昨日、札幌市内に雪が降り冬将軍の到来を告げた。昨日、施工中の「発寒の住宅」で現場説明を兼ねた打合せを、関係者がそろう夕方の時間から始めた。お施主様と施工者と私とで、ひととおり工事中の雑然とした室内をめぐって空間の確認をした。これから、床フローリングや壁塗装や天井羽目板などの仕上が施されて、見違えるようになるのであるが、今の段階で十分に満足されている。そのようなお施主様の様子に施工者ともども一安心である。写真は、数日前に撮った雪が降る前の外観。
金曜日, 11月 16, 2007
火曜日, 11月 06, 2007
目をくばる
3、4日の両日は旭川ASJイベントに参加していた。「家具や建具、照明器具やカーテンブラインドは一緒に考えてくれるのですよね?」今回のイベントでは、複数の来場者の方がこのように問いかけてきた。私は、生活のすべてのシーンを建築家が目くばりした時代を理想と思っていることをお話した。そして現在も庭づくりや、時には冷蔵庫などの家電、時計や絵画などのセレクト等のお手伝いをしていることをお話した。目くばりを効かせ雰囲気をつくることは建築家の頭の中ではごく当たり前のことなのだが、実はこれらはそれぞれに分業化し単に既製品を組み合わせるだけの脈絡のない作業になっていることが多い。
写真は、私の展示コーナー。外観写真内部写真、平面図、模型が一セットの5棟の住宅を紹介している。この展示にも、家具や照明などのディテール表現に目くばりしようと考えているところ。
写真は、私の展示コーナー。外観写真内部写真、平面図、模型が一セットの5棟の住宅を紹介している。この展示にも、家具や照明などのディテール表現に目くばりしようと考えているところ。
月曜日, 11月 05, 2007
日時計
札幌デザインウィークの催しが10月31日から、11月4日まで行なわれた。並行して開催された「グンナール・アスプルンド展」では、企画者として来道していた建築家で私の石本事務所時代の先輩でもある桐原武志さんに思いもかけず再会ができた。このような出会いがあるのが嬉しい。
自分のスタンダードデザインと思えるモノを展示するという趣旨の「マイベストスタンダードデザイン展覧会」に私も参加した。私は建築材料のコンクリートブロックで北の建築家像を重ねたモノを出展。以下出展のコメント。「木は好き、だけど森林破壊が心配。だからコンクリートブロックを選択した。これはどこにでもある再生可能な素材だ。それに、白い雪のファンデーションを塗布し大好きな円形を描く。円形は影響を受けた建築家カーンからのプレゼント。コンパスで描く丸、それは地球の真の姿でもある。銀のスプーンを突き立て影を大地に刻印する。北を向き、太陽を背に受け時を読む日時計ができた。それはまるで北の建築家の姿。私の場合、スタンダードとは選択頻度の多い素材やたくさん描いた形態をいう。」写真は、道庁赤レンガ庁舎2階の展示室風景。
自分のスタンダードデザインと思えるモノを展示するという趣旨の「マイベストスタンダードデザイン展覧会」に私も参加した。私は建築材料のコンクリートブロックで北の建築家像を重ねたモノを出展。以下出展のコメント。「木は好き、だけど森林破壊が心配。だからコンクリートブロックを選択した。これはどこにでもある再生可能な素材だ。それに、白い雪のファンデーションを塗布し大好きな円形を描く。円形は影響を受けた建築家カーンからのプレゼント。コンパスで描く丸、それは地球の真の姿でもある。銀のスプーンを突き立て影を大地に刻印する。北を向き、太陽を背に受け時を読む日時計ができた。それはまるで北の建築家の姿。私の場合、スタンダードとは選択頻度の多い素材やたくさん描いた形態をいう。」写真は、道庁赤レンガ庁舎2階の展示室風景。
日曜日, 10月 28, 2007
フラットルーフ
土曜日, 10月 27, 2007
円形
水曜日, 10月 24, 2007
水平線と視野
火曜日, 10月 23, 2007
駅と街
月曜日, 10月 15, 2007
360度
日曜日, 10月 07, 2007
竣工引渡し
日曜日, 9月 30, 2007
万能シート
月曜日, 9月 24, 2007
ランドマーク(landmark)
サッポロビール工場跡地につくられた商業施設サッポロファクトリーでASJイベントがあり参加した。思いがけなく、かつての上司K氏や元所員のS君ご家族などが激励に来てくれた。ありがたい。
この建物も同様に、北海道開拓使の主要建築の多くはレンガ造であった。北海道庁(赤レンガ庁舎)などがすぐに思い出されるように、北海道にはレンガ造建築の横綱級が数多い。レンガは、素材としての強さや美しさを兼ね備えている点で類を見ないが、植物の緑と組み合わせると風景としても素晴らしい。写真は、サッポロファクトリーの南面、ツタとナナカマドとレンガの風景。この場所は、観光バスの玄関口、つまり駐車場。ここに札幌のランドマークのような風景がある。
この建物も同様に、北海道開拓使の主要建築の多くはレンガ造であった。北海道庁(赤レンガ庁舎)などがすぐに思い出されるように、北海道にはレンガ造建築の横綱級が数多い。レンガは、素材としての強さや美しさを兼ね備えている点で類を見ないが、植物の緑と組み合わせると風景としても素晴らしい。写真は、サッポロファクトリーの南面、ツタとナナカマドとレンガの風景。この場所は、観光バスの玄関口、つまり駐車場。ここに札幌のランドマークのような風景がある。
土曜日, 9月 22, 2007
地鎮祭
22日午前中、千歳市のK邸で地鎮祭が行なわれた。昨晩の雨の影響もなく青空が広がる気持ちのよい朝だ。ときおり風が吹きぬける。まだ紅葉にもなっていないよと、神主さんの言葉。帰りがけに施主Kさんの小さなお嬢さんがコスモスの花を一輪、摘んで私に渡してくれた。
午後から、日本建築家協会設立20周年記念のドキュメンタリー映画鑑賞会に出席。当協会CPD(継続的職業教育)の一環である。「フランクロイドライト/建築と日本」という長編。「大正期に帝国ホテル設計のために来日、今も人々に感動を与え続け、日本の歴史と伝統に出会う機会を我々に与えてくれた。」(紹介文を要約)上映後の質疑応答で、どうしてライトなの?製作者エバンズさんへ素朴に質問したところ、建築家でライト研究者の父親の影響というシンプルな回答をいただく。文化は個人から生まれると、建築家・竹山実さんがかつて語っていたのを思い出す。
午後から、日本建築家協会設立20周年記念のドキュメンタリー映画鑑賞会に出席。当協会CPD(継続的職業教育)の一環である。「フランクロイドライト/建築と日本」という長編。「大正期に帝国ホテル設計のために来日、今も人々に感動を与え続け、日本の歴史と伝統に出会う機会を我々に与えてくれた。」(紹介文を要約)上映後の質疑応答で、どうしてライトなの?製作者エバンズさんへ素朴に質問したところ、建築家でライト研究者の父親の影響というシンプルな回答をいただく。文化は個人から生まれると、建築家・竹山実さんがかつて語っていたのを思い出す。
金曜日, 9月 21, 2007
待合室
火曜日, 9月 18, 2007
手摺(handrail)
ネコや犬などの四本足の動物には必要ないが、我々人間には、手摺がどうしても必要だ。住宅では階段の昇降はもちろん、玄関の段差やトイレや浴室に設けている。今は元気だから関係ない、と言う場合もある。それでもいつかは手摺のお世話になる時が来る。
手摺が目立ちすぎておかしな雰囲気になってしまうのは困りもの。普段は目立たず、誰でもが必要だと感じたときに使えるようになっていればよい。一見、手摺と見えないようにつくるのも手だ。大切なのは、よく考えて手摺をデザインすることだろう。
写真は、「八軒の家」の階段まわり。暖房放熱パネルを手摺代わりに使用した例。階段まわりの冷気を完全に遮断し、居間を居心地のよいものにしている。
17日は、敬老の日、日本の高齢化率(全人口に対する65歳以上の人口比)が20%を超えた、という記事が印象に残った。
手摺が目立ちすぎておかしな雰囲気になってしまうのは困りもの。普段は目立たず、誰でもが必要だと感じたときに使えるようになっていればよい。一見、手摺と見えないようにつくるのも手だ。大切なのは、よく考えて手摺をデザインすることだろう。
写真は、「八軒の家」の階段まわり。暖房放熱パネルを手摺代わりに使用した例。階段まわりの冷気を完全に遮断し、居間を居心地のよいものにしている。
17日は、敬老の日、日本の高齢化率(全人口に対する65歳以上の人口比)が20%を超えた、という記事が印象に残った。
火曜日, 9月 11, 2007
工事現場
建設工事中の敷地はいつも活気にあふれている。昨日10日は、写真の「発寒の住宅」の上棟だった。この住宅は、延べ床面積は30坪台の小住宅なのだがとても広々と感じられる。それもそのはずで、敷地いっぱいにつくるというほとんど平屋の計画だからだ。基礎の上にしっかりと柱梁の軸組みが載り、水平方向と垂直方向の大きなフレームができあがった。
空間の形が見えてくる骨組み段階の現場が、設計者としての私は好きだ。そもそも現場の雰囲気が好きなのかもしれない。まちなかの工事現場には興味があるし、新しくできた建物はちょっと覗いてみたい。
空間の形が見えてくる骨組み段階の現場が、設計者としての私は好きだ。そもそも現場の雰囲気が好きなのかもしれない。まちなかの工事現場には興味があるし、新しくできた建物はちょっと覗いてみたい。
今日11日といえば、数年前に見たNYのグランドゼロ。工事現場の巨大さに圧倒された。
月曜日, 9月 10, 2007
再訪
日曜日の午前中、「藻岩下の家」を訪ねた。札幌市の藻岩スキー場下の原生林に隣接する住宅で、竣工後10年以上の歳月が経っている。傾斜地の、少し広めの敷地に、住宅、車庫、物置の3つの建物を分散的に「間(ま)」をとって配置している。年月が経ち、その「間(ま)」に貫禄のようなものができて心地よく感じられる。この住宅のイメージをつくっているコンクリートブロックの外壁は、いよいよこれからがお楽しみというような感じで、時間と共になんともいえない風合いが出てきている。
実は、時間と共にペットも代替わりしていて、私は施主の愛犬に熱烈歓迎のおまけ付きであった。
午後からは、3年連続で北海道マラソンの沿道応援。台風一過で札幌は今日だけ真夏、酷暑の中の力走に拍手した。
実は、時間と共にペットも代替わりしていて、私は施主の愛犬に熱烈歓迎のおまけ付きであった。
午後からは、3年連続で北海道マラソンの沿道応援。台風一過で札幌は今日だけ真夏、酷暑の中の力走に拍手した。
木曜日, 9月 06, 2007
造作家具
水曜日, 9月 05, 2007
記録
先日、イチローがMLB新人から7年連続200本安打の新記録を作った。野球ファンのひとりとして祝福したい。イチローのコメント「どんな状況でも記録を残す。自分以外の人間を納得させる。」に感心。継続は力なり、か。
ところで、私がここ数年地道に継続していることがある。小型のスケッチブックをメモ帳としていつも持ち歩いている。私の場合は、物忘れがちな自分のための備忘録でもある。それは、文字だけではなく、絵やイメージ記号のようなものも記す。時として、急場の打ち合わせ用のプレゼンテーションに見事に化けることもあるので、ますます手放せなくなる。画像は、「発寒の住宅」を練っているときに記したスケッチ。全体を小さな家型の集合として考えるコンセプトが意識されている。
ところで、私がここ数年地道に継続していることがある。小型のスケッチブックをメモ帳としていつも持ち歩いている。私の場合は、物忘れがちな自分のための備忘録でもある。それは、文字だけではなく、絵やイメージ記号のようなものも記す。時として、急場の打ち合わせ用のプレゼンテーションに見事に化けることもあるので、ますます手放せなくなる。画像は、「発寒の住宅」を練っているときに記したスケッチ。全体を小さな家型の集合として考えるコンセプトが意識されている。
木曜日, 8月 30, 2007
大安吉日
火曜日, 8月 28, 2007
レイトショー
皆既月食の夜、映画を観た。ゲーリーのドキュメンタリー映画「スケッチオブフランクゲーリー」で、お盆前から札幌シアターキノにてロードショー公開されていた。私にようやく時間ができ、駆けつけた。一人の建築家の生きざまを作品の系譜を追いながら、クライアントやスタッフの証言を交え、建築家本人が語っている。十分に面白く楽しめた。なによりゲーリー建築の自由な造形に癒された。もっとも、帰りがけに目が会ったキノの中島氏は、シドニーポラック監督が何をしたかったのか?と首をかしげていたのだが。
私の施主に、残念ながら若くして他界した彫刻家のM氏がいた。彫刻は建築のようにもっと人々に身近な存在になるべきだ、というのがM氏の持論で、だから建築にとても興味を持っていた。アトリエを新築した時も自宅をリフォームするときも、建築家の私よりよほど熱心だった。そのM氏が不治の病の床につく前、最後のスペイン旅行を敢行したという。目的はゲーリー設計のビルバオグッケンハイム美術館を見るためであった。家族や友人に支えられて、車椅子で廻りとても喜んだという。ゲーリー建築には心を癒す魅力があるのだろう。
札幌での上映は今月末まで、偶然にもM氏の命日と重なる。実は、スクリーンを目で追いながら不覚にも涙しそうになり、場内が暗いうちに席を立つ。映画は一人で観るのに限る。写真は長沼町にあるM氏の「アトリエMOMO」、在りし日の風景である。
私の施主に、残念ながら若くして他界した彫刻家のM氏がいた。彫刻は建築のようにもっと人々に身近な存在になるべきだ、というのがM氏の持論で、だから建築にとても興味を持っていた。アトリエを新築した時も自宅をリフォームするときも、建築家の私よりよほど熱心だった。そのM氏が不治の病の床につく前、最後のスペイン旅行を敢行したという。目的はゲーリー設計のビルバオグッケンハイム美術館を見るためであった。家族や友人に支えられて、車椅子で廻りとても喜んだという。ゲーリー建築には心を癒す魅力があるのだろう。
札幌での上映は今月末まで、偶然にもM氏の命日と重なる。実は、スクリーンを目で追いながら不覚にも涙しそうになり、場内が暗いうちに席を立つ。映画は一人で観るのに限る。写真は長沼町にあるM氏の「アトリエMOMO」、在りし日の風景である。
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