「江別の平屋2」建設、中間レポートです。昨年完成の「江別の平屋1」同様、補強コンクリートブロック造、一部木造の住宅です。居間集中の北海道型平面を新解釈した平面を持ち、居間中央にハイサイドライトからの光を有効に取り込む特徴的な断面をつくっている。
現在、とある教会堂を設計している。設計というのは、いろいろ地道な作業が必要で、設計する建物に関連した資料を集める地味な作業もその一つだ。しかしgoogle検索で瞬時に様々な情報を集められる現在は、パソコンに向かう意思さえあればそれほど退屈な時間ではない。それどころか興味をそそられ、つい横道にそれてしまう情報に出会うこともある。
昨年、教会堂の画像検索をしていて、白い壁にカラフルなステンドグラスのある小さな教会堂が目に留まった。アンリ・マティスの設計したロザリオ教会堂だった。私が初めてマティスの絵を意識したのは、池田満寿夫が「美の王国の入り口で」の文中でMOMA所蔵の「ダンス」に感動した、という文章を読んだ時だった。いつか本物をと思ってはいたが、十数年前NYに行くことができた時は当の美術館が増築工事中で入ることすらできなかった。今年、国立新美術館でマティス展が予定されているという。そこにはロザリオ教会堂の展示もあるという。コロナ禍が収束していたら是非観たいものだ。その前に、この一冊を読んでおこう。
2006年完成の「美しが丘の家」は現在のオーナーが3代目。歴代で最も若い世代。そのせいなのかは不明ではあるが、改修はオリジナルに近づけたいという要望。設計者としては嬉しい限り。実は、その間のオーナーたちは私が予想もしなかった、こういう手もあったと思わせる改修をしてくれていた。それはそれで良かったが、設計者を立ててくれるのは正直ありがたい。
朽ちていたウッドデッキは、コンクリートの一枚スラブに変身した。隣地に倒れこむ枕木の擁壁は地中に鉄筋バックアンカーを打ちターンバックルで締めた。木製サッシは、風化具合を点検しながら汚れ止めを兼ねて黒に塗装した。15年目を迎える外壁のコンクリートブロックは全く問題ない、いい具合にエイジングしている。外装材としてのコンクリートブロックは、優秀だ。
オーナーは、家具のコレクターでもある。ピート・へイン・イークの机が鎮座している。26,27の両日、開催した「木とコンクリートブロックの家」の内覧会(オープンハウス)が無事終了しました。直前のご案内にも関わらず、たくさんのご来場を感謝しています。
また、クライアント様のご協力を得てこうした内覧会の機会を作りたいと考えています。
当時サラメシで通ったレストランの壁にあったのを譲り受けた。石岡瑛子氏ディレクションで有名なポスター。 |