でもが必要だと感じたときに使えるようになっていればよい。一見、手摺と見えないようにつくるのも手だ。大切なのは、よく考えて手摺をデザインすることだろう。
写真は、「八軒の家」の階段まわり。暖房放熱パネルを手摺代わりに使用した例。階段まわりの冷気を完全に遮断し、居間を居心地のよいものにしている。

17日は、敬老の日、日本の高齢化率(全人口に対する65歳以上の人口比)が20%を超えた、という記事が印象に残った。

火曜日, 9月 11, 2007

工事現場


建設工事中の敷地はいつも活気にあふれている。昨日10日は、写真の「発寒の住宅」の上棟だった。この住宅は、延べ床面積は30坪台の小住宅なのだがとても広々と感じられる。それもそのはずで、敷地いっぱいにつくるというほとんど平屋の計画だからだ。基礎の上にしっかりと柱梁の軸組みが載り、水平方向と垂直方向の大きなフレームができあがった。
空間の形が見えてくる骨組み段階の現場が、設計者としての私は好きだ。そもそも現場の雰囲気が好きなのかもしれない。まちなかの工事現場には興味があるし、新しくできた建物はちょっと覗いてみたい。

今日11日といえば、数年前に見たNYのグランドゼロ。工事現場の巨大さに圧倒された。

月曜日, 9月 10, 2007

再訪


日曜日の午前中、「藻岩下の家」を訪ねた。札幌市の藻岩スキー場下の原生林に隣接する住宅で、竣工後10年以上の歳月が経っている。傾斜地の、少し広めの敷地に、住宅、車庫、物置の3つの建物を分散的に「間(ま)」をとって配置している。年月が経ち、その「間(ま)」に貫禄のようなものができて心地よく感じられる。この住宅のイメージをつくっているコンクリートブロックの外壁は、いよいよこれからがお楽しみというような感じで、時間と共になんともいえない風合いが出てきている。
実は、時間と共にペットも代替わりしていて、私は施主の愛犬に熱烈歓迎のおまけ付きであった。
午後からは、3年連続で北海道マラソンの沿道応援。台風一過で札幌は今日だけ真夏、酷暑の中の力走に拍手した。

木曜日, 9月 06, 2007

造作家具


「西宮の沢の家」現場に家具が搬入された。家具といっても、特注のキッチンや、造り付けの収納などの造作家具のことで、工場で製作し現場で組み立てるものだ。設計段階で施主と打合せをして収納される中身の分量を決めているので、持ち物が過不足なく納まり室内が整理できる。施工段階では設計図に基づいてつくられた家具製作図を使って詳細を検討している。
造作家具工事の全体に占める割合は10%程度だが、現場工事での製作が難しいこともあって、近年増える傾向にある。写真は、現場に運び込まれた収納家具の一部。工場で丁寧に塗装仕上げされている。

水曜日, 9月 05, 2007

記録


先日、イチローがMLB新人から7年連続200本安打の新記録を作った。野球ファンのひとりとして祝福したい。イチローのコメント「どんな状況でも記録を残す。自分以外の人間を納得させる。」に感心。継続は力なり、か。
ところで、私がここ数年地道に継続していることがある。小型のスケッチブックをメモ帳としていつも持ち歩いている。私の場合は、物忘れがちな自分のための備忘録でもある。それは、文字だけではなく、絵やイメージ記号のようなものも記す。時として、急場の打ち合わせ用のプレゼンテーションに見事に化けることもあるので、ますます手放せなくなる。画像は、「発寒の住宅」を練っているときに記したスケッチ。全体を小さな家型の集合として考えるコンセプトが意識されている。