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火曜日, 1月 07, 2014

2014年の始まり

2014年、新年の始まりです。BLOGUPしたいと思います。

今年は何かと節目がありそうです。

4月WINDOWS XPのサポート終了なので、このところ適当なノートPCを物色しています。
 また4月は、私が1974年に社会人として建築設計事務所で働き始めてから40年の節目にあたります。
40年前の3月の中旬、大学卒業記念にと研究室の先生の発案で、東京を中心に見学旅行をしたことを思い出しています。当時、研究室は私とK君の2名、下級生を募って総勢10名程度のグループで行くことになりました。卒業した先輩を訪ねたり、1週間ほどの建築見学旅行でしたが、今も記憶に残る出来事でした。

北海道には3月18日の卒業式に間に合うように戻ってきました。後で知ったことですが丁度その日にルイスカーンがインドからの帰路に帰らぬ人となりました。今年は敬愛するルイスカーンの没後40年でもあります。


今年、新たな気持ちで建築に向かう年にしたいと思います。
庭の積雪は1mに達しています。

真冬でも北国の猫はたくましいのです。

月曜日, 12月 30, 2013

12月30日

今年のBLOG(ブログ)UP数は50件、なんと例年約100件の50%程度でした。原因は、FB(フェイスブック)のUPにありました。FBのUP数を合算すると100件弱で、丁度年平均UP数になっていました。月平均7~8度のUP、4日に一度のUPという頻度です。反応がリアルタイムに見えるFBの良さはBLOGでは得られない会話そのものの醍醐味です。一方、過不足のない情報やまとまった考えを伝えることのできるBLOGの発信力というのも、FBを使っていく日々再認識することになりました。FBがフロー情報であるならBLOGはストック情報です。当然、フロー情報の中にもストックすべき情報もあります。より多角的で多様な情報のなかから、留めておきたい必要としている情報を落とし込むのが私にとってのBLOGの役割かなと思っています。

今年、キンドルペーパーホワイトというモノクロ版電子書籍を入手して読んでいます。読み終えたものもいつも引っ張り出すことができるので、本棚ごと持ち歩くような感覚に近い。
「あの日からの建築」伊東豊雄著(集英社新書キンドル版)は、最近読んだものの中で考えさせられる一冊だった。あの日とは、言うまでもなく2011.3.11なのですが、ご自身が設計した「せんだいメディアテーク」の被災体験から、それまでの建築を通して思考してきたことを実に真摯な向き合い方で一気に吐露しています。被災地に真っ先に呼ばれることのない「建築家」の立ち位置について、実社会を反映しない概念優先の「大学」の建築教育について、伊東さんの柔和な外見からは想像もできない激しく鋭い言葉が紡ぎ出されています。読み終えて、戦場は異なっていても私も日々戦わなければと思う一冊でした。

土曜日, 12月 21, 2013

スクリーンレンガ

今年、当別町で医院の増築工事があり、レンガを外壁の一部に用いた。スクリーンレンガという乾式透かし積工法と、従来の湿式工法とを併用した。乾式工法は、鋼管を自立させ、レンガの穴に通して積み上げるというもの。実にシンプルな工法だ。モルタルを使わないので、簡単に解体することも可能だ。北海道農材工業社製。
鋼管にレンガを通して積み上げる乾式透かし積みレンガ工法

乾式透かし積み詳細

外断熱の外装材としてのレンガ積工法
湿式レンガ積工法

火曜日, 12月 17, 2013

住まいづくりYYAA: 1970~74

住まいづくりYYAA: 1970~74: 先日、JIA住宅部会の例会がありました。12月は、住宅賞授賞式と忘年会です。誰でも「旅のスライド」を発表して良いことになっているので、私は昨年来の神戸行について写真を交えて話しました。今回、特に発表しようと思いついたのは、たまたま数週間前にある図面のコピーを手にしたからです。それ...

1970~74

先日、JIA住宅部会の例会がありました。12月は、住宅賞授賞式と忘年会です。誰でも「旅のスライド」を発表して良いことになっているので、私は昨年来の神戸行について写真を交えて話しました。今回、特に発表しようと思いついたのは、たまたま数週間前にある図面のコピーを手にしたからです。それは、北海道釧路市生まれで神戸大学で建築を学んだ建築家・毛綱モン太(毅曠)の反住器(1972年竣工)の青焼製本のコピーという文字がかろうじて読み取れる程度の図面でした。私は、実物を1976年にご縁があって見学しています。当時の写真を添えての発表です。反住器の反とは、反省、反問、反芻、といった繰り返す振り返るという意味。反対や反発といったアンチの意味だけではないことは確かです。一年の終わりのこの機会に、ふさわしい言葉だと思いました。昨年見学した高槻日吉台教会も一緒に映しました。日吉台教会は、1970年竣工で建築家・毛綱モン太(毅曠)のスタートになった作品です。若々しくて、涙が出るほど生命感にあふれています。
反住器(平面図)~彩色は筆者

反住器(断面図)~彩色は筆者

反住器外観(1976年撮影)

反住器内観(1976年撮影)

日吉台教会(2012年撮影)

日吉台教会(2012年撮影)

土曜日, 11月 23, 2013

11.22.33

昨日、11月22日、第33回北海道建築作品発表会に参加させていただきました。

「小屋群住居K」の発表は、なんと1番目。まだ会場が落ち着かない雰囲気の中、昨年発表させていただいた「小樽祝津茨木家中出張番屋修復」が今回発表の契機になったことをまず話しました。

JIA住宅部会レビューそして今回の日本建築学会北海道支部建築作品発表会と続いた年末恒例の行事も終わりました。

改めてクライアントの皆さん施工者の皆さんに感謝の思いを込めて、1年を振り返っています。
小屋群住居K                       札幌市南区 2012年竣工 (写真:安達治)

火曜日, 11月 19, 2013

第33回北海道建築作品発表会


第33回北海道建築作品発表会に参加します。
2013年11月22日(金)
北海道立近代美術館講堂
午前11時30分から午後4時30分まで
入場無料、どなたでも参加できます。
私の発表は11時40分から、1番目の登壇です。
小屋群住居Kを発表します。

ぜひお越し下さい。

木曜日, 9月 26, 2013

ASJイベント

住まいを求めるみなさんと設計する建築家との出会いの場、ASJイベントに参加します。
10月5日(土)、6日(日)の二日間、場所は札幌市教育文化会館です。わたしは、久しぶりの参加ですので大変楽しみにしています。

是非おこしください。

月曜日, 9月 16, 2013

阪神間2013

9月12、13の両日、神戸大学医学部保健学科にて生活環境学の講義をしてきました。
内容は、10年間、北星学園大学で講義している空間コミュニケーション論を基礎にしています。
カタチはどう作られているのか、建築家にとっては設計の基本ともいうべき建築概論です。

神戸では地域保健医療や福祉関係の実務を勉強する保健学科の学生が、身の回りの空間を見る目を養うことを目標とした講義です。時々、設計者のネタばらしをしながら生活空間の仕組みや構造をより身近に理解してもらいたいと考えています。
私の他に、UD(ユニバーサルデザイン)研究者の石田享平さん、環境福祉サービスNPO理事長の中田俊秀さんが一緒の連続講義です。

建築の場合、機能と美しさを兼ね備えなければならないという難しさがあります。カタチが引き出す世界は複雑で、そう簡単に理解することはできませんが、だから奥行があって興味深いのかも知れません。写真は、今回訪れたそれぞれのカタチ。私は、見ているだけで楽しい。

神戸メリケン波止場のフィッシュダンス(設計:Fゲーリー)バルセロナにも、港町に同じような魚のオブジェを作っている。



EXPO'70の華。太陽の塔(岡本太郎)は存在感のあるタワーだ。

たぶん?海洋堂のフィギア。

もう一つの太陽。



太陽セメント工業本社屋(設計:安藤忠雄)1986年竣工、コンクリートブロックが上手に年齢を重ねている。


月曜日, 9月 02, 2013

9月に想う

昨日日曜日から9月になった。
季節はカレンダーを読み取るかのように秋の気配を運ぶ。
今年はいや今年もあと3か月で終わる。
あるひとが好きなことをやっている建築家は長生きをするよと言う。
あと30年は生きるよねと言ったらどうする?と意地悪な目をして聴いてくる。
そうかだったら今アクセルに乗せていた足をいったんフットレストに置いてエンジンブレーキ状態にしたいと言い返してから、必死に言い訳を考えた。
還暦を過ぎてなおモラトリアムでいたいなどという都合のいい論理はどこを探しても見つからないはずなのにだ。
24歳の春インドネパールバングラデシュの旅で幼少期は勉学に励み親孝行し長じて財をなし出家してガンジスの水に帰るというヒンドゥーとブッダの教えを信じる人の群れに感銘を受けたのは幻だったのか。
親孝行もままならず金儲けは得意ではないましてや悟りを開くことなど毛頭できそうもない。
そうかだからもうすこし時間が必要なのだとここにきてやっと気がついた。
いつか実行しようとしていることは山のようにある。
9月が始まる今年もあと少しの時間にそのいくつかにトライしていこうと思う。

今週はJIA大会2013北海道の受付係。
来週は昨年から引き続いている神戸大学医学部での建築講義。
再来週は10年続いている北星大学文学部心理応用コミュニケーション学科後期の講義が始まる。
9月中には本業の2件の建築現場が待ったなしで竣工する。
ひとつは地域医療を支える地域に無くてはならない医院の増築。
他のひとつはたぶん今年も北海道で唯一竣工になるだろう新築コンクリートブロック住宅。
先週全国建築コンクリートブロック工業会主催の会合で日本全国各地のコンクリートブロックメーカーのみなさんとそれを支える各地の大学の構造研究者のみなさんの真摯な意見交換に感銘を受けた。
私は今メーソンリー住宅建築の建築家としてできることをしよう。
新川の倉庫。こんなところをアトリエやイベントスペースにしたら面白いと思う。

土曜日, 8月 31, 2013

住宅模型展

JIA(日本建築家協会)の建築家が一堂に集う全国大会が来週札幌で開催されるのにあわせ、一般の方たちに建築家の仕事の一端を見ていただく住宅模型展です。実に多くの建築家が住宅設計をしています。私たち建築家側からすれば、クライアント(お客様)の顔が見え相手の役に立っているのが直に感じられたりするともう嬉しくなります。それは、住宅以外の規模の大きな建築ではなかなか味わえない醍醐味なのです。

今からおよそ20年前、JIA北海道支部に住宅部会がスタートし初代の代表世話人を、私がすることになりました。今回の模型展は、JIA北海道支部住宅部会が中心となり全国の住宅部会に呼びかけて実現した住宅1/100模型展です。

今日まで多くのクライアントに出会えた幸せに感謝しつつ、明日からも素敵なクライアントに出会えるのを楽しみにしています。
■開催期間は8月31日から9月8日正午
■場所は札幌市中央区の地下歩行空間(北4~3条広場)


木曜日, 8月 22, 2013

イチローの4000本

8月22日、イチロー選手が4000本のヒットを記録した。大新聞の夕刊が一面トップで伝えている。野球少年だった一人として、嬉しい。早速MLB.COM のVIDEOを観た。日米通算4000本という記録そのものを祝福している。建前は日米が共通の分母になっている。これが多民族国家アメリカの文化なのだ。MLB.COM のアナウンサーもヨンセン!と日本語で叫んでいるではないか。
ボルタ君のイチローモデルとNY土産のレプリカ野球帽でイメージ出来ました!

日曜日, 8月 18, 2013

MOMAの先割れスプーン

50年前の先割れスプーンの発見?から数日たって、MOMA(ニューヨーク近代美術館)のオンラインショップになんと全く類似のRAMEN SPOON+FORKなるものがあった。お盆休み(オンラインショップは日本の企業なのです)中も受付します、というので早速注文しておいた。それが今朝、届いた。
サイズは大きめだがデザインはそっくりそのまま。ラーメンは大好きなのだが、通というほどではないので全く知らないが、スガキヤという有名店で使っているものだそうだ。うまく箸を扱えない人のために考案されたユニバーサルデザインの製品である。ただし、熱伝導の良いステンレスなので熱いスープは気を付けないと舌を火傷していまいそうだが、シンプルでどことなくとぼけた味わいのあるデザインだ。
デザイナーは、タカハシ マサミ、スガキヤとノリタケの共同開発とある。
左は50年前のアルミ製のもの、右がMOMAのRAMEN SPOON+FORK

木曜日, 8月 15, 2013

50年前の先割れスプーン

お盆休み。年老いた母と昔のアルバムをめくりながら思い出話に花を咲かせていた時に、昔のモノだという先割れスプーンが出てきた。聞けばかれこれ50年前のシロモノ。アルミの1ミリ程の板で作ったもので長さは12.5cm、ティースプーン程度のサイズだ。これが、なかなかいい形をしている。フォークとスプーンが一体化したいわゆる「先割れスプーン」なのだ。これで、缶詰のミカンを食べた遠い記憶がある。実をフォークで刺し同時に甘いシロップも飲めた。握力の無い子供の頃の私にとって、軽く持ちやすく便利な道具だった。

火曜日, 7月 30, 2013

ダリ版画展

26日の旭川スクール講演会の翌日、北海道立旭川美術館で始まったばかりの「奇才・ダリ版画展」を観た。版画ばかりを集めた素晴らしい展覧会。2010年に、ダリの生まれ故郷フィゲラスにあるダリ美術館を訪れた。ダリの世界を堪能することができる場所だったが、今回ほどの量の版画は見なかったように思う。改めてすごさを実感した。
北海道立旭川美術館のHPより

フィゲラスのダリ美術館中庭~フラードームが見える
同上、中庭
同上、彫刻~ダリ美術館は写真OKだったが、今回の展覧会はNG

水曜日, 7月 24, 2013

「JIA旭川スクール6」のご案内

今週末26日(金)旭川市内にある東海大学旭川キャンパスにて講演会をいたします。講師は、東海大学の大矢二郎先生と私・山之内裕一が努めます。38年前に偶然立ち寄ったバングラデシュ・ダッカ、建設中であった国会議事堂を見学したときの今となっては貴重な写真をお見せしながら、カーンとはどんな建築家なのか、今なぜカーンなのか、私はその時何を見たのか、などなど少ない時間ながら話してみたいと思っています。私が撮ったカラースライドがほとんどですが、一緒にダッカに行った友人の狩谷茂夫君からも写真を数枚提供してもらいました。私の写真と共に使用しますが、モノクロームの迫力ある写真が実に素晴らしいです。当時の様子を生々しく伝えています。

講演会 :7月26日(金)18:30~
場  所:東海大学旭川キャンパス松前記念図書館コレクション室
入  場:無料

土曜日, 7月 06, 2013

私のルイスカーン#5

今月26日に、旭川東海大学でルイスカーンの建築について、むかし撮った写真を見ながら見学体験談を話すことになった。当日は、東海大学の大矢二郎先生がキンベル美術館とソーク研究所、私がバングラデシュ国会議事堂とエクセター図書館を担当する。エクセター図書館は、2003年10月に米国への調査旅行の際に立ち寄った。明治期の北海道の住宅が北米の強い影響を受けているという駒木定正さんの研究をサポートする調査旅行だった。ボストンでの半日の空き時間に、同行の中渡憲彦さんに運転をお任せして、高速道路をひた走り目的地を目指した。運よく道に迷わず図書館にたどり着くことができたが、見学時間は限られていて文字通りのかけ足見学だった。
じっくり、空間を味わうといったことや気になる寸法を計測するといった時間はなかった。
今回、バングラデシュ国会議事堂と比較することで、さまざまな興味ある共通点が見えてきた。26日のプレゼンでは、今回整理することで見えてきたそのあたりの話をしてみたいと思っている。


月曜日, 7月 01, 2013

私のルイスカーン#4

カタチの不思議にとりつかれたように、正方形、円形、三角形の本をつくったブルーノムナーリのことを知ったのは、バングラデシュでルイス・カーンの強烈な洗礼を受けた直後だった。そして、円形建築という分野を開拓した坂本鹿名夫という建築家の名前に出会ったのもちょうどその頃だ。東京都小金井市の公会堂は坂本鹿名夫の設計になる。以前、隣接の図書館で彼の作品集を読んだことがあるのだが、B・フラーとの出会いなど円形建築への熱い想いが伝わってくるものだった。ごく最近では、アップル本社(設計:ノーマンフォスター)計画案の見事な円形デザインが記憶に新しい。
時代を超えて、地域を超えて、文化を超えてカタチの不思議は私たちの前に立ち現れる。
1975年撮影、バングラデシュ国会議事堂東ウイング議員宿舎棟ベランダの円形開口(設計:ルイス・カーン)

金曜日, 6月 28, 2013

私のルイスカーン#3

学生時代に建築の授業で洋書を翻訳する時間があった。配布されたプリントには、建築物の荷重を垂直に地面へ伝えるアーチの仕組みや考え方について書いてあった。その時私は、構造を数式や図などに頼らず言葉だけで表現できることに、新鮮な驚きを感じた。ルイスカーンは建築を語る。その言葉通りにレンガ建築は、開口部にアーチを用い、どのように小さな開口部でも徹底的にアーチが繰り返されている。正方形開口部は水平アーチ、正円開口部は上下の半円アーチを組み合わせている。写真で2階建ての正円アーチをよく観察すると、最も荷重を負担する1階下半分は3重アーチになっているのが分かる。1階の正円開口は2階のそれよりふた回り程度小さい。また、プレキャストコンクリートのタイビームが見える、これはアーチのレンガと組み合わされて柱梁構造のような繊細さを開口部に与えている。開口部は上の階ほど大きく、逆に壁面積は下の方ほど大きい構造理念が視覚化されている。
1975年撮影、バングラデシュ国会議事堂議員宿舎棟(設計:ルイス・カーン)

木曜日, 6月 27, 2013

私のルイスカーン#2

スライドポジフィルムからJPEGデータに作り直して行く作業は、手持ちの古いスキャナーで十分だった。ばらばらに詰め込まれたフィルムを撮影順に並べ替えて、当時の記憶を引きだしながら当日どのような経路をたどったのかを推理する作業は、楽しい。向けられた被写体が私自身の興味のありかを示している。レンガ造の議員宿舎や大臣宿舎を見学しながら、中央にあるコンクリートの議事堂を早く見たいという気持ちでいるのだ。シリンダーやキューブの積み木のような姿は、ファティプルシクリの有機的な赤砂岩建築や、ジャンタルマンタルの幾何学的な日時計建築を見たとき同様の驚きがあった。そのうえ、建設中なのだ。建築現場には、出来上がった後の洗練された姿にはない迫力があるものだ。それにしても、この白大理石の目地はどういう意味があるのだろう。地元の人たちが着ているサリーの布の縁取りのようにも、羊や牛から樹木を守るための竹で編んだ籠のようにも見えた。地と図の関係のように、強く意味を発している目地は現場作業ではコンクリートの打継の印でもあっただろう。図面上で推測すると、目地は1.5m程度の間隔に入っている。
丁度仕上がりの良いコンクリートが打てる高さでもある。レンガが職人の手になじむサイズになっているのと同様に、この目地は1回のコンクリート打設になじむサイズを示している。それを、30数段積んでいる、まさにこれは視覚的に組積造を表現していると言っていいのではないか。
1975年撮影 バングラデシュ国会議事堂南面モスク入口(設計:ルイスカーン)