2006年完成の「美しが丘の家」は現在のオーナーが3代目。歴代で最も若い世代。そのせいなのかは不明ではあるが、改修はオリジナルに近づけたいという要望。設計者としては嬉しい限り。実は、その間のオーナーたちは私が予想もしなかった、こういう手もあったと思わせる改修をしてくれていた。それはそれで良かったが、設計者を立ててくれるのは正直ありがたい。
朽ちていたウッドデッキは、コンクリートの一枚スラブに変身した。隣地に倒れこむ枕木の擁壁は地中に鉄筋バックアンカーを打ちターンバックルで締めた。木製サッシは、風化具合を点検しながら汚れ止めを兼ねて黒に塗装した。15年目を迎える外壁のコンクリートブロックは全く問題ない、いい具合にエイジングしている。外装材としてのコンクリートブロックは、優秀だ。
オーナーは、家具のコレクターでもある。ピート・へイン・イークの机が鎮座している。ウッドデッキは一枚スラブに。「コンセプトは外の居間」という春の庭づくりも楽しみ。