Powered By Blogger

木曜日, 11月 23, 2017

みどり野きた住まいるヴィレッジ~北海道・南幌町

コンクリート製品の業界紙、週刊ブロック通信で私が担当している月一のコラム「ブロック住宅の系譜」に、現在設計進行中の「みどり野きた住まいるヴィレッジ」を紹介する記事を載せました。地元の工務店と設計事務所が組んで住宅展示場を作り、最終的に居住希望者へ販売するものです。私たちのグループは、コンクリートブロックの平屋住宅を計画しています。かつて北海道の住宅ブランドを確立したコンクリートブロック住宅を現代に再びよみがえらせようとするプロジェクトです。懐かしさと最新の技術・デザインを盛り込んだ住宅を多くの方に見ていただける機会です。いまから来年のオープンハウスが待ち遠しいのですが、まずは模型とプランです。

木曜日, 9月 28, 2017

作品発表会2017

作品発表会2017。私の今年の発表住宅は、「浦河の家」を選びました。発表のキーワードは、耐震、断熱、ベタ基礎、スキップフロアーです。浦河は地震が風土の一部となっているような印象がある地域。そうした理由で私の発表テーマが決まりました。建築は風土からそのカタチを導かれる、と思います。ですから浦河の住宅は耐震性を備えています。そして寒冷地建築です。作品発表会は、12月1日(金)、会場は北海道立近代美術館講堂(札幌市中央区北1西17)です。

土曜日, 8月 12, 2017

浦河の洋風建築

キリスト教開拓団「赤心社記念館」については、以前書いたが、今回は「旧関根重郎邸」。北海道の明治期洋風建築の特徴である、下見板張り、上げ下げ窓を持つ。知る人ぞ知る地元の名建築であるようだが、私は初対面なので建物の来歴などは不明。窓まわりの装飾的な意匠は特に目を引く。だれがどのように作ったのだろうか。地元の人に場所を教えていただいて見に行った。浦河町の裁判所の前にある。未確認だが持ち主が引き取り手を探しているという情報もあるようだ。

水曜日, 7月 12, 2017

「最新の技術を取り入れたブロック住宅」をつくろう!

かつて北海道はブロック住宅、と言われた時代がありました。始まりは昭和30年代で、今から60年前のこと。耐火性、断熱性に優れた防寒住宅としてスタートし、官民一体となって地域の風景をつくるほど多くつくられた家型フォルムの筆頭格、いわゆる「三角屋根の家」です。
最近は、地域遺産として見直されリノベーションを施して再販市場に供給される例も多い。そうした流れをみていると、家型はもちろん、敬遠されがちなブロックの素材感も支持されているようです。
ではなぜ新築ブロック住宅が増えないのかという疑問だけが残るのです。
建設価格の高騰が原因だというのですが、はたしてそうなのかと思う。
実際に、建設費をあたってみますと、ブロック工事費自体は木造の材料費と大差がないことが分かりました。つまり、木造とほぼ同等の予算でつくることができるのです。

リプラン最新号(平成29626日発行、リプラン北海道117号)にて、連載記事

Q1.0住宅デザイン論」第8回「最新の技術を取り入れたブロック住宅」として拙作「小屋群住居O」が論考対象になりました。室蘭工業大学名誉教授・鎌田紀彦先生により読み解かれています。


土曜日, 6月 17, 2017

赤心社記念館・浦河町

正面外観
上げ下げ窓と下見板張り外壁
使用していたラウンドテーブル
室内全景
牧畜風景写真と牧柵

この海を渡って入植した。対岸の函館から。
下見板張り、上げ下げ窓の特徴がみられる、木造平屋の明治期洋風建築です。詳しい建築的資料を入手していないので、目視以外の情報はありません。室内仕上げは床壁天井すべて木仕上、壁天井は塗装。当時使用していた十字組脚のラウンドテーブルが展示されています。椅子も未整理の別室にあった。展示品の薬収納棚が面白い。メンターム、ガマアブラ、大学目薬、中将湯などの文字が読み取れます。


 「赤心社記念館は、旧赤心社荻伏出張所事務所です。明治2161日に赤心社(現赤心株式会社)が行った農耕・牧畜・樹芸・養蚕・商業など諸事業の事務所として、現荻伏駅前に新設されました。赤心社は、北海道開拓を目的に鈴木清によって明治138月に組織されたクリスチャンによる開拓団です。翌145月には50数名が幌別川流域に入植し、明治155月には愛媛・兵庫・広島県より澤茂吉等80数名が元浦河(現荻伏)に入植しました。大正7年、赤心社事務所は荻伏村に寄付され、公会堂として現在の荻伏支所の位置に移転後、大正14年から荻伏村役場庁舎として活用されました。さらに、昭和29年現在地に移転し、浦河町郷土館として再利用されました。そして、昭和49年に赤心社記念館と改称して現在に至っています。」(浦河町HPより)昨日、浦河町の帰りに立ち寄りました。

水曜日, 6月 07, 2017

長く住むために~20年目の改修例

20年前に竣工した東苗穂のN邸、クライアントの要望で部分的に改修しました。屋根はガルバリウム鋼板蟻掛葺の無落雪スノーダクト方式でコーキングを部分的に施工。第3種換気のトップファン(フィンランドVILPE社製)は正常運転を確認したうえ日本の代理店ジェイベック社に点検を依頼しています。すでに耐用年数を超えているため機能停止する前に対策をしているところです。

浴室の壁天井は防水左官モールテックスを施工。視覚的にはザラザラした質感ですが表面はツルツルに研ぎだされています。バスコート窓も新規に作り替えた。これで今後20年は大丈夫です。
VILPE社製トップファン、まるごと取り換えかOR排気塔機能を生かして室内側に省エネ対応の新型ファンを取り付けるか検討中。

スノーダクト。
防水左官モールテックス。

1階はコンクリートブロック造、2階は木造の混構造
N邸全景。コーナー部は北側斜線で屋根形状が決まった。

つたの勢いはスゴイ。コンクリートブロックは当然のことガルバリウム鋼板も覆いつくしてしまいます。

金曜日, 6月 02, 2017

ブロックの和室

床仕上げをタタミ敷とするだけで和室を名乗るのは少し気が引けるものの、tatami room と表記すれば立派な和室に見えてくる。太鼓張の障子などで間仕切すればこれを和室と言わない方が不自然に思えてくるから不思議。合わせる照明器具がイサムノグチの提灯ペンダントで決まった日にはダメ押しである。ここまでくるとコンクリートブロックの200mm間隔の目地割は実は障子の桟に合わせていたのかとさえ考えてしまうというものだ。
タタミの話で、イグサなど天然素材のタタミよりも工業製品の新素材のタタミのほうが、アレルギーの原因になるダニが集まらないという調査結果があるという。何でも自然素材にしておけば大丈夫というものでもないらしい。障子も普通の和紙ではなく破れや貼替の心配が少ない樹脂繊維入りのワーロン和紙を使用しているからクライアントも安心なのだ。そうだいっそのこと床はすべてタタミというのはどうだろう。壁はもちろんコンクリートブロックでつくるのだがきっと不思議と合うかもしれないと思う。
そう思いながら最新号の週間ブロック通信「和の素材とコンクリートブロック」を書いた。