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土曜日, 12月 27, 2008

吹雪のなかのコンサバトリー


26日、昨日から大荒れの天候で、朝起きるとあたり一面雪景色だった。「山の手の家」は、竣工引渡しの最終段階。暗くなるまで、点検に余念がない。家の中心にある小さな「コンサバトリー」が雪に埋もれて光を放っている。北国住宅での半戸外空間として面白い場になりそうだ。

火曜日, 12月 23, 2008

完成迫る、千歳のエコハウス


23日、休日返上で最後の仕上げに拍車がかかる千歳の現場へ向かう。作業の進捗を見守るだけで、私はほとんど打合せする事項も理由もないのでじっくり現場を見ることができた。完成迫る現場で現場担当者や職人さんたちとの短いやり取りの中で、空間との一体感を感じていたいと思った。写真は、現場を離れる瞬間の夜景。まだ、作業が続いている。

土曜日, 12月 20, 2008

上遠野徹建築展


北海道の大先輩の建築家、上遠野徹さんの建築展へ行く。札幌市中央区のギャラリー「創」で1ヶ月間開催されていたものだが私はまだ行っていなかった。実は、本日が最終日なので見逃すわけにはいかない。「鉄骨の住宅」と題され、写真パネルと大きな模型で構成されたなんともシンプルな展示内容だ。40年間に設計された10棟ほどの代表的な住宅群の中で、JIA25年賞とDOCOMOMO100選に輝いた自邸の模型と写真が中心を飾っている。ご本人にはあいにくお会いすることができなかったが、ギャラリーの担当者に聞くところによると、自邸の敷地内にある事務所建物の増築を計画しているとかで、ますます意欲的なご様子だ。

日曜日, 12月 14, 2008

週末の車窓


金曜日12日は、建築学会北海道支部恒例の作品発表会が北海道立近代美術館講堂であった。私も住宅を発表させていただいた。全30数作品が紹介されたが、発表者は若い世代が随分増えた印象がある。もちろん同世代や先輩たちも健在。14日は、打合せで旭川に向かう。札幌発のJRに乗り込んだ時はカラリとした晴天だったが、30分もすると北に向かう車窓の風景が白一色になった。
手に取ったJR北海道の車内誌に「雪国への使徒、田上義也~モダン都市、札幌に抱かれて」という特集記事を見つけた。北海道でのプロフェッショナルな建築家のさきがけとして知られる田上さんの建築と物語が紹介されている。建築家の仕事の意味と役割を考えさせられた週末であった。

月曜日, 12月 08, 2008

落雪防止屋根に新雪


8日午前中、きのう降った雪が日射の影響ですこし解け始めている。そしてまた午後、日が陰ると凍結する。北海道の冬は油断ならない。落雪防止屋根工法を施した「山の手の家」では新雪が均一に屋根を覆っている。突然、雪崩のように屋根雪が滑り落ちることがないので安心である。

土曜日, 12月 06, 2008

カラマツ羽目板水性塗装仕上


「山の手の家」の外部足場が外れ、外観が見えてきた。ブラウン色に塗装されたカラマツ羽目板竪張りの表情が優しい。耐久性に難があり解体した50年前の旧住宅も、外壁は下見板張りであった。半世紀の風雪にさらされた板材そのものは完全に朽ちてはいなかった。木はなかなか強い。今回の新設カラマツ外壁もまた長い時間を生きることになる。

金曜日, 12月 05, 2008

タモフローリングソープワックス仕上


4日、東札幌の家で改修工事の引渡しがあった。今回の工事は、外壁張替えと内部の一部改修が主な内容です。
以前の室内は暗く入り組んだ印象であった。改修後、和室とLDKをワンルームとし広くシンプルにするとともに、壁天井は白色系バターミルクペイント塗装、床はソープワックス仕上タモフローリングを使用することでさらに明るく清潔な印象になっている。これらはすべて自然素材仕上で再構成したのだが、今回のように住みながらの改修工事では、例えば刺激臭のない仕上を用いることなどがクライアントのストレスを少なくすることに役立っている。
写真は階段端部で、切りっ放しのタモフローリング床とパネルヒーターのサーモバルブ、巾木はアルミアングル。

水曜日, 12月 03, 2008

小さくてもきらりと光る


子供たちと暮らす家「KWH」が、北海道建築士事務所協会札幌支部で主催する「きらりと光る北の建築賞2008」を受賞しました。昨日、正式に受賞通知が届いたのです。他薦によりノミネートされ、札幌地下街で写真パネルを展示し一般の方に見ていただき、さらに専門家の現地審査を経たうえでの決定ということで、評価の視野領域が広く感じられるのがこの賞の特徴でしょうか。

なにはともあれ、嬉しいものです。再来週に市内のホテルで授賞式があるという。クライアントを始め関係者の皆さんに感謝です。

土曜日, 11月 29, 2008

長沼


29日、長沼町内で設計チームBASE4のメンバーたちと数件の建築を見て歩く機会があった。昼食に立ち寄った食堂の窓から偶然見えたのが、私のクライアントでもあった彫刻家・故丸山隆さんの屋外彫刻だった。作品名「触知座標」といい、1994年の制作である。丁度その年は長沼に離農敷地を借り受けてアトリエを開設するというので、私が依頼されて設計監理をしていた。断片的な記憶では、彫刻本体は南米産の白御影石で構成され、形状はこの地を走る緯経度グリッドを表しているということだった。彫刻設置の折、基礎や構造の技術協力をさせていただいた懐かしい思い出がある。いま、彫刻はナナカマドやシラカバに温かく守られているようだ。

東札幌の家リフォーム


28日午後、東札幌の家のリフォーム現場に向かった。ほぼ完成に近づき、来週には引き渡しができる。
水まわり配管の位置が固定されているため、プランは、リフォーム前とほぼ同じである。主に床壁天井の仕上げを新しく変更している。変更後のプランが読めることは、クライアントの計画を進めるうえでの理解を助けたようだ。家の片隅に追やられたような以前の暗く狭く感じる和室は、広さこそ無いが家の中央にあって開放的に明るく変身している。アイランドキッチンも今回のリフォームの目玉だ。いつものように、石狩市の家具屋さんの特注品。電気ボーラーによる温水パネルヒーターと24時間計画換気、水性塗料による壁天井仕上げと石鹸ワックス仕上げのタモ無垢フローリングなど、いつもの仕様。

木曜日, 11月 27, 2008

雪の小樽


27日午後、小樽公園通教会へ行く。先日納品した週報棚(しゅうほうだな)が好評で、今度は記載台を制作することになった。今日は場所や使い方を打合せし、戻ってゆっくり考えようと軽い気持ちできたのだが、可能であればなんとかクリスマスまでに間に合わせたいとのことで、その場で急遽ラフスケッチを起こしデザインすることになった。
外は、折からの雨で雪が融けシャーベット状になってとても歩きにくいが、空は冬の日本海のどんよりした深いブルーグレー、あせる気持ちを落ち着かせてくれる色だ。

日曜日, 11月 23, 2008

上棟の祝い





千歳のエコハウスで上棟のお祝いをした。当日のメインイベントは「もちまき」、施主のたっての希望である。あたらしくこの地域へ仲間入りする人と住宅のはじめての挨拶でもある。餅をキャッチする近所の皆さんの笑顔が、新しい隣人と住宅を歓迎しているようだ。補強コンクリートブロック造フラットスラブで梁の形すら見えない住宅の「上棟の祝い」だが、地域とつながることのできる古き良き慣習もまんざら捨てたものではない。

木曜日, 11月 20, 2008

新雪


朝、札幌市内は本格的に雪が積もり一面銀世界の新しい風景になった。きょう20日は日本人が大好きだというボジョレーヌーボーの解禁日で、そう言う私の手元にも1本ある。この赤ちゃんワインには、実はいろいろな価格と銘柄のものがあるのだという。
マイナス気温の外から暖房の効いた暖かい室内に入ると、適度に冷えたワインがある。厳しい寒さへの贈り物のようだ。

水曜日, 11月 19, 2008

ゲスト講師


今日は北星学園大学の授業があった。座学では半年も同じような話をしていると飽きてしまうので、ミニ演習として模型を作ったりレポート提出をさせたりしているのだが、今日はゲストを招いて話をしていただいた。
今日のゲストは、ビタレスクの鈴木敏章さん。自他共に認めるフィンランド通で、学生時代の話やら北欧の文化について思う存分語っていただいた。とはいえ講師の習性で、私が無理に建築の話に誘導してしまった。ご本人はもうちょっと違うことを語りたかったようだった。
写真は、90分の講義を終え、講師控え室で一息入れる鈴木さんと取り扱い商品のフィンランド製ドムス窓。ご本人同様、表情は優しいがちょっと頑固で期待を裏切らないすぐれものの木製サッシです。ぜひ一度お試しください。

月曜日, 11月 17, 2008

現場見学会


17日、千歳のエコハウスで、現場見学会があった。北海道建築技術協会(HOBEA)メーソンリー研究会主催のもので、外観と1・2階の一部をご覧頂いた。見学者から建設コストの質問があり、さまざまなコストダウンの工夫をして、たいへんリーズナブルな建設コストを達成していることを説明した。木造住宅並みの単価の安さには見学者のみなさんたいへん驚かれたようだった。住宅は、なにはともあれ見ていただくのが一番だ。外観は、外断熱施工の上に透湿防水シート張り状態。このうえにガルバリウム鋼板を葺く。

木曜日, 11月 13, 2008

山の手の家の現場


13日は、「山の手の家」現場で外壁色を確認した。カラマツ竪羽目板にキャピタルペイント水性塗料を施工している。色はクライアントご指定のブラウン色。水性塗料は、油性のような刺激臭がないばかりか難燃性能を有しているため採用している。作業性もよい。例年寒い時期だが、幸いここ数日は小春日和の暖かさが続いているので塗装作業現場は順調とのことだ。

休講


水曜日は、週一で北星学園大学へ通う授業日なのだが、あいにく管理建築士の資格取得講習会と重なってしまった。学生さんたちには申し訳ないが、休講だ。写真は、先週撮ったキャンパス風景。美しく紅葉した大谷地の森を背景にサッカーの練習に余念がない。大自然と若者達の姿に清々しい気持ちを感じて元気になるのは私だけではないでしょう。
その学生さんたちへ限られたコマ数の中で、できるだけたくさんのスライドや話をしたいと考えている私だが、1講の減は残念。

日曜日, 11月 09, 2008

モエレ沼公園


2日間の、週末イベントが無事終わりました。ご来場の皆様ありがとうございます。初日はあいにく小雪まじりの雨と強風の悪天候でしたが、今日は朝方の冷たい雨が暖かい陽ざしに変わりました。ほんのちょっとした陽ざしがあればガラスのピラミッド内部は夏のような暖かさになります。温室効果はすばらしい。ちょうど今日は、写真の撮影会が催されていました。自然光たっぷり照明効果満点の写真スタジオです。先日は、コンサートが行なわれ音響効果が素晴らしかったと聞きました。
そんなピラミッドパワーの求心力でしょうか、イベントには海外からの来訪者もありました。ここは、札幌の新しい顔になっています。

金曜日, 11月 07, 2008

週末イベント続報


明日からのASJ札幌南スタジオ主催「建築家展in札幌」の設営のため、会場のモエレ沼公園ガラスのピラミッドへ行ってきました。イサム・ノグチギャラリー下の展示スペースが会場です。会場入口からガラスのピラミッドセンターホールとモエレ山が見えます。私は、8日(土)、9日(日)の両日とも会場でみなさまをお待ちしています。

週末イベント


今週末8(土)、9(日)ASJイベント、「第5回建築家展in札幌」に参加します。会場は、モエレ沼公園ガラスのピラミッドです。

私も、住宅の写真、図面、模型を出展します。札幌では、1年ぶりのイベント参加です。あいにく天候は悪いようですが、ぜひ見に来てください。日曜日は、私も会場にいます。

火曜日, 11月 04, 2008

庭に初雪


4日朝、札幌市内で雪が降った。自宅の庭に降った初雪である。これから屋外作業が残る現場を抱える身としては少々つらいものがある。もちろん現場の職人さんはもっと大変。本格的な冬の前に現場はきちんと仕上ておかなければなりません。予報では、明日からまた気温が上がるという。すこし安心。これからは、寒波とその後のすこしの暖かさを幾度となく繰り返して本当の冬になるのです。

月曜日, 11月 03, 2008

SDW2008最終日




3日午前中、札幌デザインウィーク2008の「建築家パネル展」会場に行きました。会場は内田洋行のイベントスペース「ユーカラ」。持ち回りの会場当番でした。今日は来場者が少なめなので、パネルを落ち着いた雰囲気でじっくり見てもらえたようです。
また、今週末の8日(土)9日(日)両日、札幌市内モエレ沼のピラミッドで、いつもの「ASJ建築家展」イベントがあり私も参加します。どうぞ見に来てください。

土曜日, 11月 01, 2008

白い陸屋根の家


31日午後、札幌市北区にある「白い陸屋根の家」を訪れた。JIA北海道支部住宅部会のために住宅建築の平良敬一さんと写真家の鈴木悠さんが札幌にいらしている。最近の北海道の住宅建築の動向をご覧になっているという。ほんの数分間、立ち寄って見ていただいた。写真は、去年のちょうど今頃のもの。今日もイチョウが美しい黄色の葉をつけていた。

月曜日, 10月 27, 2008

初冠雪


今日は朝から寒かった。午前中パソコンを見ていたら、気象台の発表で27日に初冠雪を観測したとあったので、さっそく事務所の窓から手稲山を眺めた。あいにく山頂は厚い雲に隠れて見えないが、稜線は確かにうっすらと白く見える。あまり歓迎したくない寒気がとうとう来てしまった。数週間前に雪虫が飛んだのを目撃してから、ずっと暖かい日が続いていたので、今年はずいぶんと儲けたようなキリギリスのような気持ちでいたのだが。冬は待ってくれないようだ。

月曜日, 10月 20, 2008

SDW(札幌デザインウィーク)


11月1日~4日、札幌デザインウィークの催しがあります。建築のみならず、家具やグラフィック、さまざまなデザイン関係の人たちの展示会や講演会などが札幌市内各所であります。私は4回目の参加です。今年のオフィシャルブックにはこんな紹介文を載せました。画像はクリックすると大きくなります。

日曜日, 10月 19, 2008

Roof×2



木造の「山の手の家」は鋼板屋根葺き、コンクリートブロック造の「千歳のエコハウス」はコンクリート型枠取付け、どちらも屋根の施工中。
鋼板屋根はガルバリウムの落雪防止屋根工法、いわゆるステイルーフ。かたやコンクリートブロック造は屋根に設置するソーラーパネル用のコンクリート架台を型枠施工している。

金曜日, 10月 17, 2008

納品


16日、小樽公園通教会で家具の納品に立ち会った。およそ80年前の建築で、床は自然なたわみが生じている。倒れ防止のため家具は壁に固定した。既存の壁板との色あわせがうまくいって、以前からそこに置いてあったように見える。
6時から、小樽市内で開催された建築士事務所協会主催の講演会に参加した。
フィンランドの首都ヘルシンキ市の都市計画課に勤務している建築家・吉崎恵子氏が北欧の住宅や街づくりの現状をレポートする内容であった。「都市計画のないところに敷地はない」という計画コンセプト、「ヘルシンキの土地の大半を市が所有している」という行政力、「力を入れるべき計画はコンペで案を募集する」という伝統、現状でも厳しい「断熱性能基準を2010年にさらに引き上げる」という制度目標、などなど同じ地球上の出来事なのである。

木曜日, 10月 16, 2008

雪虫(YUKIMUSHI)


北海道の巷(ちまた)では雪虫が舞うと初雪が降るといわれている。先週、雪虫を見ましたよという情報がクライアントから挨拶代わりに寄せられていたのだが、とうとう私も今日の午後、事務所を出たところで目撃してしまった。現場を抱えている立場としては、初雪を知らせる雪虫はありがたくない。もうすこし先延ばしにしておいて欲しいところだ。
写真は、15日午後に打合せを行なった東札幌の改修工事現場に仮置きされたハーフユニット浴槽。上がバスタブ、下が洗い場。搬入しやすく二分割されて取り付けを待っている。浴槽の色は、工事の背中を押す雪虫のように白いのだ。

水曜日, 10月 15, 2008

「千歳のエコハウス」現場打合せ


14日、夕方から千歳の現場で定例打合せを行なった。現場の小さな仮設事務所に到着した頃にはとっぷりと日が暮れていた。もうすでに現場には一人の職人さんも残っていない。だから今回は、現場では一度もブロック職人さん達とコンタクトしていない。腕自慢の彼らが精魂込めて積んだコンクリートブロックをはっきり見ることができないのが残念。せめてもと、フラッシュをつかって撮影。
いつも定例打合せに参加しているクライアントは、日々完成に向かってゆくさまを身近に感じられるということで満足そうです。来週初めには最後のコンクリート打設が予定されている。

水曜日, 10月 08, 2008

週報棚


この夏に屋根トラスの補強改修を終えた「小樽公園通教会」から、日曜集会のための週報をストックする「週報棚」という小さな家具の製作を依頼されていた。設計図を家具工場に渡してから10日ほどたっている。
7日午後、「山の手の家」の家具打合せを兼ねて、石狩市にある家具工場を訪ねた。家具はほぼ出来上がっていて、ちょうど塗装の最中だった。既存壁の羽目板の色に合わせている。古い建物の記念にと、改修時に撤去し保管していたきれっぱしが役立った。

木曜日, 10月 02, 2008

実現、10年の夢


先週末、「真駒内東町の家」がクライアントへ無事引き渡しされました。施工業者の入念な点検と詳細な取り扱い説明がひととおり終わり、やっと鍵を手にしたクライアントは私たちに感慨深くこう語りかけたのでした。「家を持とうと考えてから10年目でようやくこの日が訪れました。」夢が、10年来の夢が実現した一日でした。夢に立ち会うことのできた私も嬉しい。

水曜日, 9月 24, 2008

パッシブデザインのすすめ


先週19日、札幌市内のとある集まりで小玉祐一郎氏の話を伺う事ができた。初対面で印象に残ったのは、僕は原理主義者ではないので、という言葉だった。ものごしやわらかな語り口の中に、瑣末な原理原則にとらわれることなく目標に向かって前進してゆくという強い意思を感じた。
早速、近著「住まいの中の自然―パッシブデザインのすすめ」をセブンアンドワイで購入した。今日は、私が通う北星学園大学の図書館にも置いてもらえることになった。じっくり読むことにしよう。

月曜日, 9月 22, 2008

「千歳のエコハウス」配筋検査


午前中に2階床スラブ、梁の配筋検査のため千歳に向かった。300mm厚のフラットスラブに大小梁を分散させた自称「メタボスラブ」に床暖用のパイプが200mm毎に敷設されている。スラブの熱容量を適度に期待できるので、厚めのスラブに価値があります。
ぎっしり並んだオレンジ色の配管は酸素透過防止架橋ポリエチレン管。名称を確認するためgoogle検索したら、なんと自分のブログ「真駒内東町の家の配筋検査」が出てきたではないか。思わず笑ってしまいました。

木曜日, 9月 18, 2008

時間に耐える


今日の一番は、なんといってもイチロー選手のMLB史上2人目の8年連続200本安打だろう。時間に耐える不滅の記録というのがあればこのことをいうのだろうか。この記録が初めて達成された1901年は、時間に耐える建築を追及した建築家ルイス・カーンの生まれた年でもある。

というわけで、無垢石のスレート板を踏板に使っているエクセター図書館階段の写真。この建築家らしいディテールである。ピンボケ写真はお許しください。

水曜日, 9月 17, 2008

後期授業


きょうから、北星学園大学での後期授業が始まった。文学部心理応用コミュニケーション学科で空間コミュニケーションという授業を受け持っている。コミュニケーションという視点から建築空間をとらえ、暮らしに生かすのが目標。2003年に始めて今年で6年目。1コマ90分で週1×13週=のべ1170分の講義だ。1170÷60=19.5時間は私自身の学習時間でもあり、回を重ねるごとに奥行き深く興味が尽きない。

ともあれ、半年ぶりのキャンパスだ。キャンパスは、大先輩の建築家・上遠野徹さんの設計で、スケール感ある中庭を主要な講義棟や研究棟・図書館棟で囲まれた清潔感のあるたたずまいを見せている。温かい日差しを浴びて、芝生に寝転んでいる学生達の姿があった。社会人講座や社会人学生の受け容れも積極的に行なわれているようで、きょうは同年代の受講者とおぼしき方に教室の場所を尋ねられた。キャンパスはいつの時代も同じように自由な雰囲気が漂い誰でもが自分を見つけて元気になれる空間である。

月曜日, 9月 15, 2008

エコの現場


「千歳のエコハウス」は1階CB(コンクリートブロック)積が終わったところだ。現場から13日状況写真が届いていた。CB積で現場最大の敵は雨。幸い先週は天候に恵まれたため作業が順調に進んでいる。


70年代のドムス誌でニューヨーク・ファイブの建築家ジョン・ヘイダック(John Hejduk)が紹介された号があった。クーパーユニオンの白黒写真と共に、ヘイダック・ファブリケーションと題された色彩鮮やかなドローイングがあったように記憶している。建築の意味の多様性をテーマに、エコロジー、エゴイズム、エコノミー、エッグといった単語が語呂合わせのように並んでいた。当時、エコは建築を本質から考えるためのアンリアルな抽象であったのだろう。40年後の現在は、ヘイダックの語呂合わせに笑えないほど身近にエコが迫っている。

木曜日, 9月 11, 2008

給気の工夫


少し気が早いのだが、北海道の冬の話。それも住宅の換気計画の話です。私は、室内の空気を排出し新鮮空気を屋外から取り込む換気システムでは、熱移動が合理的な熱交換給排気システムが理想。ですが、予算の都合で断念。いつも単純に外壁に穴を開けて外部の新鮮空気を取り込み、各室の汚れた空気をダクトで一ヶ所に集めて高性能換気ユニットから屋外へ排気する「第三種換気」にたどり着くのです。第三種換気の難点は給気が冷気を取り込み、排気が暖気を連れ去るところ。まして給気口まわりに寒さを呼んでしまいかねない。だからせめて給気口を暖房ヒーター近くに置き、冷気を直接感じないよう余熱をしてから取り込むという、快適性への工夫をすることになる。
写真は、床まであるガラス面のコールドドラフトを抑える目的の温水ヒーター、PSのCチューブを床に埋め込んだすぐ横から給気を取っています。「真駒内東町の家」でのちょっと涙ぐましい工夫です。

月曜日, 9月 08, 2008

山の手ハウス#5


6日、山の手の現場で基礎配筋検査をおこなった。一般的な布基礎で縦横筋はD10鉄筋300ピッチ、横筋は上下主筋D13鉄筋の標準配筋。整然と間違いなく施工されている。
札幌の凍結深度は600mm。寒冷地の場合は基礎底を凍結深度以下とすることが法で定められている。寒冷地でなければ根入れ深さつまり基礎底の地面からの深さは240mmでよい。600/240=2.5、つまり札幌においては根入を2.5倍深くしなければならない。これは北国寒冷地特有のハンデキャップ、つまりよけいに費用がかかるのです。

日曜日, 9月 07, 2008

千歳エコハウスのCB


千歳の現場で、1階床スラブコンクリート打設が行なわれた。打設立会いのため、現場に向かう。この住宅はCB造すなわち補強コンクリートブロック造。
現場に今回使用するコンクリートブロック3種類のサンプルが用意されている。向かって右は普通ブロック、中央は横筋用ブロック、左端がコーナーブロックである。

金曜日, 9月 05, 2008

真駒内東町の家の姿


「真駒内東町の家」の外部足場が外されて姿が現れた。白いガルバリウム鋼板の外壁に対比する、コーナーの木ルーバーが印象的。塗装は、今回初めて使用したキャピタルペイント社の木材用水性塗料一回塗りだ。クライアント同様、私も今から数週間後の完成が待ち遠しいところ。
先週末、鬼頭梓氏の著作「建築家の自由」が目に留まって早速注文し、きのう本が届いた。さっそく拾い読み。あらためてクライアントや社会に真摯に向かい合った、プロフェッショナルな建築家人生を全うされた方なのだと思う。

火曜日, 9月 02, 2008

千歳のエコハウス(ecohouse in chitose)


千歳の家はNEDO(独立行政法人 新エネルギー産業技術総合開発機構)の国庫補助金を受けることが予定されている住宅なので、エコハウスと呼ぶことにしている。
これは、省エネ意識の向上や高効率エネルギーシステムの導入促進を目的とする、住宅ではあるが国の先導的システム支援事業。今年度は人気があって、昨年度の2倍以上の申し込みがあった。その数、全国で5000件ほど。つまり、5000軒超のエコハウスがあるというわけ。
今日は、現場での定例会議を兼ねて、地中梁コンクリート施工と基礎断熱施工の状況確認をおこなった。

土曜日, 8月 30, 2008

カーペンターセンターの手摺


施工図で最終チェックをする段階で、いろいろと考えを広げる楽しい時間がある。先日も手摺のことをあれこれ考えていた。時代を超えてなるほどと納得させられる先人の仕事には、おしゃれな誠実さがある。写真は、ル・コルビュジェ設計のカーペンターセンターの手摺。
元JIA会長の鬼頭梓さんが亡くなられた。レンガが印象的な作品を多く手がけた建築家で、ご自身設計の北品川の教会で葬儀が行われるという。数十年前、木造の旧教会堂を訪れたことがあった。当時、私の弟が竹中工務店の施工担当として現場常駐するというので、ひやかしに行った。後日現場が始まり、鬼頭さんが真っ赤なスポーツカーで現場にやってきて、十数メートルもある根切り底に下りて自ら地盤の確認をされた、と聞いてなるほどと思ったものだ。おしゃれで誠実な仕事をされた大先輩だ。ご冥福をお祈りします。

水曜日, 8月 27, 2008

遣り方


12月の竣工を目指して「山の手の家」の現場が始動した。この住宅は、木羽目板を外壁全面に張っている。構造は在来木造。
実はこのクライアント、現在JICA職員としてアフリカのボツワナに駐在している。設計中は、時差が相当あるので、夜中に施主の家族を経由して連絡を取ってもらった。インターネットで日本のサイトを検索してさまざまな情報を得るやいなや、アフリカから質問や要望が家族の許へそして私へ、FAXで送られてきた。
任務が終了し帰国するころには、待ちに待った住宅が完成しているはず。敷地に設けられた遣り方の水糸に赤とんぼが羽を休める。まもなく現場に活気があふれる。

火曜日, 8月 26, 2008

造作家具(handmade furniture)


石狩市にある家具工場へ行く。目的は、色あわせ。今回は、予算上の都合で市販のユニット家具を組み合わせて使用するため塗装色を市販品に合わせることにしていた。ところが市販品は、扉、箱、天板とそれぞれ色が微妙に違うのである。そのため急きょ工場に市販品を持ち込んで色あわせが必要になったというわけだ。
ついでに、いつも打合せをしてくれる担当者だけではなく工場製作や現場での取り付けをしてくれる職人さんたちの姿を見ておきたいとも思った。F☆☆☆☆(フォースター)のシナランバー合板でつくる比較的廉価な家具だが、こころをこめて丁寧に製作している。

金曜日, 8月 22, 2008

配筋検査


午前中「千歳の家」の基礎配筋検査をおこなうため、千歳に向かった。現場はJR千歳駅から徒歩で7~8分。今日の天気は快晴だ。Googleトランジットで検索したら、事務所から現場まで所要時間1時間47分(うち徒歩30分)だという。新千歳空港行きのエアポート便はおよそ15分間隔で動いているので、今回はJRを利用した。いつもは車のハンドルを握る手に今日はお茶のペットボトルがある。「千歳の家」はエコ住宅がコンセプト、なのに現場監理ではガソリン撒き散らして通う?と車窓の濃い緑の風景を眺めながらひとり上機嫌。ただし徒歩はホトホト疲れます。

水曜日, 8月 20, 2008

現場再開


こころなしか肌寒くも感じる20日、お盆休みもすでに明け私たちの現場も作業を再開している。「真駒内東町の家」では内装下地貼の作業をほぼ終え仕上げの準備に余念がない。写真は、地下「音楽室」から階段、玄関ホールを見たところ。この開口部は、石膏ボード両面二重貼し中空部をグラスウール充填した遮音壁で仕切る。データ上の遮音等級はD50程度。透過損失は1000Hzで60dB弱を予定。ただしこの程度の遮音レベルではドラム(騒音レベル100dBA)を目いっぱいたたくと家中大声で叫びあうような状態になるので要注意、しかし本格的な音楽スタジオではないとのクライアントの一言。すこし安心。

火曜日, 8月 12, 2008

千歳の家(house in chitose)


「千歳の家」の工事が始まった。早速きょうは杭の打設をおこなう。径250mmのRC杭、長さ5mと一部6mものを打設機で圧入する。いつもながら機械を操作するオペレーターの手際の良さは見ていて感心する。まさに職人技で、しっかりとした杭工事がおこなわれた。
「千歳の家」は補強コンクリートブロック造3階建て住宅である。外断熱を施し、暖房は空気熱源のヒートポンプによっている。屋上にソーラーパネルが設置され、太陽光発電をおこなう。私の事務所では初めての取り組みであり今後を楽しみにしている。