住まいづくりYYAA
北海道の建築家・山之内裕一の住まいづくりブログです。地域の歴史や風土の記憶を大切に住まいをつくります。お気軽にご相談を。
日曜日, 9月 30, 2007
万能シート
「発寒の住宅」では、外壁に透湿防水シートのタイベックを貼っている。デュポン社の解説によれば、一般名称はポリエチレンフラッシュ紡糸不織布。通常の風や水滴は通さず水蒸気が透過するフィルターのようなもので通気層工法に欠かせない素材だ。万能シートといっても過言ではない。
その万能シートに包まれて、秋の空を背景に屋根の輪郭がくっきりと姿を現してきた。
月曜日, 9月 24, 2007
ランドマーク(landmark)
サッポロビール工場跡地につくられた商業施設サッポロファクトリーでASJイベントがあり参加した。思いがけなく、かつての上司K氏や元所員のS君ご家族などが激励に来てくれた。ありがたい。
この建物も同様に、北海道開拓使の主要建築の多くはレンガ造であった。北海道庁(赤レンガ庁舎)などがすぐに思い出されるように、北海道にはレンガ造建築の横綱級が数多い。レンガは、素材としての強さや美しさを兼ね備えている点で類を見ないが、植物の緑と組み合わせると風景としても素晴らしい。写真は、サッポロファクトリーの南面、ツタとナナカマドとレンガの風景。この場所は、観光バスの玄関口、つまり駐車場。ここに札幌のランドマークのような風景がある。
土曜日, 9月 22, 2007
地鎮祭
22日午前中、千歳市のK邸で地鎮祭が行なわれた。昨晩の雨の影響もなく青空が広がる気持ちのよい朝だ。ときおり風が吹きぬける。まだ紅葉にもなっていないよと、神主さんの言葉。帰りがけに施主Kさんの小さなお嬢さんがコスモスの花を一輪、摘んで私に渡してくれた。
午後から、日本建築家協会設立20周年記念のドキュメンタリー映画鑑賞会に出席。当協会CPD(継続的職業教育)の一環である。「フランクロイドライト/建築と日本」という長編。「大正期に帝国ホテル設計のために来日、今も人々に感動を与え続け、日本の歴史と伝統に出会う機会を我々に与えてくれた。」(紹介文を要約)上映後の質疑応答で、どうしてライトなの?製作者エバンズさんへ素朴に質問したところ、建築家でライト研究者の父親の影響というシンプルな回答をいただく。文化は個人から生まれると、建築家・竹山実さんがかつて語っていたのを思い出す。
金曜日, 9月 21, 2007
待合室
今週末にASJイベントが札幌ファクトリーであるので、散髪へいく。パナシェ・シマダという理髪店で、8年ほど前に札幌市白石区菊水に設計した店舗付住宅だ。3階建ての1階部分が店舗で、そこだけ外断熱のCB造で作った。コンクリートブロック化粧積壁が久しぶりに私を迎えてくれた。小一時間リラックスし、頭もすっきりである。最後の客だったので、すこしおしゃべりをして帰る。店舗だから当然ではあるが、なにより大切にそして工夫をして空間を使っているのが設計者として大変嬉しい。
写真は、待合室のツイン照明の下に飾られた一対のポスター。お客様への気持ちが表れている。
火曜日, 9月 18, 2007
手摺(handrail)
ネコや犬などの四本足の動物には必要ないが、我々人間には、手摺がどうしても必要だ。住宅では階段の昇降はもちろん、玄関の段差やトイレや浴室に設けている。今は元気だから関係ない、と言う場合もある。それでもいつかは手摺のお世話になる時が来る。
手摺が目立ちすぎておかしな雰囲気になってしまうのは困りもの。普段は目立たず、誰でもが必要だと感じたときに使えるようになっていればよい。一見、手摺と見えないようにつくるのも手だ。大切なのは、よく考えて手摺をデザインすることだろう。
写真は、「八軒の家」の階段まわり。暖房放熱パネルを手摺代わりに使用した例。階段まわりの冷気を完全に遮断し、居間を居心地のよいものにしている。
17日は、敬老の日、日本の高齢化率(全人口に対する65歳以上の人口比)が20%を超えた、という記事が印象に残った。
火曜日, 9月 11, 2007
工事現場
建設工事中の敷地はいつも活気にあふれている。昨日10日は、写真の「発寒の住宅」の上棟だった。この住宅は、延べ床面積は30坪台の小住宅なのだがとても広々と感じられる。それもそのはずで、敷地いっぱいにつくるというほとんど平屋の計画だからだ。基礎の上にしっかりと柱梁の軸組みが載り、水平方向と垂直方向の大きなフレームができあがった。
空間の形が見えてくる骨組み段階の現場が、設計者としての私は好きだ。そもそも現場の雰囲気が好きなのかもしれない。まちなかの工事現場には興味があるし、新しくできた建物はちょっと覗いてみたい。
今日11日といえば、数年前に見たNYのグランドゼロ。工事現場の巨大さに圧倒された。
月曜日, 9月 10, 2007
再訪
日曜日の午前中、「藻岩下の家」を訪ねた。札幌市の藻岩スキー場下の原生林に隣接する住宅で、竣工後10年以上の歳月が経っている。傾斜地の、少し広めの敷地に、住宅、車庫、物置の3つの建物を分散的に「間(ま)」をとって配置している。年月が経ち、その「間(ま)」に貫禄のようなものができて心地よく感じられる。この住宅のイメージをつくっているコンクリートブロックの外壁は、いよいよこれからがお楽しみというような感じで、時間と共になんともいえない風合いが出てきている。
実は、時間と共にペットも代替わりしていて、私は施主の愛犬に熱烈歓迎のおまけ付きであった。
午後からは、3年連続で北海道マラソンの沿道応援。台風一過で札幌は今日だけ真夏、酷暑の中の力走に拍手した。
木曜日, 9月 06, 2007
造作家具
「西宮の沢の家」現場に家具が搬入された。家具といっても、特注のキッチンや、造り付けの収納などの造作家具のことで、工場で製作し現場で組み立てるものだ。設計段階で施主と打合せをして収納される中身の分量を決めているので、持ち物が過不足なく納まり室内が整理できる。施工段階では設計図に基づいてつくられた家具製作図を使って詳細を検討している。
造作家具工事の全体に占める割合は10%程度だが、現場工事での製作が難しいこともあって、近年増える傾向にある。写真は、現場に運び込まれた収納家具の一部。工場で丁寧に塗装仕上げされている。
水曜日, 9月 05, 2007
記録
先日、イチローがMLB新人から7年連続200本安打の新記録を作った。野球ファンのひとりとして祝福したい。イチローのコメント「どんな状況でも記録を残す。自分以外の人間を納得させる。」に感心。継続は力なり、か。
ところで、私がここ数年地道に継続していることがある。小型のスケッチブックをメモ帳としていつも持ち歩いている。私の場合は、物忘れがちな自分のための備忘録でもある。それは、文字だけではなく、絵やイメージ記号のようなものも記す。時として、急場の打ち合わせ用のプレゼンテーションに見事に化けることもあるので、ますます手放せなくなる。画像は、「発寒の住宅」を練っているときに記したスケッチ。全体を小さな家型の集合として考えるコンセプトが意識されている。
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