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日曜日, 6月 17, 2007

軽量鉄骨梁


「西宮の沢の家」で、建方が始まっている。5.5メートル幅のオープンな駐車スペースの屋根を300の鉄骨軽量梁で架け渡している。駐車スペースは屋外であるが、同じスパンをとばす居間の屋根は、断熱を考慮してカラマツ集成木材梁を60センチ間隔で使用する。

金曜日, 6月 15, 2007

見積


午前中、雨上がりの庭で真っ赤なバラが咲いていた。
赤と言えば、図面と見積書に向かうとき手にするものが赤ペンである。最初の見積は、いつもかならずと言っていいほど予算をオーバーする。標準的なサイズの住宅で、坪単価でいくと十分可能な数字なのに、である。聞くと設計事務所の物件はいろいろと高くなると言うのだが、これには多少の誤解があるようだ。そのような時、見積担当の施工者の方にも実際の建物を見てもらったりしながら、赤ペン片手に見積書と格闘している。建築家としては現場が困らないように、図面と見積書で全てが把握できるようにしておかなくてはならないのだ。

水曜日, 6月 13, 2007

雨と外構


朝食の後、ぼんやりとTVを観る。雨が小降りになってきたヤンキース球場内にCCRの「雨を見たかい」が流れていた。なつかしいメロディーに若い観客が口ずさんでいる。MLBの球場は排水インフラ機能が特に優れているのだという解説者の説明があって、ゲームが始まる。私も仕事を始める時間だ。
昨年竣工した「美しが丘の家」では、庭造りを中心に外構工事を計画中である。午後から、ひと冬経過後の外回り点検もかねて訪れた。建物周囲に、雨だれが集中するところがあって、埋戻しの表土が一部流れている。もちろん構造的には問題ないが、芝生を張って保水性を良くすることを提案している。住宅の敷地内では、MLBの球場とまではいかないが、特に傾斜地では雨水の処理に気を使わなくてはならない。

土曜日, 6月 09, 2007

街角


8日午前中、嬉しい出会いがあった。構造家のSさんから突然の電話。電話での用件が済んでから、直にお会いすることになりS宅を初めて訪問した。住所を教えていただき、車で向かう。角を曲がると、個性的なコンクリート打放し壁面が正面に見えた。S宅は建築家故・中井仁実(なかいよしみ)さんの設計で、1988年札幌市東区に竣工している。コンクリートの表現にこだわり続けた中井さんの、40代前半の仕事。しっかりと大地に根を張った、時間と共に存在感を増す種類の建築である。「中井さんが残してくれました。」Sさんの言葉が心地よかった。

火曜日, 6月 05, 2007

準備


北海道産の乾燥松材を熟練の大工さん達が手加工している、札幌市郊外の作業場を訪れた。無垢材を露出部に使用し、集成材は大壁で隠れる部分に使用する。というような材の使い分けの確認や納まりを、工務店の担当者と大工の棟梁と私とで打合せした。図面の考え方を伝え、解決法をその場で共に考える。来週には、現場で建て方作業が始まる。帰り際、また来てくれと大工の棟梁が言う。手作りの職人さん達との会話は楽しい。

金曜日, 6月 01, 2007

継続


今日、MLBでは我がイチロー選手が自己新の24試合連続安打を続けている。打席を待つ間、ベンチの中で座りながらもストレッチに余念がない。そんな姿に感動するのは私だけではないだろう。
続いていると言えば、私のブログ。ホームページの一部を簡単に更新するために始めて今日で一周年。なんと一年間で94度更新しており、4日に一度、月平均7度強だ。内訳は、現場レポートが45%で一番多く、次に活動レポートで18%。以下、日常風景や本や映画の話、旅行やエコ建築、コミュニケーションと続く。建築の周辺というテーマを扱うのは変わらないが、私自身の立ち位置を探る定点観測のようなものになるといいと考えている。
最近、ブログ見てますよ。と声をかけられることが多くなった。楽しみに見ていただいているのは嬉しい。これからも日々折に触れて発信して行こうと思います。
写真は、「西宮の沢の家」基礎コンクリート部の埋め戻し前の現場。アンカーボルトがしっかりセットされた基礎は、外断熱している。

土曜日, 5月 26, 2007

施主のコミュニケーション


設計中や施工中、どうしても実物を見てもらう必要がある。その場合、ショールームを持たない私は完成した住宅におじゃまして見学をさせていただいている。今日26日は、設計中のお施主様と一緒に、札幌市内の近作を廻った。ちょうど「西宮の沢の家」のコンクリート打設と時間が重なったが、昨日現場で必要な打合せを済ませているので問題ない。コンクリート打設後の状況を夕方に再確認した。
設計中のお施主様は、図や写真などで十分説明を受け正確に理解されている場合、実際に空間に触れると理解が確信に変わるようだ。とくにディテールや素材感などの理解は、実際に見て触るのが近道である。久しぶりに入居後の住宅に向かう時、私はお施主様と顔を合わせるが楽しみだ。お連れしたお施主様との会話のなかで、住んでみての貴重なご意見をかならず聞くことができるからだ。設計者は常に謙虚に耳を傾けなければならないのだ。「美しが丘の家」のOさん、「大谷地の森の家」のHさん、本日は有難うございました。写真は見学中のNさんご家族。

火曜日, 5月 22, 2007

太陽のめぐみ


今日22日は太陽が出たので、昼休みにミニ噴水を庭の水ガメに浮かべた。昨年購入したもので、オモチャのようだがなかなか楽しい。本体の表面に貼り付けてある太陽電池で中のモーターが駆動する仕掛け。なんといってもソーラーパワーを利用するところが気にいっている。

日曜日, 5月 20, 2007

散歩道の風景


屋根は赤い長尺カラー鉄板の蟻掛葺き、壁はモルタル塗白ペンキ仕上げ。手前に見える付属の物置らしき建物は、屋根壁共に亜鉛引き鉄板の丸小波板張り。近所に古くからある幼稚園の裏通りの風景である。屋根を突き抜けているのは煙突。石炭や薪を燃料にしていたころの名残だ。降った雪をさらさら落とすためのつるつる表面の屋根に、白い煙突が反射している。暖房設備や屋根雪の取り扱いの変化を言うまでもなく過去の風景だが、なぜか心をなごませる。

木曜日, 5月 17, 2007

配筋検査


木造住宅布基礎の配筋仕様は、住宅金融公庫工事仕様書の標準配筋図により、横筋は上下主筋D13、その他の横筋と縦筋はD10、すべて300mm間隔としている。見えないところ、隠れてしまうところはしっかりと注意を払う。私たちの地道な監理作業のひとつである。写真は、「西宮の沢の家」の現場。杭の偏芯部は上端主筋D13を2本とし強度を補強している。

月曜日, 5月 14, 2007

捨てコンクリート(leveling concrete)


「西宮の沢の家」の現場は、杭頭処理の後、捨てコンクリート打設。コンクリートが固まった後、墨出しを施工している。一部2階があるもののほぼ平屋に近い住宅なので、建築現場は少し大きめの印象がある。

建築用語には独特の表現があり、面白い。捨てコンクリートとは、彰国社刊「建築大辞典」によると、「構造上の意味はなく、この上に基礎の中心や型枠の位置などの墨出しをするために打つ。」とある。「捨て」とはいいながら、墨出しの役にたつ必要不可欠なコンクリートなのだ。

月曜日, 5月 07, 2007

北限の樹林


7日、「大谷地の森の家」で建築確認の完了検査を受けた。検査係員が到着するまでの間、目の前に広がる森の中を歩いてみた。散策路の案内標識によると、面積1.8ヘクタールのコナラの純林であり、コナラはブナ科の広葉樹で日本における生育の北限だという。周辺の市街地の住宅をはるかにしのぐ高さの巨木がうっそうと茂っている。「大谷地の森の家」を、木々の間から眺めた。かつてニューヨークのセントラルパークから緑地越しに摩天楼を眺めたことをふと想う。現場から戻り、ニューヨークヤンキースのゴジラ松井が日米通算2000本安打を達成とのニュースを知る。2000本はすごい数。この広い1.8ヘクタールの森でさえ、高木はどうみても2000本まで無いのだから。

月曜日, 4月 30, 2007

借景の森


「大谷地の森の家」が近々竣工する。現在、外構工事と並行して細部の仕上げ工事を施工中だ。キッチンに立つと、木陰に雪の残る森を正面に望むことができる。施主が切望したここにしかない光景が広がる。これから夏にむかって木々はいっせいに芽吹き、またたくまに枝は葉をつけ、かすかに落ちる木漏れ日が美しい緑の深い森となるだろう。実は、この住宅にとって森は室内空間の延長とも呼べるもので、無くてはならないもの。施主は、小さな森へのライトアップを考えているのだという。さらに森と住宅とが「つながる」きっかけを模索しているところである。

水曜日, 4月 25, 2007

着工前夜


札幌は、ここ数日好天が続いている。まるで初夏の陽気のよう。高気圧に押されるように、先週の風邪はウソのようにどこかに消えた。今日25日は、ことのほか外の空気がいい。写真の「西宮の沢の家」敷地では、まさに着工前夜である。確認申請も下り、施工者も決まり、あとは工事が始まるのを待っている。

火曜日, 4月 17, 2007

春の地鎮祭


15日は大安の日曜日、早朝9時から「西宮の沢の家」の地鎮祭に出席した。数日来の寒波の影響で、吐く息も白い。この住宅は、2世帯住宅で今秋の完成を目指す。地鎮祭は安全祈願祭と称したり、当日工事着手の近隣挨拶を兼ねたり、お施主様のご家族に挨拶したり、敷地の再々確認をしたりと様々な意味を持っている。従って、住宅建築にとって不可欠なプロセスであると考えている。週末の14、15日の二日間は、札幌~室蘭を2往復した。寒波と強行軍の疲れのため風邪を引いた。数日、この風邪が鎮まるように静かにしていようと思う。

木曜日, 4月 05, 2007

イチロー(ichiro)


日米大小を問わず野球観戦は私の楽しみのひとつ。そのうちの大リーグ野球が今週始まった。朝、仕事を始める前にBSで観るのは、北海道の最北稚内よりもさらに数百キロ北に位置するシアトルの試合。観客の様子が寒そう。偏西風や海流の影響で緯度の高いヨーロッパや北米は暖かいのだと高校の地理の時間に習った。あらためて地球環境はダイナミックだと思う。開幕試合、我がイチロー選手は天然芝に転がる内野安打で出塁、ホームを踏んだ。半ばあきらめ顔で白球を追いかけた敵捕手は芝に手を伸ばした瞬間、ヒットを確信して首を横に振った。同時にふっと大きく芝の香りをかいだようにみえた。無味乾燥な人工芝ではなく五感に訴える天然芝が、みる者の想像力を刺激する。写真は、数年前、江別市のもえぎ野で数名の建築家たちがデザイン協働した建売住宅。JRの車窓からよく見える。真ん中が私のデザイン。実はこの住宅、ペントハウスのイメージはイチロー選手の頭。向かって右側の住宅を設計したBASE4の仲間、建築家の平尾稔幸さんが撮影してメールで送ってくれた。この三軒の外観だけは、いわば野球のようにいくつかのルールを決めてデザインした。みる者を楽しませることができただろうか。

火曜日, 4月 03, 2007

コミュニケーション試行


4月は、新しい気持ちになれる。正月とは違って、この季節が春の訪れと共にあることと関係しているのだろう。とりわけ北国では時間と共に雪が融け、季節が移り行くのが実感できるからかもしれない。いまいくつか新しい試みをしている。そのひとつ9月からの北星学園大学での空間コミュニケーションの講義では、大学ホームページのシラバスにも書いているが、ストレートに建築空間のコミュニケーション論を扱う。昨年までの4年間は、建築計画論からのアプローチであった。いわばボールゾーンからの試行の結果、空間コミュニケーション論のストライクゾーンの輪郭が浮かび上がってきたといっていい。秋の開講までによい準備をしたいと思う。準備をすることもまた楽しみである。講義では、JIA北海道支部発行「建築家カタログ第3集」を推薦図書としている。写真は、同カタログの私のページを再構成したもの。どのように表現したら伝わるのかをいつも考えている。

火曜日, 3月 27, 2007

東京ミッドタウン(Tokyo midtown)


週末、東京へ行ったついでに、昨年夏に建築中の現場を見学した六本木ミッドタウンに立ち寄った。完成した姿をみておきたいと思ったからだ。26日はちょうどプレス内覧会の日だった。そのため新しい美術館などの内部には入ることができなかったが、外観だけは眺めることができた。いつも思うことだが、完成した建築物はとても美しい。しかし建設のプロセスを知るものとしては、建築現場の荒々しくもあのむせかえるような活気がどこにも感じ取ることができないのは少し寂しい。昨日までこの場にいたおびただしい数の施工者達は、大役を終え安堵の表情をヘルメットの下に隠し次の現場へ無事旅立っただろうか。ここでは今、テレビで見覚えのある女性アナウンサーとカメラクルーが取材を始めようとしている。きょうからは、ここを訪れる人々とここで迎える人々がこの場を作っていく。

金曜日, 3月 09, 2007

屋根からの眺め


足場は高さ7mを超えている。風は吹いていない。数日前に30数メートルの瞬間最大風速を記録した後だけにちょっと怖いが、現場の足場に上るのは嫌いではない。というのも、視線の変化によって風景が変化して見える楽しみを私は知っているからだ。ガルバリウム鋼板屋根下地のガムロン防水シートの施工を確認した後は、冬の「大谷地の森」の景色を眺めた。

水曜日, 3月 07, 2007

住宅展


札幌市中央区南2西2ほくせんビル4階にある「ほくせんギャラリー・アイボリー」で、「北海道の建築家による住宅展」が11日までの会期で始まっている。仲間の建築家たちの展示パネルが、ギャラリーの白い壁に色とりどりに並べられた。模型や写真などに様々な工夫がみられエネルギーを感じる展覧会。写真は、「この地に暮らす。」と題した私の展示風景。リアルな敷地に建っている住宅、を表現。11日(日曜日)14:00から「自然に暮らす」というテーマでフォーラムがあり、私もパネリストの一人として参加します。入場無料。